
「擬音とはどんな意味?」「擬音語や擬態語とは何が違うの?」「バタン、ドンドンのような言葉のこと?」と疑問に感じていませんか。擬音は日常で見聞きする言葉ですが、「擬音」と「擬音語」は同じものだと思われやすく、意味を正確に説明しようとすると迷いやすい言葉でもあります。
擬音は、基本的に映画や演劇、放送などで、本物の音に似せて人工的に作り出した音を意味します。一方、「バタン」「ザアザア」のように音を言葉で表現したものは擬音語です。
この記事では、擬音の意味と読み方を基本から整理し、擬音語・擬声語・擬態語・オノマトペとの違い、効果音との関係、具体例、英語表現、使い方までわかりやすく解説します。似た言葉を一つずつ比べながら、どの場面で「擬音」を使えばよいのかを確認していきましょう。
擬音
英語表記:sound effect/simulated sound
目次
擬音の意味とは?読み方・英語表記をわかりやすく解説

まずは、擬音という言葉そのものの意味を整理しましょう。ポイントは、「音を文字で表した言葉」ではなく、「本物らしく人工的に作った音」という点です。擬音語と混同しやすいため、最初にここを押さえておくと、その後の違いも理解しやすくなります。
擬音とは?意味を簡単にいうと「本物に似せて人工的に作る音」
擬音とは、映画・演劇・テレビ・ラジオなどで、実際に発生している音に似せて人工的に作り出す音のことです。
たとえば、作品の中で雨が降っている場面があっても、撮影現場で本当に雨が降っているとは限りません。別の素材や道具を使って雨音に似た音を作り、それを映像や演技に合わせることがあります。このように再現された音が擬音です。
- 本物の音に似せて人工的に作られた音
- 映画・演劇・テレビ・ラジオなどで使われる
- 場面を本物らしく感じさせる役割がある
- 「バタン」などの文字表現そのものを指す言葉ではない
漢字の「擬」には「似せる」「まねる」という意味があります。そのため「擬音」は、文字どおり何らかの音に似せた音と考えると覚えやすいでしょう。
擬音の英語は?sound effectとsimulated sound
擬音を英語で表す場合、実際の使用場面ではsound effectがもっとも理解されやすい表現です。映画やゲーム、舞台などで加えられる音という意味で広く使われます。
一方、「実際の音を人工的に再現した音」という意味を明確にしたい場合は、文脈によって「simulated sound」のように説明することもできます。
| 英語表現 | 意味・ニュアンス | 適した場面 |
|---|---|---|
| sound effect | 映像・舞台などに加える効果音 | 映画、ゲーム、テレビ、演劇 |
| simulated sound | 人工的に再現・模擬した音 | 擬音の仕組みを説明するとき |
| sound effects | 複数の効果音 | 音響制作全般を説明するとき |
なお、日本語の「擬音語」を英語で説明するときは「onomatopoeia」が使われます。擬音と擬音語では、対応する英語も異なるため注意しましょう。
擬音と効果音の違いは?実音・エフェクトとの関係
擬音と非常に近い言葉に「効果音」があります。両者は同じような意味で使われることがありますが、考え方には少し違いがあります。
擬音は「実際の音に似せて作った音」という点に重点があります。一方、効果音は、作品の演出効果を高めるために用いる音全般を指すことができます。
| 言葉 | 意味 | 具体例 |
|---|---|---|
| 擬音 | 本物の音に似せて人工的に作る音 | 道具を使って作った足音や雨音 |
| 効果音 | 場面の印象や演出を強めるために使う音 | 衝撃音、決定音、警告音など |
| 実音 | その場で実際に発生している音 | 本当に閉めたドアの音、実際の雷鳴 |
たとえば、映像の中でドアが閉まる場面に合わせ、別の場所で板を打ち合わせて「バタン」という音を作ったなら擬音と考えられます。対して、登場人物が驚いた瞬間に「ジャーン」という演出的な音を付ける場合は、効果音という捉え方が適しています。
擬音は「本物の音を再現する」という方向、効果音は「場面の効果を高める」という方向に重点があります。ただし実際の制作現場や日常会話では、両者を厳密に分けず使う場合もあります。
擬音の意味を深掘り|擬音語・擬声語・擬態語・オノマトペとの違い

「擬音」と検索すると、擬音語・擬声語・擬態語・オノマトペといった言葉も一緒に目にすることがあります。名前は似ていますが、それぞれ指しているものが異なります。特に「擬音」と「擬音語」の区別は重要です。
擬音と擬音語の違い|「音」そのものと「言葉」の違い
擬音と擬音語のもっとも大きな違いは、実際に聞こえる音なのか、音を表現する言葉なのかという点です。
たとえば、映画でドアが閉まる場面を考えてみましょう。スタッフが板などを使ってドアが閉まるような音を再現した場合、その「実際に鳴っている人工的な音」が擬音です。
一方、その音を文章で「バタン」と表した場合、「バタン」は擬音語になります。
| 言葉 | 何を指す? | 例 |
|---|---|---|
| 擬音 | 人工的に作り出した音そのもの | 板を打って再現したドアの音 |
| 擬音語 | 音を言語で表したもの | 「バタン」「ガシャン」「ザーザー」 |
「バタンという擬音が書いてある」という表現は日常的には通じますが、言葉の分類を厳密に説明するなら「バタンという擬音語」とするほうが明確です。
擬音語・擬声語・擬態語・オノマトペの違い
擬音語は、自然界の音や物音を言葉で表したものです。「ザーザー」「ガタン」「ドンドン」などが代表例です。
さらに細かく分類すると、人間や動物の声を表すものを「擬声語」と呼びます。「ワンワン」「ニャーニャー」「ゲラゲラ」などが当てはまります。
一方、擬態語は、実際には音が出ていない状態や動き、性質などを感覚的な音の形で表す言葉です。「キラキラ」「ふわふわ」「ぐっすり」などが代表的です。
| 分類 | 表すもの | 例 |
|---|---|---|
| 擬音語 | 自然の音・物音 | ザーザー、ガタン、ドンドン |
| 擬声語 | 人間や動物の声 | ワンワン、ニャーニャー、ゲラゲラ |
| 擬態語 | 音のない状態・様子 | キラキラ、ふわふわ、ぐっすり |
| オノマトペ | 擬音語や擬態語などの総称 | 上記の表現を広く含む |
国立国語研究所では、さらに細かな分類として、生物の状態や動きを表す「擬容語」、人の心理状態や感覚を表す「擬情語」という考え方も紹介されています。
たとえば「そわそわ」は実際の音ではなく、人の落ち着かない心理や様子を表します。具体的な使われ方は「そわそわする」の意味や使い方で詳しく整理しています。
- 本物に似せて作った「音」なら擬音
- 物音を「言葉」にしたものなら擬音語
- 人や動物の声を言葉にしたものなら擬声語
- 音のない状態や様子を表すなら擬態語
- これらの言語表現を広くまとめる言葉がオノマトペ
擬音の意味がわかる具体例|効果音の種類と作り方

擬音の意味は、実際の場面を思い浮かべるとさらに理解しやすくなります。映像や舞台では、本物の音をそのまま録音するより、別の物を使って似た音を作るほうが、場面に合った音を明瞭に表現できることがあります。
擬音の例一覧|映画・演劇・放送で使われる音
擬音には決まった一つの作り方があるわけではありません。表現したい音に似た響きを持つ物を探し、場面に合わせて音量やタイミングを調整します。
| 表現したい音 | 擬音の考え方 | 擬音語で表す場合 |
|---|---|---|
| 足音 | 靴や床材を使って歩く音を再現する | コツコツ、ザッザッ |
| ドアが閉まる音 | 板などを打ち合わせて衝撃音を作る | バタン |
| 雨音 | 細かな物が連続して当たる音を利用する | ザーザー、パラパラ |
| 物が壊れる音 | 安全な素材を使って破砕音を再現する | ガシャン、バリバリ |
| 衣服がこすれる音 | 布を動かして動作に合わせる | サッ、シュッ |
ここでも、「ザーザー」という言葉自体は擬音ではなく擬音語です。「雨が降っているように人工的に作った音」が擬音であり、その聞こえ方を「ザーザー」と文字で表したものが擬音語になります。
同じ表現が音と状態の両方を表すケースもあります。たとえば「バラバラ」は、物が当たる音を表す場合と、物が散らばった状態を表す場合があります。詳しい使い分けはバラバラの意味や使い方でも確認できます。
擬音の作り方|身近な物で音を再現する考え方
擬音を作るときに重要なのは、実際の物をそのまま用意することではありません。聞いた人が「その場で鳴っている音だ」と感じられることが大切です。
たとえば映像に足音を付ける場合、画面に映っている人物が歩いたときの音をそのまま使えるとは限りません。録音環境によっては足音が小さかったり、周囲の雑音に埋もれたりするためです。その場合、後から人物の歩き方や床の材質に合わせて音を作り、映像と合わせます。
擬音を作るときの基本的な考え方
- 何の音を再現するのかを明確にする
- 似た響きが出る素材や道具を探す
- 動きと音が合うようにタイミングを調整する
- 強さ・距離・速さに合わせて音を変える
- 必要に応じて複数の音を組み合わせる
実際の音と完全に同じである必要はありません。むしろ、映像や舞台では少し強調された音のほうが、観客に状況が伝わりやすい場合もあります。
家庭で擬音を試す場合でも、ガラスを割る、硬い物を強く打ち付けるなど危険を伴う方法は避けましょう。安全な素材で似た響きを探すことが基本です。
擬音の意味と使い方|例文・類語・注意点まで整理

最後に、実際の文章の中で「擬音」という言葉をどう使えばよいのか確認します。「擬音を鳴らす」「擬音を作る」「擬音を入れる」「擬音で再現する」など、音そのものを指して使うのが基本です。
擬音の使い方と例文
擬音は名詞として使われます。映画・舞台・テレビ番組など、音を人工的に作ったり追加したりする場面と相性のよい言葉です。
- 雨の場面に合わせて、スタジオで擬音を作った。
- 舞台袖から雷の擬音を鳴らす。
- 足音の擬音を映像の動きに合わせる。
- 本物の音だと思っていたが、実は後から加えた擬音だった。
- 身近な道具を使い、波が打ち寄せるような擬音を再現した。
これに対して、「漫画に『ドカーン』という擬音を書く」のような場合は、厳密には「擬音語を書く」と表現したほうが意味が明確になります。
擬音の類語・言い換え・対義的な言葉
擬音に近い言葉としては、「効果音」「音響効果」「エフェクト」などがあります。ただし、それぞれ意味の範囲が完全に同じというわけではありません。
| 言葉 | 意味 | 擬音との関係 |
|---|---|---|
| 効果音 | 演出効果を高めるために使う音 | 擬音を含む場合がある |
| 音響効果 | 音によって場面や作品を演出すること | より広い概念 |
| エフェクト | 音や映像に加える効果 | 文脈によって効果音を指す |
| 実音 | その場で実際に鳴っている音 | 擬音と対比して使われる |
特に覚えておきたいのは「実音」です。本当にドアを閉めたときにその場で録音された音は実音、本物とは別の方法で似せて作った音は擬音というように対比できます。
擬音の意味を正しく使い分けるまとめ
擬音とは、映画・演劇・放送などで、実際の音に似せて人工的に作り出した音を意味します。
もっとも混同しやすいのが「擬音語」です。擬音は「音そのもの」、擬音語は「音を言葉として表現したもの」と区別すると、意味を簡単に整理できます。
- 読み方は「ぎおん」
- 本物の音に似せて人工的に作った音を指す
- 英語ではsound effectなどで表現できる
- 「バタン」「ザーザー」などの文字表現は擬音語
- 擬声語は人や動物の声を表す言葉
- 擬態語は音のない状態や様子を表す言葉
- 擬音語や擬態語などを広くまとめた呼び方がオノマトペ
- 効果音は演出に用いる音をより広く指す
「バタン」という文字を見たときは擬音語、映画の中で本物らしく作られた「バタン」という音を聞いたときは擬音、と考えると違いがつかみやすくなります。似た言葉を音・声・状態・言葉のどれを指しているのかで整理すると、迷わず使い分けられるでしょう。
【参考文献】
- 国立国語研究所「日本語を楽しもう!擬音語って?擬態語って?」
- 国立国語研究所「『擬音語・擬態語』にはどんな種類がある?」
- 国立国語研究所「擬音語・擬態語の語形の特徴は?」
- 国立国語研究所 ことば研究館「日本語 オノマトペの組み立て」
- 国立国会図書館サーチ『日本語オノマトペ辞典―擬音語・擬態語4500』

