「虎視眈々(こしたんたん)」の意味は?使い方や類義語・英語表記・例文まとめ
「虎視眈々(こしたんたん)」の意味は?使い方や類義語・英語表記・例文まとめ

「虎視眈々の意味や使い方が知りたい」「ビジネスで虎視眈々を使っても大丈夫?」「虎視眈々の読み方や語源、類義語・対義語、英語表現や例文まで一度に整理したい」....そんなお悩みから、このページにたどり着いた方が多いのではないでしょうか。

四字熟語の中でも虎視眈々は、ニュースやビジネスシーン、スポーツ解説などで頻繁に登場する一方で、なんとなく雰囲気だけで使われていることも多い表現です。そのため「本来の意味」「正しい使い方」「似た言葉との違い」「ポジティブな場面でも使っていいのか」「英語ではどう表現するのか」といった細かいポイントで迷いやすい言葉でもあります。

この記事では、虎視眈々の意味と使い方を中心に、語源や由来、類義語・対義語、言い換え表現、ビジネスでの使いどころ、英語表現や具体的な日本語・英語の例文までをまとめて解説していきます。虎視眈々という言葉をきちんと理解しておくと、文章表現の幅が一気に広がり、場面に応じた適切な言い回しがしやすくなります。

この記事を読んでわかること
  1. 虎視眈々の基本的な意味とニュアンスの違いを理解できる
  2. 日常会話やビジネスシーンでの虎視眈々の具体的な使い方がわかる
  3. 虎視眈々の語源・類義語・対義語・言い換え表現を整理できる
  4. 虎視眈々に近い英語表現と日本語・英語の例文を使い分けられるようになる

「虎視眈々(こしたんたん)」とは?

まずは、虎視眈々という四字熟語の基本から押さえていきます。読み方・意味・イメージをしっかり整理しておくことで、その後の使い方や類義語との違いも理解しやすくなります。虎視眈々は、単に「じっと見ている」というよりも、「狙いを定めて好機を待つ」ニュアンスが強い表現です。

結論:「虎視眈々」の意味を簡単に言うと

結論から言うと、虎視眈々とは「チャンスが来るのを逃さないように、油断なく狙い続けている様子」を表す四字熟語です。

イメージとしては、虎が獲物を前にして、一気に飛びかかるタイミングを冷静に見極めている状態です。ただ目を光らせているだけではなく、

  • 目的や獲物がはっきりしている
  • 今は動かず、あえて機会を待っている
  • いつでも動けるように準備を整えている

という、「静かに・しかし確実に狙いを定めている」というニュアンスが含まれます。

POINT

一言でまとめると、虎視眈々=「有利なタイミングを逃さず狙う姿勢」と覚えておくと、意味を取り違えにくくなります。

「虎視眈々」の意味を詳しく解説

虎視眈々という四字熟語は、前半の「虎視」と後半の「眈々」それぞれに意味があります。

「虎視」=虎が鋭い目つきで周囲を見渡すこと

「虎視」は、文字どおり「虎の視線」という意味です。虎が獲物や周囲の状況を、鋭く・注意深く・油断なく見つめている様子を表します。

ここには、単なる観察ではなく、「いつでも飛びかかれるように狙いを定めている」というニュアンスが含まれています。

「眈々」=じっと狙い続けるさま

「眈々」は、「にらむ・見下ろす」という意味を持つ漢字「眈」を重ねた表現で、「執ように・長く・じっと狙い続ける様子」を表します。

この「眈々」のおかげで、虎視眈々は単なる一瞬の鋭い視線ではなく、「時間をかけて機会を待ち続ける」という長期的なニュアンスを帯びます。

全体としてのニュアンス

これらを踏まえると、虎視眈々は次のような状況を指します。

  • 有利なタイミングが来るまで、あえて動かず待ち構えている
  • チャンスが訪れた瞬間に、一気に行動する準備ができている
  • ライバルや相手の隙を冷静に見極めている

そのため、ビジネスの世界では「次のポジションを虎視眈々と狙う」「新規市場への参入機会を虎視眈々と伺う」といった使い方がよく見られます。

MEMO

似たイメージの四字熟語として、「鵜の目鷹の目」がありますが、こちらは「今まさに鋭い目つきで探している」ニュアンスが強く、虎視眈々ほど「静かに待つ」「機会をうかがう」という要素は強くありません。

「虎視眈々」はどんな時に使用する?

虎視眈々は、ビジネス・スポーツ・政治・日常会話まで幅広い場面で使える表現です。ただし、やや硬い印象があるため、文章やニュース解説・スピーチなど、きちんとした場面で用いられることが多いです。

ビジネスシーンでの使い方

  • ライバル企業が、新たな市場参入のタイミングを伺っている
  • 社内で昇進やポストの空きを狙っている人がいる
  • 競合他社の失敗やトラブルの後を狙っている

例)「競合他社は、我が社の業績悪化を虎視眈々と狙っています。」

スポーツ・ゲームでの使い方

  • 守備的に試合を進めながら、カウンターのチャンスを狙うチーム
  • 終盤の逆転を視野に入れて温存している選手

例)「後半に入り、チームは虎視眈々と反撃の機会をうかがっている。」

日常会話での使い方

日常会話でも、「次のチャンスを狙っている」「相手の隙をうかがっている」といった意味で使うことができます。

  • 「彼は次のプロジェクトリーダーの座を虎視眈々と狙っているね。」
  • 「値下げのタイミングを虎視眈々と待ってから購入した。」
CAUTIONT

虎視眈々には、「隙があれば付け入ろうとしている」という、やや攻めのニュアンスが含まれます。褒め言葉というよりは、「油断ならない」「侮れない」という、少し警戒を含んだ評価になる点に注意しましょう。

「虎視眈々」の語源は?

虎視眈々の語源は、古代中国の経典『易経(えききょう)』とされています。『易経』の一節に「虎視眈々、其ノ欲遂タレバ咎无シ」という言葉があり、ここから派生した四字熟語です。

『易経』との関係

『易経』は、古くから占いや政治・人生哲学の指針として用いられてきた書物で、さまざまな比喩や象徴が用いられています。その中で「虎視眈々」は、

  • 虎のように鋭く周囲を見渡し
  • 欲望に溺れるのではなく、冷静に機会を待てば
  • 結果として咎められることはない

という教えの一部として登場します。

誤表記「虎視耽々」に注意

よくある誤りが、「虎視耽々(こしたんたん)」という誤表記です。「耽」は「何かにふける」「夢中になる」という意味で、「じっと機会をうかがう」という虎視眈々とは別の字です。

CAUTIONT

ビジネス文書や資料では、必ず「虎視眈々」と正しい漢字で書くようにしましょう。誤字は、読み手に「細かいところで注意が行き届いていない」という印象を与えてしまいます。

「虎視眈々」の類義語や対義語は?

虎視眈々の類義語・対義語を整理しておくと、場面に応じた言い換えがしやすくなります。言葉のニュアンスの違いを丁寧に比較する考え方は、「記す」と「印す」の違いを解説した記事でも詳しく扱っているので、あわせて参考にしてみてください。

区分表現ニュアンス
類義語鵜の目鷹の目鋭い目つきで探し回ること。探す動作そのものが前面に出る
類義語目を光らせる厳しく監視する・見張ること。警戒心の強さが強調される
類義語野心満々/臥薪嘗胆強い野心や復讐心を持ち、チャンスを狙っている様子
類義語雌伏する/息をひそめる表に出ず、力を蓄えながら機会を待つ様子
対義語無欲/無関心そもそも狙う対象に興味がない、執着がない状態
対義語行き当たりばったり計画や狙いがなく、その場しのぎで動いてしまう様子
対義語のんびり構えるチャンスを急いで狙わず、ゆったり構えている様子

このように、虎視眈々は「狙いは明確だが、あえて動かず機会をうかがう」という点が大きな特徴です。同じ四字熟語どうしを比較したい方は、「福徳円満」と「円満具足」の違いを解説した記事も、ニュアンスの捉え方という意味で参考になるはずです。

「虎視眈々(こしたんたん)」の英語表現

ここからは、虎視眈々に近い英語表現を見ていきます。四字熟語をそのまま一語でぴったり言い換えられる英単語は少ないため、状況に応じてフレーズを選ぶのがポイントです。

「虎視眈々」を英語で表すと?

虎視眈々は、次のような英語フレーズで表現することが多いです。

  • watch vigilantly for an opportunity / a chance(機会を逃さないように用心深くうかがう)
  • watch vigilantly for a chance(機会を注意深く待つ)
  • bide one’s time(好機が来るまでじっと待つ)
  • cast covetous eyes on 〜(〜に物欲しげな視線を向ける)
  • aim for 〜 / aim to do(〜を狙う/〜しようと狙う)
  • be eager to do(〜しようと強く望む)

たとえば、

  • He is watching vigilantly for an opportunity to expand his business.
  • They are quietly biding their time before entering the market.

といった形で使えば、「ビジネスチャンスを虎視眈々と狙っている」というニュアンスを自然な英語で表現できます。

MEMO

英語表現の細かな違いに興味があれば、動詞とその派生形の違いを整理した「recommend」と「recommended」の違いを解説した記事も、ニュアンスの捉え方の練習として役立ちます。

「虎視眈々」の英語例文の実例と和訳

ここでは、先ほどのフレーズを使った英語例文と和訳をまとめます。

英語例文和訳ニュアンス
He is watching vigilantly for an opportunity to get promoted.彼は昇進の機会を虎視眈々と狙っている。昇進のチャンスが来るのを油断なく見守っている
The company is biding its time before entering the Japanese market.その会社は日本市場に参入する好機を虎視眈々と待っている。今は動かず、最適なタイミングを慎重に待っている
Our rivals cast covetous eyes on our core technology.ライバル企業は、当社の中核技術を虎視眈々と狙っている。「欲しそうな目」を向けて狙っているイメージ
She aims to become the next CEO and is preparing quietly.彼女は次期CEOの座を虎視眈々と狙い、静かに準備を進めている。具体的な目標に向かって狙う・準備するイメージ

このように、虎視眈々を英訳するときは、「狙っている対象」「どのように狙っているのか」を意識しながらフレーズを選ぶと、自然な英語になります。

「虎視眈々(こしたんたん)」の正しい使い方

次に、日本語としての虎視眈々の具体的な使い方を、例文とともに整理していきます。ビジネスメール・スピーチ・日常会話など、それぞれの場面をイメージしながら読んでみてください。

「虎視眈々」の例文

ここでは、シーン別に虎視眈々の例文を紹介します。

ビジネスシーンの例文

  • ライバル企業は、我が社の新製品の売れ行きを虎視眈々と見守っている。
  • 彼は次期プロジェクトマネージャーのポジションを虎視眈々と狙っている。
  • 投資家たちは、市場の混乱が落ち着くタイミングを虎視眈々と待っている。

スポーツ・ゲームの例文

  • チームは守備を固めながら、カウンターの好機を虎視眈々と狙っている。
  • エースは、相手投手の疲れが見えるまで虎視眈々と打席の機会をうかがっていた。
  • 控え選手たちは、出場機会を虎視眈々と待ち続けている。

日常会話・ニュースの例文

  • 彼は、長年あこがれていた物件が売りに出るのを虎視眈々と待っていた。
  • 新規参入を狙う企業が、この業界の隙を虎視眈々と探っている。
  • 周辺国は、政権交代の混乱に乗じる機会を虎視眈々と狙っていると報じられた。
POINT

どの例文にも共通しているのは、「すでに狙っている対象がある」ことと、「今すぐではなく、好機を待っている」ことです。単に「じっと見ている」だけでは、虎視眈々とは言えません。

「虎視眈々」の間違いやすい使い方

虎視眈々は便利な表現ですが、間違いやすいポイントもいくつかあります。代表的なものを押さえておきましょう。

① 誤字・誤表記:「虎視耽々」「虎視淡々」など

先ほども触れたように、もっとも多いのが漢字の誤りです。

  • 誤り:虎視耽々、虎視耽耽
  • 誤り:虎視淡々
  • 正しい表記:虎視眈々

とくにビジネスメールや公式資料、執筆記事では、変換任せにせず一度目で確認する習慣をつけておくと安心です。

② ニュアンスの取り違え:「ただ見守るだけ」の意味ではない

虎視眈々は、「じっと見守る」「静かに応援する」といったニュアンスで使われてしまうことがありますが、これは本来の意味とは異なります。

CAUTIONT

虎視眈々には、「好機が来たら一気に行動する」「隙があれば付け入ろうとする」という、やや攻めのニュアンスが含まれます。そのため、お祝い・応援のメッセージなど、柔らかい印象を出したい場面では別の表現に言い換えた方が無難です。

たとえば、

  • ×「親として、子どもの成長を虎視眈々と見守っています。」

という表現は、「機会があれば口を出そうと狙っている」ような、少し怖い印象になってしまいます。この場合は、

  • ◯「親として、子どもの成長を温かく見守っています。」

などの表現に言い換える方が自然です。

③ 使いすぎによる文章の硬さ

虎視眈々は便利な四字熟語ですが、文章中に多用しすぎると、かえって大げさ・芝居がかった印象になります。特に、カジュアルなメールやチャットでは、「じっと機会を待つ」「慎重に様子を見る」など、平易な日本語に言い換える方が、読み手にとってストレスのない文章になることが多いです。

まとめ:「虎視眈々(こしたんたん)」の意味を解説!使い方や類義語・英語表記・例文

最後に、この記事で解説してきた虎視眈々のポイントを整理しておきます。

  • 虎視眈々とは「機会が来るのを油断なく狙い続けている様子」を表す四字熟語で、虎が獲物を狙う姿が語源になっている
  • ビジネス・スポーツ・政治・日常会話などで、「動かずにチャンスを狙っている」状況を表すのに適している
  • 類義語には「鵜の目鷹の目」「目を光らせる」「雌伏する」など、対義語には「無欲」「無関心」「のんびり構える」などがある
  • 英語では「watch vigilantly for an opportunity」「bide one’s time」などのフレーズを使って、状況に応じて虎視眈々のニュアンスを表現できる

虎視眈々は、「ただ待つ」のではなく、「狙いを定めて準備を整えながら待つ」姿勢を表す言葉です。大切なのは、「何を」「どのように」狙っているのかを意識して使うこと。意味・語源・類義語・英語表現まで押さえておけば、場面に応じて自然に使い分けられるようになります。

なお、この記事で紹介した内容は、一般的に用いられている用法や辞書的な解釈に基づいた「目安」であり、文脈によって若干ニュアンスが変化することもあります。正確な情報が必要な場合は、国語辞典や公式な資料もあわせてご確認ください。また、日本語表現や英語表現をビジネスで用いる際には、最終的な判断を行う前に、専門家や校正者などの意見を参考にすることをおすすめします。

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