「この期に及んで」と「今更」の違い|意味・使い方・例文
「この期に及んで」と「今更」の違い|意味・使い方・例文

「この期に及んで」と「今更」は、どちらも“タイミングが遅い”ニュアンスを含むため、会話や文章で迷いやすい言葉です。

「この期に及んで今更違い意味」で検索している方の多くは、意味の違いだけでなく、使い分けのコツ、ニュアンスの差、ビジネスメールで失礼にならない言い方、言い換え表現、例文、語源、類語や対義語、英語表現までまとめて整理したいはずです。

この記事では、「この期に及んで」と「今更」を“誤解されにくい日本語”として使いこなすための考え方を、具体例とともに丁寧に解説します。

  1. この期に及んでと今更の意味の違いが一言で説明できる
  2. 場面別に失礼になりにくい使い分けが分かる
  3. 言い換え・類義語・対義語・英語表現まで整理できる
  4. そのまま使える例文で自然な文の作り方が身につく

この期に及んでと今更の違い

まずは結論から、「この期に及んで」と「今更」の違いを最短で整理します。どちらも“遅い”を表しますが、遅さの種類(切迫感の有無)と、話し手の感情(叱責・あきれ・恐縮)の出方が変わります。

結論:この期に及んでと今更の意味の違い

私の結論はシンプルです。

表現 コアの意味 ニュアンス よく出る感情
この期に及んで いよいよ大事な局面なのに、なお 切迫感・最終局面・もう後がない あきれ、叱責、強い驚き
今更 今になって、今頃になって 手遅れ感・遅すぎる・改めて 呆れ、照れ、恐縮(丁寧にするとき)

つまり、「この期に及んで」は“局面の重大さ”が前面に出る一方で、「今更」は“時間的な遅さ”を広く表せる、という違いです。

  • 締切直前・試験前日・発表直前など、差し迫った局面なら「この期に及んで」
  • 話題の蒸し返し・確認・再質問など、今になってなら「今更」

この期に及んでと今更の使い分けの違い

使い分けは、次の2軸で考えると迷いが減ります。

  • 切迫度:いま目の前で結果が決まりそうか(期限・勝負どころ・最終局面か)
  • 意図:責めたいのか/驚いているのか/丁寧に言い出したいのか

例えば、同じ「遅い」でも、締切直前に言い訳する人へは「この期に及んでまだ言い訳?」が自然です。一方、会議が始まってから仕様を確認したいなら「今更ですが、念のため確認します」が角が立ちにくい言い方になります。

  • 「この期に及んで」は叱責や強いあきれが出やすく、相手を選ばないとトゲになる
  • 「今更」は便利ですが、言い方次第で「遅い」「準備不足」と受け取られることがある
  • 正確な意味や用例の確認が必要な場合は辞書など公式性の高い情報をご確認ください
  • ビジネス上の判断(謝罪・交渉・契約)に関わる文面は、最終的な判断を専門家にご相談ください

この期に及んでと今更の英語表現の違い

英語は、日本語ほど「慣用句としての切迫感」を固定表現で一発変換しにくいので、場面に応じて組み立てます。

  • この期に及んで:at this late stage / at the last minute / even now
  • 今更:now / at this point / by now / too late

「この期に及んで」は、stage(段階)last minute(直前)で“局面”を出すと、ニュアンスが近づきます。「今更」は、単に“今になって”の時間軸だけで成立するので、at this pointなどで柔らかく言い換え可能です。

この期に及んでとは?

ここからは、それぞれの言葉を単体で理解していきます。まずは「この期に及んで」。意味をつかむコツは、「期=大事な時期(局面)」という感覚です。

この期に及んでの意味や定義

「この期に及んで」は、いよいよ物事が決まる・差し迫った段階になっているのに、それでもなおという意味を表す慣用的な言い回しです。

ポイントは、ただ“遅い”ではなく、遅さが「勝負どころ」「土壇場」「最終局面」と結びつくこと。だから、言い訳や態度の変更、急な方針転換などに対して、驚き・あきれ・責める気持ちが乗りやすくなります。

この期に及んではどんな時に使用する?

私が「この期に及んで」を使う(あるいは目にする)のは、だいたい次のような場面です。

  • 締切や期日が目の前で、もう修正の余地がほとんどない
  • 試験・面接・本番が目前で、準備不足を嘆く/焦る
  • 明らかな状況証拠があるのに、まだ否定する
  • 最後の最後で要件変更や追加依頼を出す(謝罪とセットになりやすい)

相手を叱る文脈でも使えますが、ビジネスでは「この期に及んで大変申し訳ありませんが」のように、こちらの不手際を認めて頭を下げる用途でも使われます。ここが「きつい言葉」一辺倒ではない面白さです。

この期に及んでの語源は?

「期」は“時期・期限・区切り”を表す漢字で、ここでは物事の重要な局面を指します。そこに「及ぶ(到達する)」が付くことで、“その局面にまで来てしまった”という含みが生まれます。

つまり、「この期に及んで」は直訳すると、“この大事な段階にまで至って(なお)”。時間的な遅さというより、局面としての遅さ(もう後がない)を強く感じさせる形です。

この期に及んでの類義語と対義語は?

「この期に及んで」の近い言い方は、切迫感を保てるものが中心になります。

類義語(近い意味)

  • 土壇場になって
  • この段階になって
  • 今になって(文脈によっては今更に寄る)
  • 最後の最後で
  • いよいよという時に

対義語(反対のニュアンス)

  • 早い段階で
  • 前もって
  • 事前に
  • 余裕をもって

対義語は「反対の単語」があるというより、“切迫していない状態”を示す言い回しで捉えると整理しやすいです。

今更とは?

次は「今更」です。「今更」は使用範囲が広く、日常会話からビジネスまで登場します。だからこそ、丁寧に言い換える選択肢も一緒に持っておくと安心です。

今更の意味を詳しく

「今更」は基本的に、今になって(今頃になって)という意味で使われます。状況によっては、“遅すぎる”“手遅れだ”という気持ちが含まれますし、別の用法として“今改めて(いま新しく)”という意味でも使われます。

同じ「今更」でも、次の2タイプがあると理解すると分かりやすいです。

  • 手遅れタイプ:今更言っても遅い、今更やっても間に合わない
  • 改めてタイプ:今更ですが確認します、今更言うまでもない

今更を使うシチュエーションは?

「今更」が活躍するのは、ざっくり次のような場面です。

  • 終わった話題を持ち出す(蒸し返し・再確認)
  • 聞くのが遅れてしまった質問を切り出す
  • もう間に合わない/無意味だと判断する
  • 改めて注意するまでもない、と前置きする

ビジネスでは、「今更ですが」を単独で置くと、相手によっては「遅いよ」と受け取られやすいことがあります。私は、角を取るなら「恐れ入りますが」「念のため」「差し支えなければ」などを併用するのがおすすめです。

今更の言葉の由来は?

「今更」は、文字どおり今+更(さらに、改めて)の組み合わせです。「更」には“改める/新たにする”の感覚があり、そこから「今になって改めて」という意味合いが生まれます。

この“改めて”の感覚があるため、「今更言うまでもない」のように、手遅れというより念押し・再提示で使えるのが「今更」の便利な点です。

今更の類語・同義語や対義語

類語・同義語(言い換え候補)

  • 今になって
  • 今頃になって
  • 今となっては
  • この段になって
  • 改めて

対義語(反対のニュアンス)

  • 早くから
  • 前々から
  • 事前に
  • あらかじめ

なお、「今更」の対義語も一語で対になるというより、“前もってやっている状態”を表す表現が並ぶイメージです。

この期に及んでの正しい使い方を詳しく

「この期に及んで」は、強い言葉に見えるぶん、使うと文章全体の温度が上がります。ここでは、例文とともに、誤解されにくい使い方の“型”を作っていきましょう。

この期に及んでの例文5選

  • 締切まであと1時間なのに、この期に及んでまだ仕様が固まっていない
  • 本番前日になって、この期に及んで練習方法を変えるのはリスクが高い
  • 証拠がそろっているのに、この期に及んで否定し続けるのは無理がある
  • この期に及んで大変申し訳ありませんが、資料の差し替えをお願いできますでしょうか
  • 合否発表の直前に、この期に及んで「やっぱり別の道にする」と言い出した

この期に及んでの言い換え可能なフレーズ

強さを調整したいときは、次の言い換えが役立ちます。

  • 土壇場になって
  • この段階になって
  • 最後の最後で
  • いよいよという時に
  • 今になって(切迫感が弱まる)

叱責の色を薄めたいなら、「この期に及んで」よりも「この段階になって」が無難です。逆に、局面の重大さを強調したいなら「土壇場になって」が近い温度感になります。

この期に及んでの正しい使い方のポイント

私は次の3点を意識しています。

  • 局面が“差し迫っている”ことを文脈で示す(締切・本番・最終判断など)
  • 相手を責めるなら、言い切りよりも理由を添えて納得可能性を作る
  • 依頼・謝罪に使う場合は、詫び+代替案(リカバリー策)をセットにする

特にビジネスでは、「この期に及んで申し訳ありません」で止めず、何をどう対応するかまで書くほうが信頼につながります。

この期に及んでの間違いやすい表現

よくあるのは、次の2パターンです。

  • 切迫していないのに使う:まだ余裕がある段階だと大げさに聞こえる
  • 責める意図がないのに使う:相手が叱られたと受け取ってしまう

「遅い」を言いたいだけなら「今更」のほうが自然なことも多いです。“局面の重大さ”があるかで最終チェックしてみてください。

今更を正しく使うために

「今更」は便利な反面、言い方によっては相手に“責め”が伝わることがあります。ここでは、会話でもメールでも使える安全運転の型を整理します。

今更の例文5選

  • 今更そんなことを言われても、もう予定を変えられない
  • 今更だけど、当日の集合場所をもう一度確認してもいい?
  • 今更言うまでもないけれど、約束は守ろう
  • 今更ですが、念のため資料の最新版はどれか教えてください
  • 今更新しいやり方に変えるより、まず今の方法をやり切ろう

今更を言い換えてみると

「今更」をそのまま言うのが気になるときは、次の言い換えが便利です。

  • 恐れ入りますが、念のため
  • 差し支えなければ、改めて
  • 今になって(少し説明調)
  • 今となっては(結論・振り返りに向く)
  • 遅ればせながら(丁寧で柔らかい)

ビジネスで特に相性がいいのは、「恐れ入りますが、念のため」「遅ればせながら」です。「今更」を使うより角が立ちにくく、相手への配慮が伝わります。

今更を正しく使う方法

私が実務で意識しているのは、次の“ワンクッション”です。

  • 質問・確認のときは、配慮語(恐れ入りますが/念のため/差し支えなければ)を添える
  • 手遅れを言うときは、代案次の一手をセットにして建設的にする
  • 責める文脈では、事実→影響→提案の順で言い、感情の圧を下げる

「今更そんなことを…」で止めるより、「今更変えるのは難しいので、今回はA案で進め、次回B案を検討しましょう」と言えたほうが、会話が前に進みます。

今更の間違った使い方

次の使い方は、誤解や摩擦が起きやすいので注意です。

  • 相手の努力を否定する言い方:「今更頑張っても無駄」など、人格否定に寄りやすい
  • 確認の前置きにして相手を責める:「今更ですが、なんでできてないんですか?」のように攻撃性が出る
  • 曖昧なまま投げる:「今更だけど…」で終わってしまい、要件が伝わらない

相手に配慮したい場面ほど、「今更」を使うなら目的(確認したい点)を明確にして、短く切り出すのがコツです。

まとめ:この期に及んでと今更の違いと意味・使い方の例文

最後に要点をまとめます。

  • この期に及んでは、差し迫った最終局面なのにという切迫感が強く、叱責やあきれが出やすい
  • 今更は、今になって・今頃になってを幅広く表せ、手遅れ/改めての両方で使える
  • 英語は固定の一語変換が難しいため、この期に及んではat this late stage、今更はat this pointなど文脈で組み立てる
  • ビジネスでは、今更は配慮語とセット、この期に及んでは謝罪+リカバリー策まで書くと誤解されにくい

言葉は意味だけでなく、“どう聞こえるか”が大切です。迷ったら、「局面が差し迫っているか(この期に及んで)」と、「今になって持ち出しているだけか(今更)」の2点で判断してみてください。

なお、用例や語義の最終確認は、辞書など公式性の高い情報をご確認ください。ビジネス上の重要な文面や判断に関わる場合は、最終的な判断を専門家にご相談ください。

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