
「次第です」と「所存です」は、どちらもビジネスメールや挨拶文でよく見かける丁寧表現ですが、いざ自分で書こうとすると「意味の違いは?」「使い分けは?」「敬語として失礼にならない?」と迷いやすい言葉です。
特に「次第ですの意味」「所存ですの意味」「次第ですと所存ですの違い」「使い方」「例文」「言い換え」「類義語」「対義語」「語源」「英語表現」といった関連キーワードで調べている方は、文章の結びをどちらにするかで印象が変わるのでは、と不安を感じているはずです。
この記事では、私が実務の文章でどう判断しているかを軸に、「次第です」と「所存です」を最短で使い分けられるように整理します。読み終えたころには、謝罪・報告・依頼・挨拶など、場面ごとに自然な結びが選べるようになります。
- 次第ですと所存ですの意味の違いと結論
- ビジネスでの使い分けと失礼にならないコツ
- 英語表現にした場合のニュアンス差
- すぐ使える例文と言い換えフレーズ
次第ですと所存ですの違い
ここではまず、読者の「結局どっちを使えばいいの?」を最短で解決します。意味の核・使い分けの判断軸・英語にしたときの近い表現まで、全体像を先に押さえましょう。
結論:次第ですと所存ですの意味の違い
結論から言うと、両者の違いはとてもシンプルです。
・所存です:意思・決意・考え(主観寄り)を改まって示す結び
私はこの2語を、「過去〜現在の事情の説明=次第です」「これからの決意表明=所存です」でまず切り分けています。文章の最後が決まると、途中の文の組み立てもスムーズになります。
| 観点 | 次第です | 所存です |
|---|---|---|
| 意味の中心 | 理由・事情・いきさつ | 意思・決意・考え |
| 時間軸 | 過去〜現在の説明に強い | 現在〜未来の表明に強い |
| 文章の役割 | 報告・謝罪・連絡の「なぜ」を丁寧にする | 挨拶・抱負・改善の「どうする」を丁寧にする |
| 相性の良い前置き | 「〜のため」「〜につき」など事情の提示 | 「今後は」「引き続き」など方針の提示 |
・「〜する所存です(=〜するつもりです)」は改まった決意表明として安定
次第ですと所存ですの使い分けの違い
使い分けで迷ったとき、私は次の3ステップで判断しています。
- 相手が知りたいのは理由か、決意か(説明責任を果たす文章なら次第です)
- 文末が「過去の行動の報告」か「今後の方針」か(未来の宣言なら所存です)
- 文章の温度感(フォーマル度が高いほど所存ですが、理由説明なら次第ですが自然)
たとえば、異動・就任・年始挨拶では「今後の抱負」を伝える場面が多いので、所存ですがはまりやすいです。一方で、連絡・お詫び・事情説明は「なぜこうなったか」が中心になるため、次第ですがしっくりきます。
・逆に、事情説明なのに「〜した所存です」とすると「決意」っぽく聞こえ、説明がぼやけることがある
敬語表現は会社や業界の文体によって“好み”もあります。社内の慣習や相手の立場で迷う場合は、過去説明=次第です/未来宣言=所存ですの原則に沿いつつ、最終的な判断は上長や専門家にご相談ください。
次第ですと所存ですの英語表現の違い
英語にすると、両者の差はさらに分かりやすくなります。
- 次第です:for this reason / due to / as a result / that is why(理由・事情)
- 所存です:I intend to / I plan to / It is my intention to / I am determined to(意思・決意)
つまり、次第ですは「理由を添えるクッション」、所存ですは「意志を丁寧に言う宣言」と捉えると、翻訳レベルでも迷いが減ります。もちろん実際の英文メールでは文体の調整が必要なので、重要な文書は公式なスタイルガイドや専門家のチェックを推奨します。
次第ですとは?
次第ですは、報告・連絡・謝罪の文章で頻出する便利な結びです。ここでは「次第」という語そのものの意味から、次第ですとして使うときのニュアンスまで掘り下げます。
次第ですの意味や定義
「次第」には「物事の順序」「成り行き」「事情・いきさつ」といった意味があります。そこに「です」を付けた「次第です」は、文章の中では主に「このような事情でそうしました」という丁寧なまとめ方として機能します。
私の感覚では、次第ですは相手への説明責任を果たすときに強い表現です。単に「連絡しました」「遅れました」と言い切るよりも、事情を添えて角を立てにくくできます。
次第ですはどんな時に使用する?
次第ですが活躍するのは、次のように「理由や経緯」が主役の場面です。
- お礼・挨拶の連絡(「お礼を申し上げたくご連絡した次第です」)
- トラブルや遅延の事情説明(「部材遅延により納期がずれた次第です」)
- 依頼や周知の背景説明(「社内手続き変更のためご案内した次第です」)
- 面接・志望動機などで経緯を丁寧に言う(「理念に共感し志望した次第です」)
一方で、次第ですは「気持ち」や「決意」を述べる文末には向きにくいです。意思表明までを丁寧にしたいなら、所存ですのほうが自然に決まります。
次第ですの語源は?
「次第」は、漢字のとおり「次(つぎ)」と「第(順序)」が組み合わさった言葉で、もともとは順序や段取りを表す語感が強い言葉です。そこから「成り行き」「いきさつ」といった意味へ広がり、現代の文章では「事情・経緯」の用法が特に目立ちます。
語源や古い用法は辞書・文献で説明が分かれることがあります。厳密に確認したい場合は、国語辞典などの公式な辞書サービスをご確認ください。
次第ですの類義語と対義語は?
次第ですは「事情・経緯」を丁寧にまとめる表現なので、類義語は次の方向に集まります。
- 類義語:経緯です、事情です、いきさつです、理由です、状況です、〜というわけです
- 対義語(反対の方向):結論です、決意です、方針です、意向です(=理由説明ではなく意思・結論側)
・「〜の事情(経緯)です」は文書寄り
・より改まるなら「〜の次第でございます」も選択肢
所存ですとは?
所存ですは、「自分の考え・意思」をへりくだりつつ改まって伝える表現です。挨拶文やスピーチ、謝罪後の改善宣言などでよく使われます。
所存ですの意味を詳しく
「所存」は「心に思うところ」「考え」「意向」を指す言葉です。「所存です」とすると、平たく言えば「〜するつもりです」「〜しようと思っています」を、改まった文体で表せます。
私が重視しているのは、所存ですには“意思表明の責任”が乗ることです。単なる気分ではなく、「その方向で動く」という姿勢を丁寧に示せます。
所存ですを使うシチュエーションは?
所存ですは、次のような「今後どうするか」を相手に示したい場面で強いです。
- 就任・異動・年始などの挨拶(抱負・決意)
- 謝罪後の再発防止・改善策の提示
- 取引先・顧客向けの方針説明(品質向上、体制強化など)
- 履歴書・面接で意欲を丁寧に伝える(※場面と文体に注意)
ただし、日常会話では硬く響くことが多いので、普段のやり取りでは「と思います」「つもりです」などに落とすほうが自然です。
所存ですの言葉の由来は?
「所存」は「存ずる所(=思うところ)」という形に分解して理解すると、納得しやすいです。「存ずる」は「思う・考える」をへりくだって言う語感があり、そこから「所存=私の考え・意向」という意味で定着してきました。
細かな語史は資料によって表現が異なることがあります。正確な確認が必要な場合は、国語辞典や信頼できる辞書サービスをご参照ください。
所存ですの類語・同義語や対義語
所存ですは「意思・方針」を丁寧に述べるので、言い換えの方向性は複数あります。
- 類語・同義語:存じます、考えております、〜するつもりです、〜する予定です、〜いたします、決意しております
- 対義語(反対の方向):事情です、経緯です、理由です、〜という次第です(=意思ではなく理由説明側)
・「改善する所存です」など、行動が明確な動詞と組み合わせると締まりやすい
なお、挨拶文でよく出る「精進」「邁進」と所存ですの相性も高いです。近いニュアンスの違いは、別記事で詳しく整理しています。「精進」と「邁進」の違いとは?意味・使い方・例文まとめ
次第ですの正しい使い方を詳しく
ここからは、次第ですを「使える形」に落とし込みます。例文、言い換え、ミスしやすいパターンまでまとめて押さえましょう。
次第ですの例文5選
次第ですは、前に「理由」「事情」「経緯」が来るときに安定します。私が実務でよく使う型を5つ紹介します。
- 早速ではございますが、御礼を申し上げたくご連絡した次第です。
- 資料の差し替えが必要となり、再送いたしました次第です。
- 部材の入荷遅延により、納期が後ろ倒しとなった次第です。
- 社内規定の改定に伴い、運用を変更する次第です。
- 貴社の理念に共感し、応募いたしました次第です。
・要所で使い、必要ない文は簡潔に言い切ると文章が締まる
次第ですの言い換え可能なフレーズ
文章の硬さや長さを調整したいときは、次第ですを言い換えると効果的です。
- 〜いたしました(簡潔に言い切る)
- 〜という事情です/〜という経緯です(説明の焦点を明確にする)
- 〜という理由です(理由をストレートにする)
- 〜のためです(短くまとめる)
- 〜というわけです(会話寄りにする)
私は、相手が忙しいときほど「〜いたしました」で短くし、誤解が生まれそうなときだけ次第ですで丁寧に事情を添えています。丁寧さと読みやすさのバランスが大切です。
次第ですの正しい使い方のポイント
次第ですを自然にするコツは、「前に何を置くか」です。
・結びだけ丁寧にして中身が薄くならないよう、事実を一文で示す
・相手に負担がかかる連絡(遅延・変更)ほど、経緯を簡潔に添える
また、数値や期日などが絡む連絡では、断定を避けつつも曖昧にしすぎないことが重要です。金額・納期などの情報は、あくまで一般的な目安として記し、正確な条件は契約書・社内規程・公式情報をご確認ください。重要案件は最終的な判断を専門家にご相談ください。
次第ですの間違いやすい表現
私が「これは避けたい」と感じるのは、次第ですで意思表明を締めてしまうケースです。
・誤:精一杯頑張る次第です(事情説明になっていない)
・注意:「〜の次第でございます」は丁寧だが、重くなるので場面を選ぶ
意思表明は所存です、事情説明は次第です。この線引きを守るだけで、誤用の多くは防げます。
所存ですを正しく使うために
所存ですは便利な一方、硬い言い回しなので、使いどころと文章の中身が揃っているかが問われます。ここでは例文とともに、安定する型を紹介します。
所存ですの例文5選
所存ですは「今後どうするか」を明確にした文で最も映えます。私は次の型をよく使います。
- 今後も一層精進し、皆さまのご期待にお応えできるよう努める所存です。
- 再発防止策を徹底し、信頼回復に取り組む所存です。
- いただいたご指摘を真摯に受け止め、体制を見直す所存です。
- 新体制のもと、品質向上を最優先に改善を進める所存です。
- 微力ながら、プロジェクト成功に向け尽力する所存です。
所存ですを使うときは、できれば「何を」「どの方向で」やるのかを一言でいいので入れると、定型文っぽさが薄れます。
所存ですを言い換えてみると
場面によっては、所存ですが硬すぎることもあります。その場合は次の言い換えが便利です。
- 〜いたします(よりシンプルで実務的)
- 〜してまいります(継続のニュアンスを出す)
- 〜に取り組みます(社内向けでストレート)
- 〜と考えております(意思を柔らかくする)
- 〜する予定です(計画・スケジュール重視)
・社内やカジュアル寄りなら「取り組みます」「進めます」なども十分丁寧
所存ですを正しく使う方法
所存ですを美しく決めるコツは、意思を具体化することです。
・「今後」「引き続き」など時間軸を添えて、未来の宣言にする
・謝罪文なら「再発防止」「信頼回復」など目的語を入れて誠意を具体化する
また、対外文書は会社の方針や業界慣習によって適切な表現が変わります。重要な通知や契約・法務に関わる文書では、正確な情報は公式サイト・契約書・社内規程をご確認のうえ、最終的な判断は専門家にご相談ください。
所存ですを含む決意表明と相性が良い語として「邁進」もよく使われます。ニュアンスの違いを整理したい方は、精進と邁進の違いもあわせてどうぞ。
所存ですの間違った使い方
所存ですで多いミスは、「意思が弱い言葉」と組み合わせて、文章がぼやけるケースです。
・誤:考える所存です(「考える」と「所存」が近く、くどく感じる場合がある)
・注意:やることが決まっていない段階なら「検討しております」「協議しております」のほうが自然
「所存です」を使うなら、文章の中身も“決めている感”を揃える。これが一番のポイントです。
まとめ:次第ですと所存ですの違いと意味・使い方の例文
最後に要点をまとめます。
- 次第ですは、理由・事情・経緯を丁寧にまとめる表現(報告・連絡・謝罪で強い)
- 所存ですは、意思・決意・考えを改まって示す表現(挨拶・抱負・改善宣言で強い)
- 迷ったら、事情説明=次第です/未来の宣言=所存ですで切り分ける
- 例文を型として持ち、言い換えで文体の硬さを調整すると失敗しにくい
どちらも便利な敬語ですが、相手・会社の文体・文書の重要度で最適解が変わることがあります。正確な用法確認が必要な場合は国語辞典などの公式な辞書サービスをご確認ください。重要な文書では、最終的な判断は上長や専門家にご相談ください。

