
「敬語と尊敬語と謙譲語の違いって、結局どう整理すればいいの?」と迷われる方は多いです。特にビジネスメールや電話対応、接客の場面では、丁寧語との関係や二重敬語の扱いまで絡んで、いっそう判断が難しくなりがちです。
本記事では、敬語と尊敬語と謙譲語の意味の違いを軸に、使い分けのコツ、言い換え、英語表現、語源、類義語・対義語まで一気に整理します。例文も「そのまま使える形」でまとめますので、文章作成や会話で迷う時間を減らしていただけます。
「相手を立てるのは尊敬語?」「自分を下げるのは謙譲語?」「です・ますはどこに入る?」「丁寧にしたつもりが失礼になっていない?」といった不安を、この記事の中でスッキリ解決していきましょう。
- 敬語・尊敬語・謙譲語の意味の違いを最短で整理
- 場面別に迷わない使い分けの考え方
- 言い換え・英語表現まで含めた実用知識
- すぐ使える例文と誤用しやすいポイント
目次
敬語と尊敬語と謙譲語の違い
敬語・尊敬語・謙譲語は、似ているようで「敬意の向け先」と「表現の作り方」が異なります。まずは結論から差を掴み、次に使い分けを具体化すると、文章も会話も安定します。
結論:敬語と尊敬語と謙譲語の意味の違い
結論から言うと、敬語は「相手への配慮を言葉の形で表す表現の総称」です。その中の分類として、尊敬語と謙譲語が存在します。
尊敬語は、相手(または話題の第三者)を高めて敬意を示す表現です。相手の行為・状態・持ち物などを「上げる」ことで、敬意を表します。
謙譲語は、自分(自分側)を低めることで、相手を立てる表現です。自分の行為をへりくだって述べ、結果的に相手への敬意を示します。
ここで混同しやすいのが「丁寧語」です。丁寧語は「です・ます」などで文全体を丁寧に整える役割であり、尊敬語・謙譲語とは性質が少し違います(ただし、実務ではセットで使うことが多いです)。
- 敬語:相手への配慮を示す表現の総称
- 尊敬語:相手(第三者)を高める
- 謙譲語:自分(自分側)を低めて相手を立てる
敬語と尊敬語と謙譲語の使い分けの違い
使い分けは、「誰の行為を話しているか」を見ればほぼ決まります。迷ったら、文章の主語(行為の主体)を一度はっきりさせてください。
相手(上司・取引先・お客様など)の行為を述べるなら尊敬語が基本です。たとえば「言う」を「おっしゃる」、「行く/来る/いる」を「いらっしゃる」などに置き換えます。
自分(自社・自分側)の行為を述べるなら謙譲語が基本です。たとえば「言う」を「申す/申し上げる」、「行く」を「伺う」などにします。
さらに、文全体の印象を整えるために「です・ます」「ございます」などの丁寧語を組み合わせます。つまり、現場では「尊敬語 or 謙譲語」+「丁寧語」の重ね合わせで文章が作られます。
- 二重敬語(例:「おっしゃられる」「いらっしゃられる」など)は不自然になりやすいので注意が必要です
- 敬語の“正しさ”は場面(社風・業界・関係性)で揺れるため、最終判断は社内ルールや先方の慣習に合わせるのが安全です
敬語と尊敬語と謙譲語の英語表現の違い
英語には日本語ほど体系化された「尊敬語・謙譲語」の語形変化はありません。代わりに、丁寧さは語彙選択(polite words)や依頼の形(Could you / Would you)で調整します。
たとえば「言う」は say/tell ですが、ビジネスでは inform, mention, let me know などに置き換えると丁寧に聞こえます。「伺う」に近いニュアンスなら ask, inquire, visit が候補です。
日本語の敬語は「型」を理解すると安定しますが、英語は「失礼にならない言い回し」を覚えるのが近道です。後半の例文でも、よく使う型をまとめます。
敬語の意味
ここからは、敬語・尊敬語・謙譲語をそれぞれ単体で理解できるように整理します。まずは全体概念である「敬語」から押さえると、残り2つの位置づけが明確になります。
敬語とは?意味や定義
敬語とは、相手や話題の人物への敬意、そして聞き手への配慮を、言葉の形として表す表現の総称です。丁寧語・尊敬語・謙譲語などをまとめて「敬語」と呼びます。
私の運営している「違いの教科書」では、敬語を“相手への配慮を言語化するための道具”として扱っています。正しいかどうか以前に、「その場に合っているか」「相手に負担をかけないか」が重要です。
一方で、取引先対応や応募書類のように、形式が強く求められる場面もあります。迷ったら“より無難な型”を選ぶのが、実務では失敗しにくいです。
敬語はどんな時に使用する?
敬語は、目上の方に対してだけでなく、関係性が浅い相手、初対面、公式な場など「距離」を保ちたい場面で広く使われます。職場に限らず、学校、地域、医療機関、冠婚葬祭などでも頻出です。
特にビジネスでは、敬語が「相手を尊重しているサイン」として機能します。逆に言うと、敬語の誤用は内容よりも先に印象へ響きやすいので、最低限の型を身につけておく価値があります。
敬語の語源は?
「敬語」の「敬」は、うやまう・つつしむという意味を持ちます。つまり敬語は、言葉づかいを通して“敬う態度”を示す発想から生まれた言葉です。
歴史的には、身分差・役割差のある社会の中で、相手との距離を言葉で調整する必要が高まり、表現が発達してきました。現代では身分制度こそありませんが、「礼儀」「配慮」「信頼」を整えるために機能しています。
敬語の類義語と対義語は?
敬語の類義語としては、「丁寧な言葉」「丁重な言い回し」「改まった表現」などが挙げられます。ただし、これらは必ずしも敬語の体系(尊敬語・謙譲語など)を指すとは限りません。
対義語としては、「タメ口」「くだけた言い方」「ぞんざいな言葉」など、距離を詰める話し方が対になるイメージです。対立というより、状況によって適切な距離が変わる、と捉えるのが実用的です。
尊敬語の意味
尊敬語は「相手を立てる」ための中心的な表現です。敬語全体の中でも、相手の動作をどう言い換えるかが分かれば、誤用がぐっと減ります。
尊敬語とは何か?
尊敬語とは、相手(または話題の第三者)の行為・状態を高めて表現し、敬意を示す言葉づかいです。代表例は「する→なさる」「言う→おっしゃる」「見る→ご覧になる」などです。
尊敬語は、相手の行為を“上げる”表現なので、主語が相手側にあるときに使います。ここがブレると、丁寧に言ったつもりでも文が崩れます。
尊敬語を使うシチュエーションは?
尊敬語が必要なのは、上司・先輩・取引先・お客様など、こちらが敬意を向けるべき相手の行為を述べる場面です。会話だけでなく、メール・議事録・案内文などでも頻出します。
また、直接会話している相手だけでなく、話題に出てくる第三者(例:先方の部長、学校の先生など)に敬意を払う場合にも尊敬語を使います。
なお、「おられる」と「いらっしゃる」のように、方言的・口語的な印象差が出る表現もあります。迷いやすい方は、使い分けの整理として「おられる」と「いらっしゃる」の違いと使い方もあわせて確認しておくと実務で安心です。
尊敬語の言葉の由来は?
「尊敬」は「尊(とうと)ぶ」と「敬(うやま)う」を組み合わせた言葉で、相手の価値や立場を認め、礼を尽くす姿勢を表します。尊敬語は、その姿勢を言語形式として具体化したものです。
尊敬語の多くは、「お+動詞連用形+になる」「ご+名詞+なさる」「特別な尊敬語(いらっしゃる・召し上がる等)」といった型で体系化されています。型を覚えると、初見の言葉でも作りやすくなります。
尊敬語の類語・同義語や対義語
尊敬語そのものの類語としては「相手を立てる言い方」「相手敬語」などが近いです。実務上の言い換えとしては、「~される」「~なさる」「~いただく(相手の行為に対しては注意)」などが候補になります。
対義語は、概念としては「謙譲語」(自分側を下げる)や「くだけた言い方」が対になります。特に敬語体系の中では、尊敬語と謙譲語が“向け先の違い”として対になる、と押さえると理解が早いです。
謙譲語の意味
謙譲語は「自分を下げることで相手を立てる」表現です。尊敬語よりも主語の判定がシビアで、間違えると違和感が強く出やすいので、ここで丁寧に整理します。
謙譲語の意味を解説
謙譲語とは、自分(自分側)の行為をへりくだって述べ、相手への敬意を表す言葉づかいです。代表例は「行く→伺う」「言う→申す/申し上げる」「する→いたす」などです。
ポイントは、謙譲語が“自分の行為”を表すことです。相手の行為に謙譲語を当てると、文法的に崩れたり、意味がねじれたりします。
謙譲語はどんな時に使用する?
謙譲語は、取引先やお客様に対して、自分の行為を述べるときに使います。たとえば「後ほど伺います」「資料をお送りいたします」「確認してご連絡申し上げます」などです。
また「自分側」には、自分だけでなく「自社」「同じ部署」「身内(社内の人)」が含まれます。たとえば社外の方に社内の上司を説明するとき、上司は“身内”なので、尊敬語で持ち上げないのが原則です(ただし社風や業界慣習で揺れるため、社内基準が最優先です)。
謙譲語の語源・由来は?
「謙譲」は「謙(へりくだる)」と「譲(ゆずる)」の組み合わせで、自分を控えめにして相手を立てる態度を表します。謙譲語は、その態度を言語形式として表したものです。
謙譲語は「いたす」「申す」のような専用語彙に加え、「お(ご)+動詞連用形+する」の型でも作られます(例:ご案内する、お電話する)。ただし、丁寧にしようとして要素を重ねすぎると二重敬語になりやすいので、必要最小限で整えるのがコツです。
謙譲語の類義語と対義語は?
謙譲語の類義語としては「へりくだった言い方」「自分を控えめに述べる表現」などが近いです。言い換えの方向性としては、「いたします」「申し上げます」「伺います」など、専用の語彙を選ぶと整いやすいです。
対義語は、敬語体系の中では「尊敬語」が対になります。自分を下げるのが謙譲語、相手を上げるのが尊敬語、と対比で覚えると混乱が減ります。
敬語の正しい使い方を詳しく
ここでは「敬語(総称)」として、実際の文章や会話で崩れにくい使い方をまとめます。尊敬語・謙譲語を“単体”で覚えるだけでなく、文全体のトーン(丁寧語)も揃えることが重要です。
敬語の例文5選
- お忙しいところ恐れ入りますが、資料をご確認いただけますでしょうか
- 本日はお時間を頂戴し、誠にありがとうございます
- 恐れ入りますが、担当者に確認いたします
- ご不明点がございましたら、お知らせください
- 差し支えなければ、日時をご指定いただけますと幸いです
敬語の言い換え可能なフレーズ
敬語は「同じ内容を、より角の立たない形にする」言い換えが強みです。たとえば依頼を柔らかくするなら、次のように置き換えられます。
- 「してください」→「していただけますか」「お願いできますでしょうか」
- 「知っていますか」→「ご存じでしょうか」
- 「見てください」→「ご確認ください」「ご覧ください」
- 「行きます」→「伺います」(自分側)/「いらっしゃいます」(相手側)
「いただけますでしょうか」のような依頼表現は、微妙なニュアンスの違いで迷いがちです。実務で困りやすい方は、「いただけますでしょうか」と「いただけないでしょうか」の違いもあわせて整理しておくと、依頼文が安定します。
敬語の正しい使い方のポイント
敬語のコツは、難しい言葉を増やすことではありません。主語を確定し、敬意の向け先を間違えないことが最優先です。
- 誰の行為か(相手か、自分側か)を先に決める
- 尊敬語・謙譲語を入れたら、文末は丁寧語で揃える(です・ます/ございます)
- 敬語要素を重ねすぎず、必要最小限で自然に整える
また、社外向けの文章は「無難さ」が価値になることが多いです。迷ったら、社内テンプレートや先輩の文面を基準にして、トーンを揃えるのが安全策です。
敬語の間違いやすい表現
敬語全般で多いのは、丁寧にしようとして“盛りすぎる”パターンです。結果として二重敬語になったり、文の焦点がぼやけたりします。
- 二重敬語:例「おっしゃられる」「いらっしゃられる」「拝見させていただきます(場面により冗長)」
- 主語のねじれ:相手の行為を謙譲語で言ってしまう
- トーンの混在:途中で「だ・である」と「です・ます」が混ざる
敬語は「絶対の正解が一つ」と言い切れない領域でもあります。最終的な判断は、公式な文章作法や社内ルールに従い、重要な場面では上長や専門家にご相談ください。
尊敬語を正しく使うために
尊敬語は、相手の動作をどう言い換えるかが勝負です。型を覚えれば作りやすい一方、二重敬語が起きやすいので、よくある誤りもセットで押さえましょう。
尊敬語の例文5選
- 社長はただいま会議室にいらっしゃいます
- この件について、部長がおっしゃっていました
- 資料はすでにご覧になりましたか
- 来週の件は、先生がご出席なさる予定です
- 恐れ入りますが、少々お待ちいただけますでしょうか
尊敬語を言い換えてみると
尊敬語は「特別な尊敬語」を覚えると一気に楽になります。代表的な言い換えは次の通りです。
| 基本形 | 尊敬語(例) | 補足 |
|---|---|---|
| いる | いらっしゃる/おいでになる | 場面によって「ご在席」など名詞化も便利 |
| 言う | おっしゃる | 二重敬語「おっしゃられる」は避ける |
| 見る | ご覧になる | 「拝見する」は謙譲語 |
| する | なさる | 「される」より改まりやすい |
尊敬語を正しく使う方法
尊敬語を安定させるコツは、まず「相手の動詞を置き換える」発想を持つことです。さらに、尊敬語の型(お+連用形+になる/ご+名詞+なさる)を使い分けると応用が効きます。
- 型で作れない語は「特別な尊敬語」を使う(いらっしゃる・召し上がる等)
- 迷ったら“無難な定番”を優先する(例:いらっしゃる、おっしゃる)
尊敬語の間違った使い方
尊敬語の誤用は、丁寧に見えて不自然になりやすいのが特徴です。特に二重敬語は要注意です。
- 誤:いらっしゃられる → 正:いらっしゃる
- 誤:おっしゃられる → 正:おっしゃる
- 誤:ご覧になられる → 正:ご覧になる
相手への敬意は大切ですが、盛りすぎは逆効果になることがあります。自然さと無難さのバランスで選んでください。
謙譲語の正しい使い方を解説
謙譲語は「自分側の行為」で使うのが大原則です。ここを外すと、丁寧どころか意味が崩れます。例文とともに、言い換えと誤用パターンまで整理します。
謙譲語の例文5選
- 明日、私が先方へ伺います
- 資料を拝見し、折り返しご連絡いたします
- その件は担当より申し上げます
- 後ほどこちらからお電話いたします
- 恐れ入りますが、詳細を確認してから改めてご連絡申し上げます
謙譲語を別の言葉で言い換えると
謙譲語は言い換え先が複数あり、「硬さ」「距離感」を調整できます。たとえば「もらう」に相当する表現でも、「いただく」「頂戴する」などで文章の印象が変わります。
迷いやすい代表例として、「頂戴する」と「いただく」の使い分けがあります。依頼文・受領連絡でよく使う方は、「頂戴する」と「いただく」の違いと使い方も一緒に押さえておくと、敬語の組み立てが安定します。
謙譲語を正しく使うポイント
謙譲語の最大のポイントは、“自分側の行為をへりくだる”ことで相手を立てることです。相手の行為に使わない、これだけでミスの大半は防げます。
- 主語が自分(自社・身内)かどうかを必ず確認する
- 謙譲語+丁寧語で文末を揃える(いたします/申し上げます等)
- 長くなりすぎる場合は、敬語要素を減らして自然さを優先する
なお、契約・法務・医療など、言葉の解釈が結果に影響しうる領域では、定型文の使用や専門家確認が安全です。正確な情報は公式サイトをご確認ください。最終的な判断は、必要に応じて専門家にご相談ください。
謙譲語と誤使用しやすい表現
謙譲語で多い誤用は、相手の動作をへりくだらせてしまうケースです。たとえば、相手に対して「伺います」「拝見します」を使うのは不自然です(自分がする行為だからです)。
- 誤:社長が資料を拝見しました → 正:社長が資料をご覧になりました
- 誤:お客様が伺います → 正:お客様がいらっしゃいます
- 誤:先生に申されました → 正:先生がおっしゃいました
まとめ:敬語と尊敬語と謙譲語の違いと意味・使い方の例文
敬語は、相手への配慮を言葉の形として表す「総称」です。その中で、相手を高めるのが尊敬語、自分側を低めて相手を立てるのが謙譲語です。ここを押さえるだけで、使い分けは一気に整理できます。
迷ったときは「誰の行為か」を確認し、相手側なら尊敬語、自分側なら謙譲語、文末は丁寧語で揃える。これが実務で最も崩れにくい型です。
- 尊敬語:相手(第三者)の動作を高める(いらっしゃる・おっしゃる等)
- 謙譲語:自分側の動作をへりくだる(伺う・申し上げる等)
- 丁寧語:文全体を整える(です・ます/ございます)
敬語は「正しさ」だけでなく「場面に合っているか」が重要です。社内ルールや公式文書の基準がある場合はそれに従い、重要な局面では上長や専門家への確認も取り入れてください。正確な情報は公式サイトをご確認ください。

