
「併記」と「並記」は、どちらも“複数の内容をいっしょに書く”ニュアンスがあり、文章作成や資料づくりの場面で迷いやすい言葉です。特にビジネス文書、公用文、申請書、案内文、議事録、Web記事、パンフレットなどでは、表記の正確さがそのまま信頼につながるため、「併記と並記の違い」や「意味」をきちんと整理しておきたいところです。
また、読み方や使い分け、言い換え、例文、類義語・対義語、英語表現まで押さえておくと、文章の質が一段上がります。この記事では、違いの教科書 運営者のMikiとして、現場で迷わないための判断軸をまとめ、併記と並記をすっきり使い分けられるように解説します。
- 併記と並記の意味の違いと結論
- ビジネスや公用文での使い分けのコツ
- 併記と並記の英語表現と訳し分け
- それぞれの例文と言い換え・注意点
併記と並記の違い
最初に「併記」と「並記」の違いを、結論から整理します。両者は似て見えますが、実務では“どちらを選ぶか”で文章の硬さや正確さが変わることがあります。ここでは、意味・使い分け・英語表現の3方向から、迷いを断ち切るための基準を提示します。
結論:併記と並記の意味の違い
結論から言うと、併記は「二つ以上の情報を、同じ場所にあわせて記す(同時に示す)」という意味で、“補足や別表現を同時に提示する”ニュアンスが強い言葉です。たとえば「和暦と西暦を併記する」「日本語と英語を併記する」「原文と訳文を併記する」のように、読み手の理解を助けるために“同時提示”します。
一方の並記は、字面の通り「並べて記す」感覚が前面に出ます。項目を同列に並べるイメージで、「AとBを並記する」と言うと、AとBが等価に並んでいる印象になります。ただし、現代の文章実務では「併記」のほうが一般的で、迷う場面では併記を優先するほうが安全です。
| 観点 | 併記 | 並記 |
|---|---|---|
| 中心イメージ | 同じ場所にあわせて記す(同時提示) | 並べて記す(同列に配置) |
| よくある用途 | 別表現・補足(訳、ふりがな、和暦/西暦など) | 項目の列挙・同列の提示(文脈次第) |
| 実務での無難さ | 高い(公的・ビジネスで通りやすい) | 注意(読み手や組織の表記ルールに左右される) |
- 迷ったら「併記」を選ぶと文章が堅実にまとまる
- 「並記」は“同列に並べる”響きが強く、文書の種類によっては違和感が出る
併記と並記の使い分けの違い
私が文章チェックで重視しているのは、「その2つの情報は、同じ内容を補い合う関係なのか、それとも独立した項目を並べる関係なのか」という一点です。
併記がしっくりくるケース
併記は、読み手の誤解を減らすために“情報を二重化”する場面に強いです。日付の表記(和暦/西暦)、多言語表記(日本語/英語)、専門用語と一般語(専門語(一般語))など、「同じ対象を別の形で示す」ときに相性が良いです。
並記がしっくりくるケース
並記は、同列の情報を横に並べるときの語感があります。たとえば、箇条書きや同じ階層の選択肢(男/女、可/不可など)を“並べる”イメージです。ただ、ここは組織や媒体によって好みが分かれるため、社内ルールや編集方針があるならそちらを優先してください。
- 公的文書や対外文書では、表記の揺れが信用問題になりやすい
- 最終的な判断は、所属組織の表記基準や公式の手引きを確認し、迷う場合は担当部署や専門家に相談する
関連して、「並列の接続語」を整理しておくと文章設計が楽になります。たとえば「及び」「並びに」「又は」「かつ」の違いは、読み手の誤解を減らすうえで有効です。詳しくは内部記事も参考にしてください。
併記と並記の英語表現の違い
英語にするときは、「併記」「並記」を一語で固定的に訳すより、配置の仕方や意図で表現を選ぶのが自然です。
- 併記する:write A and B together / include both / present in both languages
- 横に並べて併記する:write side by side / show side by side
- 括弧で併記する:add in parentheses / put in brackets
「並記」を英語にする場合も、多くは side by side / list together / write in parallel といった説明的な言い方になります。大事なのは、“同じ意味の別表現を補足しているのか(併記寄り)”“同列の項目を並べているのか(並記寄り)”を訳文に反映することです。
併記とは?
ここからはそれぞれの言葉を個別に深掘りします。まずは併記から。文章実務では登場頻度が高く、ビジネス・行政・教育など幅広い分野で通用しやすい表現です。意味だけでなく、どんな場面で“効く”のかまで押さえておきましょう。
併記の意味や定義
併記は「二つ以上の事項を、同じ場所にあわせて記すこと」を指します。私は併記を、“読み手の理解を補強するための二重表記”と捉えています。
たとえば「○月○日(火)」のように曜日を添える、あるいは「○月○日(明後日)」のように補足を添えるのも、広い意味で併記の発想です。情報を重ねて提示することで、誤解や読み間違いを減らせます。
併記はどんな時に使用する?
併記が活躍するのは、次のように“読み手の条件がバラつく”場面です。
- 多言語対応:日本語と英語を併記して、外国語話者にも伝える
- 表記ゆれ回避:和暦と西暦を併記して、認識違いを防ぐ
- 専門性の橋渡し:専門用語と一般的な言い方を併記して理解を助ける
- 誤解防止:略称と正式名称を併記して対象を特定する
文書の正確さが求められるほど、併記は“保険”として効きます。特に期限・金額・条件などが絡む文章は、状況により解釈が変わることがあります。正確な情報は公式サイトや正式資料をご確認ください。判断に迷う場合は、最終的な判断は専門家や担当部署にご相談ください。
併記の語源は?
併記は「併(あわせる・ならぶ)」+「記(しるす)」の組み合わせです。つまり、複数の情報をあわせて記すという成り立ちそのものが、用法の芯になっています。
- 「併」には“一緒にする・並べる”方向性があり、併用・併設・併記などで共通する
漢字の成り立ちやニュアンスを押さえておくと、似た表現(例:併せて/合わせて)との整理もしやすくなります。言葉の使い分けを深めたい方は、内部記事もどうぞ。
併記の類義語と対義語は?
併記の近い言い方(類義語)は、文書の種類や媒体によって選び分けます。
併記の類義語
- 併せて記す
- 併載(媒体上に一緒に載せるニュアンスが強い)
- 付記(補足として書き添える)
- 併せて提示する
併記の対義語
- 単独記載
- 個別記載
- 別記(別の場所に分けて書く)
「併載」は“掲載”のニュアンスが強く、紙面・媒体の話に寄りやすいので、文章表記の話なら併記を優先するとブレにくいです。
並記とは?
次は並記です。読み方としては「へいき」と読まれることが多く、表記として「併記」と混同されがちです。ここでは、並記がどんな意味合いで使われ、どこに注意点があるのかを整理します。
並記の意味を詳しく
並記は「並べて記すこと」を表す言葉です。語感としては、“同列の項目を横に並べる”印象が強く、箇条書き・同格の候補・同じ階層の情報を並べる場面で使われます。
ただし、一般的な文章実務では「併記」が標準的に扱われることが多く、並記は“言いたいことは分かるが、表記としては併記に寄せたい”と判断されるケースが少なくありません。社内ルールや編集方針がない場面では、併記に統一するほうが安定します。
並記を使うシチュエーションは?
並記を選ぶなら、次のように“同列の情報を並べている”ことがはっきり伝わる場面が向きます。
- 選択肢を並べる:可/不可、有/無、男/女 など
- 項目を同格に列挙する:A・B・Cを並べて見せる
- メモやノートで、素早く並べて整理する
一方で、対外文書・公用文・規程類のように表記の厳密さが求められる場合は、並記を避けて併記に寄せる判断が無難です。最終的な表記は、公式の表記基準や組織のガイドラインをご確認ください。
並記の言葉の由来は?
並記は「並(ならべる)」+「記(しるす)」で、成り立ちは非常に素直です。だからこそ、日常的な感覚では使いやすいのですが、文章の場では“標準表記としての採用度”が問題になります。
私は、由来の理解は大切にしつつも、文章の目的が「誤解なく伝えること」なら、読者が見慣れている表記(多くは併記)へ寄せるのが結果的に親切だと考えています。
並記の類語・同義語や対義語
並記そのものが「並べて記す」という意味のため、言い換えも直訳的なものが中心になります。
並記の類語・同義語
- 列記(項目を列として並べるニュアンスが強い)
- 併記(同時提示・補足のニュアンスを含む)
- 並べて記す
- 同列に記載する
並記の対義語
- 単独記載
- 個別に記す
- 分けて記載する
「列記」は“列として並べる”感じが強く、箇条書き・一覧の文脈にフィットします。一方で、同じ場所に補足として書く意図があるなら併記が自然です。
併記の正しい使い方を詳しく
ここでは併記の使い方を、例文・言い換え・ポイント・間違いやすい表現の順に整理します。特に、日付や名称、言語表記などの“ミスがトラブルになりやすい箇所”では、併記が強い味方になります。
併記の例文5選
- 申請書には、和暦と西暦を併記してください
- 製品名は、正式名称と略称を併記すると分かりやすい
- 注意事項は、日本語と英語を併記して掲示した
- 引用箇所は、原文と訳文を併記して示す
- 日程は、日付と曜日を併記して誤解を防ぐ
併記の言い換え可能なフレーズ
文体や媒体によっては、併記を別の言い方にすると読みやすくなります。
- 併記する → あわせて記す/併せて示す/一緒に記載する
- (括弧で)併記する → ( )内に補足として付す/括弧書きで加える
- 多言語で併記する → 日本語と英語の両方で表記する
併記の正しい使い方のポイント
併記をうまく使うコツは、「読み手が迷うポイント」を先回りして二重化することです。私が実務で意識しているポイントは次の3つです。
- どちらが主でどちらが補足かを決める(主情報が埋もれないようにする)
- 表記の順番を統一する(和暦→西暦、正式→略称など、記事内で揃える)
- 重要情報は併記しても最終判断は公式情報で確認できる導線を作る
- 併記は“親切”だが、増やしすぎると読みにくいので必要最小限に絞る
併記の間違いやすい表現
よくある失敗は、「併記」と「併載」を同じ感覚で使ってしまうことです。文章上の“書き方”を言いたいなら併記、媒体上の“載せ方”を言いたいなら併載、という整理が分かりやすいです。
また、併記の目的が「誤解防止」なのに、曖昧な補足を付けてしまうと逆効果になります。たとえば期限・条件・金額などは状況で変わり得ます。数値や条件はあくまで一般的な目安であることを明記し、正確な情報は公式サイトや正式資料をご確認ください。判断に迷う場合は、最終的な判断は専門家や担当部署にご相談ください。
並記を正しく使うために
並記は、同列の項目を並べる場面で意味が通りやすい一方、文章の正式さが求められる場では併記に置き換えたほうが自然なこともあります。ここでは、並記を使うなら押さえておきたい例文・言い換え・コツ・NG例をまとめます。
並記の例文5選
- 申込書には、氏名と連絡先を並記してください
- 候補日は3案を並記し、希望順位を添えてください
- 注意事項を項目ごとに並記して、読みやすく整えた
- 名簿に役職と氏名を並記して掲載した
- 評価項目を並記し、比較できるようにした
並記を言い換えてみると
並記は、文章として硬く感じる場合があります。媒体や読者層に合わせて、次のように言い換えるとスッと入ります。
- 並記する → 並べて書く/並べて記載する/一覧にする
- 並記して提示する → 同列に並べて示す/比較できる形で並べる
並記を正しく使う方法
並記を使うときは、「同列に並ぶ情報か?」を必ず確認します。たとえば、正式名称と略称を同時に示すのは、同列というより“補足の関係”になりやすいので、併記のほうがしっくりきます。
逆に、複数の項目を同じ重みで見せたいなら並記は有効です。比較表・チェックリスト・選択肢など、“同じ土俵に並べる”文脈で使うと安定します。
並記の間違った使い方
並記が不自然になりやすいのは、「読み手の誤解を防ぐための二重表記」を意図しているのに、並記と言ってしまうケースです。たとえば「和暦と西暦を並記する」でも意味は通りますが、対外文書では「併記する」がより無難です。
もう一つの落とし穴は、社内外で表記ルールがあるのに、感覚で並記を使ってしまうことです。最終的な表記は公式資料・社内規程・編集ガイドをご確認ください。不安がある場合は、最終的な判断は専門家や担当部署にご相談ください。
「誤解防止のために複数の注意書きを同時に示す」場面は、併記の考え方が役立ちます。たとえば「敬称略」と「順不同」をセットで示すようなケースです。必要なら内部記事も参考にしてください。
まとめ:併記と並記の違いと意味・使い方の例文
併記と並記は似ていますが、実務での安心感は併記に分があります。併記は“同時提示・補足”のニュアンスが強く、読み手の誤解を減らす目的にフィットします。並記は“同列に並べる”語感が強く、一覧や選択肢など同格の情報を並べる文脈で使うと自然です。
- 迷ったら「併記」:対外文書や公用文で通りやすい
- 「並記」は同列の項目を並べる文脈で使うとブレにくい
- 英語は一語訳より、side by side / include both など意図を説明する訳が自然
- 期限・金額・条件などは状況で変わり得るため、正確な情報は公式サイトや正式資料を確認し、迷う場合は専門家や担当部署に相談する
併記と並記を使い分けられるようになると、文章の説得力と親切さが上がります。読み手の立場に立って、「何を同時に示すべきか」「何を同列に並べるべきか」を意識して、最適な表現を選んでください。

