「口外無用」と「他言無用」の違いや意味・使い方・例文まとめ
「口外無用」と「他言無用」の違いや意味・使い方・例文まとめ

ビジネスメールや会議の場で、「この話は口外無用でお願いします」「他言無用でお願いします」といったフレーズを目にすることが増えています。どちらも「秘密を守ってほしい」という場面で使われる言葉ですが、実際に使うときに「口外無用と他言無用の違いや意味がよく分からない」「どちらを使うのが正しいのか不安」「英語だとどう表現すればよいのか知りたい」と感じて検索された方も多いはずです。

特に、社外秘情報や未発表プロジェクト、個人情報などの取り扱いが重要になるビジネスシーンでは、「口外無用 他言無用 違い 意味」や「口外無用の意味と使い方」「他言無用の意味や読み方・類義語・英語表現」といったキーワードで調べながら、正しい日本語表現を選びたいというニーズが高まっています。使いどころを間違えると、失礼な印象になったり、守るべき秘密の範囲が曖昧になったりすることもあるため、しっかり整理しておきたいところです。

この記事では、日本語表現やビジネス敬語の解説を専門とする「違いの教科書」の運営者Mikiの視点から、口外無用と他言無用の違いや意味、語源、類義語や対義語、英語表現、具体的な使い方と例文までを丁寧に整理していきます。初めてこれらの表現に触れる方はもちろん、「なんとなく使ってきたけれど、本当の違いは説明できない」という方も、読み終えるころには自信を持って説明・使い分けができるようになるはずです。

口外無用と他言無用の違いを押さえることで、「秘密にしてほしいこと」を相手に過不足なく伝えられるようになり、ビジネスメールや会議録、議事メモなどの文章表現の精度もぐっと高まります。ここから、一緒に整理していきましょう。

  1. 口外無用と他言無用の意味の違いと基本的なイメージの整理
  2. 場面別に見た口外無用と他言無用の自然な使い分け方
  3. 両者の英語表現・類義語・対義語・言い換えフレーズのまとめ
  4. ビジネスメールでそのまま使える具体的な例文と注意点

口外無用と他言無用の違い

まずは、口外無用と他言無用の「意味の違い」と「使い分けのコツ」を押さえておきましょう。どちらも「秘密を他人に漏らしてはいけない」というニュアンスを持つ表現ですが、フォーカスしているポイントや、よく使われるシチュエーションにわずかな違いがあります。

結論:口外無用と他言無用の意味の違い

結論から整理すると、口外無用と他言無用はどちらも「秘密を他人に漏らしてはならない」という意味で、実質的にはほぼ同じ内容を表す慣用句です。

ただし、言葉の構成を見ると、次のような違いがあります。

表現構成直訳イメージ
口外無用口外(他人に話すこと)+無用(してはならない)「口に出して他人に話してはならない」
他言無用他言(他人に言うこと)+無用(してはならない)「他の人に言ってはならない」

どちらも「無用」が「してはならない」「禁止」という意味で使われており、いずれも「この情報を他人に漏らしてはいけない」という強い禁止・口止めのニュアンスを持つ点では共通しています。

意味としてはほぼ同じですが、口外無用は「口から外に出さないこと」、他言無用は「他人に言い広めないこと」という焦点の違いがある、とイメージしておくと整理しやすくなります。

口外無用と他言無用の使い分けの違い

実務的には、口外無用と他言無用はほぼ同じ場面で使えるため、厳密に使い分けなければならないという決まりはありません。ただし、ニュアンスとして次のように押さえておくと、文章にしやすくなります。

表現よく使われる場面ニュアンス
口外無用社内回覧、規程、就業規則、口頭での注意「口外=口から外へ出す」ことを控えてほしい、というイメージ。人づての噂話よりも、直接話すことをイメージさせる
他言無用ビジネスメール、資料の但し書き、社内のお願い文「他の人に伝えないでほしい」という意味が強く、書き言葉寄りでややかたい印象

なお、どちらもストレートな禁止表現であり、目上の人や取引先に対してはややきつく響くことがあります。そのため、ビジネスメールでは「他言無用でお願いします」ではなく、

  • ご内密にお願い申し上げます
  • 関係者以外へのご共有はお控えいただけますと幸いです
  • 本件につきましては、くれぐれもご他言なきようお願い申し上げます

といった、柔らかい表現に言い換えるのが一般的です。

口外無用と他言無用の英語表現の違い

英語では「口外無用」「他言無用」という四字熟語に完全に対応する決まり文句はありませんが、意味としては次のような表現がよく使われます。

  • Not a word to anyone.(誰にも言わないでください)
  • Mum’s the word.(口外無用だよ/ここだけの話にしておいて)
  • Keep it to yourself.(あなたの胸の内にしまっておいてください)
  • Keep this between you and me.(この話は二人だけの秘密にしておいてください)
  • Keep it under wraps.(ビジネス寄りの「極秘扱いでお願いします」)

日常会話寄りのカジュアルな場面なら「Not a word to anyone.」「Mum’s the word.」、ビジネスメールや公的な文書であれば「keep it under wraps」「keep this confidential」のような表現が自然です。

口外無用の意味

ここからは、口外無用という言葉そのものの意味や語源、使う場面、類義語・対義語について整理していきます。

口外無用とは?意味や定義

口外無用は、「ある話を他人に話してはならない」「口に出して他人へ漏らしてはいけない」という意味の慣用的な表現です。「この話は口外無用でお願いします」と言えば、「ここで聞いた内容を他の人には話さないでください」という口止めのニュアンスになります。

構成としては、

  • 口外:他人に話すこと・秘密を漏らすこと
  • 無用:してはならない・禁止という意味で使われる言葉(落書き無用・天地無用など)

が組み合わさっており、「口外してはならない=他人に話してはいけない」という意味が生まれています。

口外無用はどんな時に使用する?

ビジネスシーンでの口外無用

ビジネスでは、次のような場面で口外無用が使われることが多いです。

  • 未発表の新製品やサービスに関する情報共有
  • 社内人事や組織再編など、正式発表前の情報
  • 顧客・取引先に関わる機密情報
  • コンペや入札に関する条件・見積もり情報

ただし、メールの本文で「口外無用」とだけ書くとやや命令調に響くため、「本情報は口外無用でお願いいたします」「社外への口外はお控えください」のように、やわらかくクッションを入れるのが自然です。

日常会話での口外無用

日常会話では、比較的くだけた場面で「この話、口外無用ね」と冗談めかして使うこともあります。ただし、四字熟語でやや堅い響きがあるため、友人同士なら「ここだけの話だけど」「内緒なんだけど」のように、もっとくだけた表現に言い換えることも多いでしょう。

口外無用の語源は?

口外無用の語源は、個々の漢字の意味から素直に理解できます。

  • 口外:文字どおり「口の外に出す」ことから、「他人に話す」「言いふらす」という意味
  • 無用:本来は「必要がない」という意味ですが、慣用的に「してはならない」「禁止」の意味で使われます(例:落書き無用・貼紙無用など)

この二つを組み合わせた口外無用は、「口から外へ出さない=他人に話してはならない」という禁止の意味を強く表す四字熟語として定着しました。なお、同じ構造を持つ他言無用と並んで、「秘密保持」を指示する伝統的な日本語表現として長く使われています。

口外無用の類義語と対義語は?

口外無用の類義語・近い表現

  • 他言無用(他人に話してはならない)
  • 門外不出(外部には出さないこと)
  • 内密に(扱ってください)
  • 極秘/極秘情報
  • ここだけの話
  • オフレコで

口外無用の対義語・反対のニュアンスを持つ表現

  • 公然・公開
  • 表沙汰
  • 赤裸々に語る
  • オープンにする

なお、「他言無用」の対義語として「公然」「公開」「表沙汰」「ざっくばらん」などが挙げられることがあります。これらは口外無用と他言無用の両方にとって、反対方向のイメージを持つ言葉です。

他言無用の意味

続いて、他言無用という四字熟語の意味や読み方、使うシチュエーション、由来や類語を整理していきます。

他言無用とは何か?

他言無用(読み方:たごんむよう)は、「内密の話を他人に漏らしてはならない」「秘密を他の人には話してはいけない」という意味の表現です。

辞書や四字熟語辞典では、

  • 内密の話題を絶対に他の人に話してはいけない
  • 秘密を他の人にもらしてはならないという戒め

といった説明がされています。

なお、読み方を「たげんむよう」と誤って覚えているケースもありますが、正しくは「たごんむよう」です。他言(たごん)は「他人に話すこと」という意味で、多言(たげん:口数が多い)とは別の言葉です。

他言無用を使うシチュエーションは?

ビジネスメール・文書での他言無用

他言無用は、特にビジネスメールや社内文書でよく用いられます。

  • 人事異動案や評価結果が確定する前の情報共有
  • M&Aや資本提携など、社外秘度の高い情報の共有
  • コンペの条件や見積もりの内訳など、第三者に知られたくない内容
  • 内部通報やコンプライアンス案件の調査内容

ただし、「他言無用でお願いします」とだけ書くと、やや命令調・高圧的に聞こえることもあるため、「本件につきましては、くれぐれもご他言なきようお願い申し上げます」のように、敬語でクッションを入れるのが無難です。

日常会話における他言無用

日常会話では、友人同士の「ここだけの話」を強調するときに、「絶対に他言無用でね」「これは他言無用だよ」といった形で使われます。少し大げさに、冗談まじりに使うこともあるため、声のトーンや場の空気によっては、柔らかい秘密の共有というニュアンスになることもあります。

他言無用の言葉の由来は?

他言無用の語源・由来は、構成する二つの語の意味から説明できます。

  • 他言:他の人に言うこと・他人に漏らすこと
  • 無用:してはならない、禁止の意(落書き無用・天地無用などと同じ用法)

この二つを組み合わせた「他言無用」は、文字どおり「他人に言ってはならない」という意味となり、内密事項・機密情報を扱う場面で使われるようになりました。

四字熟語辞典や慣用句辞典でも、「ある話を他人に漏らしてはならないということ」「このことは秘密であり他人に漏らしてはならないという戒め」といった説明がされています。

他言無用の類語・同義語や対義語

他言無用の類語・同義語

  • 口外無用
  • 内密に(お願いします)
  • 極秘扱い
  • ここだけの話
  • オフレコで
  • 秘密・内緒

類語として「口外無用・極秘情報・内密」などが挙げられており、いずれも「外に出してはならない情報」であることを示す点で共通しています。

他言無用の対義語・逆の方向性を持つ表現

  • 公然・公開
  • 表沙汰
  • 赤裸々
  • ざっくばらん

これらの語は、「包み隠さず話す」「隠さず表に出す」というニュアンスを持っており、秘密を守る他言無用とは逆の方向性に位置する言葉です。

口外無用の正しい使い方を詳しく

ここからは、口外無用という表現に焦点をあてて、実際の例文や言い換えフレーズ、使い方のポイント、間違えやすい表現を整理していきます。

口外無用の例文5選

  • 本日共有した人事構想案は、正式決定まで口外無用でお願いいたします。
  • このメールの内容は、プロジェクト関係者以外には口外無用でお願いします。
  • 未発表製品に関する情報のため、社外への口外無用を徹底してください。
  • 会議で議論された内容のうち、赤字で示した部分は特に口外無用とします。
  • 取引先の個人情報については、当然ながら口外無用で取り扱ってください。

口外無用の言い換え可能なフレーズ

「口外無用」という四字熟語は便利ですが、ビジネスシーンでは、よりやわらかい敬語表現に言い換えた方が適切な場合も多くあります。

状況に応じて、次のような表現に言い換えると、読み手にとって角が立ちにくくなります。

  • 本件につきましては、ご内密にお願いいたします。
  • 関係者以外へのご共有はお控えいただけますと幸いです。
  • 本情報は、社外秘として取り扱いをお願いいたします。
  • 本件に関する情報は、プロジェクトメンバー内に限定して共有してください。

口外無用の正しい使い方のポイント

  • 「何を」口外無用にしたいのかを明示する(例:本資料の3章以降は口外無用としてください)。
  • 「どこまでの範囲」に対して口外無用なのかを書き添える(社外・他部署・取引先など)。
  • 相手との関係性に応じて、敬語レベルを調整する(目上や取引先には直接「口外無用」と言うよりも、柔らかい敬語にする)。
  • 社内規程や守秘義務契約と整合させる(就業規則やNDAの表現と矛盾しないようにする)。

機密情報や個人情報の取り扱いは、会社ごとの就業規則・情報セキュリティポリシー・守秘義務契約などによって細かく定められていることが多く、ここで示した表現はあくまで一般的な目安です。正確な情報は各社の公式な規程や契約書をご確認ください。法的な判断が必要なケースでは、最終的な判断は専門家にご相談ください。

口外無用の間違いやすい表現

口外無用に関連して、次のような点で誤用が見られます。

  • 「口外無用!」と感嘆符だけで書いてしまう
    →命令的・高圧的な印象が強くなるため、ビジネス文書では避けた方が無難です。
  • 「口外禁止」とだけ書いてしまう
    →意味は伝わるものの、法律用語のように硬く感じられることがあります。
  • 具体的な範囲が分からない
    →「この件は口外無用です」だけだと、どこまでが対象なのか、いつまでなのかが曖昧になりがちです。
  • 「口外無用」と「他言無用」を混ぜて使う
    →意味は通じますが、同じ文書の中ではどちらか一方に統一した方が読みやすく、プロらしい印象になります。

言葉の選び方やニュアンスの違いに敏感になりたい場合は、「意味」と「意義」の違いのように、似ている言葉同士の使い分けを整理した記事も併せて読むと、全体的な語感の精度が上がっていきます。

他言無用を正しく使うために

次に、他言無用の例文や言い換え表現、使うときのポイント、よくある誤用について整理します。

他言無用の例文5選

  • 本日お伝えした内容は、公式発表までは他言無用でお願いいたします。
  • この件につきましては、社内でもごく一部のメンバーのみ共有とし、他言無用で取り扱ってください。
  • プロジェクトXに関する情報は、契約上他言無用となっております。
  • ここだけの話ですが、来期の体制案については、まだ他言無用でお願いします。
  • クレーム対応の詳細については、担当部署以外への共有は他言無用としてください。

他言無用を言い換えてみると

他言無用も、口外無用と同様に、次のような表現に言い換えることができます。

  • 本件については、くれぐれもご他言なきようお願い申し上げます。
  • 本情報は、関係者間のみに限定して共有ください。
  • 本件は、社内限りの情報としてお取り扱いください。
  • 第三者への共有は、ご遠慮いただきますようお願いいたします。

特にビジネスメールでは、「他言無用でお願いします」というフレーズをそのまま使うよりも、「ご他言はお控えいただけますようお願い申し上げます」「ご内密にお願い申し上げます」といった柔らかい表現の方が、読み手に配慮が伝わります。

他言無用を正しく使う方法

「何を」「誰に対して」「どの期間」他言無用にしたいのかを、できるだけ具体的に書き添えることが重要です。

  • 対象を明確にする
    例:本メールに添付の資料は、他部署へのご共有はご遠慮いただき、他言無用でお願いいたします。
  • 期間を示す
    例:プレスリリース公開までは他言無用とし、公開後は必要に応じて周知をお願いします。
  • 相手への配慮を示す
    例:ご多忙のところ恐れ入りますが、本件に関してはくれぐれもご他言なきようお願い申し上げます。

同じように「言葉の選び方」で迷いやすい表現として、「注力」と「尽力」の違いもよく相談を受けるテーマです。気になる方は、「注力」と「尽力」の違いや意味・使い方・例文まとめも参考にしてみてください。

他言無用の間違った使い方

他言無用を使う際に、次のような誤用や注意点があります。

  • 目上の人に対してストレートに使う
    例:「この件は他言無用でお願いします」だと、指示口調に聞こえがちです。
    →「本件につきましては、ご他言はお控えいただけますようお願い申し上げます」のように、敬語でクッションを入れるとよいでしょう。
  • 守れないレベルで安易に使う
    誰もが知っている情報に対して「他言無用」と書いてしまうと、読まれ方によっては大げさ・不自然に感じられます。
  • 法的な守秘義務と混同する
    メールや文書に「他言無用」と書いたからといって、すべてが直ちに法的拘束力を持つわけではありません。契約上の守秘義務条項や社内規程と整合させることが大切です。

ビジネスメールでのお願い表現に迷いやすい方は、依頼表現のニュアンスに焦点を当てた「ご確認のほど」と「ご確認の程」の違いや意味・使い方・例文のような記事も併せて読むと、文章全体のトーンを整えやすくなります。

まとめ:口外無用と他言無用の違いと意味・使い方の例文

最後に、この記事で整理したポイントをコンパクトに振り返ります。

  • 口外無用も他言無用も、「秘密を他人に漏らしてはならない」という意味の四字熟語であり、実質的にはほぼ同じ内容を表す
  • 口外無用は「口から外に出さない」イメージで、他言無用は「他の人に言い広めない」イメージと覚えると、ニュアンスの違いがつかみやすい
  • ビジネスメールでは、ストレートな「口外無用」「他言無用」だけでなく、「ご他言なきようお願いいたします」「ご内密にお願い申し上げます」など、やわらかい言い換え表現を使うと印象が良くなる
  • 英語では「Not a word to anyone.」「Keep it to yourself.」「Keep it under wraps.」などが、口外無用・他言無用に近いニュアンスの表現として使える

この記事が、口外無用と他言無用の違いや意味、使い方や例文を整理する一助となり、あなたの日本語表現力とビジネスコミュニケーションの質を一段引き上げるきっかけになればうれしく思います。

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