
「完遂」と「遂行」という言葉をご存じでしょうか?両者ともに “物事をやり遂げる” という意味合いを持ちますが、ニュアンスや使われる場面には微妙な違いがあります。本記事では「完遂」と「遂行」の違いや意味、語源、類義語、対義語、言い換え、使い方を例文を紹介しつつ、プロフェッショナルな視点から、専門性・権威性・信頼性にも配慮して解説していきます。
この記事を読んでわかること
・「完遂」と「遂行」がそれぞれどういう意味を持つか
・両者の違い・使い分けについて理解できる
・それぞれの語源・類義語・対義語・言い換え表現が分かる
・実際の例文を通じて、正しく使えるようになる
完遂と遂行の違い
結論:完遂と遂行の意味の違い
まず、結論から整理すると、以下のように言えます。
- 「完遂」…目的や任務を 完全に最後まで成し遂げること。強い意思・完結性・達成感を伴う。
- 「遂行」…任務や計画などを 実施・実行して最後までやりとおすこと。途中段階やプロセスも意識されうる。
このように、どちらも「やりきる」という点では共通していますが、「完遂」は「完了・達成」に重きがあり、「遂行」は「行動・実施・プロセス」に重きがあると捉えると整理しやすいです。
例えば、「計画を完遂した」「任務を遂行する」という使い方の違いからもこのニュアンスが浮かびます。
完遂と遂行の使い分けの違い
具体的に「どちらを使えば良いか」を考えるために、使い分けのポイントを挙げます。
- 結果重視 vs プロセス重視 → 「完遂」は結果(最後まで実施して達成したこと)を強く表し、「遂行」はその実行プロセス・遂行中の行為を含むことが多い。
- 強い意志・達成感の有無 → 「完遂」には「やり遂げた」という達成感・完結感が伴うことが多く、ビジネス報告や公的表現で使われる傾向があります。
- 対象の違い → 任務・計画・事業・目標など、比較的大きなものを扱う際には「完遂」がよく用いられ、「遂行」は業務・プロセス・手続きなどの文脈で用いられやすいです。
たとえば、プロジェクト全体を「完遂」したと言えば、「初めから終わりまで責任を持って成し遂げた」というニュアンスになります。
一方で、「計画を遂行する」と言えば、「計画を実行に移し、進めていく」というニュアンスになります。
完遂と遂行の英語表現の違い
英語でそれぞれをどう表現するかも見ておきましょう。
- 完遂 → “complete”, “accomplish”, “carry out to completion” など。 例:「We succeeded in completing the project.(私たちはそのプロジェクトを完遂した)」。
- 遂行 → “execute”, “carry out”, “perform” など。 例:「He carried out the mission.(彼はその任務を遂行した)」。
英語表現でもその微妙な差(結果完了 vs 実行プロセス)を反映して使い分けることができます。
完遂の意味
完遂とは?意味や定義
「完遂(かんすい)」は、二字熟語で、[名](スル)「最後までやりとおすこと。
完全に成し遂げること。」という意味を持ちます。
読み方において、「かんすい」が正しく、「かんつい」は誤りとされています。
完遂はどんな時に使用する?
「完遂」は、例えば以下のような場面で使用されます。
- 大規模なプロジェクトや任務を最後まで責任をもってやり遂げた場面
- 困難・挑戦的な目標を達成した成果を強調したい場面
- ビジネス・公的文書・報告書・フォーマルな文章など、堅めの文脈で使われる傾向
逆に、簡単なタスクや途中段階にある行為を指すときには「完遂」はやや大げさ・硬すぎる印象を与えることがあります。
完遂の語源は?
語源を漢字の観点から見ると、「完」は「すべて・全うする」、そして「遂」は「とぐ/達する・成し遂げる(行きつく)」という意味を持ちます。
漢文の用法では「完遂=完(まった)く遂ぐ(と‐ぐ)」という説明もあります。
つまり「完遂」とは「完全に(完)行きついて成し遂げる(遂ぐ)」という語感が元になっており、「やり抜いた」「最後まで行きついた」というニュアンスが強い言葉です。
完遂の類義語と対義語は?
以下の表に、類義語・対義語を整理します。
| 語 | 意味・ニュアンス |
|---|---|
| 類義語 | 「遂行」「成し遂げる」「貫徹」など。 |
| 対義語 | 「未遂」「中途放棄」「頓挫」など、最後までやり遂げていない状態を示す言葉。 |
言い換え可能なフレーズとしては、「任務を全うする」「目的を果たす」「事業をやり遂げる」なども挙げられます。
遂行の意味
遂行とは何か?
「遂行(すいこう)」は[名](スル)「任務や仕事をやりとげること/実施して最後までやり通すこと」という意味を持ちます。
読み方は「すいこう」が正しく、「ついこう」は誤りであると辞書等で注意されています。
遂行を使うシチュエーションは?
「遂行」は、以下のような状況で使われることが多いです。
- 計画や任務を実施・実行し、最後まで進めるとき
- プロセスを強調したいとき、まだ進行中もしくは完了間近の状況を含むとき
- ビジネス・行政・業務報告などフォーマルな場面で、「遂行する」という表現で用いられることが多い
例えば、「プロジェクトを遂行中」「任務を遂行する」という言い方です。
簡単な会話で「任務を遂行しました」というとやや硬めな印象にもなります。
遂行の言葉の由来は?
「遂(と/つい)ぐ」が「成し遂げる」「達する/行きつく」という意味を持つことから、「遂行=遂げて行う(行く)」「目的に向かって行動しそれを実行に移す」というニュアンスが生まれています。
漢文解説でも「遂行=遂げて行う」と説明されます。
遂行の類語・同義語や対義語
こちらも整理しておきます。
| 語 | 意味・ニュアンス |
|---|---|
| 類義語 | 「履行(りこう)」「実施」「執行」など。 |
| 対義語 | 「未遂」「中断」「挫折」など、実行・遂行ができなかった状態を示す言葉。 |
言い換え可能なフレーズとしては、「任務を果たす」「計画を実行する」「業務を遂げる」などが挙げられます。
完遂の正しい使い方を詳しく
完遂の例文5選
- 彼は新規事業を見事に完遂した。
- この難度の高いプロジェクトを完遂できたチームを称賛する。
- 予定された五カ年計画を無事に完遂した。
- 任務の完遂により、社内評価が大きく向上した。
- 最後まで責任を全うし、任務を完遂したことは誇るべきだ。
完遂の言い換え可能なフレーズ
- 「目的を達成する」
- 「役割を成し遂げる」
- 「任務を全うする」
- 「プロジェクトを完結させる」
完遂の正しい使い方のポイント
- 「最後までやり抜いた」「成し遂げた」という完結・達成感を込めたい場合に使う。
- 対象がある程度規模のある任務・計画・プロジェクトといった「やりがい」「達成感」が感じられるものに用いると自然。
- ビジネス書類・報告書・公式文章・堅めの文脈での使用が適している。
- 簡単な作業や日常軽作業には「完遂」を使うと大げさに感じられる可能性がある。
完遂の間違いやすい表現
- 読み方を「かんつい」としてしまう誤り。正しくは「かんすい」。
- 「完遂する予定だ」というように “予定” の段階で使うのは不自然。完遂は完了してから使うべき。
- 日常の軽い出来事に「完遂」を使うと、語感が重すぎて浮いてしまう。
遂行を正しく使うために
遂行の例文5選
- 契約書に基づき業務を遂行しました。
- チームは予定通り計画を遂行中です。
- プロジェクトの遂行には多くの調整が必要だ。
- 我が社は戦略を着実に遂行する姿勢を持っています。
- 任務を遂行するための準備が整った。
遂行を言い換えてみると
- 「実施する」
- 「執り行う」
- 「実行に移す」
- 「課題を実行する」
遂行を正しく使う方法
- 「計画・任務・業務を遂行する」という形で、「実行」「開始」「プロセス」を含んだ文脈で使用。
- 完了しているかどうかより、実行中または最後まで実行する意志・行為を示すときに用いる。
- ビジネス・行政・専門的文章・報告において「遂行」という語を使うことで、丁寧・緻密な印象を与える。
遂行の間違った使い方
- 「遂行した」という表現を簡単な日常の行動(例:掃除を遂行した)に使うと、言葉の重みとズレが生じる可能性あり。
- 読み方を「ついこう」としてしまう誤り。正しくは「すいこう」。
- 「遂行を終えた」というように “終えた” が重複して意味を重くしすぎる場合があるため注意。
まとめ:完遂と遂行の違いと意味・使い方の例文
本記事では、「完遂」と「遂行」という言葉を、意味・語源・類義語・対義語・使い方・言い換え・英語表現・例文に至るまで詳しく解説しました。
改めて整理すると
- 完遂 …「最後まで完全に成し遂げる/達成する」ことを強調する言葉。ビジネス・フォーマルな場面で、達成感・完結感を伝える際に使用。
- 遂行 …「実行・実施して最後までやりとおす/行動を遂げる」ことを指す言葉。プロセス重視・実行中含む文脈で使われやすい。
この違いを意識することで、報告書・メール・ビジネス文書・日常の言い回しにおいて、より適切に言葉を選ぶことができます。
たとえば、「プロジェクトを完遂しました」と言えば “やりきった” 印象、「業務を遂行しました」と言えば “実行しました” 印象になります。
ぜひ、上記の例文や言い換えフレーズを活用しつつ、場面に応じた正しい言葉選びを心がけてみてください。

