ビジネス文書・報告書・挨拶状・論文など、文章を書く場面では「趣旨」と「主旨」を使い分ける必要があります。ところが、この二つの言葉は見た目も似ており、意味の違いや適切な使い方があいまいなまま使用されているケースが少なくありません。本記事では、「趣旨」と「主旨」それぞれの意味・語源・類義語・対義語・英語表現・実際の使い方・例文まで詳しく深掘りし、読者がこの二語を正しく、そして自信を持って使いこなせるようにします。
この記事を読んでわかること
- 「趣旨」と「主旨」の意味とその違い
- 「趣旨」と「主旨」の語源・類義語・対義語・英語表現
- 「趣旨」を正しく使うためのポイント・例文・言い換え表現
- 「主旨」を正しく使うためのポイント・例文・言い換え表現
趣旨と主旨の違い
このセクションでは、「趣旨」と「主旨」という二語を並べて、その意味の違い、使い分け、英語表現の観点から整理します。どちらをいつ使えばよいか、混同しやすいポイントを明確にします。
結論：趣旨と主旨の意味の違い
まず最も重要な結論部分からです。「趣旨」と「主旨」、この二語はどのように意味が異なるのでしょうか。
「趣旨」は、ある物事を行う際の 目的・意図・主要な考え方 を指す言葉です。たとえば「この会議の趣旨」「説明の趣旨」など、行為や説明の根底にある意図・目的を述べる際に使われることが多いです。一方、「主旨」は、文章や発言、報告などの 中心となる意味・要点 を指す言葉です。たとえば「報告書の主旨」「演説の主旨」など、言葉で伝えられた内容の核・要点をまとめる時に使われます。
整理すると、
- 「趣旨」＝行動・説明・企画などの目的・意図・方向付け
- 「主旨」＝文章・発言・説明などにおける中心的な意味・要点
このように、目的・意図という「出発点」的な意味では「趣旨」、内容・要点という「結論・まとまり」的な意味では「主旨」が用いられるケースが多いという点が、両語の意味的な違いです。
- 「趣旨」は「何のために」「どんな意図で」という観点で使う。
- 「主旨」は「何を伝えたいか」「何が要点か」という観点で使う。
趣旨と主旨の使い分けの違い
続いて、具体的に「趣旨」「主旨」を文章・ビジネスシーンなどでどう使い分けるべきかを詳しく解説します。混同しやすい場面を中心に、注意すべきポイントも提示します。
例えば「この会議の趣旨は～」といった使い方では、「会議を開く目的・意図」が焦点です。一方で「この報告書の主旨は～」という場合には、「報告書が伝えたい核心・要点」が焦点になります。
実際には、会議資料や説明資料などでも「趣旨説明」「主旨説明」という言い回しが混在しますが、文章的に整理するなら、次のように考えると分かりやすいでしょう。
- 会議・企画・方針など「何をするか」「なぜそれを行うか」を示す場面 → 「趣旨」
- 報告・説明・演説など「何を伝えるか」「どのような意味があるか」を示す場面 → 「主旨」
誤用・混同のポイントとしては、「趣旨」を「文章の要点」として使ってしまう、「主旨」を「企画の意図」として使ってしまう、というケースがあります。
例えば「この説明の趣旨は～」という言い方自体は誤りではありませんが、「説明の核（＝要点）」を言いたいなら「主旨」を用いたほうがニュアンスとして自然です。逆に、「この企画の主旨は～」という言い方も可能ですが、「企画を立てた意図・目的」を強調したいなら「趣旨」のほうが意図が明確です。
- 企画・方針・意図などを示すなら「趣旨」。
- 説明・報告・文章の要点を示すなら「主旨」。
- 混同しやすいので、「目的か／内容か」を意識して選ぶ。
趣旨と主旨の英語表現の違い
最後に、この二語を英語でどう表現すればよいか、ニュアンスの違いも合わせて紹介します。英語で書類やメールを作る際、適切に訳し分けることで、国際ビジネスでも誤解を防げます。
「趣旨」の英訳としてはよく “purpose”, “intention”, “aim” などが挙げられます。例えば「この会議の趣旨は…」→ “The purpose of this meeting is …” のように使えます。一方、「主旨」の英訳には “main point”, “essence”, “key message”, “central idea” などが自然です。例：「報告書の主旨は…」→ “The key message of the report is …” と言えます。
英語では “purpose” と “main point” のように明確に区別することで、意図（why）と内容（what）を分けて伝えることができます。日本語でもこの区分を意識することで、文章・発言の意図が読み手に伝わりやすくなります。
| 日本語 | 英語例 | ニュアンス |
|---|---|---|
| 趣旨 | purpose / intention / aim | 行為・企画の目的・意図 |
| 主旨 | main point / key message / central idea | 文章・説明の中心となる意味・要点 |
- 「趣旨」→ “purpose”, “intention” 等：なぜこの行為をするか。
- 「主旨」→ “main point”, “key message” 等：何を伝えたいか／何が要点か。
趣旨の意味
ここから「趣旨」について深掘りしていきます。意味・定義、使用場面、語源、類義語・対義語を順番に解説し、読者が「趣旨」という言葉を根本から理解できるようにします。
趣旨とは？意味や定義
「趣旨」という言葉は、漢字を見ると「趣」（おもむき・趣き）と「旨」（むね・要点・趣旨）から構成されています。広義には、「ある行為・説明・企画などを行うにあたっての主な意図・目的・考え方」を指します。
文章・会議・計画書などで「趣旨を説明する」「趣旨を理解する」という表現で使われることが多いです。たとえば、「説明の趣旨を確認する」とは、「説明が意図しているところ／目的は何か」を確認することです。
このように、趣旨は「何のためにその行為を行うか」「どのような意図でその説明をするか」という、“why”の問いに応える言葉といえます。文書構成やプレゼンテーションの初めに「趣旨」を明示することで、聞き手・読み手が行為・説明の目的を理解しやすくなります。
- 「趣旨」＝行為・説明・企画などの目的・意図・方向性。
- “why”（なぜ）に対する答えとしての言葉。
- 文章・会議などの冒頭で使うと、理解を促しやすい。
趣旨はどんな時に使用する？
「趣旨」は、以下のような場面で使用されることが一般的です。
- 会議や会合を招集する冒頭で：「本会議の趣旨をご説明いたします」
- 企画書・提案書で：「本提案の趣旨は～」
- 説明文や案内文で：「趣旨をご理解ください」「趣旨を踏まえて」
- 挨拶・開会の辞などで：「本会議を開催する趣旨を申し上げます」
つまり、「何を目的として」「なぜこの議題／この企画を行うか」を明らかにするために「趣旨」を使います。逆に、文章の最後に「主旨」をまとめる場面では「趣旨」より「主旨」のほうが適しています。使い分けを意識することで、受け手に伝わる文章や説明になります。
- 会議・企画・説明の冒頭部で「なぜこの場を設けたか」を示す際に使う。
- 目的・意図・方向性を明示することで、読み手・聞き手の理解を促す。
- 文章の要点を示す「主旨」とは異なる位置付けである。
趣旨の語源は？
「趣旨」という語は、漢字の意味から読み解くことができます。「趣」は「おもむき」「趣き」「向かう」という意味を持ち、「旨」は「むね」「要点」「主たる意味」を意味します。つまり、「趣旨」とは「（行為・説明などが）向かおうとするむね（目的・意図）」という構造をもった言葉です。
漢字の意味からも示される通り、「趣旨」は“向かう方向・意図”という意味合いを強く持っています。学術的・辞書的には、具体的な語源年次・出典を明記している資料は少ないものの、漢字語として古くから日本語に定着している言葉であることは確かです。こうした漢字成り立ちを知ることで、使用時に「何のために」という観点を意識しやすくなります。
- 会議・企画・説明の冒頭部で「なぜこの場を設けたか」を示す際に使う。
- 目的・意図・方向性を明示することで、読み手・聞き手の理解を促す。
- 文章の要点を示す「主旨」とは異なる位置付けである。
趣旨の類義語と対義語は？
「趣旨」に近い意味を持つ言葉（類義語）と、対照的な意味を持つ言葉（対義語）を整理します。類義語としては「目的」「意図」「狙い」「趣向」「狙い」「狙い目」などが挙げられます。
例えば「この会議の意図」「本提案の目的」などと置き換え可能です。一方、対義語として明確に固定された言葉は少ないですが、「結論」「結果」「要点」「核心」など、「出発点・目的」ではなく「終点・要点」を示す言葉が対比関係にあります。
実際には、「趣旨＝目的・意図」に対して「主旨＝内容・要点」という言葉を対比として捉えることも多いため、「主旨」が準対義語とも言えます。
| 分類 | 言葉 | 意味合い |
|---|---|---|
| 類義語 | 目的 | 何のために行うかを示す言葉 |
| 類義語 | 意図 | 行為・説明などの背景にある考え |
| 類義語 | 狙い | 意図・ねらいどころを示す言葉 |
| 対義語的 | 結論 | 行為・説明の末尾・結果を示す言葉 |
| 対義語的 | 主旨 | 文章・説明の要点・中心を示す言葉（本記事でも対比） |
- 類義語：目的・意図・狙いなど、「何を」「なぜ」を示す言葉。
- 対義語的：結論・要点・主旨など、「何が」「どうだったか」を示す言葉。
主旨の意味
続いて「主旨」について、意味・定義、使用シチュエーション、言葉の由来、類語・同義語／対義語について詳しく解説します。
主旨とは何か？
「主旨」という言葉は、「主（おも）」「旨（むね・要点）」という漢字から成り、文字通り「主要なむね・要点」を意味します。文章・発言・説明などにおいて、伝えたい中心的な考え・論点・意義を示す言葉として使われます。
たとえば「本報告書の主旨は～」「演説の主旨をまとめる」など、相手に核心を明確に伝えるために使われます。つまり、「主旨」は“what”の問い（「何を伝えたいか」「どんな要点か」）に応える言葉といえます。例えば会議の説明資料では、冒頭で「趣旨」を示し、中盤～末尾で「主旨」を整理する構成を取ると効果的です。
- 「主旨」＝文章・説明・発言における要点・中心的意味。
- “what”（何を）に対する答えを示す言葉。
- 説明・報告・演説などで「何を伝えたいか」を明示する場面で用いられる。
主旨を使うシチュエーションは？
「主旨」がよく用いられるシーンを挙げると、以下のようなものがあります。
- 報告書・提案書・論文などで：「本提案書の主旨は～」
- プレゼンテーション・講演・演説で：「本日の演説の主旨は～」
- 説明会・記者会見などで：「説明の主旨をご理解ください」
- 会議・打ち合わせの終了時に：「今回の議題の主旨を整理します」
こうした場面では、「何を伝えるか／どんな結論・要点か」を明確にするために「主旨」が用いられます。逆に、「なぜこの議題を設けたか／この企画をしたか」を示す際には「趣旨」を使ったほうが自然です。つまり、「主旨」は受け手に「伝えたい内容・要点」を伝える役割を担います。
- 報告・説明・演説などの中心点を示す際に使う。
- 「何を伝えたいか」「どのような結論・要点か」に焦点を当てる。
- 「趣旨＝なぜ」「主旨＝何を」という使い分けを意識する。
主旨の言葉の由来は？
「主旨」という語も漢字の意味から読み解けます。「主（おも）」は「主要な」「中心的な」を示し、「旨（むね・要点）」は「趣旨」の説明でも触れたように「中心となる意味・むね」を示す文字です。したがって「主旨」とは「中心となるむね（要点・意味）」という意味合いを持ちます。
日本語において漢字語の形成は多くが漢字の字義から概念が派生しており、この語も例外ではありません。語源的には中国語からの漢字語構成の影響が大きく、漢字語として広く用いられてきたものです。こうした背景を知ることで、「主旨」という言葉を使う際に「中心的要点を示すもの」であるという感覚が強まります。
- 「主」＝中心・主要な。
- 「旨」＝むね・要点・中心的意味。
- 合わせて「中心となる要点・意味」を指す言葉である。
主旨の類語・同義語や対義語
「主旨」の類語および対義語を整理します。類語（同義語）としては「要点」「中心点」「核」「エッセンス」「核心」「メッセージ」などが挙げられます。いずれも「伝えたい内容・意味の中心」を表す言葉です。
対義語という観点では、「目的」「意図」「趣旨」など、「行為を始める背景・出発点」を示す言葉が対照的に位置します。本記事でも「趣旨」と「主旨」を対比して整理してきたように、両者は出発点／中心点という視点で使い分けられやすいです。
| 分類 | 言葉 | 意味合い |
|---|---|---|
| 類義語 | 要点 | 伝えたい内容の中心を示す言葉 |
| 類義語 | 核心 | もっとも重要な意味・ポイント |
| 類義語 | メッセージ | 伝えたい中心的意味・意図された内容 |
| 対義語的 | 目的 | 何のために行うかを示す「出発点」的言葉 |
| 対義語的 | 意図 | 行為・説明の背景にある考え・目的 |
- 類語：要点・核心・メッセージなど、「何を伝えたいか／何が中心か」を表す言葉。
- 対義語的：目的・意図・趣旨など、「なぜそれをするか／どんな意図か」を表す言葉。
趣旨の正しい使い方を詳しく
このセクションでは、「趣旨」を実際に正しく使うためのポイントを詳しく紹介します。例文・言い換え表現・使い方の注意点・誤りやすい表現なども含めて、読者が自身の文章・説明で「趣旨」を適切に使えるようにナビゲートします。
趣旨の例文5選
「趣旨」を使った使用頻度の高い例文を5つ挙げます。
- 本日の会議の趣旨をご説明いたします。
- この提案書の趣旨は、新市場の開拓および収益拡大にあります。
- 案内状に記載された趣旨をよくお読みください。
- プロジェクトの趣旨を理解していただいた上で、各部門の役割を共有します。
- 講演の冒頭に、テーマの趣旨を明確に提示してください。
趣旨の言い換え可能なフレーズ
「趣旨」を他の言葉で言い換えることで、表現の幅を広げられます。状況に応じて柔軟に使える言い換え例を紹介します。
- 目的（本企画の目的）
- 意図（本説明の意図）
- 狙い（企画の狙い）
- 趣向（説明の趣向）※やや堅め／文芸的な場面向き
- 背景・設立趣旨（組織設立の趣旨）
例えば「この企画の趣旨は～」を「この企画の目的は～」や「この企画の意図は～」と置き換えても、意図・目的を示す意味としてほぼ同義に機能します。ただし、言い換えによって微妙なニュアンス（意図の強さ・文の硬さなど）が変わるため、読み手・場面を考慮することが大切です。
- 「趣旨」＝目的・意図・狙い・背後背景などに言い換え可能。
- 言い換え時は、文体・読者・場面（ビジネス・学術・親しい場）を意識する。
趣旨の正しい使い方のポイント
「趣旨」を文章・口頭説明で正しく使うためのポイントを整理します。
- 目的・意図を明示するために冒頭部分で使用するのが効果的。説明文・案内状・企画書などの冒頭に「趣旨」を記すことで、読み手・聞き手の理解を促進します。
- 「趣旨を踏まえて」「趣旨をご理解ください」などの表現で、目的・意図を前提に次の動きを説明する導線となります。
- 「趣旨」と「主旨」を混同しないよう、「なぜそれを行うか／何を目的としてか」には「趣旨」を、「何を伝えたいか／どのような要点か」には「主旨」を用いる意識を持ちます。
- 文体や読み手を考えて、堅めのビジネス文書では「趣旨」を使う機会が多く、「目的」「意図」などに言い換えてもよいですが、日常・軽い文面ではより馴染みのある言葉に変えることも検討します。
- 冒頭に「趣旨」を示して、目的・意図を明確にする。
- 「趣旨を踏まえて」などで次の段階へつなぐ。
- 「なぜ／何のために」を意識して「趣旨」を選ぶ。
- 場面・文体に応じて言い換えも検討する。
趣旨の間違いやすい表現
「趣旨」を使う際に誤りやすい表現・ニュアンスのズレをいくつか挙げておきます。
- 「この報告書の趣旨は～」と言ってしまい、“報告書が伝えたい要点”を示したい場面で使うと、やや違和感があります。このような場面では「主旨」のほうが適切です。
- 「趣旨をご理解ください」という表現自体は一般的ですが、読み手にとって目的・意図が不明瞭なまま「趣旨」という言葉だけで終わってしまうと、「何の目的か」が伝わりにくくなることがあります。説明文の冒頭で目的・意図を明記しましょう。
- 「趣旨をまとめる」という時に、実際には“要点を整理する”という意味で使ってしまうと、ニュアンスがずれてしまうことがあります。要点整理なら「主旨を整理する」がより適切です。
- 要点・中心を示す場面で「趣旨」を用いてしまう → 内容／主旨とするべき。
- 読み手に目的・意図が伝わらないまま「趣旨」を掲げる → 冒頭で明確化が必要。
- 「趣旨をまとめる／整理する」と表現して、実質“要点を整理する”意味合いを持たせてしまう → 適切には「主旨を整理する」。
主旨を正しく使うために
この章では「主旨」を正しく使いこなすための具体的な手順・例文・言い換え・誤用について深掘ります。文章・説明の要点を伝える力を高めましょう。
主旨の例文5選
「主旨」を使った実用的な例文を5つ挙げます。ビジネス・学術・説明会など幅広い場面で応用できます。
- 本報告書の主旨を以下に整理いたします。
- この講演の主旨は、環境保護と持続可能な開発の必要性を示すことです。
- 資料の主旨をご理解のうえ、ご意見を頂戴できれば幸いです。
- ミーティングの結論と主旨を皆さまに共有いたします。
- 発表資料の設計にあたって、まず主旨を明確にしましょう。
主旨を言い換えてみると
「主旨」を別の言葉で言い換えることで、文章・説明の表現を豊かにできます。状況に応じた言い換え例を挙げます。
- 要点（本発表の要点は…）
- 核（議論の核となる部分は…）
- エッセンス（この提案のエッセンスは…）
- 中心メッセージ（今回のお知らせの中心メッセージは…）
- キーメッセージ（キーメッセージとして挙げられるのは…）
言い換える際は、言い換え後の言葉が読み手にとって理解しやすいかを意識してください。たとえば「核」はやや硬い印象を与えるため、カジュアルな場面では「要点」「伝えたいこと」などを選ぶほうが親しみやすいです。
- 「主旨」＝要点・核・メッセージなどに言い換え可能。
- 表現の堅さ・読み手を考えて言い換えを選ぶ。
主旨を正しく使う方法
「主旨」を文章・説明で正しく使うためのステップと注意点を整理します。
- 説明・発言・報告の目的（＝趣旨）を明確にしたうえで、その後に「主旨」を整理・提示する構成が理想です。
- 「主旨は～」と述べる前に、読み手がその前提（何が行われた・何が論じられたか）を理解できていることが望ましいため、資料の冒頭または結びに位置付けると効果的です。
- 「主旨をまとめる」「主旨をご理解ください」などの表現を用いて、読み手・聞き手に要点を受け取らせる書き方を意識します。
- 「主旨」と「趣旨」を混同しないよう、文脈を確認し、「何を伝えたいか／何が要点か」という観点で「主旨」を選ぶ習慣をつけると文章の精度が上がります。
- 目的（趣旨）→内容・要点（主旨）という流れを意識。
- 読み手に要点を伝えるポジションで「主旨」を用いる。
- 混同防止のため、意図／目的か要点かを都度確認。
主旨の間違った使い方
「主旨」を誤用しやすい典型的なケースを挙げて、注意点を明示します。
- 「この会議の主旨は～」と言って「何のために会議を開いたか」という意図を示してしまう場合。実質には「趣旨」のほうが適切です。
- 「報告書の趣旨は～」と言いながら、実際には「報告書が伝えたい要点」を示しているケース。この場合は「主旨を…」と表現するほうがより適切です。
- 「主旨を先に説明する」という構成で、「何でこの話をするか（目的）」を「主旨」としてしまうと、読み手にとって混乱を招く可能性があります。構成としては「まず目的＝趣旨を提示 → 次に中心点＝主旨を提示」という流れが理想です。
- 企画・会議の目的に「主旨」を用いてしまう → 「趣旨」を用いるべき場面。
- 文章の要点を示したいのに「趣旨」を用いてしまう → 「主旨」を用いるべき場面。
- 構成を意識せず「主旨のみ」を提示し、目的が不明瞭なまま話を進める → 読み手の理解を妨げる。
まとめ：『趣旨』と『主旨』の違いや意味・使い方・例文
以上、「趣旨」と「主旨」の違いや意味、使い方、例文について解説しました。
まとめると、
- 「趣旨」＝行為・説明・企画の目的・意図・方向性（“why”）
- 「主旨」＝文章・説明・発言の中心となる意味・要点（“what”）
- 使い分けのコツ
- 企画・会議の目的なら「趣旨」
- 報告・説明の要点なら「主旨」
- 英語での対応
- 趣旨 → purpose / intention / aim
- 主旨 → main point / key message / central idea
- 「趣旨」使用時には、冒頭で目的・意図を明示することが文章理解の助けになります。
- 「主旨」使用時には、読み手が要点を理解しやすいよう、構成・位置付けを工夫することが大切です。
- それぞれ5つずつの例文を用意し、また言い換え可能なフレーズや誤用しやすいポイントも紹介しました。
文章・説明・報告の場では、「なぜ／何のために」行うかを明確にし（「趣旨」）、その後「何を伝えるか／どのような要点か」を整理（「主旨」）するという流れを意識することで、読み手・聞き手に伝わる文章・発表になります。
ぜひ本記事を参考に、「趣旨」と「主旨」を使い分けて、より明快で説得力のある文章を作成してください。
