「通常どうり」と「通常どおり」の違いと意味|通常どうりは誤った使い方
「通常どうり」と「通常どおり」の違いと意味|通常どうりは誤った使い方

「通常どおり」と「通常どうり」の違いや意味が知りたい、「通常どおり」と「通常通り」はどちらが正しいのか」「ビジネスメールではどの表記を使うべきか」と悩んで、このページにたどり着いた方が多いのではないでしょうか。

ニュースや会社の連絡文、医療機関のお知らせなどでも「本日も通常どおり営業します」「本日は通常どうり診療いたします」といった表現をよく見かけますが、細かい日本語のルールまで意識している人は実はあまり多くありません。

ところが、「通常どおり」と「通常どうり」は国語辞典や表記のルールの観点から見ると、正しい表記と誤った表記にはっきり分かれます。また、「通常通り」「平常どおり」「いつもどおり」など、よく似た表現との違いや、英語では「as usual」や「on schedule」など、どの表現を選ぶべきかも気になるポイントです。

この記事では、日本語表現の違いを専門に解説している「違いの教科書」の運営者Mikiとして、「通常どおり」と「通常どうり」の違いや意味、ビジネスシーンでの使い方、言い換え表現、英語表現、例文まで丁寧に整理して解説していきます。

この記事を読んでわかること
  1. 「通常どおり」と「通常どうり」の正しい違いと意味が分かる
  2. 「通常どおり」を使うべき場面と避けた方がよい表現が分かる
  3. 「通常どおり」の言い換え表現・類義語と対義語、英語表現が身につく
  4. ビジネスメールやお知らせ文でそのまま使える具体的な例文を確認できる

「通常どうり」と「通常どおり」の違い

まずは、多くの人が一番気になっている「通常どうり」と「通常どおり」の違いから整理します。ここを押さえておけば、日常でもビジネスでも迷わず正しい表記を選べるようになります。

結論:「通常どうり」は間違った使い方

結論から言うと、「通常どうり」は誤った仮名遣いであり、公的な文章やビジネス文書では避けるべき表記です。

正しくは「通常どおり」と書きます。意味として伝わらないわけではありませんが、国語辞典や表記ガイドでは「通常どおり」が推奨されており、「通常どうり」は誤字・表記ゆれとして扱われます。

「通常どうり」と書かれている看板やお知らせも現実には存在しますが、それは多くの場合、「どおり」と「どうり」の聞こえが似ているために起きた単純な誤記です。誤りであることを知ったうえで、「あ、これは打ち間違いだな」と認識できるようにしておくとよいでしょう。

表記正誤コメント
通常どおり◎ 推奨される正しい表記公的文書・ビジネスメールでも安心して使える
通常通り◯ 一般的には許容「通常」と「通り」が重なるとする意見もあるが、実務では広く使われている
通常どうり× 誤った仮名遣い「どおり」の聞き間違い・書き間違いによる誤表記

「通常どおり」が正しい使い方

では、なぜ「通常どおり」が正しいのでしょうか。ポイントは、「どおり」が漢字の「通り」に対応するひらがな表記であることです。

「〜通り」は、「予想した通り」「手順通りに進める」のように、「そのままの状態で」「それに従って」という意味を表す言葉です。公用文ガイドラインや辞書では、「〜のとおり」「〜どおり」はひらがな書きが推奨されており、「通常どおり」もそれに従った表記になります。

そのため、ビジネスメールやお知らせ文、公式発表など、きちんとした文章にしたい場面では「通常どおり」に統一するのが最も無難です。

MEMO

「通常通り」も完全な間違いではなく、新聞やニュースなどでも一般的に使われている表現です。ただし、「通常」と「通り」で意味が重なると指摘する意見もあり、より丁寧に書きたい場面では「通常どおり」もしくは「平常どおり」とするスタイルもあります。

「通常どおり」の英語表現の違い

「通常どおり」を英語で表現するときには、状況に応じていくつかの定番フレーズを使い分けます。

よく使う基本表現

  • as usual(いつもどおり)
  • as normal(通常どおり・平常どおり)
  • business as usual(通常どおり業務を行っています)
  • on schedule(予定どおり)
  • as planned(計画どおり)

たとえば、「本日は通常どおり営業しています」は、次のように言えます。

  • We are open as usual today.
  • We are operating as normal today.
  • It’s business as usual today.

一方、「プロジェクトは通常どおり進行しています」のように、スケジュールに焦点を当てたい場合は、on scheduleas planned を使うと自然です。

「通常どおり」の意味

次に、「通常どおり」という表現そのものの意味やニュアンスを、少し掘り下げて整理します。

「通常どおり」の意味や定義

「通常どおり」は、ふだんと同じ状態で」「特別な変更や例外なく、普段のままのやり方でという意味を持つ表現です。

構造としては、次のように分解できます。

  • 通常:ふだん、いつも、特別ではない状態
  • どおり:そのまま、従って、同じ状態で

この2つが組み合わさることで、「ふだんの状態に従って」「いつものやり方のまま」というニュアンスになります。

実際の文脈では、以下のような場面でよく見かけます。

  • 「本日は通常どおり営業いたします」:営業時間やサービス内容がいつもと同じであることを伝える
  • 「電車は通常どおり運行しています」:ダイヤに乱れがないことを伝える
  • 「授業は通常どおり実施します」:特別時間割や休講ではないことを伝える

「通常どおり」はどんな時に使用する?

「通常どおり」は、イレギュラーが生じる可能性がある場面で、あえて変更がないことを明示したいときによく使われます。

よくある使用シーン

  • 天候不良・災害時:
    「台風接近中ですが、本日も通常どおり営業いたします」
  • 祝日・大型連休:
    「ゴールデンウィーク中も通常どおり診療します」
  • システム障害・メンテナンス:
    「システムは現在、通常どおり稼働しております」
  • 緊急事態宣言・感染症流行時:
    「一部対応を変更しつつ、営業は通常どおり継続します」

このように、「もしかすると休みかも」「変更があるかも」と不安に感じている相手に対して、安心材料として示すのが「通常どおり」という表現だと捉えるとイメージしやすいはずです。

「通常どおり」の語源は?

語源という観点から見ると、「通常どおり」は「通常」+「どおり」に分けて考えることができます。

  • 「通常」:漢字のとおり、「通じて常である状態」=ふだん・普通である状態
  • 「どおり」:漢字の「通り」の仮名表記。もともとは「通る(とおる)」と同源で、「道筋」「方法」「やり方」「そのまま」という意味を持つ

「〜の通りにする」「指示どおりに進める」といった表現の「どおり」と同じで、「通常の状態に従って・そのまま」という意味から、「いつもと同じように」というニュアンスが生まれています

MEMO

公用文では、「〜の通り」は「〜のとおり」とひらがなで書くのが基本とされています。ビジネス文書でも、このルールに倣って「通常どおり」「予定どおり」のようにひらがなで表記すると、読みやすく整った印象になります。

「通常どおり」の類義語と対義語は?

「通常どおり」に近い意味を持つ類義語と、反対の意味を持つ対義語を整理しておくと、言い換えにも役立ちます。

類義語・言い換え表現

  • いつもどおり
  • 平常どおり
  • 平常運転で
  • 平素どおり(文書調)
  • ふだん通り/ふだんどおり
  • 例年どおり/例年通り
  • 通例どおり・慣例どおり

特に「通例」「慣例」「慣習」などは、「いつもそうなっているパターン」という点で「通常どおり」と近いニュアンスを持つ言葉です。使い分けが気になる方は、「通例・慣例・慣習の違い」もあわせてチェックしてみてください。

対義語・反対のニュアンスを持つ表現

  • 臨時で/臨時ダイヤで
  • 特別対応で
  • 変則的に/変則ダイヤで
  • 時短営業で
  • 運休・休講・中止

実務的には、「通常どおり」の対義語は単語一語というよりも、「何らかの変更・制限がある状態を表す表現全般」だと考えると分かりやすいでしょう。

「通常どうり」の意味

次に、「通常どうり」という誤表記がなぜ生まれるのか、どのような背景があるのかを見ていきます。

「通常どうり」とは何か?

まず大前提として、「通常どうり」という日本語は、辞書や公的な表記ルール上は認められていません。意味としては「通常どおり」と同じつもりで使われていますが、正しい仮名遣いではないため、ビジネス文書や公式発表には不向きです。

ただし、「通常どうり」という表現が現実には多くの看板やお知らせに登場しているのも事実です。これは、「どおり」と「どうり」が耳で聞くとほとんど同じに聞こえるため、「音に引きずられて書き間違える」典型例だと言えます。

「通常どうり」を間違えて使用する理由

なぜ、ここまで「通常どうり」という誤表記が広がってしまうのでしょうか。理由はいくつか考えられます。

  • 音が似ている
    「どおり」と「どうり」は、発音上ほとんど区別がつかないため、耳で覚えると混同しやすい。
  • 「どうりで」「道理」の影響
    「どうりで~だ」「道理にかなう」など、「どうり」という別の正しい日本語が存在するため、書き分けを意識しにくい。
  • 変換候補の問題
    スマホやPCで「つうじょうどうり」と打つと、「通常通り」「通常どおり」「通常どうり」が一緒に候補に出てしまう環境もあり、そのまま誤った候補を選んでしまう。
  • 周囲の誤表記に引きずられる
    看板やサイトで「通常どうり」の文字を見慣れてしまうと、それを正しいと思い込んでしまう。
CAUTIONT

ビジネスメールや公式サイト、公共機関のお知らせなどでは、「通常どうり」と書いてしまうと、日本語に注意を払っていない印象を与えてしまうリスクがあります。相手に不安を与えないためにも、きちんと「通常どおり」に統一することを強くおすすめします。

「通常どおり」の正しい使い方を詳しく

ここからは、「通常どおり」を実務でどう使えばよいのか、例文や言い換え表現を交えながら具体的に見ていきます。

「通常どおり」の例文5選

まずは、そのままビジネスで使えるような例文を5つ挙げます。

  • 本日は悪天候が予想されますが、通常どおり営業いたします。
  • 明日の打ち合わせは、通常どおり10時から開始いたします。
  • システムは現在、通常どおり稼働しております。
  • 連休中も、診療時間は通常どおりです。
  • 本イベントは、感染症対策を講じたうえで通常どおり開催いたします。

どれも、「変更はありません」「いつも通りです」というメッセージを、分かりやすく簡潔に伝える典型的なパターンです。

「通常どおり」の言い換え可能なフレーズ

同じ「通常どおり」ばかり続くと、文章が単調になってしまうこともあります。そんなときに使いやすい言い換え表現をいくつか紹介します。

ニュアンスほぼ同じの言い換え

  • いつもどおり(ややくだけた印象)
  • 平常どおり(公的・やや硬め)
  • 平素どおり(文書調・案内文によく使う)
  • 例年どおり(年中行事・季節行事など)
  • ふだんどおり・通常運転で(くだけた言い方)

文脈に合わせて少し言い換える表現

  • 予定どおり/計画どおり進めます
  • スケジュールどおりに実施します
  • 従来どおりの対応といたします
  • これまでどおりの体制を維持します

ニュアンスの違いをより深く押さえたい方は、同じく表記の差に焦点を当てた「できる」と「出来る」の違いや、感情表現の違いを扱った「不憫」と「憐憫」の違いなども参考になるはずです。

「通常どおり」の正しい使い方のポイント

実務で「通常どおり」を使うときに意識しておきたいポイントを整理します。

  • 迷ったら「通常どおり」とひらがな表記に統一する(「通常どうり」は使わない)
  • 相手が不安になりそうな状況では、「通常どおり」と明記して安心感を与える
  • 文頭・タイトルでは「本日は通常どおり営業します」のように、なるべく簡潔な文にする
  • 「通常どおり」の前後に、何が通常なのか(営業時間・運行・対応など)を具体的に書く
  • 同じ文書で何度も使うときは、「平常どおり」「予定どおり」などと言い換えも併用する

「通常どおり」の間違いやすい表現

最後に、「通常どおり」と関連して注意したい、間違いやすい・紛らわしい表現を挙げておきます。

  • 通常どうり:誤表記。必ず「どおり」にする。
  • 通常通り:実務上はよく使われるが、「通常」と「通り」の意味が重なると指摘する意見もある。スタイルによっては「通常どおり」「平常どおり」に言い換える。
  • いつも通り/いつもどおり:どちらも使われるが、公用文では「いつもどおり」のようにひらがな書きが推奨されることが多い。
  • どおりで/どうりで:正しくは「どうりで」の方が一般的。「どうりで」は「なるほど、そういうわけか」という意味で、「通常どおり」の「どおり」とは別物。
  • 道理/どうり/どおり:「道理(どうり)」は「筋が通ること」、「〜どおり」は「そのまま・そのとおり」という別の語なので混同しないようにする。
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日本語の表記揺れは、「意味は通じるけれど相手に『あれ?』と思わせてしまう」ラインが非常に多い分野です。社外向けの文書や多数の人が目にするお知らせでは、辞書や公的な表記ガイドに沿った書き方を選ぶことをおすすめします。

まとめ:「通常どうり」と「通常どおり」の違いと意味

最後に、本記事の要点を整理しておきます。

  • 「通常どおり」が正しい表記であり、「通常どうり」は誤った仮名遣い
  • 「通常どおり」は「ふだんと同じ状態で」「特別な変更なくいつも通りに」という意味
  • ビジネスや公的文書では、ひらがな表記の「通常どおり」に統一すると安心
  • 言い換え表現として「平常どおり」「いつもどおり」「予定どおり」「従来どおり」などが使える
  • 英語では as usual / as normal / business as usual / on schedule などを文脈に応じて使い分ける

「通常どおり」か「通常どうり」かで迷うことは、これでかなり減るはずです。細かな日本語の違いを押さえておくことで、メールや案内文の印象はぐっと洗練されます。今後も、表現の違いに迷ったときは「違いの教科書」を活用して、安心して使える日本語を一つずつ増やしていきましょう。

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