「返答」「返事」「返信」の違いと意味・使い方や例文まとめ

「返答と返事と返信の違いや意味がいまいち分からない」「ビジネスメールで返答と返信のどちらを書けばよいのか迷う」「お忙しいところご返信ありがとうございますと書いたけれど敬語として合っているのか不安」....そんなモヤモヤを抱えて「返答 返事 返信 違い 意味」に関する情報を探している方は多いはずです。

日常会話では返事、仕事のメールでは返信、丁寧に言いたいときにはご返答やご回答など、似たような言葉がたくさんあるため、どれが正しくてどれが不自然なのか分かりづらくなりがちです。特にビジネスメールやチャットツールでは、返答と返信の使い分けや、上司や取引先に対する丁寧な返事の書き方が気になる場面も多いでしょう。

この記事では、返答と返事と返信の基本的な意味の違いから、フォーマルさや使う場面の違い、英語表現、類義語・対義語、言い換え表現、実際にそのまま使える例文まで、まとめて整理していきます。

返答と返事と返信の違いや意味をきちんと理解しておくと、メールやチャット、電話での対応がぐっとスムーズになりますし、「言葉の選び方が丁寧だな」という信頼感にもつながります。ビジネス日本語としての使い分けに自信を持てるよう、一緒に整理していきましょう。

返答と返事と返信の違い

まずは全体像として、返答と返事と返信の基本的な違いを押さえておきましょう。この章では意味の違い・使い分け・英語表現という三つの切り口から整理します。

結論：返答と返事と返信の意味の違い

最初に結論から整理しておきます。

ざっくり言うと、三つの言葉の中心イメージは次のようになります。

語	基本的な意味	主な使われ方	フォーマルさ
返答	問いかけや依頼などに対して「答えを返すこと」そのもの	ややあらたまった文章・ビジネス・通知文など	ややフォーマル
返事	呼びかけや問いかけに対する応答・リアクション	日常会話・カジュアルな文章・子ども向け表現など	ふつう〜カジュアル
返信	手紙・メール・メッセージに対して、文字情報で返すこと	メール・チャット・SNS・ビジネス文書など	文脈しだいだがビジネスでよく使う

つまり、返答＝「答える行為」全般、返事＝「声や態度などのリアクション」、返信＝「文面やメッセージを送り返すこと」というイメージで押さえておくと混乱しにくくなります。

たとえば、会議中に上司から質問を受けて口頭で答えるのであれば「ご返答ありがとうございます」「ご返事ありがとうございます」よりも「ご回答ありがとうございます」がよく使われます。一方で、メールを受け取って返すときには「ご返信ありがとうございます」「早速のご返信をありがとうございます」が自然です。

返答と返事と返信の使い分けの違い

次に、場面別にどの言葉を選ぶとよいかを整理します。

日常会話：基本は「返事」

友人や家族との会話、学校の授業、子どもとのやりとりなど、口頭でのやりとりが中心の場面では「返事」がいちばん自然です。

• ちゃんと返事しなさい
• 返事がないから心配したよ
• 返事を待っています

これらの文を「返答」や「返信」に置き換えると、やや固い・不自然な響きになります。

ビジネス会話・文章：丁寧さや文脈で使い分け

ビジネスの現場では、「返答」「返事」「返信」に加えて「回答」という語も頻繁に登場します。ざっくりとした目安は次の通りです。

• 口頭でやりとりした内容について丁寧に言うとき：返答・回答
• メールやチャットに書き言葉で返すとき：返信
• くだけた社内チャット・雑談的なやりとり：返事でもOK

たとえば、「ご返答ありがとうございます」は、問い合わせに対して結論を伝えてくれた相手に対して使いやすい表現です。一方、「ご返信ありがとうございます」は、メールやチャットのメッセージを返してもらったこと自体に対するお礼として多用されます。

メール・チャット：基本は「返信」だが「返事」もあり

メール・チャット・SNSなど「文字でのやりとり」のときは、基本的に「返信」を使えば問題ありません。

• お忙しいところご返信ありがとうございます。
• 取り急ぎご返信申し上げます。
• 週内にあらためてご返信いたします。

社内のゆるいチャットや、親しい人へのLINEなどでは、「お返事ありがとう」「返事が遅くなってごめんね」といった表現も自然です。フォーマル度合いに応じて、「返信」と「返事」を使い分けましょう。

返答と返事と返信の英語表現の違い

三つの日本語は、英語ではいずれも「答える」「返事をする」という意味の動詞や名詞で表現できますが、ニュアンスに少し違いがあります。

返答の英語表現

返答はややあらたまった「答え」というニュアンスなので、英語では次のような語が近いイメージです。

• response（返答・反応）
• answer（答え）
• reply（返答する、返答）

ビジネス文書では、

• Thank you for your prompt response.（早速のご返答ありがとうございます）
• We are waiting for your answer.（ご返答をお待ちしております）

といった形がよく使われます。

返事の英語表現

返事は、カジュアルな「返答・リアクション」というニュアンスに近いため、日常会話では reply や answer がよく使われます。

• Thanks for your reply.（返事してくれてありがとう）
• I haven't got his answer yet.（まだ彼から返事がない）

返信の英語表現

返信は、メールやメッセージのやりとりを強く意識させる語です。英語では、

• reply to an email（メールに返信する）
• send a reply（返信を送る）
• write back（書き返す、返信を書く）

などの表現がよく用いられます。特にビジネスメールでは、response / reply のどちらを使っても自然です。

返答の意味

ここからは、それぞれの語を一つずつ詳しく見ていきます。まずは、ややフォーマルな印象のある「返答」から確認しましょう。

返答とは？意味や定義

返答とは、「問いかけ・依頼・呼びかけなどに対して、答えや応答を返すこと」を意味します。単に「返事をする」というよりも、内容のある答えをきちんと返すイメージが強い語です。

たとえば、次のような文章でよく使われます。

• 先日のご質問につきまして、以下の通り返答いたします。
• しばらく返答が得られなかった。
• その場では返答に窮した。

会話でも使えますが、ニュース記事や報告書など、文章語で目にすることが多いのが特徴です。

返答はどんな時に使用する？

返答は、次のような場面で使うとしっくりきます。

• ビジネスでの問い合わせに、内容を整理して答えるとき
• 公的機関からの照会に対して、公式な答えを返すとき
• インタビュー・取材などで質問に答えるとき

特に「返答を控える」「返答を見送る」といった言い回しは、ある程度かしこまった文脈で使われることが多い表現です。

返答の語源は？

返答は、「返」と「答」という二つの漢字から成り立ちます。

• 返：もとに戻す、返す
• 答：問いにこたえる

つまり、「問いかけに対して答えを返す」という意味が、漢字そのものに込められています。もとは漢語的な表現で、文語的・書き言葉寄りの印象があるのはこのためです。

返答の類義語と対義語は？

返答と近い意味をもつ類義語には、次のようなものがあります。

• 返事：やや口語的で幅広い場面で使える応答
• 回答：質問に対して明確な答えを返すこと
• 応答：呼びかけや信号に応じて反応すること（機械にも使う）
• レスポンス：カタカナ語での「応答・反応」

一方、対義語としては、次のような語が挙げられます。

• 無視：相手の問いかけなどにまったく反応しないこと
• 黙殺：意図的に取り合わないこと
• 沈黙：何も言わない状態

「返答を避ける」「返答を控える」という表現は、これらの対義的な状態を婉曲的に示しているとも言えます。

返事の意味

次に、最も日常的で耳なじみのある「返事」について見ていきましょう。

返事とは何か？

返事とは、「呼びかけや問いかけに対する答えや応答」を意味します。声での「はい」「いいえ」だけでなく、うなずきや身振りなどのリアクションも含んだ、幅広い言葉です。

例として、次のような場面で使われます。

• 先生「分かった人？」生徒「はい！」（手を挙げる）→ 返事をする
• 手紙を出したあとに、友人から返事が届く
• プロポーズの返事をもらう

このように、「反応・リアクション」という意味合いが強く、かしこまりすぎない日常的な語です。

返事を使うシチュエーションは？

返事は、とても守備範囲の広い言葉です。主なシチュエーションを整理すると次の通りです。

• 日常会話（家族・友人・学校など）
• 子どもへの声かけ（「お返事は？」など）
• お礼状・お祝いへの返事
• 比較的くだけたビジネスメールや社内チャット

ビジネスでも、「良いお返事をお待ちしております」「お返事を頂けますと幸いです」といった表現は、ていねいな敬語として十分に通用します。ただし、やや柔らかい印象になるため、硬めの公的文書では「ご返答」「ご回答」などを選ぶことも多いです。

返事の言葉の由来は？

返事の「事」は、「物事」「行い」などを意味する漢字です。もともとは「返す事」、つまり「相手からの働きかけに対して、こちらから何かを返す行為」というイメージから来ていると考えられます。

歴史的な文献でも、「返事を待つ」「返事を書き送る」といった表現は古くから用いられており、古くから慣用的に使われてきた語だといえます。

返事の類語・同義語や対義語

返事の類義語には、次のようなものがあります。

• 返答：やや改まった「返事」
• 回答：質問に対する明確な答え
• 応答：呼びかけなどに反応すること
• リアクション：カジュアルな外来語での「反応」

対義語としては、「無言」「沈黙」「スルーする」などが挙げられます。「返事がない」という状態が、そのまま対義的な意味と考えてよいでしょう。

返信の意味

最後に、現代のビジネスシーンで特に使用頻度の高い「返信」について整理します。

返信の意味を解説

返信とは、「受け取った手紙・メール・メッセージなどに対して、返事の文面を送り返すこと、またはその文面」を意味します。

• メールに返信する
• LINEのメッセージにすぐ返信する
• 返信が遅れてしまい申し訳ありません

このように、返信は文字のやりとりに特化した言葉だと覚えておくと分かりやすいです。

返信はどんな時に使用する？

返信は、次のような場面で使うのが基本です。

• ビジネスメールへの返答
• チャットツール（Slack、Teamsなど）でのやりとり
• LINEやSNSのメッセージ
• 問い合わせフォームへの回答

文章でのやりとりが前提なので、電話や対面の会話については通常「返信」とは言いません。この点が、返答や返事との大きな違いです。

返信の語源・由来は？

返信も、漢字の意味から理解できます。

• 返：もとに戻す、返す
• 信：手紙・メッセージ・知らせ

つまり、返信とは「届いた手紙（信）を返す」こと、すなわち手紙やメールに対して返事を書き送る行為を指す言葉です。

返信の類義語と対義語は？

返信の類義語としては、次のようなものが挙げられます。

• 返答：文字・口頭を問わない一般的な「答え」
• 返書：手紙に対する返事の手紙
• 返電：電話にかけ直すこと
• リプライ（reply）：SNSなどでのカジュアルな「返信」

対義語としては、やはり「未返信」「放置」「スルー」など、返信を行わない状態を表す語があたります。

返答の正しい使い方を詳しく

ここからは、それぞれの語の具体的な使い方を、例文とともに確認していきます。まずは「返答」から見ていきましょう。

返答の例文5選

ビジネスシーンでそのまま使える「返答」の例文を挙げます。

• 本件につきまして、以下の通り返答申し上げます。
• ご多忙のところ早々にご返答いただき、誠にありがとうございます。
• 担当部署と協議のうえ、明日までに正式な返答をお送りいたします。
• 現時点ではお約束ができかねますので、明確な返答は控えさせていただきます。
• ご質問への返答が遅くなりましたこと、深くお詫び申し上げます。

返答の言い換え可能なフレーズ

返答は、文脈に応じて別の語に言い換えることもできます。

• ご返答 → ご回答・ご返信
• 返答する → 回答する・対応する・お答えする
• 返答を控える → 明言を避ける・回答を見送る

たとえば、「ご返答ありがとうございます」を「ご回答ありがとうございます」「ご返信ありがとうございます」と言い換えることで、ニュアンスを微調整できます。質問への明確な答えを強調したい場合は「ご回答」、メールやメッセージのやりとりを強調したい場合は「ご返信」を選ぶとよいでしょう。

返答の正しい使い方のポイント

返答を使うときのポイントは、次の三つです。

• ややフォーマルな場面で使う（文章・ビジネス寄り）
• 質問や依頼に対する「答え」であることがはっきりしているときに使う
• 基本的には口頭よりも書き言葉で使うことが多い

逆に、日常会話や砕けたメールでは、無理に「返答」を使う必要はありません。「返事」「回答」「返信」など、より自然な語を選んだほうが伝わりやすくなります。

返答の間違いやすい表現

返答に関して、よくある混同ポイントを挙げておきます。

• ご返答とご返信を混同する（メールなら「ご返信」のほうが自然なことが多い）
• 返答を待っている場面で「ご返事をお待ちしております」と書く（やや幼い印象になることも）
• 「ご返答のほどよろしくお願いいたします」と、ややくどい敬語になる

返事を正しく使うために

次に、「返事」の使い方を整理していきます。日常からビジネスまで活躍する語なので、シーンに応じた例文を押さえておくと便利です。

返事の例文5選

まずは代表的な例文を見ていきましょう。

• お手紙の返事が遅くなり、申し訳ありません。
• 良い返事をいただけることを願っております。
• 明日までに返事をもらえると助かります。
• 授業中に名前を呼ばれたら、しっかり返事をしましょう。
• プロポーズの返事は、もう少し考えてからにしたいです。

返事を言い換えてみると

返事は、文脈によって他の語に言い換えることができます。

• 返事をする → 応答する・答える・リアクションする
• 返事を待つ → 回答を待つ・連絡を待つ
• 返事がない → 反応がない・音沙汰がない

ビジネスメールでは、「返事」よりも「ご回答」「ご連絡」「ご返信」といった言葉を使うほうが、ややあらたまった印象になります。

返事を正しく使う方法

返事を上手に使うポイントは、とてもシンプルです。

• 日常会話では「返事」を基本形にする
• ビジネスでも、親しい相手や柔らかい文脈では「お返事」を使ってよい
• かしこまった書面では、「ご返答」「ご回答」「ご返信」などに置き換えることを検討する

返事は万能な言葉ですが、「相手との距離感」や「場のフォーマル度」によって、もう少し固い語に切り替える余地があると覚えておくと、表現の幅が広がります。

返事の間違った使い方

次のようなケースでは、返事以外の語を選んだ方がよいことが多いです。

• 契約書や公的文書で「返事をください」と書く（→「ご回答をお願いします」にする）
• ビジネスメールで何度も「返事」という言葉を繰り返す（→「ご返信」「ご連絡」などに置き換える）
• 上司への正式な報告書に「返事をもらった」と書く（→「ご回答を頂いた」「ご返答を頂いた」など）

ただし、これらも絶対に間違いというわけではなく、「やや砕けた印象になる」というレベルの話です。重要な契約や評価に影響するような文章では、慎重に言葉を選ぶようにしましょう。

返信の正しい使い方を解説

最後に、ビジネスメールで頻出する「返信」の使い方を、具体例とともに確認します。

返信の例文5選

ビジネスでよく使う返信の例文を挙げます。

• お忙しいところご返信いただき、誠にありがとうございます。
• いただいたメールにつきましては、後ほど正式にご返信いたします。
• ご返信が遅くなりましたこと、お詫び申し上げます。
• 本メールへのご返信は不要です。
• お問い合わせ内容を確認のうえ、3営業日以内にご返信いたします。

返信を別の言葉で言い換えると

返信も、文脈によって言い換えが可能です。

• ご返信 → ご返答・ご回答・ご連絡
• 返信する → 返答する・連絡する・回答する
• 返信不要 → ご返答は不要です・ご連絡は不要です

問い合わせ窓口などでは、「3営業日以内にご回答いたします」とすることで、「質問に対して内容のある答えを返す」というニュアンスを強めることもあります。

返信を正しく使うポイント

返信を使うときのポイントは次の通りです。

• 「文字のやりとり」であることが前提（メール・チャット・SNSなど）
• ビジネスメールでは、基本的に「ご返信」で丁寧な表現になる
• 件名の「Re:」や「返信」ボタンとセットで使われるイメージ

また、「早急なご返信をお願いいたします」のように、返信を促す表現と組み合わせることで、相手に分かりやすく期限や重要度を伝えられます。

返信と誤使用しやすい表現

返信を使う場面で、よくある注意点を挙げておきます。

• 電話・対面の会話に対して「ご返信ありがとうございました」と言ってしまう（→「ご対応ありがとうございました」にする）
• 紙の書類のやりとりに対して「ご返信ください」と書く（→「ご返送ください」「ご回答ください」が自然）
• 返信と回答を混同して使う（→質問に対しては「ご回答」、単なる受け取り確認なら「ご返信」など、使い分ける）

細かいようですが、こうしたニュアンスの違いを意識しておくだけで、文章全体の印象がぐっとスマートになります。同じように「似ているけれど違う言葉」は数多くあるので、気になったときは少しずつ整理しておくと、ビジネス日本語の精度が高まっていきます。

まとめ：返答と返事と返信の違いと意味・使い方の例文

最後に、「返答」「返事」「返信」の違いをあらためて整理しておきます。

• 返答：問いかけや依頼に対して、答えを返すこと。ややフォーマルで、文章・ビジネス寄り。
• 返事：呼びかけや問いかけに対する応答・リアクション。日常会話からビジネスまで幅広く使える。
• 返信：手紙・メール・メッセージなどに対して、文字の文面で返すこと。現代のビジネスシーンで頻出。
• フォーマル度・媒体・相手との距離感を踏まえて、3つを使い分けることが大切。

この記事では、返答と返事と返信の意味の違い、使い分け、英語表現、類義語・対義語、例文までを一気に整理しました。言葉の選び方一つで、相手に与える印象は大きく変わります。

ビジネス日本語の細かな違いに触れていくと、「注意勧告」と「注意喚起」、「照会」と「紹介」など、似ていて迷いやすい語がたくさんあることに気づきます。こうした表現の違いを体系的に整理したい場合は、違いの教科書内の関連カテゴリも活用してみてください。例えば、ビジネスメールで混同しやすい表現については、「照会」と「紹介」の違いや意味・使い方・例文なども参考になります。

返答・返事・返信の違いを意識しながら、相手との関係性や場面にふさわしい言葉を選べるようになると、コミュニケーション全体の質が自然と高まっていきます。今日から少しずつ、メールや会話での表現を見直してみてください。