
「作動」と「動作」はどちらも「動く」というニュアンスを含む言葉ですが、いざ文章を書こうとすると、どちらを使うべきか迷ってしまう方が多いはずです。「作動・動作の違いの意味」や「作動と動作の使い分け」「作動と動作のどちらが正しいのか」といった疑問で検索されている方もいるでしょう。
特に、ビジネスメールやマニュアル、製品説明書、システムの仕様書などでは、「作動確認」「動作確認」「正常に動作しています」「正常に作動しています」といった表現の正しさが気になります。また、「作動と動作の違いを英語で説明したい」「英訳するときはどんな単語を使うのが自然なのか」と悩む場面も少なくありません。
この記事では、作動と動作の意味の違いを軸に、日常会話からビジネス、技術文書まで幅広いシーンで迷わず使い分けられるよう、語源・類義語・対義語・言い換え表現・英語表現・具体的な例文まで丁寧に整理していきます。
「作動と動作の違いや意味をしっかり理解して、自信を持って文章を書けるようになりたい」という方は、ぜひ最後まで読み進めてみてください。
- 作動と動作の意味の違いと、基本的な使い分けの考え方
- 作動・動作それぞれの語源、類義語・対義語、言い換え表現
- 作動と動作の英語表現と、場面別の訳し分けのポイント
- ビジネスメールやマニュアルで使える具体的な例文と注意点
作動と動作の違い
まずは全体像として、作動と動作の意味の違い・使い分け・英語表現の違いを押さえておきましょう。この章を読むことで、おおまかなイメージがつかめるようになります。
結論:作動と動作の意味の違い
結論から言うと、作動と動作には次のような意味の違いがあります。
- 作動:機械・装置・システムなどが、スイッチや操作に応じて意図されたとおりに動き始めたり、動いていること
- 動作:人や動物の身体の動き、または機械やプログラムなどの挙動(どのように動いているか)
工業規格の世界でも、「動作」は人の動き、「作動」は機械の動きに対して使うと整理されることが多く、「作動」は「指令どおりに状態が変化すること」と定義されています。
つまり、次のようにざっくり押さえておくと分かりやすくなります。
人や動物など「生き物」が体を動かすときは動作、機械や装置がスイッチ・信号に従って動くときは作動が基本
作動と動作の使い分けの違い
作動と動作の違いを、使い分けの観点から整理してみましょう。
対象で分ける:人か機械か
- 作動:基本的に機械・装置・システムなど「無生物」に対して使う
- 動作:人・動物などの身体の動きや、機械・プログラムの挙動の両方に使う
例えば、次のようなイメージです。
- 〇 エアコンが正常に作動している。
- 〇 プログラムの動作を確認する。
- 〇 彼の動作はきびきびしている。
- △ 彼の体が作動している。(人にはふつう使わない)
タイミングで分ける:動き始めか、動いている状態か
同じ機械を対象にする場合でも、ニュアンスに差があります。
- 作動:ボタンを押した瞬間や、装置が動き始めるタイミング、あるいは意図どおりの動きが行われているかに注目するとき
- 動作:「どのように動いているか」「動き方に問題はないか」という挙動全体に注目するとき
そのため、次のような表現が自然です。
- 安全装置が作動したかどうかを確認する。
- ソフトウェアの動作が不安定だ。
- センサー不良により、モーターが作動しない。
- 新しいバージョンでアプリの動作が軽くなった。
機械に対して「動作」という言葉を使うこともありますが、多くの場合は「プログラム・機能の挙動」といったイメージになります。「ハードが作動し、ソフトが動作する」と区別しておくと整理しやすくなります。
作動と動作の英語表現の違い
英語にするときも、作動と動作は少し訳し分けを意識すると自然な表現になります。
作動の英語表現
- operation / operate:機械が作動する、装置が運転するという一般的な表現
- actuation:工学的な文脈で「作動」「作動させること」を指す専門的な語
- function / work:日常的に「ちゃんと動いている」の意味で使いやすい表現
例:
- The safety device operated properly.(安全装置が正常に作動した)
- Check the operation of the motor.(モーターの作動を確認しなさい)
- The system is not functioning correctly.(システムが正常に作動していない)
動作の英語表現
- movement / motion:人や動物の身体の動き
- behavior:プログラムやシステムの挙動
- operation / performance:機械やソフトの動作・性能
例:
- His body movements are very smooth.(彼の動作はとても滑らかだ)
- We observed the behavior of the software.(ソフトウェアの動作を観察した)
- The device shows stable operation.(装置は安定した動作を示している)
英語表現は文脈によって最適な訳語が変わります。ここで紹介している訳し方はあくまで一般的な目安なので、実際の契約書・仕様書などでは、社内の表記ルールや公式な訳語リストを必ず確認しましょう。
作動の意味
ここからは、作動という言葉そのものに焦点を当てて、意味・使う場面・語源・類義語と対義語を詳しく見ていきます。
作動とは?意味や定義
作動とは、主に機械・装置・システムが、操作や信号に応じて動き始めたり、意図された状態変化を起こすことを指します。
工業規格では、作動は「ある動作を行うことによって、機器が指令どおりの状態の変化を行うこと」と定義されており、「ただ動く」だけでなく、「正しく・指令どおりに」動いていることがポイントになっています。
日常的なニュアンスでは、次のようなイメージです。
- スイッチを入れた結果として装置が動くこと
- センサーが反応して安全装置が動くこと
- プログラムの命令どおりに機械が起動すること
作動はどんな時に使用する?
作動は、次のような場面でよく使われます。
機械・設備の立ち上がりや動きの確認
- エレベーターの作動状況を点検する。
- ポンプが正常に作動しているか確認する。
- 非常ブレーキが作動する条件を検証する。
安全装置・防災設備などのON/OFF
- 火災報知器が自動で作動する。
- 衝突時にエアバッグが作動する。
- 異常温度時にアラームが作動する。
IT・システム分野での使い方
- バックアッププログラムが深夜に自動作動する。
- ログイン失敗が一定回数を超えるとロック機能が作動する。
このように、作動は「機械・システムが仕様どおりに動いているか」「安全機能がきちんと働くか」といった文脈でよく使われます。
作動の語源は?
作動は、漢字「作」と「動」から成る熟語です。
- 作:作り出す、働きを起こす
- 動:動く、動かす
つまり作動は、「動きを作り出す」「動き始めさせる」というニュアンスを持つ漢字の組み合わせです。「止まっていたものが、操作によって動き始める」というイメージが含まれていると考えると、動作との違いが理解しやすくなります。
作動の類義語と対義語は?
作動の類義語・近い意味を持つ言葉として、次のようなものが挙げられます。
作動の主な類義語・言い換え
- 起動する
- 稼働する
- 運転する
- 作業を開始する
- 機能する
文脈によって、次のように置き換えられます。
- システムが作動する → システムが起動する/システムが稼働を開始する
- ポンプが作動している → ポンプが運転している
- 安全装置が作動した → 安全装置が機能した
作動の対義語・反対のニュアンス
- 停止(する)
- 作動しない
- 故障する
- 機能していない
「作動」が「正しく動き始める・動いている」ことに主眼があるため、その反対は「止まる」「動かない」「壊れている」という状態を指す表現になります。
動作の意味
次に、動作の意味や使い方を詳しく見ていきます。動作は作動よりも広い範囲で使われる言葉なので、その分イメージもつかみやすいはずです。
動作とは何か?
動作とは、人や動物の身体の動き・ふるまい、または機械やプログラムなどの挙動を指す言葉です。一般的な国語辞典でも「物事を行うときの身のこなし」「動き方・振る舞い」といった説明がされています。
人に対して使う場合は、次のようなニュアンスになります。
- 立つ・座る・歩く・おじぎをする・手を振るなどの身体の動き
- しぐさ・身ぶり・行動の様子
- スポーツのフォームや所作
機械やプログラムに対して使う場合は、「どういう挙動をするか」「どのような振る舞いを見せるか」という意味合いが強くなります。
動作を使うシチュエーションは?
動作は、日常的な会話からビジネス、IT・エンジニアリングの現場まで、幅広い場面で用いられます。
人の動き・行動を表すとき
- 彼の動作は丁寧で、見ていて気持ちがいい。
- 急な動作はケガの原因になるので注意してください。
- 正しい動作を身につければ、疲れにくくなります。
機械やソフトの挙動を説明するとき
- アプリの動作が重くなっている。
- このプログラムの動作を検証する。
- OSのアップデート後、いくつかのソフトの動作に問題が出た。
マナー・ビジネスシーンでの所作
- 来客時は、落ち着いた動作を心がけましょう。
- プレゼン中の動作や目線も印象を大きく左右します。
このように、動作は「対象が人か機械か」にかかわらず、「どのように動くか」という様子を説明するのに便利な言葉です。
動作の言葉の由来は?
動作は、漢字「動」と「作」から構成されています。
- 動:うごく・うごかす
- 作:なす・行う・働きを起こす
もともとは「行為を行って体が動くこと」「動きを伴う行い」といったイメージで使われていたと考えられます。「作業を行うときの身の動き」という定義もあり、身体の動きを伴う行為全般を幅広く表す言葉だと理解しておくとよいでしょう。
動作の類語・同義語や対義語
動作の類語・同義語・対義的な表現も整理しておきましょう。
動作の主な類語・言い換え
- しぐさ
- 所作
- 挙動
- 身ぶり
- 行動
- 振る舞い
機械・プログラムに対しては、次のような言葉で言い換えられることもあります。
- 挙動(プログラムの挙動、システムの挙動)
- 動き(マウスカーソルの動き)
- 挙動パターン
動作の対義語・反対のニュアンス
- 静止
- 停止
- 不動
- 無動作(動いていない状態)
人の動作に対しては「静止」、機械の動作に対しては「停止」「動作していない」「フリーズしている」などが、対になる表現として使いやすいでしょう。
作動の正しい使い方を詳しく
ここからは、作動の使い方に特化して、具体的な例文や言い換え表現、よくある誤用を詳しく見ていきます。
作動の例文5選
まずは、作動を使った実践的な例文を挙げます。
- この装置は、温度が一定以上になると自動的に作動します。
- 非常停止ボタンが作動したため、ライン全体が止まりました。
- センサーの不具合により、エアコンが正常に作動していません。
- バックアップシステムが作動し、データは保護されました。
- 停電時に非常用発電機が作動するかどうか、定期的に点検が必要です。
作動の言い換え可能なフレーズ
作動ばかりを連発すると文章が硬くなりがちなので、場面に応じて言い換えも活用しましょう。
- 作動する → 起動する/運転を開始する/稼働する/機能する
- 作動している → 動いている/稼働中である/運転中である
- 作動しない → 起動しない/反応しない/動かない/機能していない
たとえば、違いの教科書でも、似たタイプの言葉の比較として、「付ける」「着ける」「点ける」の違いと意味・使い方や、「掛かる」「懸かる」「架かる」「係る」の違いと意味・使い方などを詳しく解説しています。こうした記事と合わせて読むと、「動き」や「働き」に関する漢字表現の整理がしやすくなります。
作動の正しい使い方のポイント
作動を正しく使うためのポイントをまとめると、次の3つです。
- 人や動物には使わず、機械・装置・システムを対象にする
- スイッチや操作など、何らかの指令に従って動くイメージを含める
- 想定どおりの動き・正常な働きであるかに注目するときに使う
例えば、「アプリが作動している」という言い方は不自然ではありませんが、多くの場面では「アプリが動作している」「アプリが起動している」と言い換えた方が、読み手にとって分かりやすいことが多いです。
作動の間違いやすい表現
作動でよくある間違い・注意したいポイントも押さえておきましょう。
人を対象にしてしまう誤用
作動は機械やシステムに使う言葉なので、次のような表現は避けた方が自然です。
- × 彼の体が作動していない。
- × 子どもの手足が作動し始めた。
このような場合は、「動作」「動き」「身のこなし」などに置き換えます。
「動作確認」との混同
「作動確認」と「動作確認」もよく混同されます。
- 作動確認:機械や装置が仕様どおりに動くか(起動するか)を確認すること
- 動作確認:プログラムや機能が意図どおりの挙動をするかを確認すること
厳密に使い分ける必要がある文書(マニュアル、取扱説明書、規格文書など)の場合は、社内のルールに合わせることが重要です。
動作を正しく使うために
続いて、動作の例文や言い換え、誤用しやすいポイントを整理します。人に対しても機械に対しても使える便利な言葉だからこそ、ニュアンスの違いを意識しておきたいところです。
動作の例文5選
動作を使った例文を、人と機械の両面から挙げてみます。
- 年配の方には、急な動作を控えるようお伝えください。
- 正しい動作を身につけることで、作業効率が大きく向上します。
- 子どもの動作を観察しながら、安全に配慮して遊ばせましょう。
- このアプリは、最新OSでも安定した動作を保っています。
- アップデート後、一部の機能で動作が不安定になる不具合が報告されています。
動作を言い換えてみると
動作も、文脈に応じてさまざまな表現に言い換えることができます。
人に対して使う場合の言い換え
- 動作 → しぐさ/所作/身ぶり/身のこなし/行動
例:
- 彼の動作がきれいだ → 彼の所作がきれいだ。
- 子どもの動作を見守る → 子どものしぐさを見守る。
機械・システムに対して使う場合の言い換え
- 動作 → 挙動/動き/挙動パターン/性能
例:
- プログラムの動作を確認する → プログラムの挙動を確認する。
- アプリの動作が重い → アプリの動きが重い/パフォーマンスが悪い。
類義語や言い換え表現を整理する考え方は、「同様」「同等」「同一」のような似た言葉を比較する場合とも共通しています。詳しく類義語・言い換えの整理に興味があれば、「同様」「同等」「同一」の違いや意味・使い方も参考になるはずです。
動作を正しく使う方法
動作を正しく使うためには、次の3点を意識すると失敗が少なくなります。
- 人・動物・機械など、対象をはっきりさせてから言葉を選ぶ
- 「どう動くか」という様子・挙動を説明したいときは動作を選ぶ
- 単に「動く/動かす」ではなく、「振る舞い・所作」といったニュアンスも意識する
特にビジネスの文章では、「マナー」「所作」「行動」といった言葉の方が適切なケースも多いので、動作だけに頼らず、文脈に合わせて言い換えを検討しましょう。
動作の間違った使い方
動作は便利な言葉ですが、次のような点に注意が必要です。
「作動」の方が適切な場面で使ってしまう
- × 緊急停止装置が動作した。
- × エアバッグが動作して、運転手の命が助かった。
これらは「安全装置がスイッチやセンサーに応じて働く」というイメージなので、より自然なのは「作動」です。
- 〇 緊急停止装置が作動した。
- 〇 エアバッグが作動して、運転手の命が助かった。
あいまいな表現で原因が分かりにくくなる
技術文章で「動作が変です」とだけ書いてしまうと、どこが、どのように、どれくらいおかしいのかが伝わりません。
- × アプリの動作が変です。
より良い表現の例:
- 〇 アプリ起動時にエラーが表示され、先に進めません。
- 〇 ボタンをクリックしてから画面が切り替わるまでに、約10秒の遅延があります。
動作という言葉は便利ですが、具体的な現象・再現条件・影響範囲も併せて記述すると、読み手にとって理解しやすくなります。
まとめ:作動と動作の違いと意味・使い方の例文
最後に、ここまでの内容をコンパクトに振り返っておきましょう。
- 作動:機械・装置・システムが、操作や信号に応じて意図どおりに動き始めたり、動いていること。対象は基本的に「機械」
- 動作:人や動物の身体の動き、または機械・プログラムの挙動。対象は「人・動物・機械」まで幅広い
- 安全装置・非常停止・警報などの文脈では作動、人の所作やプログラムの挙動を説明するときは動作が基本
- 英語では、作動はoperation / actuation / function、動作はmovement / behavior / operationなどで訳し分けると自然
作動と動作は、どちらも「動く」ことを表す似た言葉ですが、対象(人か機械か)と、注目している点(動き始めか、動き方そのものか)を意識することで、自然に使い分けられるようになります。
言葉の違いを意識することで、文章の精度や伝わりやすさは一段と向上します。ぜひ今日から、メールや資料作成の中で「作動」と「動作」の違いを意識して使い分けてみてください。

