
「お待ちどうさま」と「お待ちどおさま」、どちらが正しいのか迷った経験はありませんか。接客やビジネスの場面で口にしやすい言葉だけに、表記や読み方を間違えると失礼に聞こえないか不安になりますよね。
この記事では、「お待ちどうさま お待ちどおさま 違い 意味」という疑問にまっすぐ答えながら、正しい表現、漢字表記(お待ち遠様)、語源、使い方、例文、言い換え、類義語・対義語、英語表現、そして「どちらが正しい?」「ビジネスで使っていい?」「失礼?」といった関連の悩みまでまとめて整理します。
読み終える頃には、場面に応じて迷わず使い分けられるようになります。
- 「お待ちどうさま」と「お待ちどおさま」の正しい違い
- 「お待ちどおさま」の意味・語源・使う場面
- 間違いやすい理由と丁寧な言い換え表現
- 英語表現と例文での具体的な使い方
目次
「お待ちどうさま」と「お待ちどおさま」の違い
最初に結論から整理します。違いは「表記のゆれ」ではなく、由来(語源)に基づく正誤にあります。さらに、正しい方でも場面によっては「少しくだけた印象」になり得るため、接客・ビジネスでは言い換えの選択も重要です。
結論:「お待ちどうさま」は間違った使い方
結論から言うと、「お待ちどうさま」は一般的に誤用(誤記・誤表記)として扱われます。理由はシンプルで、この挨拶の元になっている言葉が「お待ち遠様(おまちどおさま)」だからです。つまり「どう」ではなく、語源的に「どお(遠い=とおい)」につながります。
・正しくは「遠(とお)い」由来の「どお」になる
「お待ちどおさま」が正しい使い方
正しいのは「お待ちどおさま」です。漢字で書くと「御待遠様(お待ち遠様)」となり、「待ち遠しい思いをさせた」という相手の気持ちを立てる言い方になります。
ただし注意もあります。国語辞典の扱いとして「どお」や、さらに短くした「お待ち」はぞんざい(くだけた)な言い方として触れられることがあり、場面によっては丁寧さが足りないと受け取られる可能性があります。店内のカジュアルな接客では定番でも、かしこまった場では言い換えたほうが安全です。
・相手や場の格式に合わせて、表現の丁寧度を調整する
「お待ちどおさま」の英語表現の違い
日本語の「お待ちどおさま」は、単純な「待ってください」ではなく、待たせたことへの配慮を含む挨拶です。英語でも同じで、状況により表現が分かれます。
- Sorry to keep you waiting.:一般的で自然(接客・日常どちらも可)
- I apologize for keeping you waiting.:より丁寧(ビジネス向き)
- Thank you for waiting.:謝罪より感謝を前に出す(混雑時の接客で好印象)
- I’ll be with you in a moment.:今すぐ対応できないときのクッション
日本語で「お待ちどおさま」を使う場面でも、英語にするときは「謝るのか」「感謝するのか」を選べると、より洗練された印象になります。
「お待ちどおさま」の意味
ここでは、正しい表現である「お待ちどおさま」について、意味・使いどころ・由来・周辺語彙(類義語・対義語)まで一気に押さえます。知っておくと、言い換えや文章作成の精度が上がります。
「お待ちどおさま」の意味や定義
「お待ちどおさま」は、相手を待たせたときに添える挨拶で、ニュアンスとしては「待たせてしまってすみません(ありがとう)」に近い言葉です。
ポイントは、強い謝罪というより軽いお詫び+気遣いの温度感にあること。だからこそ、飲食店や窓口など日常の接客でよく使われます。一方で、格式の高い場や大きな迷惑をかけた場面では、もう一段丁寧な表現に切り替えるのが大人の判断です。
「お待ちどおさま」はどんな時に使用する?
使う場面は「相手が待っている」状況です。特に定番なのは次のようなケースです。
- 飲食店で料理を提供するとき(「お待ちどおさまです、◯◯になります」)
- 受付・窓口で順番を待たせたあとに案内するとき
- 電話保留のあとに戻るとき(くだけた関係なら)
ただし、社外の相手・目上の相手・クレーム対応など、丁寧さが求められる場では「お待たせいたしました」「大変お待たせいたしました」を選ぶほうが安全です。
「お待ちどおさま」の語源は?
語源は「お待ち遠様(おまちどおさま)」です。「遠い(とおい)」=「待ち遠しい」の「遠(とお)」が入るため、読みは「どお」になります。ここを知っていると、「どう」と書きたくなる気持ちにブレーキがかかります。
・漢字表記を思い出すと間違いにくい(御待遠様/お待ち遠様)
「お待ちどおさま」の類義語と対義語は?
「お待ちどおさま」は挨拶なので、厳密な対義語は作りにくいのですが、実用上は「待たせた側の言い方」「待つ側の言い方」に分けて整理すると便利です。
類義語(近い意味の表現)
- お待たせしました(丁寧)
- お待たせいたしました(より丁寧)
- 大変お待たせいたしました(丁寧+待ち時間が長い)
- お待ちいただきありがとうございます(感謝型で柔らかい)
- お待ちくださいませ(依頼型)
対義語(実用上の反対側の表現)
- すぐにご案内します(待たせない意思表示)
- こちらへどうぞ(待ちが解消した合図)
- お先にどうぞ(相手を先にする配慮)
「お待ちどうさま」の意味
ここからは、誤用として広がっている「お待ちどうさま」について、なぜ生まれ、なぜ定着しやすいのかを整理します。間違いの構造が分かると、文章でも会話でもミスが激減します。
「お待ちどうさま」とは何か?
「お待ちどうさま」は、「お待ちどおさま」を耳で覚えた結果、音の印象から「どう」で書いてしまった表現です。日常会話では通じてしまうため、誤用だと気づきにくいのが厄介なところです。
ただ、文章(店内掲示、メール、ビジネス文書)にすると、誤記として目立ちやすく、読み手によっては「言葉に雑さがある」と評価されることもあります。私は文章チェックの仕事でも、この手の“音で覚えた誤記”が最も多いと感じています。
「お待ちどうさま」を間違えて使用する理由
「お待ちどうさま」が出てしまう理由は、主に次の3つです。
- 音が「どう」に聞こえやすい(「どお」の長音が曖昧になりやすい)
- 漢字表記を知らない(「お待ち遠様」を見たことがない)
- 周囲も同じ誤用をしている(店内や会話で流通してしまう)
・迷ったら、より丁寧な「お待たせいたしました」に逃げるのも正解
「お待ちどおさま」の正しい使い方を詳しく
最後に、実戦で迷わないために「例文」「言い換え」「使い方のコツ」「間違いやすい表現」をまとめます。接客・ビジネスの両方で使えるよう、温度感(丁寧さ)の目安も添えていきます。
「お待ちどおさま」の例文5選
言い回しは短いほど印象が強く出ます。場面に合わせて語尾や丁寧語を調整してください。
- (飲食店)お待ちどおさまです、ハンバーグ定食になります
- (受付)お待ちどおさまでした、こちらへどうぞ
- (電話)お待ちどおさまです、担当に代わります
- (友人)ごめん、お待ちどおさま!今着いたよ
- (やや丁寧に)お待ちどおさまでした、ただいまご用意できました
・クレーム対応や大幅な遅延では「大変お待たせいたしました」を優先
「お待ちどおさま」の言い換え可能なフレーズ
「お待ちどおさま」一本で押し切るより、状況で言い換えできると表現が途端に上品になります。
| ニュアンス | 言い換え | おすすめ場面 |
|---|---|---|
| 丁寧に謝る | お待たせいたしました | ビジネス全般・社外対応 |
| 長く待たせた | 大変お待たせいたしました | 混雑時・遅延時 |
| 感謝を前に出す | お待ちいただきありがとうございます | 接客・混雑の案内 |
| 少し待ってもらう | 少々お待ちくださいませ | 今すぐ対応できない時 |
| より硬い謝罪 | お待たせして申し訳ございません | 重要顧客・フォーマル |
「長く待たせた」文脈での表現や、待ち時間が絡む言い回しをもう少し広げたい場合は、当サイトの別記事も参考になります。
「お待ちどおさま」の正しい使い方のポイント
私が文章や接客表現を整えるときに意識しているのは、次の3点です。
・待たせた時間の長さ(短いなら軽く、長いなら丁寧に)
・状況の深刻度(ただの混雑か、こちらの不手際か)
たとえば、同じ「待たせた」でも、こちらのミスで遅れたなら謝罪型(お待たせいたしました)、混雑で仕方がないなら感謝型(お待ちいただきありがとうございます)に寄せると角が立ちにくいです。
なお、フォーマルな場での「恐れ入ります」「恐縮」の使い方も合わせて整えると、文章全体が締まります。必要なら次の記事も参照してください。
「お待ちどおさま」の間違いやすい表現
最後に、実務でよく見かける「つまずきポイント」をまとめます。
- お待ちどうさま(誤記として目立ちやすい)
- お待ちどーさま(表記が砕けすぎて文章には不向き)
- お待ち(状況によってはぶっきらぼうに聞こえる)
- 少々お待ちくださいの多用(命令調に聞こえることがあるため、接客では「お待ちくださいませ」「ただいま伺います」も併用)
まとめ:「お待ちどうさま」と「お待ちどおさま」の違いと意味
「お待ちどうさま」と「お待ちどおさま」の違いは、単なる好みではなく語源に基づく正誤です。正しいのは「お待ちどおさま」で、漢字表記の「お待ち遠様(御待遠様)」を思い出すと迷いにくくなります。
一方で「お待ちどおさま」は場面によっては少しくだけた印象になり得るため、ビジネスでは「お待たせいたしました」「お待ちいただきありがとうございます」などの言い換えを持っておくと安心です。
迷ったときは「相手との距離感」と「待たせた時間」の2軸で選ぶ。これが、私が実務で一番ブレない基準です。

