
「厚かましい」と「図々しい」と「おこがましい」の違い意味が、なんとなく似ていて迷う……そんな検索をした方は多いはずです。日常会話だけでなく、ビジネスメールや目上の人へのお願い、敬語表現として使う場面でも、言葉選びを間違えると「失礼」に聞こえることがあります。
この記事では、厚かましいと図々しいとおこがましいの意味の違いを、使い分け・ニュアンス・例文・語源・漢字・類語(類義語)・対義語・言い換え・英語表現まで一気に整理します。「厚かましいお願い」「図々しい人」「おこがましいですが」のような頻出フレーズも、具体例つきで確認できる構成です。
読み終えるころには、「どれを使うのが自然か」「どれが一番角が立つか」「ビジネスではどれが無難か」が自分の言葉で判断できるようになります。
- 厚かましいと図々しいとおこがましいの意味の違いと共通点
- 場面別に失礼になりにくい使い分けのコツ
- 語源・類義語・対義語・言い換え・英語表現の整理
- そのまま使える例文(お願い・会話・ビジネス)と誤用パターン
目次
厚かましいと図々しいとおこがましいの違い
まず最初に、3語の違いを「意味」「使い分け」「英語表現」の3点で一気に俯瞰します。ここを押さえるだけで、文章や会話での迷いが大幅に減ります。
結論:厚かましいと図々しいとおこがましいの意味の違い
結論から言うと、3語はどれも「遠慮がない」「分をわきまえない」ニュアンスを含みますが、中心にある評価ポイントが違います。
| 言葉 | 核となる意味 | 主な対象 | 語感 | よくある用法 |
|---|---|---|---|---|
| 厚かましい | 遠慮がなく、配慮や慎みが薄い | 言動・態度・お願い | 非難が強め(ただし自分にも使える) | 厚かましいお願い/厚かましい態度 |
| 図々しい | 恥を気にせず、当然の顔で押し通す | 態度・振る舞い・要求 | カジュアルで直球(悪口寄り) | 図々しい人/図々しく居座る |
| おこがましい | 身の程知らずで差し出がましい(へりくだりにも) | 発言・申し出・評価・依頼 | 改まった表現(自己卑下の定型) | おこがましいですが…/おこがましい話 |
一言でまとめると、厚かましい=配慮がない、図々しい=恥を気にしない、おこがましい=分不相応で差し出がましいです。
- 相手に迷惑をかけるのに「平気」な感じが強いときは厚かましい
- 恥や常識を無視して「押し切る」感じが強いときは図々しい
- 立場的に言うべきでないのに「口を出す/頼む」感じはおこがましい
厚かましいと図々しいとおこがましいの使い分けの違い
私が使い分けるときは、「誰の言動を評価しているか」と「場のフォーマル度」で切り分けます。
1. 他人を評する(悪口寄り)なら:厚かましい/図々しい
第三者の態度を批判するときは、基本的に厚かましいか図々しいが出番です。どちらも非難語ですが、図々しいのほうが会話での悪口っぽさが出やすく、厚かましいは文章でも使いやすい印象があります。
2. 自分がへりくだる(クッション)なら:おこがましい/厚かましい
一方で「お願い」や「申し出」を丁寧にしたいときは、おこがましいですがが非常に便利です。厚かましいも「厚かましいお願いですが」と自分に使えますが、おこがましいは改まった場で角が立ちにくいのが強みです。
3. 目上・ビジネスなら:図々しいは避け、表現を柔らかく
ビジネスや目上の相手に対して「図々しいお願いですが」は、砕けすぎて聞こえることがあります。迷ったら、おこがましいですが、もしくは「恐れ入りますが」「差し支えなければ」などに言い換えると無難です。
- 相手を直接「厚かましい」「図々しい」と断定すると対立を招きやすいので、評価語として使う場面には注意が必要
- 重要な取引・契約・規約などの判断に関わる文書では、正確な情報は公式サイトをご確認ください。不安がある場合は、最終的な判断は専門家にご相談ください
なお、「慎ましい(つつましい)」のような対義の方向をまとめて確認したい方は、当サイト内の「つつましい」と「つましい」の違いと意味・使い方もあわせて読むと、言葉の軸が取りやすくなります。
厚かましいと図々しいとおこがましいの英語表現の違い
英語に直すときは、3語を全部ひとまとめに「rude」と訳すと雑になります。ニュアンスごとに近い語を当てるのがコツです。
- 厚かましい:thick-skinned / shameless / brazen(遠慮・恥の欠如を強調)
- 図々しい:cheeky / audacious / brazen(図太く押し通す感じ、口語寄り)
- おこがましい:presumptuous / impertinent(身分不相応・差し出がましい)
自分をへりくだって「おこがましいですが…」と言うなら、英語ではIt may be presumptuous of me, but...の型が使いやすいです。反対に、相手を強く非難するなら「brazen」「shameless」などで語気が強くなります。
「無礼」「生意気」「差し出がましい」など、英語表現のニュアンス整理をもう少し広げたい場合は、当サイト内の「傲岸」と「不遜」の違いと意味・英語表現も参考になります(“insolent / impudent / impertinent”の整理が役立ちます)。
厚かましいの意味
ここからは、3語をそれぞれ単独で深掘りします。まずは「厚かましい」。日常でもビジネスでも頻出で、使い方しだいで印象が大きく変わる言葉です。
厚かましいとは?意味や定義
厚かましいは、行動や態度に慎みや遠慮がなく、配慮が薄いさまを表します。相手の都合や気持ちよりも、自分の都合を優先して押し通すような言動に対して使われやすい言葉です。
ポイントは、単に「お願いが大きい」だけではなく、遠慮のなさが目立つこと。だからこそ、相手を評する言い方として使うときは、強い非難になり得ます。
厚かましいはどんな時に使用する?
厚かましいは、大きく分けて次の2パターンで使われます。
1. 他人の態度を非難する(評価語)
「手土産もなく急に来る」「こちらの都合を聞かずに要求する」「断っても引かない」など、相手の配慮の欠如を批判するときに使います。
2. 自分のお願いをへりくだる(クッション語)
「厚かましいお願いですが」の形で、自分の依頼が相手に負担をかけることを理解している、という姿勢を示せます。この使い方は、謝意と配慮をセットで添えると効果が出ます。
- 相手を評する厚かましい:批判が強いので、場を選ぶ
- 自分に使う厚かましい:お願いの角を取るクッションになる
厚かましいの語源は?
厚かましいは、「面の皮が厚い」という比喩とつながるイメージで理解すると覚えやすい言葉です。つまり、恥や遠慮が働きにくく、押し出しが強い状態を「厚い」と捉える感覚です。
語源の説明は資料によって表現が揺れることがありますが、日常運用では「厚い=図太い/遠慮がない」という連想が核だと押さえておけば十分です。言葉の厳密な語史が必要な場合は、辞書や専門資料など一次情報の確認をおすすめします。
厚かましいの類義語と対義語は?
厚かましいの近い言葉(類義語)は多めです。ニュアンスの差まで押さえると、言い換えが一気に楽になります。
- 類義語:図々しい、ふてぶてしい、厚顔無恥、無遠慮、ずうずうしい、破廉恥
- 対義語:慎ましい、謙虚、控えめ、奥ゆかしい、遠慮深い、しおらしい
「無作法」「破廉恥」など、礼を欠く類語を整理したい方は、当サイト内の「不埒」と「不届き」の違いと意味・使い方も関連語彙の確認に役立ちます。
図々しいの意味
次は「図々しい」です。厚かましいと近い一方で、会話でのパンチが強く、使うときに感情が乗りやすい言葉でもあります。
図々しいとは何か?
図々しいは、恥を気にせず、遠慮なく振る舞うさまを表します。「普通は控えるよね?」というラインを超えても平然としている感じが出るのが特徴です。
厚かましいと比べると、図々しいは恥の感覚の薄さに焦点が当たりやすく、口語的でストレートに響きます。そのため、相手に直接投げると角が立ちやすい言葉です。
図々しいを使うシチュエーションは?
図々しいは、次のような「当然の顔で押し通す」場面で使われます。
- 断られても同じ要求を繰り返す
- 人の家や場に長時間居座る
- 成果だけ取ろうとして責任を避ける
- 周囲の迷惑より自分の得を優先する
ただし、ビジネスでは「図々しいお願いですが」は砕けすぎる場合があります。迷ったら「恐れ入りますが」「差し支えなければ」「ご検討いただけますと幸いです」など、機能が同じクッション表現に寄せるのが安全です。
図々しいの言葉の由来は?
図々しいは、表記として「図」という字が入るため、図や計画の「図」と結びつけて覚えたくなりますが、日常の理解としてはずうずうしい(図太い)という語感が中心です。表記の由来や歴史的経緯まで踏み込む場合は、辞書・語源辞典などで確認すると確実です。
図々しいの類語・同義語や対義語
図々しいの類語は、厚かましいとかなり重なります。ただし、どれも同じ強さではありません。
- 類語・同義語:厚かましい、ずうずうしい、ふてぶてしい、厚顔無恥、無神経、開き直り
- 対義語:慎ましい、謙虚、遠慮深い、しおらしい、控えめ
言い換えのときは、「図々しい=cheeky(生意気・図太い)」のように、軽い皮肉か強い非難かで強度を調整すると、文章のトーンが整います。
おこがましいの意味
最後に「おこがましい」です。3語の中では最も改まった響きがあり、へりくだり表現としても定着しています。
おこがましいの意味を解説
おこがましいは、「身の程をわきまえず差し出がましい」「分不相応で出過ぎている」さまを表します。厚かましい・図々しいが態度の悪さに寄るのに対して、おこがましいは立場や分際のズレが中心です。
そのため、「目上の方に意見する」「経験が浅いのに評価する」「関係性が薄いのに踏み込んだお願いをする」など、立場のズレがある場面にしっくり来ます。
おこがましいはどんな時に使用する?
おこがましいは、実務では「自分の発言・お願い」を柔らかくするクッションとして頻出です。
- おこがましいですが、ひとつお願いがございます
- おこがましいとは存じますが、ご確認いただけますでしょうか
- おこがましい話ですが、改善案を提案してもよろしいでしょうか
こうした定型は、「出過ぎたことを言っている自覚がある」という姿勢を示せるため、相手の心理的抵抗を下げる効果があります。ただし、連発するとへりくだりが過剰になり、文章が重たくなるので使いどころを絞るのがコツです。
おこがましいの語源・由来は?
おこがましいは、古い日本語の感覚に根を持つ語で、「ばかげている」「身の程知らず」といったニュアンスを含みながら、現代では「差し出がましい」に寄せて使われることが多い言葉です。
語源・由来は解説の仕方が複数あるため、厳密な確認が必要な場合は国語辞典や語源辞典などの一次資料に当たるのが確実です。正確な情報は公式サイトや信頼できる辞書をご確認ください。不安がある場合は、最終的な判断は専門家にご相談ください。
おこがましいの類義語と対義語は?
おこがましいは、類語の選び方で丁寧さが変わります。
- 類義語:僭越、差し出がましい、出過ぎた、分不相応、生意気、厚かましい
- 対義語:謙虚、慎ましい、控えめ、遠慮深い、謙遜
ビジネスでの言い換えは、僭越ながらが近い立ち位置です。より柔らかくするなら「恐れ入りますが」「差し支えなければ」に寄せると、相手を選びません。
厚かましいの正しい使い方を詳しく
ここでは「厚かましい」を、実際に使える例文とともに整理します。批判として使う場合と、お願いのクッションとして使う場合で、印象が真逆になる点がポイントです。
厚かましいの例文5選
- 手土産もなく突然訪ねてくるなんて、さすがに厚かましいと思った
- 断っているのに何度も同じ要求をしてくるのは厚かましい
- 厚かましいお願いですが、締切を一日だけ延ばしていただけませんか
- 厚かましいとは分かりつつ、念のためもう一度だけ確認させてください
- 厚かましい態度で当然のように頼ってくる人とは距離を置きたい
厚かましいの言い換え可能なフレーズ
厚かましいは強い言葉なので、状況によっては言い換えるほうが得策です。
- (柔らかめ)遠慮がない、配慮が足りない
- (少し硬め)無遠慮だ、礼を欠いている
- (強め)厚顔無恥だ、ふてぶてしい
- (お願いのクッション)恐れ入りますが、差し支えなければ
厚かましいの正しい使い方のポイント
厚かましいを上手に使うコツは、評価語としての強さを理解したうえで、目的に合わせて温度を調整することです。
- 相手を断罪したいときの言葉ではなく、状況を説明する言葉として使うと角が立ちにくい
- 「厚かましいお願いですが」は、直後に謝意(申し訳ありません/ありがとうございます)を添えると丁寧
- 文章では、代替表現(無遠慮・配慮がない)に落とすとトーン管理がしやすい
厚かましいの間違いやすい表現
よくある誤りは、「厚かましい」を単に「お願いが大きい」という意味で使ってしまうケースです。お願いの規模よりも、遠慮の欠如や配慮不足が目立つかで判断するとズレません。
また、目上の相手に対して他人の行為を指して「厚かましいですね」と同調を求めると、場が荒れることがあります。ビジネスでは「配慮が不足しているように見えます」など、評価語を弱めるのが安全です。
図々しいを正しく使うために
図々しいは口語で便利なぶん、刺さりやすい言葉です。相手へのレッテル貼りにならないよう、使い方のポイントを押さえておきましょう。
図々しいの例文5選
- 断られたのに平然と同じお願いをするなんて図々しい
- 人の成果を横取りして自分の手柄にするのは図々しいよ
- 図々しく長居してしまってごめんね
- 初対面なのにプライベートに踏み込むのは図々しいと思う
- 図々しい人ほど要求だけは一人前に言うことがある
図々しいを言い換えてみると
図々しいをそのまま言うと角が立つ場面では、言い換えが役に立ちます。
- (柔らかめ)遠慮がない、ちょっと強引
- (注意の言い方)その言い方だと誤解されやすいかも
- (強め)厚かましい、ふてぶてしい、恥知らず
図々しいを正しく使う方法
図々しいは、相手の人格を決めつけるよりも、「行為」に焦点を当てたほうが摩擦が減ります。たとえば「図々しい人だ」より「今の頼み方は図々しく聞こえるかも」のほうが、指摘として受け取られやすいです。
また、自分に対して「図々しくてごめん」と言う使い方はありますが、ビジネスだと砕けます。改まった場では「恐れ入りますが」「失礼ながら」に置き換えると安定します。
図々しいの間違った使い方
図々しいの代表的な誤用は、冗談のつもりで相手を「図々しいね」と言ってしまうことです。関係性によっては一気に不快にさせます。親しい間柄でも、相手が困っている場面では避けたほうが無難です。
また、図々しいを連呼すると感情的に聞こえます。文章では「無遠慮」「配慮がない」などに落として、トーンを整えるのがおすすめです。
おこがましいの正しい使い方を解説
おこがましいは、へりくだり表現として非常に便利です。ただし、便利だからこそ定型に頼りすぎない使い方が大切です。
おこがましいの例文5選
- おこがましいですが、念のため一点だけ確認させてください
- おこがましいとは存じますが、改善案を共有してもよろしいでしょうか
- 立場をわきまえず口を出すのはおこがましいと反省した
- おこがましいお願いで恐縮ですが、期日を調整いただけますか
- 経験が浅いのに評価を下すのはおこがましい
おこがましいを別の言葉で言い換えると
おこがましいは、言い換えると丁寧さや距離感を調整できます。
- (近い・硬め)僭越ながら、差し出がましいですが
- (柔らかめ)恐れ入りますが、差し支えなければ
- (自己反省寄り)出過ぎたことを言ってしまった、分不相応だった
おこがましいを正しく使うポイント
おこがましいを上手に使うポイントは、へりくだり+具体的な配慮をセットにすることです。言葉だけへりくだっても、内容が一方的だと逆効果になり得ます。
- 「おこがましいですが」の後は、相手の選択肢(ご都合のよい範囲で/可能でしたら)を用意する
- 謝意や負担軽減(短く要点だけ/不要ならスルーで)を添えると誠実に伝わる
- 連発しない。1通のメールに多用すると、くどく見える
おこがましいと誤使用しやすい表現
おこがましいと混同しやすいのが「差し出がましい」「僭越」です。どれも「出過ぎ」を示しますが、実務では次の感覚で使い分けると整理しやすいです。
- おこがましい:分不相応・身の程知らずのニュアンスまで含む(へりくだり定型)
- 差し出がましい:相手の領域に踏み込みすぎる(行為の境界線の問題)
- 僭越:格式高めでビジネス向き(「僭越ながら」の定型)
また、「おこがましい」を相手に向けて使うと強い非難になりやすい点にも注意が必要です。相手を責める文脈では、事実の指摘や状況説明に寄せたほうが、対話が前に進みます。
まとめ:厚かましいと図々しいとおこがましいの違いと意味・使い方の例文
最後に要点をまとめます。迷ったときは、3語の「焦点」を思い出すと判断が速くなります。
- 厚かましい:遠慮や配慮が薄い。相手の都合を無視する感じ。自分のお願いのクッションにも使える
- 図々しい:恥を気にせず押し通す。口語で直球、悪口になりやすいのでビジネスでは注意
- おこがましい:身の程知らず・差し出がましい。改まった場のへりくだり表現として有効
- 英語は thick-skinned / cheeky / presumptuous など、ニュアンスで分けると自然
言葉は、同じ意味に見えても「角の立ち方」や「場に合うか」が変わります。特にビジネスや目上の相手が絡む場面では、断定語を避けてクッション表現に寄せるだけで、コミュニケーションが滑らかになります。
なお、語源や定義の厳密さが必要な場面では、正確な情報は公式サイトや信頼できる辞書をご確認ください。不安がある場合は、最終的な判断は専門家にご相談ください。

