
「飛ぶ」と「跳ぶ」と「翔ぶ」は、どれも読みは同じ「とぶ」なのに、意味やニュアンスが微妙に違っていて迷いやすい言葉です。
「飛ぶの意味は?」「跳ぶとの違いは?」「翔ぶは大げさ?」「漢字の使い分けはどこで判断する?」「比喩表現ではどれが自然?」「飛翔や跳躍って何が違う?」など、検索しても答えが散らばっていて、結局モヤっとしたまま…という方も多いはず。
この記事では、同訓異義語としての「飛ぶ・跳ぶ・翔ぶ」を、定義・使い分け・英語表現・語源・類義語/対義語・言い換えまで一気に整理します。文章・レポート・SNS・ネーミングなど、どの場面でも迷わない基準を作っていきましょう。
- 飛ぶ・跳ぶ・翔ぶの意味の違いが一瞬で分かる基準
- 文脈別の使い分けと、ありがちな誤用の回避方法
- 英語表現(fly/jump/soarなど)との対応関係
- 例文と言い換えで、自然な文章に整えるコツ
目次
飛ぶと跳ぶと翔ぶの違い
最初に結論を押さえると、このあと個別の説明がスッと入ります。私は「動きの種類(飛行か跳躍か)」「滞空感(空中にいる感じ)」「語感(一般的か、詩的か)」の3つで整理しています。
結論:飛ぶと跳ぶと翔ぶの意味の違い
結論から言うと、飛ぶは「空中を移動する(飛行する)」を中心に、比喩的にも広く使える基本語です。跳ぶは「踏み切ってはね上がる(ジャンプする)」という地面からの跳躍が核。翔ぶは「空をかけめぐる」「大きく高く、悠々と飛ぶ」という、雄大で詩的な飛行の語感が強い言葉です。
| 表記 | 中心イメージ | 典型シーン | 語感 | 比喩への広がり |
|---|---|---|---|---|
| 飛ぶ | 空中を移動する | 鳥・虫・飛行機が飛ぶ/飛び込む | 日常的・汎用 | 話が飛ぶ/記憶が飛ぶ など広い |
| 跳ぶ | 踏み切って跳ね上がる | 溝を跳ぶ/跳び越す/三段跳び | 動作的・運動的 | 比喩は限定的(驚いて跳ぶ等) |
| 翔ぶ | 空をかけめぐる/悠々と飛ぶ | 鷲が大空を翔ぶ/飛翔 | 文学的・象徴的 | 夢が翔ぶ/理想が翔ぶ など演出向き |
- 物理的に「飛行」なら飛ぶ
- 地面を蹴って「ジャンプ」なら跳ぶ
- 雄大さ・美しさを「演出」したいなら翔ぶ
飛ぶと跳ぶと翔ぶの使い分けの違い
使い分けのコツは、「どこから力を得ている動きか」を考えることです。跳ぶは地面(床)を蹴って一瞬浮く動きで、着地が前提になりやすい。対して飛ぶは、翼・機械・風などの力も含めて「空中移動」を広く捉えます。翔ぶは、意味としては飛ぶ仲間ですが、文章の温度感が上がり、スケール感や理想・自由のイメージが乗りやすいのが特徴です。
私の運用ルールとしては、次のように決めると迷いが減ります。
- ニュース・説明文・マニュアルなど、正確さ優先 → 飛ぶ(無難で誤解が少ない)
- 運動・身体動作・跳び越え・跳躍がテーマ → 跳ぶ
- キャッチコピー・詩・小説・タイトルなど、情景や象徴性を出したい → 翔ぶ
- 「翔ぶ」は間違いではありませんが、日常文で多用すると“気取った印象”になることがあります。狙って使うと効果的です。
飛ぶと跳ぶと翔ぶの英語表現の違い
英語にすると、対応がかなりスッキリします。飛ぶは基本的に fly。跳ぶは jump や leap。翔ぶは soar(高く舞い上がる・雄大に飛ぶ)や、文脈によって glide(滑空する)などが近いです。
| 日本語 | 英語の代表 | ニュアンス | 例 |
|---|---|---|---|
| 飛ぶ | fly | 空中を移動する一般語 | Birds fly in the sky. |
| 跳ぶ | jump / leap | 地面から跳ね上がる | He jumped over the puddle. |
| 翔ぶ | soar / glide | 高く悠々と舞う/滑空 | An eagle soared above the mountain. |
飛ぶの意味
ここからは「飛ぶ」だけを深掘りします。いちばん使用頻度が高く、比喩にも広がるので、まずはここを固めると文章全体の精度が上がります。
飛ぶとは?意味や定義
飛ぶは、「空中を速く移動する」「急いで行く」「急になくなる」「順序を抜かす」など、幅広い意味を持つ言葉です。特に日常では、鳥や虫、飛行機などの飛行のほか、「話が飛ぶ」「記憶が飛ぶ」のように、抽象的な移動・消失にも自然に使えます。
- 迷ったらまず「飛ぶ」を選ぶと大外ししにくい
- 比喩の受け皿が広く、文章のリズムも崩れにくい
飛ぶはどんな時に使用する?
飛ぶは、次のような場面でよく使います。
- 物理的な飛行:鳥が空を飛ぶ/飛行機が飛ぶ
- 素早い移動:現場へ飛んで行く/家に飛んで帰る
- 省略・順序を抜かす:10ページ飛ばして読む
- 消失・喪失:記憶が飛ぶ
- 情報が広がる:うわさが飛ぶ/憶測が飛び交う
一方で、「ジャンプ」の意味で人が「飛ぶ」と言うと、場面によっては誤解が出ます。例えば運動の描写で「高く飛ぶ」と書くと、跳躍なのか飛行なのか曖昧になりやすい。そういうときは、「跳ぶ」「跳び上がる」「飛び上がる」など、動きが分かる表現に寄せるのがおすすめです。
飛ぶの語源は?
「飛」の字は、翼を広げて空中を移動するイメージを核にしています。語としての「飛ぶ」も、もともとは空中を移動する動きが中心で、そこから「急いで行く」「省略する」「消える」といった比喩へ広がっていきます。比喩が強い言葉ほど、元の身体感覚(スッと移動する、ふっと消える)が残るのが日本語の面白さです。
- 比喩の「飛ぶ」を書くときは、前後の文で具体性を足すと誤読が減ります(例:「話が飛ぶので、要点だけ戻す」など)。
飛ぶの類義語と対義語は?
飛ぶの類義語は、文脈で変わります。飛行なら「飛行する」「舞い上がる」「飛び立つ」、素早い移動なら「駆けつける」「急行する」、省略なら「省く」「端折る」が近いです。
- 類義語(飛行):飛行する、舞う、舞い上がる、飛び立つ、滑空する
- 類義語(移動):駆けつける、急行する、急いで行く
- 類義語(省略):省く、端折る、抜かす
- 対義語(飛行/移動の対比):着地する、降りる、とどまる
- 対義語(省略の対比):丁寧に読む、順を追う、網羅する
跳ぶの意味
「跳ぶ」は、地面からの反発を使う動きが核です。ここを押さえると、「飛ぶ」との混同が一気に減ります。
跳ぶとは何か?
跳ぶは、足で踏み切って高くはね上がること、また物の上をはねて越えることを表します。スポーツでいう「跳躍」に近く、動きが身体的です。
- 跳ぶは「ジャンプ」だと割り切ると使い分けが楽
- 越える動き(跳び越す)とも相性がいい
跳ぶを使うシチュエーションは?
跳ぶが自然なのは、次のような場面です。
- 運動の描写:高く跳ぶ/連続で跳ぶ
- 障害物を越える:溝を跳ぶ/水たまりを跳び越す
- 競技名・専門語:三段跳び/棒高跳び
逆に、「鳥が跳ぶ」「飛行機が跳ぶ」のように、飛行を表す場面で跳ぶを使うと、読者に「ジャンプ?」という違和感が出ます。文章の目的が説明なら、ここは素直に「飛ぶ」を使う方が伝わります。
「跳ぶ」と近いテーマとして、同じ“跳ね上がる”系の言葉である「躍る」も混同ポイントが多いので、気になる方は「踊る」と「躍る」の違いと意味・使い分けも併せて読むと、動作語の整理が一段ラクになります。
跳ぶの言葉の由来は?
「跳」の字は、はねる動き・跳躍のイメージが強く、言葉としても「踏み切り→浮く→着地」という一連の動作が背景にあります。私は、跳ぶを使うときは、文中に踏み切り・着地・越える対象のいずれかを置くと、文章が急に締まると感じています。
- 例:「段差を跳ぶ」「ロープを跳ぶ」「跳び越える」など、対象があると映像が立ちます。
跳ぶの類語・同義語や対義語
跳ぶの同義語は「跳ねる」「跳躍する」「ジャンプする」「飛び跳ねる」など。対義語は文脈で「着地する」「降りる」「立ち止まる」が取りやすいです。
- 類語・同義語:跳ねる、跳躍する、ジャンプする、飛び跳ねる、跳び上がる
- 対義語(動作の対比):着地する、降りる、踏みとどまる、静止する
翔ぶの意味
「翔ぶ」は、意味としては飛行の仲間ですが、文章の雰囲気が一段上がります。日常文で無理に使う必要はない一方で、ハマる場面では強い言葉です。
翔ぶの意味を解説
翔ぶは、「空をかけめぐる」「羽を広げて高く飛ぶ」といった、雄大で自由な飛行を表す語です。熟語では「飛翔(ひしょう)」のように、文語・書き言葉としても定着しています。
- 翔ぶは「大空」「悠々」「自由」と相性がいい
- 現実の飛行より、情景・象徴を描くのに向く
翔ぶはどんな時に使用する?
翔ぶが生きるのは、次のような場面です。
- 大きな鳥が空を舞う情景:鷲が大空を翔ぶ
- 文学的な描写:雲間を翔ぶ影/風を受けて翔ぶ
- 象徴・比喩:夢が翔ぶ/理想が翔ぶ/未来へ翔ぶ
ただし、説明文やビジネス文で「飛行機が翔ぶ」と書くと、読み手によっては“演出過多”に見えます。キャッチコピーならアリ、報告書ならナシ、というように、文章の目的(説明か演出か)で判断すると失敗しません。
翔ぶと関係が深い「翼」という語も、象徴性が強い言葉です。言葉選びの幅を広げたい方は「羽」「羽根」「翼」の違いも参考になります。
翔ぶの語源・由来は?
「翔」は、羽を広げて飛ぶ姿を表し、語としても「高く」「大きく」飛ぶイメージを伴います。私は、翔ぶを選ぶときは、文中に「大空」「風」「雲」「光」など、空の要素を一つ入れるようにしています。そうすると、翔ぶの強い語感が“浮いて”見えにくく、文章が自然に馴染みます。
- 翔ぶは単体だと強いので、周辺語彙で情景を支えると上品に決まります。
翔ぶの類義語と対義語は?
翔ぶの類義語は「舞う」「舞い上がる」「飛翔する」「滑空する」など。対義語は「降りる」「落ちる」「着地する」が取りやすいです。
- 類義語:舞う、舞い上がる、飛翔する、滑空する、羽ばたく
- 対義語:降りる、落ちる、着地する、沈む
飛ぶの正しい使い方を詳しく
ここからは実戦編です。例文→言い換え→ポイント→誤りやすい表現の順に、文章で使える形に落とし込みます。
飛ぶの例文5選
- 鳥が朝の空を気持ちよさそうに飛ぶ。
- 予定が詰まっていて、時間が飛ぶように過ぎた。
- 大事な部分だけ覚えていて、前後の記憶が飛んでいる。
- 話が飛びやすいので、結論から整理して説明します。
- 急な連絡で、現場へ飛んで行った。
飛ぶの言い換え可能なフレーズ
飛ぶは便利な反面、文脈が曖昧だと「何がどう飛ぶのか」が伝わりません。次の言い換えを持っておくと、文章の精度が上がります。
- (移動)飛んで行く → 駆けつける/急行する
- (省略)飛ばす → 省く/端折る/抜かす
- (消失)記憶が飛ぶ → 記憶が抜け落ちる/思い出せない
- (拡散)うわさが飛ぶ → 広まる/流れる
飛ぶの正しい使い方のポイント
飛ぶを自然に使うコツは、「飛ぶ対象」と「飛び方」を一語足すことです。例えば「情報が飛ぶ」より「憶測が飛び交う」の方が映像が立ちます。
- 物理か比喩かを最初に決める
- 比喩なら、読者が誤解しない具体語(時間・記憶・話題など)を添える
- 説明文では「翔ぶ」より「飛ぶ」を基本にする
飛ぶの間違いやすい表現
間違いというより「誤解されやすい」表現を避けるのがコツです。
- 「人が空を飛ぶ」:SFや比喩ならOK。現実説明なら「跳ぶ」「飛び上がる」等が明確
- 「飛行機が翔ぶ」:広告文ならアリ。報告書・説明文では「飛ぶ/飛行する」が無難
- 「飛ぶ=jump」:英語対応で混乱しやすいので、跳ぶ=jump、飛ぶ=flyで整理
跳ぶを正しく使うために
「跳ぶ」は動作が具体的なぶん、使いどころが合っていれば伝わりやすい言葉です。逆に、飛行シーンで使うと違和感が出やすいので、そこだけ注意しましょう。
跳ぶの例文5選
- 子どもが水たまりを跳んで渡った。
- 号令に合わせて、その場で高く跳ぶ。
- 溝を跳び越えるには、踏み切りの位置が大事だ。
- 三段跳びのフォームを動画で確認した。
- 驚いて思わず後ろに跳んだ。
跳ぶを言い換えてみると
動きを細かく描写したいときは、跳ぶを言い換えるだけで文章がグッと具体的になります。
- 跳ぶ → 跳ねる(軽く弾む感じ)
- 跳ぶ → 跳躍する(硬め・競技的)
- 跳ぶ → 飛び跳ねる(反復・勢い)
- 跳ぶ → 跳び上がる(上方向の強調)
跳ぶを正しく使う方法
跳ぶは、文中に「越える対象」か「跳躍の目的」を入れると、読み手が迷いません。例えば「縄を跳ぶ」「段差を跳ぶ」「障害を跳び越す」といった形です。
- 地面を蹴る動作が見えるなら跳ぶ
- 「何を越えるか」「どこへ跳ぶか」を置くと文章が締まる
- 飛行(鳥・飛行機)を描くなら、基本は飛ぶに戻す
跳ぶの間違った使い方
誤用になりやすいのは、飛行と跳躍の混線です。
- 「飛行機が跳ぶ」:ジャンプの印象になるため不自然
- 「鷲が空を跳ぶ」:大空を移動するなら「翔ぶ/飛ぶ」
- 「情報が跳ぶ」:比喩として一般的ではないので「飛ぶ/広まる」へ
翔ぶの正しい使い方を解説
翔ぶは、意味を知っていても実際の文章で使いこなすのが難しい言葉です。ここでは、使いどころと“決まる型”を例文で覚えましょう。
翔ぶの例文5選
- 鷲が風に乗って大空を翔ぶ。
- 雲間を翔ぶ影を見上げた。
- 夢を抱いて、未来へ翔ぶ。
- 若き才能が世界へ翔ぶ日を願う。
- 夕焼けの空を、ゆったりと翔ぶ鳥がいた。
翔ぶを別の言葉で言い換えると
翔ぶは、文章の温度感を上げる言葉です。同じ内容を少し落ち着かせたいときは、次の言い換えが便利です。
- 翔ぶ → 飛ぶ(一般化して自然に)
- 翔ぶ → 舞う(情景は残しつつ柔らかい)
- 翔ぶ → 滑空する(動作を具体化)
- 翔ぶ → 飛翔する(硬め・文語寄り)
翔ぶを正しく使うポイント
翔ぶを上手く使うコツは、「大きな空間」と「ゆとり」をセットにすることです。私は、翔ぶを使うなら、前後の文に「空・風・雲・光・水平線」などの語を置き、情景を支えるようにしています。
- 演出したい文脈だけで使う(説明文では控えめに)
- 「大空」「風」「雲」など、空の語彙を添えると自然
- 比喩は「夢」「未来」「理想」など、大きいテーマと相性がいい
なお、「飛躍」という言葉は「飛ぶ」と「躍る」が合わさった語で、比喩のジャンプアップを表します。表現の使い分けを広げたい方は「飛躍」「活躍」「躍進」の違いと意味も参考になります。
翔ぶと誤使用しやすい表現
翔ぶは「かっこよく見せたい」ときに選ばれがちですが、文脈が合わないと浮きます。
- 日常の小さな動き:蝶や虫の移動は基本「飛ぶ」が自然(翔ぶはスケールが過剰になりやすい)
- 技術・業務の説明:飛行機・ドローンの説明は「飛ぶ/飛行する」が誤解が少ない
- 連発:一文に「翔ぶ」を重ねると詩が濃くなりすぎるため、言い換えでリズム調整
まとめ:飛ぶと跳ぶと翔ぶの違いと意味・使い方の例文
最後に要点をまとめます。迷ったときは、飛ぶ=fly(飛行/比喩もOK)、跳ぶ=jump(跳躍)、翔ぶ=soar(雄大・詩的)の対応で考えると整理が一気に進みます。
- 飛ぶ:空中を移動する一般語。比喩(話・記憶・時間)にも強い
- 跳ぶ:地面を蹴って跳ね上がる。運動・跳躍・跳び越えで使う
- 翔ぶ:空をかけめぐる雄大な飛行。文学的・象徴的な表現で映える
- 言葉のニュアンスは文脈や媒体(小説・広告・レポートなど)で印象が変わります。迷う場合は、国語辞典や公的資料の用例、公式な表記ルールを確認するのが確実です。
- 本記事の整理は一般的な目安です。最終的な判断は、用途に応じて専門家(編集者・校閲者・指導者など)へ相談するのもおすすめです。

