
「整える」と「揃える」は、どちらも“きちんとした状態にする”ニュアンスがあるため、会話や文章で迷いやすい言葉です。たとえば「身だしなみを整える」「服装を揃える」のように使われますが、どこがどう違うのか、意味の違いや使い分けが曖昧なままだと、意図とズレた伝わり方をしてしまいます。
この記事では、「整える」と「揃える」の違いの結論を最初に示したうえで、使い方、例文、言い換え、英語表現、語源、類義語、対義語まで一気に整理します。「整う」「揃う」との関係、ビジネスでの使い分け、文章表現として自然な言い回しも押さえるので、「意味が近い言葉の違いをスッキリ理解したい」という方に役立つはずです。
- 整えると揃えるの意味の違いと結論
- 場面別の使い分けと間違いやすいポイント
- 例文で身につく自然な使い方と言い換え
- 語源・類義語・対義語・英語表現までの整理
整えると揃えるの違い
最初に、「整える」と「揃える」の違いを“結論→使い分け→英語表現”の順で整理します。ここを押さえるだけで、以降の例文や言い換えが一気に理解しやすくなります。
結論:整えると揃えるの意味の違い
結論から言うと、整えるは「乱れや不足を直して、全体として良い状態にする」、揃えるは「複数のものを同じ基準・同じ状態に合わせる」という違いです。
私はこの2語を説明するとき、次の一言で整理しています。
- 整える:バランスや状態を“良い方向に直す”
- 揃える:基準を決めて“同じに合わせる”
たとえば、部屋の片づけで考えると分かりやすいです。散らかった状態を片づけて見栄えや動線を良くするのが「整える」。一方、ハンガーや収納ケースを同じ種類で統一して見た目や規格を合わせるのが「揃える」です。
整えると揃えるの使い分けの違い
使い分けのコツは、「目的が“状態改善”か、“統一・一致”か」を見ることです。迷ったときは、次の2つの質問で判断するとブレません。
- 乱れ・不足・不調を直して、全体を良い状態にしたい? → 整える
- 複数の要素を同じ基準に合わせて、統一感を出したい? → 揃える
具体的には、次のような相性で覚えると実用的です。
| 言葉 | 中心イメージ | よく一緒に使う語 | 例 |
|---|---|---|---|
| 整える | 状態・バランスを良くする | 環境、体調、文章、態勢、身だしなみ | 体調を整える/文章を整える/準備を整える |
| 揃える | 同じ基準に合わせる | 道具、書類、人数、サイズ、デザイン | 書類を揃える/服を揃える/条件を揃える |
- 「整う」は“状態が良くなる・準備ができる”寄り、「揃う」は“必要なものが集まる・同じになる”寄りの感覚
- ただし文脈によって重なりもあるため、迷ったら「何を良くしたいのか(状態か統一か)」を先に言語化すると選びやすい
なお、「そろえる」と「ととのえる」が並ぶ文章はリズムが似ている分、書き手の意図が曖昧だと読者が混同しやすいです。文章では、どちらの目的なのかが一文で分かるように補語(何を、どう)を添えるのがコツです。
整えると揃えるの英語表現の違い
英語にするとニュアンスの違いがさらに明確になります。厳密な一対一対応ではありませんが、使われやすい表現は次の通りです。
- 整える:organize / arrange / put in order / get in shape / prepare
- 揃える:align / match / make uniform / put together / gather
たとえば、資料や机周りをきれいにするなら “organize your desk”。服の色味や規格を合わせるなら “match the colors” や “align the format” が自然です。日本語の「整える」は“状態を良くする”幅が広いので、何を整えるのか(環境・体調・文章など)に合わせて英語も変えると失敗が減ります。
整えるとは?
ここからは「整える」そのものを深掘りします。意味、使う場面、語源、類義語・対義語を押さえると、文章の精度が上がります。
整えるの意味や定義
整えるは、乱れた状態や不足している状態を直し、全体として望ましい形にすることを指します。単に並べ直すだけではなく、バランス・秩序・コンディションを“良い状態へ持っていく”ニュアンスが強い言葉です。
「整える」は物理的な話(部屋、身だしなみ、文章)だけでなく、抽象的な話(体調、気持ち、態勢、環境)にも自然に使えるのが特徴です。
整えるが得意な領域
- 乱れを直す:散らかったもの、崩れた形、乱れた順序
- 状態を作る:準備、態勢、環境、心身のコンディション
- 読みやすくする:文章、資料、構成、論点
整えるはどんな時に使用する?
「整える」は、次のように“良い状態にすること自体”が目的のときに力を発揮します。
- 体調を整える:睡眠・食事・運動でコンディションを安定させる
- 身だしなみを整える:清潔感が出るように髪・服・小物を整える
- 文章を整える:冗長さや順序の乱れを直して読みやすくする
- 態勢を整える:人員・ルール・手順を見直して対応可能にする
ビジネスでは「態勢を整える」「資料を整える」「段取りを整える」のように、準備の質を上げる意味で使うと説得力が出ます。逆に、「単に同じにする」だけの文脈だと「揃える」の方が誤解が少ないです。
整えるの語源は?
「整」は、「ととのう/ととのえる」の核になる漢字で、「乱れを正して、きちんとした状態にする」感覚を表します。日本語としては昔から、形や状態の乱れを“正す・きちんとする”方向で用いられてきました。
語源的な細部は辞書や用字用語辞典によって説明の仕方が異なるため、学術的に厳密な定義が必要な場合は、国語辞典などの公式な記述を確認してください。文章作成では、「整える=状態を良くする」という実用的な捉え方が最も役立ちます。
整えるの類義語と対義語は?
「整える」と近い言葉は多いですが、微妙に重心が違います。ニュアンスの差を理解しておくと、言い換えの精度が上がります。
整えるの類義語
- 整備する:設備・制度などを使える状態にする(やや硬い)
- 整理する:情報や物を分けて分かりやすくする
- 調整する:ずれを直して具合を合わせる
- 修正する:誤りや不適切な点を直す
整えるの対義語
- 乱す:秩序や状態を崩す
- 散らかす:物の配置を乱して雑然とさせる
- 崩す:形やバランスを壊す
- 「整理」は“分ける・分かりやすくする”寄り、「整える」は“良い状態に仕上げる”寄り
- 「調整」は“合わせる”要素が強いので、統一目的なら「揃える」との距離が近くなる
揃えるとは?
次に「揃える」を深掘りします。「整える」と同じように見えて、実は“基準”の有無が大きな分かれ目です。
揃えるの意味を詳しく
揃えるは、複数のものを同じ状態・同じ基準に合わせることを指します。サイズ、色、形式、人数、条件など、「揃えるための基準」が暗黙に存在するのが特徴です。
「必要なものを集める(揃える)」の意味でも使われますが、この記事のテーマでは特に「統一・一致」の用法がポイントになります。
揃えるを使うシチュエーションは?
「揃える」は、見た目や規格、条件を“同じにして”統一感や比較しやすさを作りたいときに最適です。たとえば次のような場面です。
- 資料の体裁を揃える:フォント、見出し階層、余白、表記ルール
- 服装を揃える:色味やドレスコードを統一する
- 条件を揃える:比較の前提(期間、基準、対象)を統一する
- 人数を揃える:チームや対戦の人数を同数にする
「揃える」は、きれいに見せるだけでなく、公平性や再現性を担保する目的でもよく使われます。比較実験やアンケート設計で「条件を揃える」と言うのは、その代表例です。
揃えるの言葉の由来は?
「揃える」は「揃う(そろう)」の他動詞で、「そろった状態にする」ことを表します。日常語としては、昔から「必要な物が揃う」「道具を揃える」のように、“不足がなくなる/同じ状態に並ぶ”イメージで使われてきました。
語源の厳密な解釈や漢字の歴史的な説明は、辞書によって扱いが分かれることがあります。用語として確定が必要な文章(公的文書や学術文書など)では、国語辞典や公的な用字用語資料で確認するのが安全です。
揃えるの類語・同義語や対義語
「揃える」は言い換え候補が多い言葉です。どれも似ていますが、焦点が少しずつ違います。
揃えるの類語・同義語
- 統一する:基準を一つにまとめる(ルール・方針に強い)
- 一致させる:二者以上のズレをなくす(意見・数値に強い)
- 合わせる:基準に寄せて調整する(歩調・タイミングに強い)
- 整列させる:並びをきちんと並べる(物理配置に強い)
揃えるの対義語
- ばらつかせる:均一にせず差を出す
- 散らす:集めずに分散させる
- 不揃いにする:統一感を持たせない
- 「統一する」は“ルールを一本化”する硬さがあり、「揃える」は日常的で柔らかい
- 「合わせる」は調整のニュアンスが強いので、完全一致でなくても成立しやすい
整えるの正しい使い方を詳しく
ここからは「整える」を“使える知識”に落とし込みます。例文と言い換え、よくある誤用をセットで押さえると、実際の文章で迷いにくくなります。
整えるの例文5選
- 明日の打ち合わせに向けて、資料の構成を整えておきます。
- 睡眠時間を見直して、体調を整えることを優先した。
- 提出前に文章を整えるだけで、読みやすさが大きく変わる。
- 来客前に玄関まわりを整えて、第一印象を良くした。
- 想定外に備えて、連絡体制を整えておく必要がある。
整えるの言い換え可能なフレーズ
同じ「整える」でも、対象によって自然な言い換えが変わります。場面別に使い分けると、表現がより精密になります。
| 整えるの対象 | 言い換え候補 | ニュアンス |
|---|---|---|
| 文章・資料 | 推敲する/整理する/修正する | 読みやすく・正確に仕上げる |
| 体調・心 | コンディションを整える/落ち着かせる | 安定させる・平常に戻す |
| 環境・態勢 | 整備する/準備する/構築する | 運用可能な状態を作る |
整えるの正しい使い方のポイント
「整える」を上手に使うコツは、“何がどう良くなるのか”を一緒に書くことです。たとえば「資料を整える」だけだと曖昧ですが、「資料の見出し階層を整える」「結論が先に来るように整える」と言うと、伝わり方が一段クリアになります。
- 対象を具体化する:文章、体調、態勢、環境など
- 改善内容を添える:読みやすく、安定する、対応できる状態にする
- 完成形を示す:整った文章、整った態勢のようにゴールを言語化
整えるの間違いやすい表現
よくある混同は、「同じにする」目的なのに「整える」を使ってしまうケースです。たとえば「フォントを整える」は文脈によって不自然になりやすく、実際にやりたいのは「フォントを揃える(統一する)」であることが多いです。
- 「同じ基準に合わせる」なら、整えるより揃えるが自然になりやすい
- ただし「読みやすくするために体裁も含めて直す」なら整えるでも成立する
判断に迷うときは、「それは“統一”か、“状態改善”か」を言葉にしてから選ぶと、誤用をほぼ防げます。
揃えるを正しく使うために
次は「揃える」です。「揃える」を使うと文章が引き締まる一方で、条件や基準が曖昧だと相手が困ることがあります。例文とセットで、失敗しない使い方を固めましょう。
揃えるの例文5選
- 提出資料はフォントと見出しの表記を揃えてください。
- 比較するために、測定条件を揃えて再度検証した。
- チームで服装の色味を揃えると、統一感が出る。
- 新生活に向けて、必要な道具を一通り揃えた。
- 参加者の人数を揃えるため、調整に入ります。
揃えるを言い換えてみると
「揃える」は“何を揃えるのか”で最適な言い換えが変わります。硬めの文書やビジネスメールでは、言い換えの方が意図が伝わることもあります。
- 基準を一本化する → 統一する
- ズレをなくす → 一致させる
- 相手に合わせて調整する → 合わせる
- 必要なものを集める → 用意する/取り揃える
揃えるを正しく使う方法
「揃える」を正確に使う最大のポイントは、“基準”を明示することです。基準が見えないと、「何に合わせれば良いのか」が伝わらず、相手は判断できません。
- 基準を言う:フォントを12ptに揃える/日程を同日に揃える
- 目的を言う:比較のために条件を揃える/見栄えのために色味を揃える
- 範囲を言う:見出しだけ揃える/全ページで揃える
特に「条件を揃える」は、実務でも研究でも頻出です。条件の定義が必要な場合は、関係者間で認識合わせを行い、最終的な判断は担当者や専門家の確認を挟むのが安全です。
揃えるの間違った使い方
「揃える」は便利ですが、次のような誤りが起きやすいです。
- “良い状態に直す”意味で使ってしまう(例:体調を揃える → 体調を整えるが自然)
- 基準が曖昧なまま使う(例:体裁を揃える → 何をどう揃えるのか不明確)
- 一部だけ統一したいのに全体統一に聞こえる(範囲の明示不足)
文章が公式性を持つほど、誤解はコストになります。疑義が出そうな場面では、国語辞典などの公式な記述も確認しつつ、最終的な判断は関係部署や専門家に相談してください。
まとめ:整えると揃えるの違いと意味・使い方の例文
最後に要点をまとめます。整えるは「乱れや不足を直して、全体として良い状態にする」。揃えるは「複数のものを同じ基準・同じ状態に合わせる」。この違いを押さえるだけで、日常会話でもビジネス文章でも表現が一気に明確になります。
- 状態改善・コンディション作りなら整える(体調、文章、態勢、身だしなみ)
- 統一・一致・比較の前提作りなら揃える(条件、規格、体裁、人数)
- 迷ったら「目的が状態改善か統一か」を言葉にして選ぶ
なお、言葉の意味は文脈で揺れることがあります。厳密な定義が必要な場合は、国語辞典や公的な用字用語資料などの公式サイト・公式資料をご確認ください。実務で重要な判断が絡むときは、最終的には担当者や専門家へ相談したうえで運用してください。
関連して「そろえる」系の言葉選びに迷う方は、当サイトの次の記事もあわせて読むと理解が深まります。

