「企業」と「会社」の違いとは?意味・使い分けを簡単解説
「企業」と「会社」の違いとは?意味・使い分けを簡単解説

「企業と会社の違いって、結局なに?」「法人や株式会社とどう関係するの?」——就活・転職、取引先へのメール、ビジネス文書を書いていると、このあたりが曖昧なまま不安になりますよね。

実は、企業と会社は似ているようで、指している範囲とニュアンスが違います。さらに「法人」「個人事業主」「組織」「団体」「事業者」などの関連語が絡むと、言葉選びを間違えやすくなります。

この記事では、企業と会社の違いと意味を軸に、定義、使い分け、言い換え、語源、類義語・対義語、英語表現、使い方と例文まで、実務で迷わない形に整理します。読み終えるころには、メールや会話で自然に使い分けられるようになります。

  1. 企業と会社の意味の違いが一言で説明できるようになる
  2. 法人・個人事業主・株式会社との関係が整理できる
  3. 英語表現や言い換えの選び方がわかる
  4. 例文で「使える形」の使い分けが身につく

目次

企業と会社の違い

最初に全体像を押さえると、理解が一気にラクになります。ここでは「意味」「使い分け」「英語表現」の3つに分けて、企業と会社の違いを整理します。

結論:企業と会社の意味の違い

結論から言うと、企業は「利益を得るために事業(ビジネス)を行う主体」を幅広く指し、会社は「法律(会社法)にもとづいて設立された“会社”という形の法人」を指すのが基本です。

イメージとしては、会社は企業の一種(ただし企業の全部ではない)と捉えると迷いが減ります。たとえば、個人事業主も「企業(事業を営む主体)」とは言えても、通常「会社」とは呼びません。

比較 企業 会社
主な意味 営利目的で事業を行う主体(範囲が広い) 会社法にもとづく「会社」という法人形態
含むもの 会社、個人事業主、事業部門など文脈で広がる 株式会社、合同会社など(会社法上の会社)
ニュアンス 活動・事業の主体(ビジネス面) 法的な器・組織形態(制度面)
日常会話では企業=会社のように混ぜて使われがちですが、ビジネス文書や制度説明では「どこまでの範囲を指すか」でズレが出ます。迷ったら「法的な話なら会社」「活動主体の話なら企業」と考えると整理しやすいです。

企業と会社の使い分けの違い

使い分けのコツは、「何を強調したいか」です。

会社が向いている場面(法的な器・主体を明確にしたい)

  • 契約書や規程など、法的主体が重要な文書
  • 登記や会社法、株主、役員など制度の話
  • 「当社」「御社」など、相手を法人として扱う場面

企業が向いている場面(事業・活動の主体を語りたい)

  • 業界動向、ビジネスモデル、競争環境などの話
  • 「企業理念」「企業文化」「企業努力」のように活動や姿勢を言う場面
  • 個人事業主や団体を含めた広い意味で語りたい場面

たとえば「会社の設立」は制度の話なので会社が自然です。一方「企業の成長」や「企業が社会に与える影響」は、活動主体としての話なので企業がしっくりきます。

登記・税務・契約など、法律や制度に関わる判断はケースで結論が変わることがあります。この記事は一般的な整理として読み、正確な情報は公式サイトの案内や専門家(司法書士・税理士・弁護士など)に確認してください。

企業と会社の英語表現の違い

英語は文脈で選び方が変わりますが、目安としては次の通りです。

  • company:会社(法人としての会社、一般に最もよく使う)
  • corporation / corp.:法人(特に株式会社的なニュアンスで使われやすい)
  • enterprise:企業(事業・活動主体、企業活動というニュアンス)
  • firm:会社(特に法律事務所・会計事務所など専門職の組織でよく使う)
  • business:事業(企業そのものより「事業・ビジネス」寄り)

「会社としての責任」「契約主体」を言いたいなら company / corporation が扱いやすく、「企業努力」「企業文化」のような活動・姿勢なら enterprise が近い表現になりやすいです。

企業とは?

ここからは、企業そのものを深掘りします。定義・使いどころ・語源・類義語と対義語まで押さえると、言い換えの判断も安定します。

企業の意味や定義

企業は、一般に「利益を得ることを目的に、継続的に事業(ビジネス)を行う主体」を指します。ここで重要なのは、企業は“活動”を中心に捉える言葉だという点です。

そのため、企業は法律上の厳密な用語というより、社会やビジネスの文脈で「事業をしている主体」を広く呼ぶ言い方として使われます。会社形態(株式会社・合同会社など)かどうかよりも、「事業をしているか」「経済活動の主体か」という見え方が前に出ます。

企業はどんな時に使用する?

企業が自然なのは、事業活動・経済活動を語る場面です。たとえば次のようなケースが代表的です。

  • 企業理念・企業文化・企業努力など、姿勢や価値観を語る
  • 企業研究・企業分析など、就活や転職で事業内容を調べる
  • 大企業・中小企業・スタートアップ企業など、規模や成長性で語る
  • 民間企業・公企業など、社会的な位置づけで語る

逆に、登記や役員構成、株主など制度の話が中心なら、企業より会社のほうがピタッとはまる場面が多いです。

企業の語源は?

企業は「企(くわだてる)」+「業(しごと・事業)」の組み合わせです。つまり、もともとの骨格は「事業をくわだてて行うこと」。ここから転じて、「事業を行う主体」や「事業活動そのもの」を指す言い方として定着しました。

この成り立ちを押さえると、企業が「活動の主体」「事業の推進力」を表しやすい理由が見えてきます。

企業の類義語と対義語は?

企業の類義語は、どこまでの範囲を含めたいかで選びます。

類義語(近い言い方)

  • 事業者:事業を行う者(個人・法人を問わずに言える)
  • 組織:人や機能がまとまった集団(営利に限らない)
  • 法人:法律上の人格を持つ組織(企業より制度寄り)
  • 事業体:事業を行う単位(硬めの表現)

対義語(反対の立ち位置になりやすい言い方)

  • 個人(私人):組織ではなく個人としての立場を強調するとき
  • 非営利団体:営利目的ではない組織(NPOなど)
  • 行政機関:民間企業と対比される公的側(文脈による)

「公的側」との対比が気になる方は、用語の整理として公的機関と行政機関の違い|意味と使い分けも合わせて読むと、対比の軸が作りやすくなります。

会社とは?

次は会社です。会社は日常でも頻出ですが、制度的な側面が強い言葉なので、定義と使いどころを押さえると誤用が減ります。

会社の意味を詳しく

会社は、一般に「会社法にもとづいて設立される“会社”という法人形態」を指します。会社は、単に人が集まって仕事をしている状態ではなく、法律上の枠組み(権利義務の主体)として扱われる点が大きな特徴です。

会社の話題では、登記、定款、資本金、役員、株主、決算など「制度・手続き・責任」の話がセットになりやすいのも、この性質が理由です。

会社を使うシチュエーションは?

会社が自然なのは、法的主体や組織形態を明確にしたい場面です。

  • 契約締結、取引条件、責任範囲などを明確にする
  • 設立、登記、清算、合併など会社法の手続きに触れる
  • 社内規程、就業規則、稟議など制度運用を説明する
  • 「御社」「当社」のように相手・自分を法人として扱う

なお、ビジネス文章では「当社」「弊社」などの言い方も絡みます。自分側を表す語で迷う方は、関連整理として自社とわが社の違い|意味・使い分け・例文も役立ちます。

会社の言葉の由来は?

会社は「会(あつまる)」+「社(やしろ/組織)」の構造で、もともとは「人が集まって事を行う組織」を表す言葉です。近代以降、会社法など制度が整備される中で、現在のように「会社という法人形態」を指す用語として定着しました。

この背景から、会社は「組織」よりもさらに一歩進んで、制度として整った器を想起させる言葉になっています。

会社の類語・同義語や対義語

会社の類語は、フォーマル度と法的ニュアンスで選ぶと失敗しにくいです。

類語・同義語(近い言い方)

  • 法人:会社を含む上位概念(ただし学校法人なども含む)
  • 企業:活動主体として言い換える(範囲が広がることに注意)
  • 事業者:契約や規制の文脈で中立に言える
  • 組織:会社より広く、営利に限らない

対義語(反対の立ち位置になりやすい言い方)

  • 個人事業主:法人ではなく個人で事業を行う主体
  • 非営利法人:営利目的ではない法人(文脈次第)

「会社」と「法人」と「企業」は混同しやすい三兄弟です。迷ったら、会社=会社法の会社、法人=法律上の人格、企業=事業活動の主体、という軸で分けると整理しやすくなります。

企業の正しい使い方を詳しく

ここでは、企業を「実際に書ける・話せる」状態に落とし込みます。例文と言い換え、ポイントと誤用パターンまでまとめて押さえましょう。

企業の例文5選

  • この企業は、顧客体験の改善に投資して成長してきました
  • 企業研究を進めると、事業の強みと弱みが見えてきます
  • 地域の中小企業を支えるために、自治体が支援策を拡充しました
  • 企業文化が合うかどうかは、働き方の満足度に影響します
  • 新規参入企業が増え、業界の競争環境が変化しています

どれも「事業活動」「成長」「文化」「競争環境」といった、“活動主体としての見え方”が中心になっています。

企業の言い換え可能なフレーズ

企業は便利な言葉ですが、文脈によってはより精密な言い換えができます。

  • 制度や責任主体を強調したい → 会社法人
  • 個人も含めて中立に言いたい → 事業者
  • 集団としての仕組みを言いたい → 組織
  • 活動そのものを言いたい → 事業ビジネス

文章を精密にしたいときは、「企業」を使い続けるより、文の中で一度だけ「会社(法人)」などに置き換えると、読み手の誤解が減ります。

企業の正しい使い方のポイント

企業を正しく使うポイントは3つです。

  • 範囲が広い言葉だと理解し、対象に個人事業主を含めるかを意識する
  • 制度や契約の話になったら、会社・法人への切り替えを検討する
  • 「企業=会社」と断定せず、文脈で“何を指しているか”を補う

たとえば「企業が契約を締結する」と書くより、「会社(法人)が契約を締結する」としたほうが、法的主体としての意味が明確になります。

企業の間違いやすい表現

企業でありがちな誤りは、「制度の話なのに企業で押し切ってしまう」ことです。

  • 誤:企業を設立するために登記が必要です
    正:会社を設立するために登記が必要です
  • 誤:企業の定款を作成します
    正:会社の定款を作成します
  • 誤:企業の株主総会を開催します
    正:会社の株主総会を開催します

登記・定款・株主総会などは制度用語と密接です。運用や要件は状況で異なるため、正確な情報は法務局や官公庁などの公式サイトで確認し、必要に応じて専門家に相談してください。

会社を正しく使うために

会社は制度用語としての精度が高い一方で、日常語としても広く使われます。だからこそ「どの会社の話か」「どの立場で言っているか」を整えると、文章が一段読みやすくなります。

会社の例文5選

  • 当社は、来期から就業規則の一部を改定します
  • 新しい会社を設立する場合、登記などの手続きが必要です
  • 取引条件は、会社として責任を持って履行します
  • 会社の役員体制は、株主総会の決議を経て変更されました
  • 御社のご意向に沿って、契約書案を修正いたします

「当社」「御社」「契約」「役員」など、法的主体としての会社が前に出る文脈になっています。

会社を言い換えてみると

会社は便利ですが、硬さや指す範囲を調整したいときに言い換えが効きます。

  • 取引先や組織を丁寧に言う → 貴社御社(文書/会話)
  • 法的主体を明確にする → 法人株式会社(形態を明示)
  • 活動主体として柔らかく → 企業(ただし範囲が広がる)
  • 集団として言う → 組織チーム(文脈次第)

メールでは「御社/貴社」、社内文書では「当社」、制度説明では「会社(株式会社など)」と、場面で固定するとブレが減ります。

会社を正しく使う方法

会社を正しく使うコツは、「主体(だれが)」「範囲(どこまで)」「制度(何のルール)」を揃えることです。

1. 主体を揃える(当社・弊社・御社の混在を避ける)

一つの文章・段落の中で、当社と弊社が混ざると読み手が迷います。社内の文書ルールがある場合はそれを優先し、なければ「当社」で統一するのが無難です。

2. 形態を必要に応じて明示する(株式会社など)

制度や契約の文脈で誤解が出そうなら、「会社」だけでなく「株式会社」「合同会社」など形態を明示すると精度が上がります。ただし、相手にとって不要な情報なら書きすぎないバランスも大切です。

3. 公式表記を確認する(社名・登記事項)

社名の表記(株式会社の位置、英字表記など)は、公式サイトや登記情報で確認しておくと安心です。特に契約書や請求書は、誤記がトラブルの火種になり得ます。

会社の間違った使い方

会社でありがちな誤りは、「会社=どんな組織にも使える」と思ってしまうことです。

  • 誤:この学校法人は会社として地域貢献している
    正:この学校法人は法人(組織)として地域貢献している
  • 誤:個人事業主ですが、会社を経営しています
    正:個人事業主として事業を営んでいます(または法人化して会社を経営しています)
  • 誤:行政機関は会社よりも手続きが厳しい
    正:行政機関は民間企業よりも手続きが厳しい(文脈により調整)

「会社」と呼べるかどうかは、法律上の位置づけで決まる場面があります。制度判断が必要なときは、必ず公式情報を確認し、最終的な判断は専門家に相談してください。

まとめ:企業と会社の違いと意味・使い方の例文

企業と会社は似ていますが、軸が違います。企業は「事業活動を行う主体」を広く指し、会社は「会社法にもとづく法人形態」として制度面が強い言葉です。

迷ったときは、制度・契約・登記なら会社/事業・成長・文化なら企業を目安にすると、文章がブレにくくなります。さらに精度を上げたい場合は、企業を「事業者」、会社を「法人」「株式会社」などに言い換えると伝わり方が安定します。

なお、登記・税務・契約などは個別事情で結論が変わることがあります。正確な情報は公式サイトで確認し、必要に応じて司法書士・税理士・弁護士などの専門家に相談してください。

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