「忘備録」と「備忘録」の違いや意味・使い方・例文まとめ
「忘備録」と「備忘録」の違いや意味・使い方・例文まとめ

「忘備録」と「備忘録」の違いや意味があいまいで、どっちが正しい表記なのか、読み方はどうするのか、ビジネスメールで使って失礼にならないか…と迷う方はとても多いです。

さらに、日記・メモ・議事録・覚え書きとの違い、言い換え表現、英語では何と言うのか(memo? memorandum? note?)まで気になり始めると、ますます混乱してしまいますよね。

この記事では、「忘備録」と「備忘録」の違いと意味を整理したうえで、使い分け、使い方、例文、類義語・対義語、語源、英語表現までを一気にまとめます。読み終えるころには、文章を書くときに迷わず選べるようになります。

  1. 忘備録と備忘録の意味の違いと「結論」
  2. 場面別の使い分けと、誤解されにくい書き方
  3. 類義語・言い換え・英語表現(memo / memorandum など)
  4. すぐ使える例文10本と、間違いやすいポイント

忘備録と備忘録の違い

まずは全体像として、「忘備録」と「備忘録」の違いを最短で整理します。ここで芯を押さえると、後半の語源・類義語・例文が一気に理解しやすくなります。

結論:忘備録と備忘録の意味の違い

結論から言うと、日常的には「忘備録」と「備忘録」はどちらも「忘れないように書き留めておく記録」という意味で使われがちです。

ただ、より無難で、文章として“正確さ”が伝わるのは「備忘録」だと私は考えています。理由はシンプルで、「備(そなえる)+忘(わすれる)」で「忘れることに備える」という語の組み立てが自然だからです。

一方で「忘備録」は、見た目の並びが入れ替わっているため、フォーマルな文書では誤記・誤用だと思われるリスクが残ります。迷ったら「備忘録」一択、これが失敗しない結論です。

項目 忘備録 備忘録
基本の意味 忘れないための記録(として使われる) 忘れないための記録(本来の組み立てが自然)
一般的な評価 誤記と見なされることがある 標準的・無難
おすすめ度 カジュアル用途なら可(ただし注意) ビジネス・公的文章でも安心

忘備録と備忘録の使い分けの違い

使い分けの基本は「相手がいる文章かどうか」です。

  • 備忘録:社内共有、議事録の補助、メール、提出物、ブログなど“読まれる文章”に向く
  • 忘備録:自分だけのメモ、個人の下書き、雑談的なSNSなど“誤記と見られても困らない場面”に限る

  • 迷ったら備忘録に統一すると、文章全体の信頼感が上がる
  • タイトル・見出し・資料名など「目立つ場所」ほど備忘録が安全

なお、職場によっては「忘備録」が慣用化しているケースもあります。その場合は、周囲の運用に合わせつつ、外部向けの文書は備忘録に寄せるのがバランスのよい判断です。

忘備録と備忘録の英語表現の違い

英語にすると、両者をきっちり別語で分ける文化は基本的にありません。どちらも「忘れないためのメモ・記録」という意味で、文脈に応じて語を選びます。

  • memo:短いメモ(カジュアル〜実務まで幅広い)
  • memorandum:やや硬め。社内文書・通達・覚え書き寄り
  • note / notes:書き留めた内容全般(会議のnotesなど)
  • reminder:忘れないための「リマインド」要素が強い
  • note to self:自分用メモ(SNSにもよく出る)

日本語の「備忘録」は少し硬さがあるので、ニュアンスとして近いのはmemorandummemoです。とはいえ、日常会話ならnoteやreminderで十分自然に通じます。

忘備録の意味

ここからは「忘備録」側を掘り下げます。結論としては「備忘録」をおすすめしつつも、実際には目にする機会がある言葉なので、意味と扱い方を知っておくと安心です。

忘備録とは?意味や定義

忘備録(ぼうびろく)は、実際の使用場面では「忘れないように書き留めておく記録」「自分が後で見返すためのメモ」として使われることが多い言葉です。

ただし、語の組み立てとしては「備忘録(忘れることに備える)」のほうが自然で、忘備録は誤記として広まった表記だと理解しておくのが無難です。

私は、忘備録を「意味が通じない言葉」と切り捨てるより、“通じるが、文章では選ばないほうが安全な表記”として扱うのが現実的だと思っています。

忘備録はどんな時に使用する?

忘備録を使うなら、基本は個人用途です。たとえば、スマホのメモ、日々の気づきの控え、学習ログなど「自分しか見ない」前提なら実害は起きにくいからです。

一方、社外向けの資料や、取引先に送る文面、採用書類、社内の公式ドキュメントなどでは、誤記だと見られて評価を落とす可能性があります。“伝わるか”より“どう見られるか”が大事な場面ほど避けるのが安全です。

  • 公式性の高い文章では「忘備録」は誤字だと思われるリスクがある
  • 不安が残る場合は、国語辞典などの公式な解説を確認すること
  • 最終的な判断に迷う場合は、職場の文書ルールや上長の方針に従うこと

忘備録の語源は?

忘備録は、語源として確立した歴史を持つというより、一般的には「備忘録」の字順が入れ替わった形として説明されることが多い表記です。

日本語は、二字熟語の組み合わせが意味の骨格を作ります。「備忘」は「忘れに備える」という構造で理解しやすい一方、「忘備」は「備えることを忘れる」と読めてしまい、意味の作りが不自然になりやすい——この点が、忘備録が“誤記扱いされやすい”大きな理由です。

忘備録の類義語と対義語は?

忘備録は意味としては「備忘録」とほぼ重なるため、類義語も同様に考えてOKです。

  • 類義語:備忘録、覚え書き、メモ、手控え、控え、ノート、記録
  • 関連語:議事録(会議の記録)、日報、ログ、メモ書き

対義語は少し作りにくい言葉です。「忘れないための記録」の反対は、「忘れてもよい」「記録しない」になってしまい、単語としてきれいに対応しません。あえて“対になる概念”として挙げるなら、無記録、未記録、放置、記録不要などが近いでしょう。

備忘録の意味

続いて、より一般的で推奨されやすい「備忘録」を解説します。ここを理解しておけば、迷った場面でも落ち着いて選べるようになります。

備忘録とは何か?

備忘録(びぼうろく)とは、忘れたときに備えて、用件や情報を書き留めておく記録のことです。口語で言えば「あとで思い出すためのメモ」「自分用の控え」に近いですね。

ポイントは、備忘録が「作品」や「日記」のような長文に限らないこと。短い箇条書きでも、手順メモでも、後から参照できる形で残せば備忘録として成立します。

備忘録を使うシチュエーションは?

備忘録が活躍するのは、「忘れると困る」場面です。私は次のようなシーンで使い分けると分かりやすいと思います。

  • 会議・打ち合わせ:決定事項、宿題、次回までのTODOを残す
  • 業務手順:設定方法、エラー対応、引き継ぎポイントをまとめる
  • 学習:学んだ要点、参考リンク、つまずきポイントを記録する
  • 日常:買い物リスト、連絡事項、忘れがちな手続きのメモ

特に仕事では、備忘録があるだけで「再現性」が上がります。自分が助かるだけでなく、共有すればチームも助かる。だからこそ、表記としても備忘録が信頼を取りやすいのです。

備忘録の言葉の由来は?

「備忘」は、文字通り「忘れることに備える」という意味の組み立てです。

さらに「録」は、書き残した記録を指します。つまり備忘録は、「忘れる未来を想定し、思い出すために残す記録」という設計思想が、そのまま言葉になっているのが強みです。

  • 備=そなえる
  • 忘=わすれる
  • 録=しるした記録

備忘録の類語・同義語や対義語

備忘録は用途が広いぶん、言い換え候補も多めです。文脈に合う言葉を選ぶと文章が自然になります。

  • 類語・同義語:覚え書き、メモ、控え、手控え、記録、ノート、メモ書き
  • 近い表現:TODO、チェックリスト、作業メモ、学習ログ

対義語は「忘れてもよい」「記録しない」に近づくため、単語としては作りにくいです。文章上で対比させるなら、「記録不要」「記録しない」「省略する」などの言い方が現実的です。

忘備録の正しい使い方を詳しく

ここでは、あえて「忘備録」を使う場合に、誤解や違和感を増やさないコツをまとめます。結論は変わりませんが、「見かけたときに判断できる」状態にしておくのが目的です。

忘備録の例文5選

  • 忘備録として、会議で出た論点だけメモしておく
  • エラー対応の手順を忘備録にまとめた
  • 忘備録:次回の打ち合わせで確認すること(3点)
  • 自分用の忘備録なので、雑に書いておく
  • 忘備録代わりに、やったことを日付つきで残す

例文としては成立しますが、社外向け・共有前提なら「備忘録」に置き換えるだけで、文章の印象が整います。

忘備録の言い換え可能なフレーズ

「忘備録」という表記を避けたいときは、次の言い換えが便利です。

  • 覚え書き
  • メモ
  • 控え
  • 手順メモ
  • 作業ログ
  • (会議なら)議事メモ / 議事録の下書き

文章を硬くしたいなら「覚え書き」「控え」、軽くしたいなら「メモ」。私はこの二択を軸にすると迷いが減ると思います。

忘備録の正しい使い方のポイント

忘備録を使うなら、ポイントは「自分用」と分かる形にしておくことです。たとえば、資料名にするのではなく本文中で「自分用メモとして」と添えるだけで、受け手の違和感が減ります。

  • タイトルや見出しより、本文中の軽い表現として使う
  • 共有文書・提出物では使わず、備忘録に統一する

また、言葉に迷うときは、同じ「記録する」でもニュアンスの違いが出るため、必要に応じて以下の記事も参考にしてください。

忘備録の間違いやすい表現

忘備録で一番多い失敗は、「正式な言葉として通る」と思い込んで外部に出してしまうことです。特に、次のような場所は誤記が目立ちます。

  • 資料タイトル(例:○○忘備録)
  • 社外メールの件名
  • 提出物・レポートの見出し
  • 採用書類・論文・企画書

ここは割り切って、外に出す文章は「備忘録」に統一しておくのが一番ラクで、ミスが減ります。

備忘録を正しく使うために

ここからは本命の「備忘録」です。意味を正しく押さえたうえで、すぐ使える例文と、文章で失敗しないコツをまとめます。

備忘録の例文5選

  • 備忘録として、打ち合わせの決定事項だけ残しておきます
  • 設定手順を備忘録にまとめたので、同じトラブルのときに参照してください
  • 備忘録:次回までに確認すること(担当・期限つき)
  • 学習の備忘録として、今日の要点を3行で整理した
  • 忘れそうなので、備忘録にしてスマホに保存しておく

「備忘録として残す」「備忘録にまとめる」は、実務でも自然で使いやすい言い回しです。

備忘録を言い換えてみると

備忘録は便利ですが、場面によっては言い換えたほうが読み手に親切なことがあります。

  • 社内共有の文書なら:手順書、ナレッジ、作業メモ、対応ログ
  • 会議なら:議事メモ、議事録、決定事項メモ
  • 個人用なら:メモ、覚え書き、note to self(英語表現)

「備忘録」という言葉が少し硬いと感じる場面では、メモに置き換えるだけでも文章が軽くなります。

備忘録を正しく使う方法

備忘録を“使える記録”にするコツは、私は3つだと思っています。

  • 未来の自分が読んでも分かる粒度で書く(前提を省きすぎない)
  • 検索できる形にする(日時、固有名詞、キーワードを入れる)
  • 行動につなげる(TODOなら期限・担当をセットにする)

たとえば会議なら、議事録ほど丁寧でなくても構いません。ただ、決定事項と次アクションだけは必ず残す。これだけで備忘録の価値が跳ね上がります。

また、「書く・記録する」の周辺語は混同しやすいので、表現の精度を上げたい方は以下もどうぞ。

備忘録の間違った使い方

備忘録で起きがちな間違いは、言葉そのものより「中身の運用」です。

  • 書きっぱなしで見返さない(結果として備忘になっていない)
  • 情報が散らかりすぎて検索できない(あとで探せない)
  • 共有前提なのに主観だけで書く(読み手が理解できない)

  • 社外共有する場合は、用語や表記を統一し、誤解が出ないよう整える
  • 言葉の扱いに不安があるときは、国語辞典など公式な解説を確認する
  • 最終的な判断は、所属組織の文書ルールや専門家の助言に従う

まとめ:忘備録と備忘録の違いと意味・使い方の例文

最後に要点をまとめます。

  • 意味としてはどちらも「忘れないための記録」だが、迷ったら備忘録が安全
  • 忘備録は誤記と見なされる可能性があるため、ビジネス文書や提出物では避ける
  • 英語は memo / memorandum / note / reminder など、文脈で選ぶ
  • 備忘録は「未来の自分が分かる」「検索できる」「行動につながる」で価値が上がる

私の結論は一貫していて、外に出す文章は備忘録に統一するのが最も失敗が少ない、ということです。とはいえ、言葉は運用が大事です。自分の目的(記憶の補助か、共有のためか)に合わせて、最適な表現を選んでください。

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