
「大顰蹙の意味を知りたいけれど、そもそも漢字が難しくて読み方から分からない」「大顰蹙を買う、という言い方は自然なの?」と迷っていませんか。ニュースや会話では耳にすることがあっても、文字で見ると戸惑いやすい言葉ですよね。
大顰蹙は、周囲から強い不快感や反感を持たれる場面で使われる表現です。ただし、「顰蹙」そのものが何を表すのかを理解していないと、「批判」「不評」「反感」との違いが曖昧になり、使い方を間違えやすくなります。
この記事では、大顰蹙の意味と読み方、漢字の成り立ち、「大顰蹙を買う」の正しい使い方、例文、類語や言い換え、英語表現まで順番に整理します。最後まで読めば、日常会話でも文章でも迷わず使えるようになります。
大顰蹙
英語表記:strong disapproval / widespread disapproval
目次
大顰蹙の意味とは?読み方と基本をわかりやすく解説

まずは、大顰蹙の意味を最短でつかみましょう。ポイントは、「顰蹙」が表す不快そうな表情や感情に、「大」が加わって程度が強められていることです。単なる不評よりも、周囲が強く眉をひそめるような場面を想像すると理解しやすくなります。
大顰蹙の読み方は「だいひんしゅく」
大顰蹙は、「だいひんしゅく」と読みます。「顰蹙」が「ひんしゅく」なので、その前に「大(だい)」を付けた読み方です。
「顰」と「蹙」は日常で単独使用する機会が少ないため、漢字だけを見ると読みづらく感じるかもしれません。実際、文化庁の「国語に関する世論調査」でも、「顰蹙」は手書きでは漢字より「ひんしゅく」と平仮名で書く人が多い語として取り上げられています。
大顰蹙の意味は「非常に強い顰蹙を受ける・招くこと」
「顰蹙」は、不快に感じて眉をひそめること、顔をしかめることを表す言葉です。そこに程度の大きさを示す「大」が付いた大顰蹙は、周囲から強い不快感や反感を示される状況を表します。
大顰蹙=多くの人、または周囲から強く眉をひそめられるほど不快に思われることと覚えると分かりやすいでしょう。
大顰蹙の意味がわかる「大顰蹙を買う」の使い方と例文

大顰蹙は、単独で「それは大顰蹙だ」と言うこともありますが、もっとも分かりやすいのは「大顰蹙を買う」という形です。ここでは「買う」がなぜ使われるのか、どのような場面に合うのかを例文とともに確認します。
「大顰蹙を買う」とは?意味と使い方
「顰蹙を買う」は、周囲が眉をひそめるような言動をして、嫌われたり反感を持たれたりすることを表します。その「顰蹙」が非常に大きいときに、「大顰蹙を買う」と表現します。
ここでの「買う」は、お金を払って商品を手に入れるという意味ではありません。「反感を買う」「不興を買う」などと同じく、自分の言動の結果として好ましくない感情を相手から向けられるという比喩的な使い方です。
公的機関や大学などが公開する文章にも「大顰蹙を買う」という用例があり、実際に使われている日本語表現だと確認できます。
大顰蹙の使い方がわかる例文
大顰蹙は、マナー違反、配慮のない発言、自分勝手な行動などによって、周囲から強く否定的な反応を受けた場面で使いやすい言葉です。
- 静かな式典の最中に大声で私語を続け、周囲から大顰蹙を買った。
- 大切な会議に連絡もなく遅刻したことで、参加者の大顰蹙を買ってしまった。
- 災害に関する無神経な冗談を投稿し、大顰蹙を買う結果となった。
- みんなが準備している中で一人だけ何もしなかったため、大顰蹙だった。
- 場の空気を無視した発言が、大顰蹙を招いた。
共通しているのは、単に「失敗した」だけではなく、その行動を見た人が強い不快感や反感を抱いている点です。仕事上の小さなミスや、好みが分かれただけの出来事にまで大顰蹙を使うと、少し大げさに聞こえることがあります。
ビジネスや日常会話で大顰蹙を使うときの注意点
大顰蹙は評価の強い言葉です。そのため、客観的な報告書や相手本人に直接伝える場面では、強すぎることがあります。「社内で大顰蹙です」と断定すると、誰もが強く非難しているような印象を与えるからです。
一方、会話や随筆、出来事の印象を強く伝える文章では、「そんなことをしたら大顰蹙を買うよ」のように使うと、注意や警告のニュアンスを簡潔に伝えられます。
大顰蹙の意味と類語・言い換え・「顰蹙」との違い

大顰蹙に近い言葉には、「顰蹙」「反感」「不評」「非難」「不興」などがあります。どれも否定的な反応に関係しますが、意味の中心は同じではありません。違いを整理すると、文章に合った表現を選びやすくなります。
大顰蹙と顰蹙の違い
違いは、基本的に程度の強さです。「顰蹙」は不快に感じて眉をひそめること、「大顰蹙」はそれが非常に大きいことを強調した表現です。
| 言葉 | 意味の中心 | ニュアンス | 例 |
|---|---|---|---|
| 顰蹙 | 不快に感じて眉をひそめること | 不快・反感 | 顰蹙を買う |
| 大顰蹙 | 非常に強い顰蹙 | 強い不快・強い反感 | 大顰蹙を買う |
つまり、大顰蹙は「顰蹙の強調版」と考えると迷いません。
大顰蹙の類語・言い換えは?反感・不評・非難との違い
大顰蹙を別の言葉に言い換える場合は、「何を強調したいか」で選びます。
| 表現 | 意味・ニュアンス | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 強い反感を買う | 相手から強い反発や不快感を持たれる | 人の感情を表したいとき |
| 不評を買う | 評判が悪くなる | 商品・企画・対応への評価 |
| 非難を浴びる | 多くの人から責められる | 批判が表面化しているとき |
| 不興を買う | 相手の機嫌を損ねる | 目上の人など特定の相手 |
| 総スカンを食う | 周囲から一斉に嫌われる | くだけた会話 |
「反感」は相手の内面にある反発、「不評」は評価の悪さ、「非難」は実際に責める行為に焦点があります。大顰蹙は、周囲が眉をひそめるほど不快に感じたというイメージが中心です。
「反感」とさらに強い感情との違いを知りたい方は、敵愾心の意味と反感・敵意との違いも参考になります。また、不快感を表す語の使い分けは、癪に障る・癇に障る・気に障るの違いで詳しく整理しています。
大顰蹙を英語で表すなら?
大顰蹙に完全に一対一で対応する英単語を探すより、文全体を英語に置き換えるほうが自然です。名詞としてはstrong disapproval(強い不賛成・強い非難)やwidespread disapproval(広範な不評・反感)が近い表現です。
- His remark drew widespread disapproval.(彼の発言は大顰蹙を買った。)
- The decision provoked strong criticism.(その決定は強い批判を招いた。)
- Her behavior was frowned upon by everyone.(彼女の振る舞いは皆から眉をひそめられた。)
「眉をひそめる」という元のイメージを出したいなら、frown uponが便利です。強い世論の批判を示したい場合は、strong criticism や widespread criticism のほうが自然なこともあります。
大顰蹙の意味を正しく使うための間違いやすいポイント

最後に、大顰蹙を使うときに迷いやすい点を整理します。「読み方」「助詞」「言葉の強さ」の3つを押さえておけば、ほとんどの場面で自然に使えます。
「大顰蹙を買う」「大顰蹙を招く」はどちらも使える
もっとも定番なのは「大顰蹙を買う」です。「自分の行動によって周囲の不快感を受ける結果になる」という因果関係が分かりやすく表れます。
一方、「大顰蹙を招く」も自然です。「その発言が大顰蹙を招いた」のように、ある行為が原因となって強い反感が生まれたことを表します。
「大ひんしゅく」と平仮名で書いてもよい?
意味を伝えることが目的なら、「大ひんしゅく」と書いて問題ありません。文化庁の調査でも「顰蹙」は平仮名表記を選ぶ人が多い語であり、読みやすさを考えて仮名に開くのは実用的な方法です。
漢字表記の「大顰蹙」は視覚的なインパクトが強く、評論や見出しなどでは印象を強められます。一方、一般向けの案内や読みやすさを優先する文章では、「大ひんしゅく」「ひんしゅくを買う」のほうが親切です。
大顰蹙の意味を一言で押さえるまとめ
大顰蹙は「だいひんしゅく」と読み、周囲から非常に強く眉をひそめられ、不快感や反感を持たれる状況を表す言葉です。
- 大顰蹙の読み方は「だいひんしゅく」
- 顰蹙は「不快に感じて眉をひそめること」
- 大顰蹙は、顰蹙の程度が非常に大きいことを強調する表現
- 「大顰蹙を買う」「大顰蹙を招く」の形で使いやすい
- 類語は「強い反感を買う」「不評を買う」「非難を浴びる」など
- 英語ではstrong disapproval、widespread disapproval、frown uponなどを文脈で使い分ける
迷ったときは、「その場にいた人たちが思わず眉をひそめるほど、不快に感じたか」を基準にすると判断しやすくなります。単なる失敗や低評価よりも強い言葉なので、場面に合わせて「不評」「反感」「批判」などとの使い分けを意識してください。
【参考文献】
