がなる(がなる)の意味や使い方【図解Note】
がなる(がなる)の意味や使い方【図解Note】

「がなるって、どんな意味?」「怒鳴るや叫ぶとは何が違うの?」「もしかして方言?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。

がなるは日常会話ではそれほど頻繁に耳にしないため、前後の文脈だけでは意味をつかみにくい言葉です。また、音楽の話題では「がなり声」という表現が使われるため、歌い方を表す専門用語だと思っている方もいるかもしれません。

実際には、がなるは古くから使われてきた日本語で、大きく騒々しい声でものを言う様子を表します。

この記事では、がなるの意味を基本から整理し、漢字表記、語源、英語表現、使い方や例文、怒鳴る・喚く・叫ぶとの違い、がなり声との関係までわかりやすく解説します。読み終えるころには、文章や会話の中で「がなる」が出てきても、ニュアンスまで迷わず理解できるようになります。

我鳴るがなる(一般には「がなる」とひらがなで表記します)

英語表記:yell / shout / scream

がなるの意味とは?読み方・漢字・語源をわかりやすく解説

がなるの意味とは?読み方・漢字・語源をわかりやすく解説

まずは、がなるの意味そのものを確認しましょう。似た言葉に「怒鳴る」「喚く」などがありますが、がなるには単に声が大きいだけでなく、騒々しく、耳につくような声を出すというニュアンスがあります。

がなるとはどんな意味?簡単にいうと「大声で騒々しく言う」

「がなる」とは、大きな声で騒々しくものを言うこと、わめくような声を出すことを意味する動詞です。国語辞典でも「大きな声で騒々しく言う」「わめく」「どなる」といった意味で説明されています。

がなる=大きく、やかましいと感じられる声で言葉を発すること

たとえば、静かな場所で一人だけ大声を張り上げている人に対して、「大声でがなる」と表現できます。

ここで大切なのは、単なる「大声」とは少し違う点です。スポーツ大会で選手を大声で応援したからといって、必ず「がなっている」とはいいません。「がなる」には、声の大きさだけでなく、騒々しさや耳障りさを感じさせる評価が含まれやすいからです。

がなるの漢字は「我鳴る」?通常はひらがなで書く

「がなる」を漢字で調べると、「我鳴る」という表記が見つかることがあります。

ただし、「我鳴る」は一般的な漢字表記というより当て字として扱われる表記です。JMdictでも「我鳴る」は当て字とされ、通常は仮名で書く語として登録されています。

がなるの表記の違い
表記 使い方
がなる もっとも一般的で自然な表記
我鳴る 当て字として見られる表記

文章を書く場合には、特別な意図がない限り「がなる」とひらがなで書けば問題ありません

がなるの語源は「が」と「鳴る」に関係する

語源については、声や音を表す「が」という要素と「鳴る」が結び付いた語とする説明があります。JMdictにも「が+鳴る」に由来する語として情報が収録されています。

「がーっ」と響くような荒々しい音を想像すると、現在の「大きく騒々しい声を出す」という意味ともつながりを感じやすいでしょう。

また、「がなる」は最近生まれた若者言葉ではありません。国語辞典では江戸時代の用例も示されており、少なくとも近世には使われていたことが確認できます。

「がなる」は新しい俗語ではなく、古くから日本語で使われてきた言葉です。

がなるの意味と使い方|例文・がなり声・歌でのニュアンス

がなるの意味と使い方|例文・がなり声・歌でのニュアンス

意味がわかったところで、実際にはどのような場面で使うのかを見ていきましょう。「がなる」は人の声を客観的に説明するだけでなく、「うるさい」「騒々しい」と感じている気持ちを含ませる場合があります。

がなるの使い方と例文

「がなる」はラ行五段活用の動詞で、「がなる」「がなった」「がならない」「がなっている」のように使います。

  • 隣の部屋から男性が大声でがなる声が聞こえた。
  • そんなにがならなくても、話は十分に聞こえているよ。
  • 店の前で拡声器を使ってがなっている人がいる。
  • 彼は興奮すると周囲も気にせずがなり始める。
  • 酔った客が店員に向かっていつまでもがなっていた。

 

これらに共通するのは、「声が大きい」という事実だけではありません。必要以上に声を張り上げ、周囲から騒々しいと思われている状態が表されています。

本人の発声を「がなる」と表現すると、話し方をうるさい・耳障りだと評価しているように受け取られることがあります。人に直接使う場合は注意しましょう。

がなり声とは?歌や音楽で使われる意味

「がなる」を調べていると、「がなり声」という言葉もよく目にします。

日常語としての「がなり声」は、文字どおりがなっているような荒々しく大きな声という意味です。一方、歌やボーカルの分野では、通常のきれいな歌声とは異なる、ざらつきや唸りを感じさせる発声表現を「がなり声」と呼ぶことがあります。

ロックなどでは、強い感情や迫力を表現するために取り入れられることがあります。音楽分野で説明される「がなり声」という名称も、もともとの「わめくように大声を出す」という「がなる」の意味につながっています。

ただし、ここは混同しないようにしましょう。

「がなる」は日本語の動詞、「がなり声」は声の状態や歌唱表現を表す言葉です。

がなるを英語で表すとyell・shout・scream

「がなる」を英語にする場合、一語だけで完全に同じニュアンスを表すのは難しいものの、場面によって次の表現が近くなります。

がなるに近い英語表現
英語 主なニュアンス
yell 大声で叫ぶ、怒鳴る
shout 大きな声を出す、叫ぶ
scream 鋭い声で叫ぶ、悲鳴を上げる
bawl 大声でわめく

JMdictでは「to yell」「to shout」「to scream」「to bawl」などが対応する英語として挙げられています。

「騒々しくわめいている」というニュアンスを強く出したいなら、単にshoutとするよりも、文脈に応じてyell loudlyなどと表現したほうが伝わりやすい場合もあります。

がなるの意味と類語の違い|怒鳴る・喚く・叫ぶ・がなり立てる

がなるの意味と類語の違い|怒鳴る・喚く・叫ぶ・がなり立てる

「がなる」には似た意味の言葉が多くあります。そのため、文章を読んだときに「怒鳴ると何が違うの?」と疑問を持ちやすいところです。それぞれが強調しているポイントを整理すると、使い分けが簡単になります。

がなると怒鳴るの違い

もっとも混同しやすいのが「がなる」と「怒鳴る」です。

がなるは「大きく騒々しい声を出すこと」に重点があります。それに対して怒鳴るは、大声を出すことに加えて「相手をしかりつける」「特定の相手に強い声を向ける」という意味で使われることがあります。

辞典でも「怒鳴る」には、大声で呼ぶ意味のほか、声高にしかりつける意味が示されています。また、「がなる」「わなる」は不特定の対象に激しい声を出す意味を持つのに対し、「怒鳴る」は特定の相手へ大声で怒る場合にも使われると説明されています。

がなると怒鳴るの違い
言葉 中心となる意味
がなる 大声で騒々しく言う 酔客が路上でがなる
怒鳴る 大声を出す・声高にしかる 上司が部下を怒鳴る

がなる・喚く・叫ぶの違い

「喚く」「叫ぶ」も大きな声を表しますが、焦点が異なります。

  • がなる:騒々しく大声を出すことに重点がある
  • 喚く:感情的になって大声を出し続ける様子を表しやすい
  • 叫ぶ:大きな声を出すことを広く表し、必ずしも悪い意味ではない

 

たとえば「助けて、と叫ぶ」は自然ですが、「助けて、とがなる」にすると、切迫感よりも声の騒々しさを描写する印象が強まります。

また、「優勝の喜びを叫ぶ」は肯定的な場面でも使えますが、「優勝の喜びをがなる」とすると通常は不自然です。「がなる」には話し手が声を騒々しいと捉えているニュアンスが付きやすいと覚えておくとよいでしょう。

がなり立てるの意味は「激しくわめき続ける」

関連語として覚えておきたいのが「がなり立てる」です。

「がなり立てる」は、あたりかまわず激しくわめくことを意味します。単に「がなる」というよりも、激しく、しつこく大声を発している様子が強調される表現です。

たとえば、「男が店先でがなっていた」よりも「男が店先でがなり立てていた」としたほうが、騒ぎが激しく続いている情景を想像しやすくなります。

「~立てる」は、動作の勢いや継続を強調する形で使われることがあります。「喚き立てる」「責め立てる」なども似た作りです。

がなるの意味を正しく理解するQ&A|方言・漢字・使う場面

がなるの意味を正しく理解するQ&A|方言・漢字・使う場面

最後に、「がなる」について特に疑問を持たれやすいポイントを整理します。意味だけでなく、方言なのか、現在でも使えるのかまで知っておくと、文章中で出会ったときにも迷いません。

がなるは方言?標準的な日本語として通じる?

「がなる」は地域によって耳にする頻度に差があるため、方言だと思われることがあります。

しかし、一般的な国語辞典にも独立した語として掲載されているため、特定地域でしか通じない方言として考える必要はありません

もちろん、地域によっては日常会話でよく使う場合もあれば、ほとんど使わない場合もあります。そのため、初めて聞いた人が「地元の方言かな?」と感じること自体は不思議ではありません。

国立国語研究所では、現代日本語の書籍・新聞・白書・Webなど幅広い資料を対象にしたコーパスが整備されています。このような実際の用例を確認できる言語資料を利用すると、語がどの時代・ジャンルで使われているかを調べることもできます。

がなるは悪い意味?人に使うと失礼になる?

「がなる」は必ずしも悪口そのものではありませんが、一般には好意的な表現とはいえません。

「大きくて騒々しい」「耳障りなほど声を張り上げる」という評価が入りやすいため、本人に向かって「あなたはがなっている」と言えば、「うるさい」「わめいている」と批判されたように感じる可能性があります。

一方、小説やニュース的な描写などで、「男が何かをがなっている」「拡声器から声ががなり続ける」のように、場面の騒々しさを表現する目的で使うのは自然です。

丁寧な会話では「大きな声で話す」「声を荒らげる」など、状況に応じた穏やかな表現へ言い換えたほうが適切な場合があります。

がなるの意味・使い方まとめ|怒鳴るとの違いも覚えよう

「がなる」は、大きな声で騒々しくものを言う、わめくように声を出すという意味の言葉です。

  • 読み方は「がなる」
  • 大きな声で騒々しく言う、わめくという意味
  • 「我鳴る」という表記はあるものの、通常は「がなる」とひらがなで書く
  • 特定地域だけで使われる方言と考える必要はない
  • 怒鳴るは「相手を大声でしかる」という意味でも使われる
  • 叫ぶは広い意味で使え、必ずしも騒々しいという悪いニュアンスを持たない
  • 「がなり立てる」は激しくわめき続ける様子を強く表す
  • 音楽では「がなり声」という表現にもつながっている
  • 英語ではyell、shout、scream、bawlなどが近い

 

「がなる」は少し古めにも感じられる言葉ですが、声の大きさだけでなくその場の騒々しさまで一語で表現できるのが特徴です。「怒鳴る」「喚く」「叫ぶ」との違いを意識すると、小説や記事の中で使われているときの情景もより鮮明に理解できるでしょう。

【参考文献】

 

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