
「今だに」と「未だに」、どちらも「いまだに」と読むのに、漢字表記が違うせいで迷いやすい言葉です。検索してみると、「違い」や「意味」だけでなく、「どっちが正しいの?」「漢字の表記は?」「誤用なの?」「使い分けはある?」「読み方は同じ?」「例文で確認したい」「ビジネスではどちら?」といった関連キーワードが並び、不安が大きくなりがちです。
私自身、文章の校正・表記統一の相談を受ける中で、この二つは“伝わるのに指摘されやすい”代表例だと感じています。この記事では、辞書的な扱いと実務での選び方を整理し、会話・メール・文章作成のどこでも迷わない状態まで落とし込みます。
- 今だにと未だにの意味の違いと結論
- 今だにと未だにが指摘されやすい理由と使い分け
- 英語表現や言い換えでニュアンスを整える方法
- 例文で身につく正しい使い方と間違いやすいポイント
今だにと未だにの違い
最初に結論を押さえると、迷いが一気に減ります。ここでは「意味」「使い分け」「英語表現」の3点から、今だにと未だにの違いを整理します。
結論:今だにと未だにの意味の違い
結論から言うと、読みはどちらも「いまだに」で、意味は大筋で共通します。どちらも「今になってもなお」「今も変わらず」といった継続(過去から現在まで続いている状態)を表す副詞です。
ただし、実務上の扱いには差があり、一般的には「未だに」が推奨されやすく、「今だに」は誤用・誤記として指摘されやすい傾向があります。文章で“安全に”いくなら未だに、が基本方針になります。
| 表記 | 読み | 意味の核 | 文章での無難さ | ニュアンスの傾向 |
|---|---|---|---|---|
| 未だに | いまだに | 今になってもまだ(状態が続く) | ◎(推奨されやすい) | 期待に反して続く/未解決などと相性が良い |
| 今だに | いまだに | 今になってもなお(状態が続く) | △(指摘されやすい) | 「今」という字面で肯定文に置きたくなる人が多い |
- 迷ったら「未だに」に統一しておくと、校正で戻されにくく安心です
今だにと未だにの使い分けの違い
日常会話では、今だにを書いても意味が通る場面は多いです。問題になりやすいのは書き言葉(メール・資料・Web記事・レポート)で、第三者の目が入るほど表記の厳密さが求められる点です。
使い分けを一言でまとめると、次の通りです。
- ビジネス・公的・提出物:未だにを選ぶ(表記として安全)
- 個人メモ・口語寄りのSNS:表記揺れが許容されやすいが、迷うなら未だに
また、未だにには「未(まだ〜ない)」の印象があるため、未解決・未達・未定のように「まだそうなっていない」「期待に反して進んでいない」文脈と相性が良いです。一方、今だには「今」という字面が強く、肯定文(例:今も覚えている)で使いたくなる気持ちは理解できますが、表記としては無難さで劣ります。
今だにと未だにの英語表現の違い
英語にすると、二つの表記差はほぼ吸収されます。日本語の「いまだに」の核は、英語だと次のように訳し分けると自然です。
- still:いまだに(最頻出。肯定・否定どちらでも使いやすい)
- yet:(否定文や疑問文で)まだ〜ない、いまだに〜していない
- even now / to this day:今になってもなお、今でもなお(強調したいとき)
英語表現を意識すると、日本語でも「継続の強調」なのか「未完了の強調」なのかが整理でき、未だにを選ぶ理由がはっきりします。
今だにとは?
ここからは今だにを単体で掘り下げます。なぜ使われるのか、どんな時に自然に見えるのか、そして語源・類義語まで整理します。
今だにの意味や定義
今だには、読みとしては「いまだに」で、意味としては「今になってもなお」「現在に至るまでずっと」という継続を表します。体感としては、“今この時点を強く意識している”ニュアンスが出やすい表記です。
ただし、文章作法の観点では、今だには誤用扱い・誤記扱いとして修正されることがあります。「伝わる」ことと「推奨される表記」は別だと押さえておくと、混乱が減ります。
今だにはどんな時に使用する?
今だにが登場しやすいのは、次のような場面です。
- 「今でも覚えている」「今もやっている」など、肯定文で“今”を強調したい
- 会話の感覚をそのまま文章に起こした(SNS・チャット・メモ)
- 「未」の字に違和感を覚え、「今」の方がしっくり来ると感じた
とはいえ、誤記として直されるリスクがある以上、対外的な文章では避けた方が無難です。
今だにの語源は?
今だにという表記が語源的に語られるとき、よく出てくる分解が「今」+「だに」です。「だに」には古語的に「〜さえ」「〜だけでも」といった強調の働きがあり、「今でさえ(今になってさえ)」という解釈が可能です。
一方で、現代の国語運用では、いまだにを「いまだ」+「に」(いまだ=まだ、に=副詞化・強調)と捉える説明も多く、結果として「未だに」という表記が推奨されやすい、という流れがあります。語源には複数の説明が並びやすい分野なので、最終的には国語辞典や媒体の表記基準に合わせるのが安全です。
今だにの類義語と対義語は?
今だに(いまだに)の類義語・言い換えは、文章の硬さを調整するのに役立ちます。
類義語(言い換え)
- 今もなお
- 現在でも
- 相変わらず
- 引き続き(ビジネス寄り)
- 依然として(硬め・評論寄り)
対義語(反対の方向)
- すでに
- とうに
- もはや(「もう〜ない」の方向で対比しやすい)
- すでに解決している/すでに終わっている(文として対義にする)
未だにとは?
未だにが推奨されやすい理由は、意味の分かりやすさと、他の「未〜」語との整合性にあります。ここでは意味・由来・類語と対義語をまとめます。
未だにの意味を詳しく
未だに(いまだに)は、「今になってもまだ」「今もなお」という意味の副詞です。過去のある時点から現在まで、ある状態が続いていることを表します。
ポイントは、単なる継続だけでなく、文脈によっては「期待に反して変わらない」「本来は終わっているはずなのに続いている」といった含みが出やすいことです。
未だにを使うシチュエーションは?
未だには、次のような“まだ終わっていない”“まだ実現していない”場面で特に自然です。
- 未だに問題が解決していない
- 未だに返事が来ない
- 未だに原因が分かっていない
- 未だに手続きが完了していない
ビジネス文書でも違和感が少なく、表記としても受け入れられやすいので、迷ったら未だにで統一してしまうのが実務的です。
未だにの言葉の由来は?
未だには、「未だ(まだ)」に「に」が付いた形だと説明されることが多く、漢字の「未」には「まだ〜していない」「未完了」といった方向性が含まれます。そのため、未だにが「未解決」「未定」などと同じ感覚で理解でき、文章上の整合性が取りやすいのが強みです。
ただし、語源や成り立ちの説明は一つに固定されにくい領域です。媒体によって推奨表記が違う場合もあるため、提出先・公開先のルール(社内表記・メディアガイド・辞書)を確認するのが最も確実です。
未だにの類語・同義語や対義語
未だにの言い換えは、文章のトーンを整えるうえで便利です。
類語・同義語
- まだ(口語・シンプル)
- 今もなお
- 現在でも
- 依然として
- 相変わらず
対義語
- すでに
- もう(「もう解決した」など)
- とうに
- もはや(「もはや必要ない」など)
今だにの正しい使い方を詳しく
今だには「間違い」と断じられがちですが、実際には“使われている”表記でもあります。ただ、対外文書ではリスクが残るため、ここでは例文とともに、どう使うと揉めにくいかを具体化します。
今だにの例文5選
- 学生時代の恩師の言葉は、今だに心に残っている
- あの景色は今だに鮮明に思い出せる
- 彼の一言が、今だに引っかかっている
- 当時の流行は、今だに形を変えて続いている
- その習慣は今だにやめられない
- 上の例文は意味としては通りますが、文章の提出先や媒体によっては「未だに」へ修正される可能性があります
今だにの言い換え可能なフレーズ
今だにをそのまま使うのが不安なときは、「今もなお」「現在でも」「依然として」に置き換えると、表記の是非から自由になれます。
- 今だに覚えている → 今もなお覚えている/現在でも覚えている
- 今だに続いている → 依然として続いている/相変わらず続いている
今だにの正しい使い方のポイント
私のおすすめは、次の「安全運用」です。読者・上司・校閲者に突っ込まれにくい順で並べます。
- 最優先:未だにへ統一する
- 次点:今もなお/現在でも/依然として、に言い換える
- どうしても今だにを使う:個人の文章・口語寄りの場に限定する
特にビジネスでは、内容の正しさ以前に「表記が雑」と見られるコストが大きいです。伝えたいのが事実なら、表記で損をしない選び方が得策です。
今だにの間違いやすい表現
今だにが揉めやすいのは、「未だに」との混同だけではありません。そもそも“表記ゆれ・誤表記”は文章全体の信頼性に影響します。
- 今だに/未だに(表記選択で指摘される)
- どうり/どおり(聞こえが同じで誤記が起きる)
- ずく/づく(仮名遣いの混乱)
表記の整え方をまとめて確認したい方は、同じ「違いの教科書」内の次の記事も参考になります。
未だにを正しく使うために
未だには推奨されやすい表記ですが、だからこそ「どの文に置くと自然か」「言い換えた方が良い場面はあるか」を押さえると、文章力が一段上がります。
未だにの例文5選
- 問い合わせの返答が未だに届いていない
- 原因が未だに特定できていない
- 手続きが未だに完了していない
- 課題の解決策が未だに見つかっていない
- その噂は未だに消えていない
未だにを言い換えてみると
未だにを言い換えると、文章の硬さ・温度感を調整できます。
| 未だにの文 | 言い換え例 | ニュアンス |
|---|---|---|
| 未だに返事が来ない | まだ返事が来ない | 口語的で柔らかい |
| 未だに解決していない | 依然として解決していない | 硬めで客観的 |
| 未だに続いている | 今もなお続いている | 継続の強調が強い |
未だにを正しく使う方法
未だにを気持ちよく使うコツは、「まだ〜ない」系の要素と組ませることです。たとえば、未だに分からない/未だに決まらない/未だに終わらないのように、未完了・未達のニュアンスと合わせると自然さが増します。
- 未だに+否定(ない)や未完了の語は、文章上の相性が良い
- 肯定文でも使えるが、違和感が出るときは「今もなお」へ逃がす
また、社内ルールや媒体のレギュレーションがある場合は、そこに従うのが最優先です。迷いが残るときは、国語辞典や公的な表記基準を確認し、最終判断が必要な場面では校閲者や日本語の専門家に相談するのが安心です。
未だにの間違った使い方
未だに自体が誤りになりにくい一方で、文脈によっては不自然になることがあります。
- 短い瞬間の出来事に使う(×未だに瞬きした、のような一瞬の動作)
- 「もう変わった」前提の文に混ぜる(×未だに改善した、など)
継続・未完了を言いたいのか、過去の一点を言いたいのかを切り分けると、誤用感が消えます。
まとめ:今だにと未だにの違いと意味・使い方の例文
今だにと未だにの違いは、「意味そのもの」よりも表記としての推奨度にあります。どちらも「いまだに」と読み、「今になってもなお」という継続を表しますが、文章で無難なのは未だにです。
- 結論:迷ったら未だにに統一する
- 今だに:意味は通るが、誤記として指摘されやすい
- 未だに:未完了・未解決の文脈と相性が良く、対外文書で安全
- 言い換え:今もなお/現在でも/依然として、で表記リスクを回避できる
- 表記の判断は媒体や組織で異なることがあります。正確な運用は国語辞典や各媒体の表記基準(公式サイト等)をご確認ください
- 重要な提出物や公開前の文章は、最終的な判断を校閲者・日本語の専門家にご相談いただくと安心です
「伝わるのに直される」を避けたいなら、未だにに寄せるか、言い換えに逃がす。この二択だけ覚えておけば、今だにと未だにで迷う時間はほぼゼロになります。

