
「片手間」と「ついで」は、どちらも“メインではない行動”に関わる言葉なので、会話や文章で混同しやすい表現です。
ただ、片手間とついでは似ているようで、意味の中心が違います。だからこそ、使い分けを間違えると「雑に扱っている」「失礼に聞こえる」と受け取られることもあります。特にビジネスの場面や目上の相手への言い回しでは注意したいところです。
この記事では、片手間とついでの違いと意味を、使い方や例文、語源、英語表現、類義語・対義語、言い換えまでまとめて整理します。言葉の選び方に迷ったときの判断基準が手に入るはずです。
- 片手間とついでの意味の違いと結論
- 片手間とついでの使い分けと失礼になりやすい場面
- 語源・類義語・対義語・言い換え表現の整理
- 英語表現と、すぐ使える例文10選
片手間とついでの違い
まずは全体像から整理します。ここを先に押さえると、後半の「語源」「言い換え」「例文」が一気に理解しやすくなります。
結論:片手間とついでの意味の違い
結論から言うと、片手間は「本来の用事(本業)の合間に、別のことをする」ニュアンスです。一方のついでは「本来の用事と同じ流れで、別のことも一緒に済ませる」ニュアンスになります。
| 表現 | 意味の中心 | イメージ | 典型例 |
|---|---|---|---|
| 片手間 | 合間にやる/本業のかたわら | メイン作業の“余り時間”で処理する | 仕事の片手間に返信する |
| ついで | 順序・流れの中で一緒に | 移動や行動の“つながり”で追加する | 買い物のついでに郵便局へ寄る |
つまり、片手間は時間の性質(合間)、ついでは行動の流れ(同じ機会)が軸です。ここが分かると使い分けが迷いにくくなります。
片手間とついでの使い分けの違い
使い分けのコツは、「主目的」と「副目的」の関係をどう捉えるかです。
片手間は、主目的(本業・メイン作業)が明確で、そこに割り込むように別の作業を入れる感じがあります。そのため、言い方次第では「軽く扱っている」「丁寧にやらない」印象につながることがあります。
一方のついでは、主目的の行動に乗っかって別の用事を済ませる言い方です。効率的で自然に聞こえる反面、相手に依頼するときは「ついで扱い」と受け取られない配慮が必要です。
なお、「ついで」に近い硬めの言い回しとして「併せて」があります。ビジネス文章でカジュアルさを避けたいときは、使い分けの候補になります(用法の整理は下記の記事も参考になります)。
片手間とついでの英語表現の違い
英語にすると、片手間とついでは似た訳になりやすいのですが、ニュアンスの置き方で表現が変わります。
片手間:メインの合間に「ついで作業」
片手間は、英語だと「本業の合間に」「サブ的に」やっているニュアンスを補うのが自然です。
- in my spare time(空き時間に)
- on the side(副次的に/かたわらで)
- as a side task(サブタスクとして)
ついで:行動の流れで「寄る・一緒にやる」
ついでは「〜するついでに」で、英語では “while / when” や “on the way” がよく合います。
- while I’m at it(せっかくだから/ついでに)
- on the way(途中で)
- since I’m going there anyway(どうせ行くなら)
日本語の「片手間」「ついで」は一語でズバッと訳しにくい分、何が主目的で、何が追加なのかを英語では補足して表現するのがコツです。
片手間とは?
ここからは、それぞれの言葉を単体で深掘りします。まずは「片手間」から。意味だけでなく、どんな場面で誤解が起きやすいかまで押さえておきましょう。
片手間の意味や定義
片手間(かたてま)は、「本業の余暇」「用事のあいま」、または「そのあいまにする仕事」を指す言葉です。要するに、メインの作業が別にあって、その合間にサブ的にやる行為を表します。
私の感覚では、片手間には“本腰を入れていない”響きが混ざりやすい点が特徴です。もちろん、実際に手を抜いているとは限りません。ただ、言葉の印象として「丁寧にはやっていないかも」が乗りやすいので、相手のいる場面では扱いに注意します。
片手間はどんな時に使用する?
片手間が自然に使えるのは、基本的に「自分の行動」について語るときです。
たとえば、「作業の片手間に音楽を聴く」「料理の片手間に洗い物をする」のように、主目的が明確で、別のことを同時並行でやっている状況に合います。
相手に向けると角が立ちやすい
一方で、相手に対して「片手間でいいのでお願いします」と言うと、“雑でいい”と受け取られやすく、依頼としては危険です。
依頼なら、「お手すきの際に」「可能な範囲で」「お時間のあるときに」といった表現が無難です。
片手間の語源は?
片手間は、文字通り「片手」と「間(あいだ)」が組み合わさった語感です。両手を使って取り組む“本仕事”に対し、片手でもできるような軽い作業、というイメージが言葉の核にあります。
この語感があるので、「片手間にやる」は“本気度が低い”印象を帯びやすいのだと思います。私は文章を書くとき、相手や対象を立てる必要がある場面では、片手間という言葉を避けることが多いです。
片手間の類義語と対義語は?
片手間の近い意味(類義語)と、反対方向の意味(対義語的な言い方)を整理します。対義語は一語で固定しにくいので、ここでは「反対の態度・状態」を表す言い方として挙げます。
類義語(近い意味)
- 合間(あいま):時間のすきま
- 手すき:手が空いている状態
- ついで(文脈次第):同時にやる、ただし軸が少し違う
- サブで:副次的に(口語寄り)
対義語的な表現(反対の姿勢)
- 本腰を入れて:真剣に取り組む
- 専念して:それに集中する
- 手間をかけて:丁寧にする
片手間は、場面によってはネガティブ寄りに働くので、文章では「合間」「手すき」へ置き換えるだけで印象が整うことが多いです。
ついでとは?
続いて「ついで」です。日常会話では便利な一方、相手への依頼に使うと失礼に聞こえることがあるため、ニュアンスを丁寧に整理します。
ついでの意味を詳しく
ついでは、「あることをする機会に、ほかのことも行うこと」を表します。ポイントは、追加の用事が主目的の行動と同じ流れにあることです。
「出かけるついでにコンビニへ寄る」「郵便局へ行くついでに銀行にも寄る」など、移動・行動の連続性があるときに自然です。
ついでを使うシチュエーションは?
ついでは、日常の行動を効率よく説明したいときに便利です。私がよく使うのは、「行動の流れ」を相手にイメージしてもらいたいときです。
例えば「駅に行くついでに切符を買う」は、わざわざ別枠の用事ではなく、同じ流れで完了することが伝わります。
ビジネスでの注意点
ただし、相手に作業を依頼する文脈で「ついでに〜してください」を使うと、相手の仕事を“ついで扱い”しているように聞こえがちです。
その場合は、「恐れ入りますが」「可能でしたら」「お手すきの際に」など、クッション言葉を添えるのが安全です。
ついでの言葉の由来は?
ついでは漢字で「序で」と書きます。「序」には、順序・段取りといった意味があり、そこから「順序の流れに沿って、別件もする」というニュアンスが生まれたと捉えると理解しやすいです。
私はこの由来を知ってから、「ついで」は“おまけ”ではなく、順序の中で自然に発生する機会を表す言葉だと意識するようになりました。
ついでの類語・同義語や対義語
ついでは言い換えが豊富です。文章の硬さや丁寧さに合わせて選ぶと、伝わり方が整います。
類語・同義語(近い意味)
- ついでに:口語で最も一般的
- 合わせて/併せて:やや硬めで文章向き
- 同時に:ニュートラルで誤解が少ない
- その折(おり):フォーマル寄り(挨拶文など)
対義語的な表現(反対の行動)
- わざわざ:別の目的として出向く
- 改めて:別途機会を作って行う
- 別件で:目的を分ける
「併せて/合わせて」の表記やニュアンスが気になる方は、用法の違いも含めて整理しておくと、ついでの言い換えが上手くなります。
片手間の正しい使い方を詳しく
ここでは「片手間」を、実際にどう使うと自然か、どうすると誤解されやすいかを例文中心で整理します。文章に落とし込める形にしていきましょう。
片手間の例文5選
- 会議の準備の片手間に、問い合わせメールだけ先に返しておいた
- 料理の片手間に、明日の献立も考えてしまう
- 移動の片手間に連絡しようと思ったが、思ったより時間がなかった
- 彼は雑談の片手間に、手際よく資料をまとめていた
- 片手間で済ませられる内容ではないので、時間を取って取り組む
5つ目のように「片手間では無理」と否定形で使うと、難易度の高さや真剣さが必要なことを伝える効果があります。私はこの形が誤解が少なく、文章でも使いやすいと感じます。
片手間の言い換え可能なフレーズ
片手間をそのまま使うと角が立ちそうな場面では、次の言い換えが便利です。
- 手すきの際に(丁寧で依頼向き)
- 合間に(ニュートラル)
- 時間のあるときに(柔らかい)
- 余裕があるときに(配慮が伝わる)
相手に頼む文脈なら、「片手間」より「手すき」が基本的に安全です。
片手間の正しい使い方のポイント
片手間を正しく使うポイントは、次の3つです。
- 主目的が別にあることが文脈で明確になっている
- 相手の行動を評価する形で使わない(上から目線になりやすい)
- 依頼文では避け、言い換えを優先する
片手間の間違いやすい表現
間違いやすいのは、相手に向けて「片手間でお願いします」と言ってしまうケースです。意図としては「無理のない範囲で」という意味でも、受け取り手は「雑でいい」「軽く扱われている」と感じる可能性があります。
また、「片手間にできる」と言い切ると、作業の価値を下げる響きが出ます。評価が絡む場面(仕事、制作物、専門領域)では特に注意してください。
ついでを正しく使うために
ついでは便利な一方、使い方を誤ると「用事を軽視している」印象になりかねません。ここでは例文とともに、丁寧さの調整方法も整理します。
ついでの例文5選
- 買い物のついでに、クリーニングも受け取ってきた
- 駅に行くついでに、定期券の更新をしておく
- 散歩のついでに、近所の郵便ポストを確認した
- 出張のついでに、取引先へ挨拶に伺う
- せっかく来たついでに、展示も見ていこう
4つ目はビジネスでも出やすい形ですが、相手によっては「ついで扱い」に聞こえることがあります。私は、社外や目上の相手には「その折に」「併せて」「あわせて」など、少し改まった表現に寄せることが多いです。
ついでを言い換えてみると
ついでの言い換えは、場面の丁寧さで選び分けるのがコツです。
カジュアル寄り
- ついでに
- せっかくだから
- どうせなら
文章・ビジネス寄り
- 併せて
- 合わせて
- その折に
- 同時に
「付随」という言葉も「主目的にくっつく」意味合いで近いことがあります。少し硬めの文章で整理したいときに役立つので、必要なら関連知識として押さえておくのもおすすめです。
ついでを正しく使う方法
ついでを正しく使うポイントは、「主目的が何か」を文脈で明確にすることです。主目的が曖昧だと、ついでの“乗っかり感”だけが強く出てしまいます。
- 主目的:外出/副目的:郵便局に寄る
- 主目的:会議室へ移動/副目的:資料を印刷する
さらに、相手に依頼する場合は、クッション言葉で印象を調整します。
- 可能でしたら、移動のついでにご確認いただけますでしょうか
- お手すきの際に、併せてご対応いただけますと助かります
ついでの間違った使い方
ついでで誤解が生まれやすいのは、「相手の行為を軽く見ている」ように響くときです。
- (NGになりやすい)ついでにこれもやっといて
- (NGになりやすい)その話、ついでみたいなものだから
前者は命令口調と組み合わさることで、雑用感が強くなります。後者は用件自体を軽視している印象が出ます。ついでは便利な言葉ですが、相手が絡むときは丁寧さを足すか、言い換えで逃がすのが安全です。
まとめ:片手間とついでの違いと意味・使い方の例文
片手間とついでは、どちらも“メインではない行動”を表す点で似ていますが、軸が違います。
- 片手間:本業・メイン作業の合間にする(時間軸)
- ついで:主目的の行動の流れで一緒に済ませる(行動軸)
使い分けに迷ったら、「合間の作業」なら片手間、「同じ流れで寄る・済ませる」ならついで、という基準に戻すとブレません。

