
「朗報と吉報の違いや意味がよく分からない」「ニュースやビジネスメールで見るけれど、どんな場面で使うのが正しいのか自信がない」....そんなモヤモヤを抱えて「朗報 吉報 違い」を検索している方は多いはずです。
実際、朗報も吉報もどちらも「良い知らせ」というニュアンスを持つため、意味や使い方、類義語や対義語、英語表現、ビジネスシーンでの言い換えや例文までしっかり整理しておかないと、場面によっては「少し違和感のある日本語」になってしまうことがあります。
この記事では、違いの教科書を運営するMikiとして、朗報と吉報それぞれの意味、語源、使い方、例文、類義語や対義語、言い換え表現、そして英語表現まで、一つひとつ丁寧に解説します。日常会話はもちろん、ビジネスメールやスピーチ、ニュース記事などフォーマルな文章でも迷わず使い分けられるようになることをゴールにしています。
最後まで読んでいただければ、「この場面では朗報を使うべきか」「ここは吉報がふさわしいか」と直感的に判断できるようになり、日本語表現の精度と説得力がぐっと高まります。
- 朗報と吉報の意味の違いと、ニュアンスの差を具体例で理解できる
- 朗報・吉報それぞれの語源、類義語・対義語、言い換え表現を整理できる
- ビジネスメールや挨拶文での正しい使い方と注意点を押さえられる
- 朗報と吉報に対応する英語表現や、便利な例文フレーズをストックできる
朗報と吉報の違い
まずは、朗報と吉報の意味やニュアンスの違いを押さえながら、「どんな場面でどちらを選ぶべきか」という使い分けの全体像を整理していきます。
結論:朗報と吉報の意味の違い
結論から言うと、朗報と吉報はどちらも「良い知らせ」を表す言葉ですが、ニュアンスに次のような違いがあります。
朗報の基本的なイメージ
朗報は、「明るいニュース」「将来に希望が持てる良い知らせ」というイメージが強い言葉です。今起きている出来事そのものだけでなく、そこから先の明るい展望やポジティブな変化まで含めて明るく照らすようなニュースに使われます。
たとえば、次のような場面です。
- 新薬の開発が順調に進んでいるというニュース
- 景気が持ち直してきたという経済ニュース
- 長く停滞していたプロジェクトに光が見え始めた報告
結果が完全に確定していなくても、今後に期待が持てる明るい知らせであれば朗報と表現することが多いです。
吉報の基本的なイメージ
吉報は、「おめでたい出来事に関する確定した良い知らせ」というニュアンスが強い言葉です。「吉」の字には「縁起が良い・めでたい」という意味があり、結婚・出産・合格・受賞など、祝い事としてはっきり形になった出来事に対して使われることが一般的です。
例としては、次のようなケースが典型的です。
- 第一志望の大学に合格したという知らせ
- 友人の結婚・出産の報告
- 昇進や受賞など、お祝いムードの強い知らせ
つまり朗報が「希望も含めた明るい知らせ」なのに対して、吉報は「お祝いすべきことが実際に起こった知らせ」という違いがあると考えると分かりやすくなります。
| 語 | 主な意味 | よく使う場面 |
|---|---|---|
| 朗報 | 将来への希望を感じさせる明るい知らせ | 新技術や制度の導入、景気回復、長期的にうれしいニュース |
| 吉報 | お祝い事として確定した良い知らせ | 結婚・出産・合格・昇進など、儀礼性の高いおめでたい出来事 |
朗報と吉報の使い分けの違い
実際の文章や会話で迷いやすいのが、朗報と吉報の「グレーゾーン」の使い分けです。ここでは、私がビジネス文書やニュース記事を読む・書く中で意識しているポイントを整理します。
「将来への明るい兆し」か「今起きたお祝い事」か
まず意識したいのが、その知らせが「これから良い方向に進みそう」という明るい兆しなのか、「すでに結果が出たお祝い事」なのかという軸です。
- ワクチン開発が成功しそうだ → 未来に希望が持てるので「朗報」
- 臨床試験が完了し正式に承認された → 結果が確定した「吉報」
もちろん現実の日本語では厳密な線引きがあるわけではなく、朗報と吉報が入れ替わっても大きな間違いにならないケースも少なくありません。それでも、相手に伝えたいニュアンスを意識して言葉を選ぶだけで、文章の印象は確実に変わります。
ビジネスメールでの使い分け
ビジネスシーンでは、朗報・吉報ともに使う場面がありますが、次のように分けると自然です。
- 取引先全体にとってプラスのニュース → 「業界にとって朗報となるニュースが発表されました」
- 個人・組織の成果としての報告 → 「貴社に吉報をお届けできることをうれしく存じます」
「返答」「返事」「返信」のニュアンスの違いを整理した解説でも、ビジネスメールでは言葉選び一つで印象が変わると述べています。より広い文脈での言葉の選び方を整理したい場合は、返答・返事・返信の違いと意味・使い方の解説も参考になるはずです。
朗報と吉報の英語表現の違い
英語には、日本語の朗報・吉報をそのまま一語で対応させるぴったりの単語はありません。ただし、ニュアンスの近い表現を選ぶことはできます。
朗報に近い英語表現
- good news(良い知らせ)
- welcome news(歓迎すべき知らせ)
- encouraging news(励みになるニュース・前向きな知らせ)
特にencouraging newsは、「今後への期待が高まる明るいニュース」という朗報のニュアンスに近く、状況によっては非常に相性が良い表現です。
吉報に近い英語表現
- good news(良い知らせ)
- happy news(うれしい知らせ)
- glad tidings(おめでたい知らせ/やや文語的)
結婚や出産、合格などのお祝い事であれば、happy newsやgood newsを使い、「I have some happy news.」のように言い出すのが自然です。宗教的・文学的なニュアンスを出したい場合にはglad tidingsも使われますが、日常会話やビジネスではやや堅めの印象になります。
朗報・吉報ともに、英語では最終的にgood newsでまとめてしまう場面も少なくありません。厳密に一対一で対応させるよりも、どんな場面で・どんな感情を伝えたいのかを軸に表現を選ぶことが大切です。
朗報の意味
ここからは、朗報という言葉そのものに焦点を当てて、意味・語源・類義語や対義語を詳しく掘り下げていきます。
朗報とは?意味や定義
朗報(ろうほう)とは、明るくうれしい知らせ、朗らかなニュースを意味する名詞です。「朗」という漢字には、「明るい」「ほがらか」という意味があり、それがそのまま言葉のニュアンスに反映されています。
辞書的には「明るい知らせ」「うれしい知らせ」といった定義が一般的ですが、実際の用法では、次のような特徴があります。
- 個人にとっての良い知らせにも、社会全体の明るいニュースにも使える
- 結果が確定した出来事だけでなく、「好転の兆し」のようなニュースにも使われる
- やや硬め・文章語寄りの表現であり、日常会話では「良い知らせ」「うれしいニュース」と言い換えられることも多い
朗報はどんな時に使用する?
朗報を使う場面は、ビジネス・ニュース・プライベートを問わず幅広くありますが、私が意識しているポイントは次の3つです。
1. 期待していた良い結果が見えたとき
長く取り組んできたプロジェクトや、苦労して進めてきた案件に良い流れが見えたとき、「朗報です」と切り出すと、聞き手の気持ちも明るくなります。
2. 多くの人にとってプラスになるニュースのとき
新制度の開始や料金の値下げ、医療・環境など社会的にプラスとなるニュースには、朗報がぴったりです。
3. メールや文章の書き出しを明るくしたいとき
「突然ですが朗報です。」と書き出すと、それだけで読み手は「何かいい話かな?」と前向きな気持ちになってくれます。社内向けの連絡やニュースレターでも、使い方次第で空気をポジティブに変えてくれる言葉です。
朗報の語源は?
朗報は、漢字「朗」と「報」から成る熟語です。
- 朗:明るい、ほがらか、晴れやか
- 報:知らせる、お知らせ、報告
つまり朗報は、「明るい知らせ」「晴れやかな報告」というイメージを込めた言葉だと考えられます。特定の故事成語に由来するというよりも、漢字の意味がそのまま組み合わさって生まれた比較的ストレートな熟語です。
朗報の類義語と対義語は?
朗報と近い意味を持つ類義語と、反対のイメージを持つ対義語を整理しておくと、言い換えの幅が広がります。
朗報の類義語
- 良い知らせ/うれしい知らせ
- 吉報(ニュアンスはやや異なる)
- 朗らかなニュース/明るいニュース
- 喜ばしい知らせ/喜報
朗報の対義語
- 悪い知らせ/悲報
- 凶報(縁起の悪い知らせ)
- 残念なお知らせ
類義語・対義語を押さえておくと、「ほか」「他」「外」のような言い換えとの違いを整理した解説にもある通り、文章のニュアンスを細かく調整しやすくなります。言葉のバリエーションを増やしたいときは、ほか・他・外の違いと意味・使い方の解説のように、類義語と対義語をセットで整理する方法がおすすめです。
「朗報」「吉報」「凶報」などは、文脈によって受け手の印象が大きく変わります。特にお悔やみや病気に関する話題など、読者や相手の人生・気持ちに影響を与えうる場面では、どの言葉が最も配慮の行き届いた表現になるかを慎重に検討してください。ここで紹介する用法やニュアンスはあくまで一般的な目安であり、正確な情報は公式サイトや公的な文書も確認し、最終的な判断は日本語に詳しい専門家や社内の担当者にご相談ください。
吉報の意味
次に、吉報という言葉について、意味や由来、使うシチュエーションなどを整理していきます。
吉報とは何か?
吉報(きっぽう)とは、おめでたい出来事に関する良い知らせを表す言葉です。「吉」には「よいこと・めでたいこと」という意味があり、そこから「縁起の良い知らせ」「お祝い事のニュース」というニュアンスが強くなっています。
朗報と比べると、吉報は次のような特徴を持ちます。
- 結婚・出産・合格・受賞など、「儀礼的にお祝いする出来事」によく使われる
- ビジネスでも、重要な案件の成約や昇進など、晴れがましい結果報告に使われる
- 日常会話よりも、文章や挨拶文・スピーチなどフォーマル寄りの場面でよく見られる
吉報を使うシチュエーションは?
吉報を自然に使えるシチュエーションを、いくつか具体的に挙げてみます。
- 家族や親しい友人から結婚・出産の知らせが届いたとき
- 受験・資格試験の合格通知が届いたとき
- 社内で重要なコンペに勝った、コンテストで受賞したなどの成果が出たとき
- お客様や取引先に対して、良い結果を正式に報告するとき
「祝うべき結果が確定しているかどうか」を目安に、朗報ではなく吉報を選ぶと自然です。
吉報の言葉の由来は?
吉報は、「吉」と「報」から成る熟語です。
- 吉:よいこと・めでたいこと・縁起が良いこと
- 報:知らせ・報告
古くから「吉凶」「吉日」「吉兆」などの言葉に見られるように、吉は「運勢が良い」「先行きが明るい」というニュアンスを含んでいます。吉報は、そうした吉のイメージと「知らせる」という意味の報が合わさり、「おめでたいことを告げる知らせ」として定着したと考えられます。
吉報の類語・同義語や対義語
吉報の周辺語も整理しておきましょう。
吉報の類義語・同義語
- 良い知らせ/うれしい知らせ
- 朗報(ニュアンスはやや異なる)
- 喜報(きほう:喜ばしい知らせ)
- 祝報(しゅくほう:お祝いの知らせ)
吉報の対義語
- 凶報(きょうほう:不幸な出来事に関する知らせ)
- 悲報(ひほう:悲しい知らせ)
- 悪い知らせ
「記す」と「印す」の違いを整理した記事でも触れているように、類義語・対義語の関係を押さえると、言葉のイメージが立体的に見えてきます。細かなニュアンスの違いを掘り下げたい方は、記すと印すの違いと意味・語源・類義語・使い方のように、ペアで比較する学び方もおすすめです。
朗報の正しい使い方を詳しく
ここからは、朗報を実際の文章に落とし込むときのコツを、例文や言い換え表現とともに詳しく見ていきます。
朗報の例文5選
朗報の使い方をイメージしやすいように、代表的な例文を5つ紹介します。
- 長く停滞していたプロジェクトに、ついに朗報が舞い込みました。
- 新制度の導入により、利用者にとっては大きな朗報となりそうです。
- 治療法の研究が一歩前進したというニュースは、多くの患者さんにとっての朗報だと言えるでしょう。
- 原材料価格の下落は、業界全体にとってまさに朗報です。
- 売上の低迷が続いていましたが、今期はようやく回復の兆しが見え始め、チームにとっての朗報となりました。
朗報の言い換え可能なフレーズ
文章のトーンや読み手との距離感によっては、朗報を別の表現に言い換えた方が自然な場合もあります。
- 良い知らせ/うれしい知らせ
- 明るいニュース/ポジティブなニュース
- 希望の持てるニュース
- 嬉しい展開/好ましい展開
ビジネスメールなど、やややわらかく言いたいときには、「朗報です」ではなく「うれしいご報告があります」とするのも自然です。
朗報の正しい使い方のポイント
朗報を使うときに、私が意識しているポイントを3つに絞ってまとめます。
- 本当に明るいニュースかどうかを確認する
- 誰にとっての朗報なのかを明確にする(読者・顧客・社会全体など)
- ビジネスメールでは、ややかたい印象になることも意識する
特にビジネスシーンでは、「朗報」という言葉だけが浮いてしまわないように、前後の文章のトーンや敬語のレベルを揃えることが大切です。「できる」と「出来る」のように、表記ひとつで印象が変わる言葉もありますので、表現全体のバランスを意識しましょう。表記の選び方に迷いやすい場合は、できると出来るの違いと意味・使い方の考え方も参考になるはずです。
朗報の間違いやすい表現
朗報に関して、よく見かける注意したい使い方も挙げておきます。
- まだ状況が不透明なのに「朗報」と言い切ってしまう
- 相手にとっては負担や不安が大きい内容なのに「朗報」と表現する
- 冗談めかしてネガティブなニュースに「朗報」と付ける(関係性によっては不快に感じられる)
言葉遊びとして使う場面もありますが、ビジネスや公式なコミュニケーションでは、受け手の立場に立って「本当に朗報と呼べるか」を一度立ち止まって確認することが大切です。
吉報を正しく使うために
続いて、吉報を使うときの例文や言い換え、注意点などを整理しながら、実践的な使い方を見ていきます。
吉報の例文5選
吉報の典型的な使い方を、例文で確認してみましょう。
- 長年の努力が実り、ついに第一志望合格の吉報が届きました。
- ご出産の吉報に接し、心よりお祝い申し上げます。
- このたび、プロジェクト採択の吉報を受け取り、関係者一同大いに喜んでおります。
- 無事に手術が成功したとの吉報を聞き、胸をなでおろしました。
- 長く続いた交渉がついに妥結したという吉報は、社内に明るい空気をもたらしました。
吉報を言い換えてみると
吉報も、文章のトーンや相手との関係性によって言い換えが有効です。
- おめでたい知らせ/うれしい知らせ
- 喜ばしいご報告
- うれしいニュース
- よい結果のご報告
特にフォーマルなお祝いメールや挨拶文では、「ご昇進のうれしいご報告を拝受し」のように、吉報を使わずに言い換えた表現もよく用いられます。
吉報を正しく使う方法
吉報を自然に、かつ失礼なく使うためのポイントは次の3つです。
- 結婚・出産・合格・受賞など、「祝福の言葉を添える場面」で使う
- 相手にとって確実に「うれしいこと」であるかを確認する
- 敬語や挨拶表現と組み合わせて、丁寧な文章に仕上げる
たとえばビジネスメールでは、
「このたびはご栄転の吉報に接し、心よりお祝い申し上げます。」
のように、吉報を軸にしつつも、前後の敬語表現を整えることで、ぐっと上質な日本語になります。
吉報の間違った使い方
吉報は便利な言葉ですが、次のような使い方は避けた方が無難です。
- まだ結果が確定していない段階で「吉報」と呼ぶ
- 相手が複雑な感情を抱きやすい出来事に対して、軽く「吉報ですね」と言ってしまう
- あえて皮肉として「吉報ですね」と使う(冗談が通じない可能性が高い)
特に健康・お金・仕事の進退など、人生や生活に大きく影響するテーマでは、本人の受け止め方を十分尊重することが欠かせません。どの表現が最もふさわしいか迷う場合は、より中立的な「良い知らせ」「うれしいご報告」などに留めておくのも一つの選択肢です。
まとめ:朗報と吉報の違いと意味・使い方の例文
最後に、ここまでの内容をコンパクトに振り返っておきます。
- 朗報は「明るいニュース」「希望の持てる良い知らせ」というイメージで、将来への明るい展望を含んだポジティブなニュースに使いやすい
- 吉報は「おめでたい出来事に関する確定した良い知らせ」で、結婚・出産・合格・受賞など、儀礼的なお祝い事によく用いられる
- どちらも「良い知らせ」という点では共通しており、文脈によっては入れ替えても大きな誤解にはならないが、「将来への期待」か「今起きたお祝い事」かを意識して使い分けると表現の精度が上がる
- 英語ではgood news / happy news / encouraging news / welcome newsなどの表現を、状況に応じて選び分けるとニュアンスを近づけやすい
朗報と吉報の違いを押さえておくと、ニュースの見出しやビジネスメール、挨拶文・スピーチなどで言葉選びに迷いにくくなります。類義語・対義語・言い換え・英語表現までセットで整理しておくことで、日本語のボキャブラリーが自然と広がり、文章全体の説得力も高まります。

