
「用事がある」と「予定がある」、どちらも断るときによく使うのに、いざ違いを説明しようとすると言葉に詰まる……そんな経験はありませんか。
実はこの2語は、似ているようで焦点が違います。日常会話だけでなく、ビジネスの場面でも「用事」と「予定」を取り違えると、相手に伝わるニュアンスが変わり、誤解のきっかけになることもあります。
この記事では、用事と予定の違いや意味を軸に、使い分け、例文、言い換え、類義語・対義語、語源、英語表現までまとめて整理します。用事があると予定があるの違い、日程や都合との関係、所用・私用・急用とのニュアンスも含めて、今日から迷わず使える状態にしていきましょう。
- 用事と予定の意味の違いと覚え方
- 会話・ビジネスで失礼になりにくい使い分け
- 言い換え・類義語・対義語・英語表現の整理
- すぐ使える例文と間違いやすいポイント
用事と予定の違い
最初に、用事と予定の「ズレやすいポイント」を一気に整理します。ここで違いの軸を押さえると、後半の意味・語源・言い換えや例文がスッと頭に入ります。
結論:用事と予定の意味の違い
結論から言うと、用事は「やるべき用件・目的のある行動そのもの」、予定は「前もって決めた計画・スケジュール(枠)」です。
私はこの違いを、次のようにイメージすると一番ブレないと考えています。
| 言葉 | 中心にあるもの | たとえるなら | よく出る言い回し |
|---|---|---|---|
| 用事 | 用件・目的・やること | 中身(タスク) | 用事がある/用事を済ませる |
| 予定 | 日時・計画・枠 | 器(スケジュール) | 予定が入る/予定を立てる |
つまり、予定は「時間の枠」を先に押さえる言葉で、用事は「何をするか」という内容側に寄る言葉です。
- 予定=「何日何時に何をする」の枠を決めるニュアンスが強い
- 用事=枠よりも「用件(やること)」が中心で、具体の日時が曖昧でも成立しやすい
用事と予定の使い分けの違い
使い分けはシンプルで、私のおすすめルールは次の2つです。
- 相手が知りたいのが「空いている時間」なら予定
- 相手に伝えたいのが「やるべき事情(内容を濁したい場合も含む)」なら用事
たとえば「明日会える?」に対して、単にスケジュールが埋まっている事実を伝えるなら「明日は予定があって」。一方で、内容をぼかしつつ断りたい、または“やるべきことがある”ニュアンスを出したいなら「明日は用事があって」が自然です。
ただし現実には、「用事がある/予定がある」はどちらも断り文句として機能するため、軽重や変更可能性は文脈で揺れます。その揺れを踏まえたうえで、誤解を減らすコツは「補足を添える」ことです。
- 予定が確定:「〇時から会議の予定」のように時間を添える
- 用事をぼかす:「所用がありまして」のように改まった表現に寄せる
なお、ビジネスの断り方で「所用」を使う場面が多い人は、当サイトの「所要」「所用」「私用」の違いも合わせて読むと、言い換えの引き出しが増えます。
用事と予定の英語表現の違い
英語にすると違いがよりクリアになります。予定は「スケジュール・計画」、用事は「用件・やること(用足し)」に寄ります。
| 日本語 | 近い英語 | ニュアンス | 例 |
|---|---|---|---|
| 用事 | errand / something to do / business | 用件・雑務・用足し | I have an errand to run. |
| 予定 | schedule / plan / appointment | 時間枠・計画・約束 | I have an appointment. |
日本語の「用事がある」は万能ですが、英語では「何の種類の用件か」を少し指定することが多い点がポイントです。逆に予定は、appointment(約束)やschedule(スケジュール)で表現しやすく、枠の概念がそのまま出ます。
用事とは?
ここからは各語を深掘りします。まずは「用事」。日常ではあまりにも頻出ですが、意味の中心を一度言語化しておくと、予定や所用などとの境界がきれいに見えてきます。
用事の意味や定義
用事は、ひと言でいえば「しなければならない事柄」「目的があって行うこと」です。
私の感覚では、用事は「行動の中身」を指しやすく、時間が未確定でも成立します。たとえば「今日、用事を済ませてから行く」は、用件の存在が伝われば十分で、厳密な開始時刻がなくても日本語として自然です。
また、用事は内容の軽重が幅広いのも特徴です。買い物のような軽い用足しから、役所手続きのような必須タスクまで、すべて「用事」に入ります。
- 用事は「何をするか」の側に寄る
- 日時が曖昧でも成立しやすい
- 軽い雑務〜重要な用件まで幅が広い
用事はどんな時に使用する?
用事は、次のような場面で特に使いやすい言葉です。
- 行動の目的をさらっと示したいとき(例:用事があって外出する)
- 内容を詳しく言いたくないとき(例:今日は用事があるので失礼します)
- 「済ませる/片付ける」のようにタスク扱いしたいとき(例:用事を済ませる)
一方で、相手が日程調整をしている場面で「用事だけ」だと、空き時間が読めず不親切になることがあります。そういうときは、「用事があって、〇時以降なら大丈夫」のように、時間情報を添えるのが実務的です。
用事の語源は?
用事は、文字通り「用(もちいること・必要なこと)」+「事(ことがら)」で成り立つ語です。私の整理では、「生活や仕事の中で“必要として発生することがら”」が核にあります。
ここが「予定」と決定的に違う点で、予定は「前もって定める」要素が強い一方、用事は「必要があるから発生する」側に寄ります。だからこそ、用事は突発的なものにも乗りやすいです(例:急な用事が入った)。
- 語の由来や定義は辞書・辞典の記述によって表現差があります。正確な情報は国語辞典など公式性の高い資料をご確認ください
用事の類義語と対義語は?
用事の類義語は多く、場面(丁寧さ・緊急性・公私)で使い分けると伝わり方が整います。
用事の類義語(言い換え候補)
- 所用:改まった言い方。内容をぼかしたいときに便利
- 用件:話の要点・伝えるべき事柄のニュアンスが強い
- 私用:私的な事情による用事だと示したいとき
- 急用:突発的で、すぐ対応が必要な用事
- 用向き:やや硬めで、来訪目的などを示すときに使う
用事の対義語(近い反対概念)
用事に「完全な対義語」は作りにくいのですが、実務上は次のような概念が反対側に置かれます。
- 暇(ひま):用事がなく時間が空いている状態
- 自由時間:予定や用事に縛られていない時間
- 無用(むよう):必要がないこと(※「用事がない」の言い換えとしては少し硬い)
ちなみに「つまらない用事」を表す言葉として「野暮用」があります。言い間違いで「藪用」と書かれることもあるため、気になる方は当サイトの解説も参考にしてください。
予定とは?
次は「予定」。用事よりも「時間」「計画」「調整」の文脈で出やすい言葉です。ここを丁寧に整理すると、日程・都合・約束との違いも見えてきます。
予定の意味を詳しく
予定は、「前もって決めておくこと」、または「前もって決めた計画・スケジュール」を指します。
私の中での核心は、予定には「事前に定めた」という時間軸が必ず入ることです。だから「予定を立てる」「予定が入る」「予定を変更する」といった、スケジュール管理の動詞と相性が良くなります。
- 予定=事前に決めた計画・枠
- 中心は「いつ(日時)」で、次に「何をするか」が乗る
予定を使うシチュエーションは?
予定は、次のような場面で自然です。
- 日程調整をするとき(例:来週の予定はどう?)
- カレンダー管理の話をするとき(例:予定が詰まっている)
- 将来の計画を語るとき(例:来月引っ越す予定)
- 約束・会議・予約など、相手が関わる枠(例:打ち合わせの予定)
注意したいのは、予定は便利なぶん曖昧にもなりやすい点です。特に仕事では「〇日上旬予定」のようにぼかすと、相手側の手配に影響が出ることがあります。確度が低いときほど「仮」「見込み」「調整中」を添えるのが、私は安全だと考えています。
日付表現をぼかす「上旬・中旬・下旬」も、予定とセットでよく使われます。必要なら、こちらの解説も参考になります。
予定の言葉の由来は?
予定は、「予(あらかじめ)」+「定(さだめる)」の組み合わせです。私の説明では「先に決めておく」という性質がそのまま漢字に出ています。
この由来を押さえておくと、用事との違いも自然に覚えられます。
- 予定:先に(予)決める(定)=「枠の確保」
- 用事:必要なことがら=「中身(用件)」
予定の類語・同義語や対義語
予定の類語(言い換え候補)
- 計画:筋道を立てたニュアンスが強い
- スケジュール:カレンダー的な管理語。ビジネス寄り
- 日程:日付の並びや期間のニュアンスが強い
- 約束:相手との合意が強い(破ると失礼になりやすい)
- アポイント:面会・商談など目的のある約束
予定の対義語(近い反対概念)
- 未定:決まっていない状態
- 白紙:予定が入っていない・計画がない状態
- 空き:スケジュール上の空白
予定は「空いてる/埋まってる」の表現と相性が良い一方で、「用事が埋まっている」はやや不自然に聞こえやすいです(用事は“中身”なので、埋まるのは枠である予定、という感覚です)。
用事の正しい使い方を詳しく
ここからは実践編です。用事は万能なぶん、雑に使うと「結局いつ空いてるの?」と相手を困らせがちです。例文と合わせて、伝わる使い方に整えていきます。
用事の例文5選
- 今日は午後に用事があるので、夕方以降なら連絡できます
- 駅前で用事を済ませてから、合流します
- 急に用事が入ってしまい、開始時間に間に合わないかもしれません
- 用事が終わり次第、折り返します
- その日は家の用事があるため、別日にしてもらえると助かります
この5つは「用事=中身」を軸にしつつ、相手が困らないように「いつなら可能か」を添える形にしています。断りの場面ほど、代替案(別日・別時間)を添えると印象が柔らかくなります。
用事の言い換え可能なフレーズ
用事を言い換えると、丁寧さやニュアンス調整ができます。私は次の使い分けをよく使います。
| 言い換え | 向く場面 | ニュアンス | 例 |
|---|---|---|---|
| 所用 | 社外・目上・改まった場 | 丁寧、内容をぼかせる | 所用により欠席いたします |
| 私用 | 理由を最低限示したい | 私的事情であることを示す | 私用のためお休みします |
| 用件 | 話の目的を強調したい | 伝えるべき要点寄り | 用件を伺ってもよろしいですか |
| 急用 | 突発の強調 | 緊急・優先度が高い | 急用ができて抜けます |
特にビジネスでは「用事」よりも「所用」のほうが角が立ちにくい場面があります。ただし、社内のカジュアルな会話で所用を多用すると、よそよそしく感じることもあるので、関係性に合わせるのがコツです。
用事の正しい使い方のポイント
私が「伝わる用事」に整えるときに意識しているポイントは次の3つです。
- 相手が必要な情報(いつ空くか・どれくらいかかるか)を最低限添える
- 詳細を言いたくないときは、丁寧語やクッション語で角を取る
- 調整が可能なら、代替案(別日・別時間・代替手段)を提示する
たとえば「用事があるので無理です」だけだと強く聞こえがちです。私は「恐れ入りますが、用事がありまして。〇日なら調整できます」のように、クッションと代替案をセットにします。
用事の間違いやすい表現
用事でよく見かける混乱は、次の2つです。
- 「用事が埋まっている」:言いたいことは伝わるが、枠が埋まるのは「予定」のほうが自然
- 「用事を立てる」:中身(用件)を「立てる」はやや不自然。枠なら「予定を立てる」
どうしても「埋まってる」を使いたいなら、「その日は予定が埋まっています。午前中は用事があります」のように、枠(予定)と中身(用事)を分けると文章が締まります。
予定を正しく使うために
予定は日程調整に強い言葉です。ただし、確定度が低い予定を断定的に言うと、後から変更したときに信頼を落とすことがあります。ここでは「予定の扱い方」を実践ベースでまとめます。
予定の例文5選
- 来週は予定が詰まっているので、再来週なら調整できます
- 金曜の午後に打ち合わせの予定を入れました
- その件は、来月中に対応する予定です(状況により前後する可能性があります)
- 明日は午前中に予定があるため、返信は午後になります
- 予定が変わりそうなので、確定したら改めて連絡します
ポイントは、3つ目と5つ目です。予定は「未来の話」なので、確定度が低いなら「見込み」「調整中」「状況により」を添えるだけで誤解が減ります。
予定を言い換えてみると
予定の言い換えは、伝えたい粒度(ざっくり/きっちり)で選びます。
| 言い換え | 粒度 | 向く場面 | 例 |
|---|---|---|---|
| 日程 | きっちり寄り | 日付・期間の共有 | 日程を確定させましょう |
| スケジュール | 管理寄り | 業務・調整 | スケジュールを押さえました |
| 計画 | 設計寄り | 長期・工程 | 計画を立て直します |
| 約束 | 拘束力強め | 相手との合意 | その日は約束があります |
「予定が合う/都合が合う」などの周辺表現も、ビジネスでは迷いやすいところです。予定は“時間枠”、都合は“条件全体”を含みやすい、と理解すると整います。
予定を正しく使う方法
予定を使うときに私が大事にしているのは、確定度を言葉で管理することです。
- 確定:予定が入っています/予定を確定しました
- 仮:予定を仮押さえしています/予定は調整中です
- 未確定:予定は未定です/決まり次第共有します
特に社外では、相手側が手配(予約・人員調整・会場確保)を伴うことがあります。曖昧なまま「予定です」と言い切ると、後で変更した際に迷惑が大きくなりやすいので、「現時点では」や「暫定」を添える運用が無難です。
予定の間違った使い方
予定でありがちなミスは、次のようなパターンです。
- 確定していないのに言い切る(例:必ずその日にやる予定です)
- 相手の期待値を上げすぎる(例:すぐ対応する予定です)
- 枠と中身を混同する(例:予定を済ませる → 用事を済ませる、が自然)
- 言葉の使い分けは相手・業界・組織文化で最適解が変わります。迷った場合は社内ルールや公的な辞書の記述を確認し、最終的な判断は上司・先輩・専門家(文章校正者など)にご相談ください
まとめ:用事と予定の違いと意味・使い方の例文
最後に要点をまとめます。用事と予定は似ていますが、焦点が違います。
- 用事:やるべき用件・目的のある行動=中身(タスク)
- 予定:前もって決めた計画・スケジュール=枠(カレンダー)
- 断るだけならどちらも使えるが、誤解を減らすには「時間」や「確定度」の補足が有効
- 丁寧にぼかすなら「所用」、突発なら「急用」、日付を詰めるなら「日程」など言い換えも便利
私は、迷ったら「相手が知りたいのは枠か中身か」で選びます。日程調整の文脈なら予定、理由を濁す・用件を示すなら用事。これだけで大半の場面は整理できます。
言葉は便利な反面、場面によって正解が動きます。正確な情報は国語辞典など公式性の高い資料をご確認いただきつつ、実務では相手に必要な情報を添える形で運用してみてください。

