「在席」と「在籍」の違いや意味・使い方・例文まとめ
「在席」と「在籍」の違いや意味・使い方・例文まとめ

仕事のメールや電話、履歴書やプロフィールを書くときに「在席」と「在籍」のどちらを使えば良いのか迷った経験はないでしょうか。特にビジネスシーンでは、在席と在籍の違いの意味を正しく理解していないと、「在席中」「在籍中」「在席確認」「在籍確認」などの言葉選びで微妙な誤解を生んでしまうことがあります。また、在籍と在職の違いや、在席と在籍の英語表現、就活・転職での使い方まで考え出すと、余計に混乱しがちです。

この記事では、在席と在籍の意味の違いを軸に、ビジネスメールや電話対応、学校・会社での書類、履歴書・職務経歴書など、実際の場面で迷わず使い分けられるようになることを目指します。語源や類義語・対義語、言い換え表現、英語表現、よくある間違いもまとめて整理し、「ざいせき」と読む二つの漢字を自信を持って使いこなせるように解説していきます。

この記事を読んでわかること
  1. 在席と在籍の違いと意味を一目で理解できる
  2. ビジネスや学校での在席・在籍の正しい使い方と例文が分かる
  3. 在席・在籍それぞれの類義語・対義語・言い換え表現を把握できる
  4. 在席・在籍の英語表現や履歴書・メールへの応用方法を学べる

目次

在席と在籍の違い

まずは、もっとも重要な「在席」と「在籍」の違いから整理します。この章では、意味の違い・使い分けのポイント・英語表現の違いをセットで押さえておきましょう。

結論:在席と在籍の意味の違い

結論から言うと、「在席」と「在籍」は表している「存在」の種類が違います。

読み方意味の中心イメージ
在席ざいせき席にいること・その場に物理的にいること今この瞬間、オフィスの席にいるかどうか
在籍ざいせき団体に籍があること・構成員として登録されていること学校や会社の「名簿に名前が載っている」状態

つまり、在席は「場所」に関する言葉、在籍は「所属」に関する言葉です。

例えば、次のような言い方ができます。

  • 彼はこの会社に在籍しているが、今日は出張中で在席していない。
  • 現在、A大学文学部に在籍しているが、授業の時間帯だけキャンパスに在席している。

どちらも「いる」というニュアンスは共通ですが、何に対して「いる」のかが全く異なる、というのが在席と在籍の違いの意味です。

在席と在籍の使い分けの違い

在席と在籍は、使う場面がはっきり分かれます。私がビジネスメールの指導をするときは、次のように整理しています。

  • 在籍:学校・会社・団体に「所属しているかどうか」を表すとき
  • 在席:職場や会議室などの「席にいるかどうか」を表すとき
MEMO

電話で「どの部署にざいせきされていますか?」と尋ねる場合、部署への所属を聞いているので、正しくは「在籍」です。「在席」を使うと「その部署の席にいるかどうか」という意味になってしまいます。

具体的なシーン別に見ると、次のような使い分けになります。

  • 「在籍」を使う場面:在籍中の学校・会社・部署・クラブ・団体など、名簿や登録情報で管理される所属
  • 「在席」を使う場面:電話応対やオフィスでの出欠、「今席にいるか」「離席中か」を区別したいとき

逆に言えば、名簿に名前があるかを聞きたいなら在籍、今その場にいるかを聞きたいなら在席と覚えておくと実務で迷いにくくなります。

在席と在籍の英語表現の違い

在席と在籍は、英語にすると違いがよりはっきりします。

  • 在席:at one’s desk / be in the office / be present など
  • 在籍:be enrolled in(学校)/ belong to(組織・部署)/ be on the roll / be a member of など

例えば、次のように言い換えられます。

  • 「ただいま在席しておりません。」
    → He is not at his desk right now. / He is not in the office at the moment.
  • 「現在、A大学経済学部に在籍しています。」
    → I am currently enrolled in the Faculty of Economics at A University.

英語でも「場所(在席)」と「所属(在籍)」で動詞や前置詞が変わるので、セットで覚えておくと英作文やビジネス英語にも役立ちます。

在席の意味

ここからは「在席」単体の意味や語源、類義語・対義語を詳しく整理していきます。まずは在席のイメージをしっかり固めておきましょう。

在席とは?意味や定義

在席は、漢字の通り「在(いる)」+「席(席・座っている場所)」で、

「職場や会議室など、自分の席にいること」

を意味します。辞書の定義を整理すると、主に次の二つです。

  • 職場の自分の席についていること
  • 職場に自分の席があること(在勤のニュアンス)

ビジネス現場でよく使うのは前者で、「今いるかどうか」を表す用法です。

  • 午前中は在席しています。
  • 本日は一日中在席予定です。
  • 在席中にお電話を差し上げます。

在席はどんな時に使用する?

実務で「在席」と書く場面は、それほど多くありません。主なシチュエーションは次の通りです。

1. 社内・社外の電話応対

電話応対の現場で、在席という言葉を見聞きすることがあります。

  • 「あいにく田中はただいま在席しておりません。」
  • 「午後でしたら在席しておりますので、その時間帯におかけ直しいただけますか。」

ただし、実際のビジネスマナー講座などでは、「ご在席でしょうか」よりも「いらっしゃいますか」を使うほうが無難だとされることも多く、在席という言葉自体をあまり前面に出さない会社もあります。

2. 出社状況・在席確認ツール

社内システムやホワイトボードで、次のように使われます。

  • 在席/外出/出張/休暇 の表示
  • 在席確認システム・在席管理ツール という機能名

この場合の在席は、「職場にいて席にいる状態」を簡潔に表すラベルとして機能しています。

3. フロア・座席表での表現

コールセンターや大規模オフィスでは、

  • 在席率(フロアにいるオペレーターの割合)
  • 在席時間(席に着いている時間)

といった形で、「席にいるかどうか」を定量的に扱う場面もあります。

在席の語源は?

在席の語源は、漢字一字ずつ見ていくと理解しやすくなります。

  • 在:ある・いる・とどまる を表す漢字
  • 席:敷物・座る場所・一定の位置 を表す漢字

つまり在席は、「その人が本来座るべき場所に、今まさにいる状態」を表現する言葉です。

この「今いるかどうか」というニュアンスが、在籍との大きな違いにつながります。在籍は名簿上の情報、在席は目の前の状況を見ている、とイメージしておきましょう。

在席の類義語と対義語は?

在席の近い意味・反対の意味を持つ言葉も一緒に押さえておくと、ニュアンスをより立体的に理解できます。

類義語・関連語

  • 出社している
  • 勤務中である
  • 席にいる/デスクにいる
  • 着席している
  • 在庁(役所などで使うことがある)

対義語・反対の状態

  • 不在(その場にいないこと)
  • 離席中(席を外していること)
  • 外出中(社外に出ていること)
  • 欠席(会議・行事に出ていないこと)

特にビジネスでは、在席/不在/離席/外出などを組み合わせて「今どこにいるか」を明確に伝えることが求められます。

在籍の意味

次に、「在籍」の意味や使い方を詳しく見ていきます。在席と違って、こちらは日常的にも非常によく使う言葉です。

在籍とは何か?

在籍は、「在(いる)」+「籍(戸籍・名簿など、身分や所属を記録する帳簿)」から成る言葉です。

まとめると、在籍とは「学校や会社、団体などに名前が登録されている状態」を指します。

  • 現在、A株式会社営業部に在籍しています。
  • 本校に在籍する生徒は約800名です。
  • 過去に在籍していた方にもアンケートを実施しました。

ここでは、「今その場にいるかどうか」は問題ではありません。たとえ休職中や休学中であっても、籍が残っているなら「在籍している」と表現できます。

在籍を使うシチュエーションは?

在籍は、在席よりも使用頻度が高く、さまざまな場面で使われます。

1. 履歴書・職務経歴書・プロフィール

経歴欄や自己紹介では、「在籍」の出番がとても多いです。

  • 2022年4月〜 株式会社〇〇 営業部に在籍
  • 現在はフリーランスとして活動する一方、大学院に在籍しています。

2. 学校・塾・資格講座などでの表現

  • 本校に在籍する学生は約3000名です。
  • 在籍者数の推移をまとめた資料を配布します。

3. 人事・総務・法務などの事務手続き

雇用や就学に関する書類では、

  • 在籍証明書
  • 在籍中/在籍期間
  • 在籍出向・在籍型出向

といった形で頻繁に登場します。法的な手続きや社会保険の取り扱いに関わる重要な用語でもあるため、意味を取り違えないことが大切です。

在籍の言葉の由来は?

在籍の「籍」は、もともと戸籍・戸口・名簿など、人や家の情報を記録する帳簿を指しました。そこから派生して、

  • 戸籍(家族構成を記録する台帳)
  • 国籍(どの国に属するかを表す身分)
  • 学籍(学校に属する学生の記録)

といった言葉が生まれています。

この流れを踏まえると、在籍とは「ある組織の名簿・台帳に名前が記録されている状態」と理解できます。だからこそ、実際にその場にいなくても、籍が残っているかぎり在籍していると言えるわけです。

在籍の類語・同義語や対義語

在籍の類語や反対語も確認しておきましょう。

類語・同義語

  • 所属する
  • 在学(学校に籍があること)
  • 在職(会社・組織で職に就いていること)
  • 籍を置く
  • メンバーである

対義語・反対の状態

  • 退学・卒業(学校から籍がなくなること)
  • 退職・離職(会社から籍がなくなること)
  • 除籍(名簿から名前が除かれること)
  • 無所属(特定の組織に属していないこと)

在籍は「籍があるか・ないか」を軸にした言葉だと分かりますね。

在席の正しい使い方を詳しく

ここからは、在席の使い方を例文とともに具体的に見ていきます。ビジネスメールや電話で迷いやすいポイントも整理しておきましょう。

在席の例文5選

在席を使った基本的な例文から応用例まで、代表的なものを5つ挙げます。

  1. 本日は終日オフィスに在席しておりますので、いつでもお電話ください。
  2. 担当者はあいにくただいま会議中で在席しておりません。
  3. 午前中のみ在席の予定で、午後は外出いたします。
  4. 在宅勤務の日は、デスクには在席していませんが、メールは随時確認しています。
  5. 在席時間を可視化することで、問い合わせ対応の品質向上につなげています。

いずれも、「席にいるかどうか」「オフィスにいるかどうか」という物理的な状態を表しています。

在席の言い換え可能なフレーズ

ビジネスの現場では、「在席」という漢字をあえて使わず、より平易なフレーズに言い換えることもよくあります。

  • 在席している → 席におります/デスクにおります/社内におります
  • 在席していない → 席を外しております/不在にしております/社外に出ております
  • 在席中 → デスクワーク中です/オフィスにおります
POINT

特に電話応対では、「◯◯はあいにく席を外しております」のような柔らかい言い回しが好まれます。「ご在席でしょうか」は意味としては正しいものの、在籍確認と紛らわしいため、控えめに使う会社もあります。

在席の正しい使い方のポイント

在席の使い方で意識しておきたいポイントを整理します。

1. 「今その場にいるかどうか」を表すときだけ使う

在席はあくまでその場の状況を表す言葉です。所属を聞きたい・伝えたいときには在籍を使います。

2. ビジネスマナーとしては言い換えも検討する

電話で「ご在席でしょうか」と尋ねると、在籍確認と誤解される恐れがあると言われることもあります。気になる場合は「いらっしゃいますか」「席におられますか」などに言い換えると安心です。

3. 社内ツールやシステムではラベルとして活用

チャットツールやグループウェアのステータスとして、「在席」「離席」「退勤」などを使うのは、短く状態を表せるので合理的です。この場合は社内用語として割り切って使って問題ありません。

在席の間違いやすい表現

在席は在籍と読みにくく、誤用もよく見かけます。代表的な間違いを挙げておきます。

  • 誤:どの部署に在席していますか。
    正:どの部署に在籍していますか。
  • 誤:彼はこの会社に在席している。
    正:彼はこの会社に在籍している。
  • 誤:A校に在席中の学生。
    正:A校に在籍中の学生。
CAUTIONT

「どこに籍があるのか」を話しているのに在席を使ってしまうと、日本語として不自然になるだけでなく、書類・契約の文言としては誤解の原因になります。特に履歴書・契約書・証明書などでは、在籍/在職/在学などの用語を正しく選ぶことが重要です。

在籍を正しく使うために

続いて、「在籍」を中心に、例文・言い換え・間違いやすいパターンを確認していきます。就職・転職・進学に関わる大事な場面で使う言葉なので、丁寧に押さえておきましょう。

在籍の例文5選

在籍を使った典型的な例文を5つ挙げます。

  1. 現在、株式会社〇〇のマーケティング部に在籍しています。
  2. A大学法学部に在籍しながら、法律事務所でインターンをしています。
  3. 本校に在籍する生徒数は、今年度で900名を超えました。
  4. 在籍期間中に、プロジェクトリーダーとして新規事業の立ち上げを経験しました。
  5. 退職後も、一定期間は在籍していた社員向けのOB会に参加できます。

在籍を言い換えてみると

在籍という言葉は、少し硬い印象があります。文脈によっては、より日常的な言葉に言い換えたほうが読みやすくなることもあります。

  • 在籍している → 所属している/籍を置いている/メンバーである
  • 在籍していた → 所属していた/在学していた/在職していた
  • 在籍中 → 在学中/在職中/所属中 など、文脈に応じて

例えば、文章の中で「在籍」を繰り返し使うと重たく感じる場合、

  • 「A大学に在籍しています。大学では〜」
  • 「現在はB社に在籍しており、所属部署では〜」

のように、在籍と所属をバランスよく使い分けると、読みやすさがぐっと増します。

在籍を正しく使う方法

在籍を使うときに意識しておきたいポイントは次の3つです。

1. 「所属先」を必ずセットで書く

在籍は「どこに在籍しているのか」が重要です。

  • 現在、在籍しています。→ ×(どこにか分からない)
  • 現在、株式会社〇〇に在籍しています。→ ○

2. 「在籍中」と「在職中」「在学中」を区別する

履歴書やビジネス文書では、

  • 学校にいるとき:在学中
  • 会社で働いているとき:在職中
  • もう少し広く、名簿上の所属を指したいとき:在籍中

と、場面によって使い分けることが一般的です。同じ「在籍中」でも、ニュアンスが少しずつ違うため、必要に応じて言い換えましょう。

3. 年月日・在籍期間とセットで表現する

経歴を示す文やフォームでは、

  • 2020年4月〜2023年3月 在籍
  • 在籍期間:2021年1月〜現在

のように、期間情報と一緒に書くのが基本です。

在籍の間違った使い方

在籍は意味が広いぶん、誤用も生じやすい言葉です。注意したい例を挙げておきます。

  • 誤:本日は在籍しておりません。
    正:本日は在席しておりません/出社しておりません。
  • 誤:担当者は只今在籍しておりません。
    正:担当者は只今席を外しております/不在にしております。
  • 誤:会議室に在籍しています。
    正:会議室に在席しています/おります。

いずれも、「今どこにいるか」を話しているのに在籍を使ってしまったパターンです。「場所の話なら在席」「名簿・所属の話なら在籍」という原則に立ち返ると、迷いにくくなります。

まとめ:在席と在籍の違いと意味・使い方の例文

最後に、ここまでの内容をコンパクトにまとめます。

  • 在席:席にいる・オフィスなどの物理的な場所に「今いる」ことを表す言葉
  • 在籍:学校・会社・団体などの名簿に名前があり、「所属している」ことを表す言葉
  • 電話やメールで「今いるかどうか」を伝えたいときは在席、「どこに所属しているか」を伝えたいときは在籍を使う
  • 履歴書・職務経歴書では、在籍中/在職中/在学中などの用語を文脈に合わせて正しく使い分ける
MEMO

在席と在籍のように、読み方は同じなのに意味が違う漢字は、日本語にはたくさんあります。例えば、学校に関する言葉の使い分けとしては「進級と進学の違い」、年齢表現なら「歳と年の違い」を押さえておくと、文章力の底上げにつながります。

在席と在籍の違いの意味をしっかり理解しておくと、ビジネスメールや電話応対、履歴書やプロフィール作成の場面で、自信を持って表現を選べるようになります。初めのうちは、「場所=在席/所属=在籍」というシンプルな軸を意識しながら、この記事の例文や言い換えフレーズを繰り返し眺めてみてください。

CAUTIONT

なお、在籍に関わる雇用条件や学籍・在学期間の取り扱いなどは、法律や各組織の規定により異なる場合があります。本記事の内容は一般的な日本語表現の解説であり、個別の法的・労務的判断を行うものではありません。正確な情報は公式サイトや就業規則・学則をご確認いただき、最終的な判断は専門家にご相談ください。

在席と在籍の違いがクリアになることで、あなたの日本語表現は一段と洗練され、読み手や相手にとっても分かりやすいコミュニケーションへと変わっていきます。

おすすめの記事