
日本語の夜を表す言葉として、「今宵」「今夜」「今晩」という3つがあります。本記事では、今宵と今夜と今晩の違い、意味、語源、類義語、対義語、言い換え、英語表現について丁寧に解説します。また、例文や間違えやすい表現、正しい使い方のポイントを整理することで、正しく使えるようになります。
この記事を読んでわかること
- 「今宵」「今夜」「今晩」の基本的な意味の違い
- それぞれの語源や歴史的背景
- 各語の類義語・対義語・言い換え表現
- 具体的な使い方と例文、正しい選び方
目次
今宵と今夜と今晩の違い

結論:今宵と今夜と今晩の意味の違い
まず結論として、以下のように整理できます。
| 語 | 指す時間帯・ニュアンス |
|---|---|
| 今宵 | 詩的・文学的な表現。夕暮れ~夜の初め、あるいは昔は「昨夜」の意味も含む。 |
| 今夜 | 一般的に「今日の夜」、日没後から翌朝までを指す。 |
| 今晩 | 日が暮れてから夜の活動時間帯。家庭・会話で使いやすい表現。 |
このように、三者は「夜」という時間帯を共有しながらも、使われるニュアンス・場面・語感が異なります。「今宵」がやや格式や詩情を含むのに対して、「今夜」は非常に一般的、「今晩」はより会話・日常的な印象があります。
今宵と今夜と今晩の使い分けの違い
では、どのような場面でそれぞれを選べばよいのか、具体的に見ていきましょう。
- 今宵:結婚式やスピーチ、詩的な文章、イベント案内など、特別感・余韻を出したい場面に。「今宵の宴へようこそ」「今宵は月が美しい」など。
- 今夜:日常会話で最も選ばれる表現。「今夜は外食しよう」「今夜中に終わらせる」など。
- 今晩:家庭やビジネスの挨拶、「今晩のおかず」「今晩は冷えますね」など、活動時間帯やあいさつに使いやすい。
また、地域や年代によっては「今夜」より「今晩」が好まれるという声もあり、使い分けは絶対ではありません。
今宵と今夜と今晩の英語表現の違い
英語で表現する際も、選ぶ言葉で印象が変わります。一般的には以下のように訳せます。
- 今宵 → “this evening” または “tonight” でも可だが、詩的ニュアンスを出すなら “this evening”/“this night”
- 今夜 → “tonight” が最も自然。「今夜は…」= “Tonight…”
- 今晩 → “this evening” または “tonight”。「今晩のおかず」→ “This evening’s dinner”
ただし、英語では時間帯のニュアンスが日本語ほど細やかではないため、文脈に応じて “tonight”/“this evening” を使い分けると自然です。
今宵の意味

今宵とは何か?
「今宵(こよい)」は、「この宵(よひ)」、「今晩」のやや古風な言い方として用いられます。辞書的には「今夜。今晩」の意味。また、中世以前には「昨夜(ゆうべ)」の意味としても使われていたという記録があります。
今宵はどんな時に使用する?
主に以下のような場面で使用されます:
- 詩的・文学的な表現をしたいとき:例「今宵の宴」「今宵は月が綺麗ですね」
- 演出を伴う場面、案内文、婚礼スピーチなどで特別感を出したいとき。
- 日常会話でも使えますが、やや硬め・趣のある言葉として印象づける効果があります。
今宵の語源は?
「宵(よひ/よい)」は「日が暮れ始めてから夜の早い時間帯」を指す古語です。「今宵」は「この宵(こよひ)」という意味から転じて、「今日の宵」「今晩」の意に使われるようになりました。また、中世には一日の起算が「夜から」だった時代もあり、「ゆうべ」としての意味も併存していたと言われます。
今宵の類義語と対義語は?
類義語としては「今夜」「今晩」「宵」「宵の口」などが挙げられます。対義語としては、「昨日の夜」を指す「昨夜(さくや/ゆうべ)」などが考えられます。
今夜の意味

今夜とは何か?
「今夜(こんや)」は、「今日の夜」「いま過ごしている夜」「日没後から翌朝までの夜の時間帯」を指します。
今夜はどんな時に使用する?
日常会話の中でもっともよく使われる「夜」を表す語です。以下のような場面で使われます:
- 予定を示すとき:「今夜は友達と食事」
- 締切・時間を示すとき:「今夜中に終わらせる」
- ニュース・報告で使用:「今夜の天気」など。
今夜の語源は?
「今夜」はそのまま「今」の「夜」という構成で、特に変化語源というものは目立ちません。言葉としての歴史も比較的最近まで使われており、「今夜」という表現が一般化したとされます。古語的な色合いは薄く、現代語として標準的に使われます。
今夜の類義語と対義語は?
類義語には「今宵」「今晩」「当夜」「夜間」などがあります。対義語としては「昨夜」「昨日の夜」などが考えられます。
今晩の意味

今晩とは何か?
「今晩(こんばん)」は、「今日の晩」「今過ごしている晩」「夕方から夜の活動時間帯」を指す言葉です。
今晩はどんな時に使用する?
以下のような場面で用いられることが多いです:
- 家庭・日常会話:「今晩のおかずは何にする?」
- あいさつ:「今晩は冷えますね」など。
- 活動準備・予定:「今晩泊まりです」「今晩の会合」など。
今晩の語源は?
「晩(ばん)」は「夕方から夜の終わりにかけての時間帯」を指す漢字で、古くから「晩」と「夜」は互換的に用いられてきました。「今晩」は、直訳的に「今の晩」で、特段詩的な語源変化を伴わず日常語として定着しました。
今晩の類義語と対義語は?
類義語には「今夜」「今宵」「夕べ」「晩(ばん)」などがあります。
対義語としては、「今朝」「今昼(ひる)」など、その日の昼以前の時間帯を表す語が挙げられます。
今宵の正しい使い方・例文

今宵の例文
「今宵」を使った使用頻度の高い例文を紹介します。
- 今宵、星の数ほどの想いを君に伝えたい。
- 今宵の月は雲ひとつなく美しい。
- 今宵は特別な夜だから、ゆっくり語りましょう。
- 今宵の宴にご列席いただき、誠にありがとうございます。
- 今宵こそ、夢を掴む第一歩を踏み出そう。
今宵の言い換え可能なフレーズ
以下のフレーズが「今宵」のニュアンスを活かしつつ、言い換えとして使えます。
- この宵(このよひ)
- この夜(このよる)※ただし少し硬め
- 今晩(カジュアルに)
- 今夜(より一般的な言い方)
- 本夜(ほんや)※文学的・古風な言い方
今宵の正しい使い方のポイント
「今宵」を使う際のポイントを整理します。
- 詩的・文学的な雰囲気を出したい場面で使うと効果的。
- 日常会話ではやや硬く・大げさに感じられることもあるため、相手・場面を選ぶ。
- 「今宵は…」という構文で、「この夜(特別な夜)」という意識を持たせると自然。
- 「今宵中に」「今宵明け」に代表されるような古風な用法は、現代ではほぼ使わない。
今宵の間違いやすい表現
使い方で注意すべき点です。
- 「今宵中に終わらせる」など、日常の締切や時間帯を示す場面に使うと違和感が出ることがある。
- 「今宵=昨夜(ゆうべ)」という歴史的意味があるため、「今宵=明日の夜」という誤用には特に注意。
- あまりにもカジュアルな場面で「今宵」を使うと、逆に浮いてしまう可能性あり。
今夜の正しい使い方・例文

今夜の例文
「今夜」を使った使用頻度の高い例文を紹介します。
- 今夜は友達と映画を観に行く予定です。
- 今夜中にレポートを仕上げなければならない。
- 今夜の天気はどうだろう?雨が降るかもしれない。
- 今夜こそ早く寝ようと思っている。
- 今夜の会議はいつもより長くなりそうだ。
今夜の言い換え可能なフレーズ
以下のフレーズが「今夜」の言い換えとして使えます。
- 今晩(こんばん)※ほぼ同義だが場面によって印象が変わる
- 今宵(こよい)※文学的・詩的な場面で
- この夜(このよる)
- 本夜(ほんや)※硬め・改まった場面で
- 今夜のうちに(今夜中に)※時間の制約を強調する表現
今夜の正しい使い方のポイント
「今夜」を使う際のポイントを整理します。
- 最も日常的で自然な「今日の夜」を表す言葉として使いやすい。
- 予定・締切・報告など「夜に起きること・夜までに終わること」を示す文脈で活躍。
- フォーマル~カジュアルまで幅広く使えるが、場面に応じて「今宵」「今晩」と使い分けるとよりニュアンスが豊かになる。
- 「今夜中に」「今夜こそ」などの慣用表現にも注意。
今夜の間違いやすい表現
使い方で注意すべき点です。
- 「今夜=明日の夜」の意味で誤用されることがある。「明夜」「明日の夜」などを使うべき。
- 「今夜はもう寝る」など、日没前に使うと違和感がある場合あり。(地域・季節による)
今晩の正しい使い方・例文

今晩の例文
「今晩」を使った使用頻度の高い例文を紹介します。
- 今晩のおかずはカレーライスにしようかな。
- 今晩はゆっくり休んで明日に備えましょう。
- 今晩の送迎バスは何時になりますか?
- 今晩は冷え込みそうなので暖かくしてね。
- 今晩の会合は18時から開始です。
今晩の言い換え可能なフレーズ
以下のフレーズが「今晩」の言い換えとして使えます。
- 今夜(こんや)
- 今宵(こよい)※場面によって印象が変わる
- この晩(このばん)
- 今晩こそ(今晩こそ…)※強意のニュアンス
- 本晩(ほんばん)※少し硬めな表現
今晩の正しい使い方のポイント
「今晩」を使う際のポイントを整理します。
- 家庭・日常会話・あいさつ文で使いやすい語。
- 「今晩は…」という挨拶形式でも定番。(例:「今晩は冷えますね」)
- 予定・活動時間帯を示す場合にも自然に用いられる。
- 「今晩=夕方~夜の活動時間帯」というニュアンスを意識すると使いやすい。
今晩の間違いやすい表現
以下の点に注意しましょう。
- 「今晩=翌晩(明晩)」の意味で使ってしまう誤り。
- 挨拶の「こんばんは」が「今晩は」の語尾省略という理解を忘れないように。
まとめ:今宵と今夜と今晩の違いと意味・使い方の例文
「今宵」「今夜」「今晩」の違いを整理し、それぞれの語を場面・相手・ニュアンスを意識して使い分けることで、表現がより洗練され、誤用も防げます。また、類義語・対義語・言い換えを知ることで、語彙力も高まります。
この記事のポイントを整理すると
- 今宵:やや文語・詩的・夕暮れ~夜の初期、または昔は「昨夜」の意味も含む。
- 今夜:今日の夜を指す最も一般的な言葉。予定や締切など幅広く使える。
- 今晩:夕方~夜の活動時間帯、家庭・あいさつ・日常会話に適した言葉。
ぜひ本記事を参照しながら、次から「今宵」「今夜」「今晩」の使い分けを意識してみてください。きっと日本語表現の幅が広がります。
参考文献・引用

