
「見出す」と「見い出す」。この二つ、似ているようで「違い 意味 語源 類義語 対義語 言い換え 使い方 例文」まで深掘りすると、混同されやすい表現です。特に「語源」「使い方」「例文」という観点から見ると、「見い出す」が実は誤用とされるケースも多く、「見出す」が正しい書き方・意味であるという指摘もあります。この記事では、「見出す」と「見い出す」の違いを明確にし、意味・語源・類義語・対義語・言い換え・使い方・例文まで丁寧に解説します。
この記事を読んでわかること
- 「見出す」と「見い出す」の基本的な違い
- 「見出す」の意味・語源・類義語・対義語・言い換え
- 「見い出す」がなぜ誤りとされるのか/どんな場面で使われやすいか
- 「見出す」の正しい使い方・例文・言い換え・ポイント・間違いやすい表現
目次
見出すと見い出すの違い
結論:見い出すは間違った使い方
まず結論から言うと、「見い出す」という表記は 誤った使い方 とされることがあります。
例えば、ある解説では「『みいだす』が、動詞『みる』の連用形『見(み)』に、補助動詞として『出(い)だす』を加えた語である以上、漢字を用いて書くならば、やはり『見出だす』こそ正当な表記である」と説明されています。
また、「『見いだす』は誤った表記です。正しくは『見出す』か『見出だす』ですが、誤読を避けるために『見いだす』と表記することをおすすめします」という Q&A も存在します。
つまり、「見い出す」という字面そのものが、国語辞典・表記論の観点から“標準的”とされていない場合があるのです。
見出すが正規表現
一方で、「見出す(みだす)」という語は、複数の辞書で登録されており、意味としても明確です。
例えば、デジタル大辞泉では「見出す(みだす)とは…① 見はじめる。② 見いだす。見つけだす。」と記載されています。
このように「見出す」は「見始める」「見つけ出す」という意味合いを含み、語としての歴史・語源の観点からも妥当な形とされています。
従って、文章・論文・ビジネス文書などフォーマルな場面では「見出す」を使うのが無難です。
見出すの英語表現の違い
日本語「見出す」を英語で表現するとき、状況によって異なりますが、典型的な訳語としては “discover”, “find”, “spot”, “identify” などが挙げられます。
例えば、ある価値を見出す、という意味では “discover value” や “identify potential” などが適しています。
反対に “find” は「見つける」のニュアンスが強く、“discover” は「発見する/見出す」というニュアンスを含みます。
英語表現を選ぶときには、どの程度「自ら発見・見つけ出すか」「多くの中から選び出すか」というニュアンスを考慮するとよいでしょう。
なお、英語 “find out” と “figure out” の違いを紹介している記事では、「find out」が情報・事実を知る/調べてわかるという意味、「figure out」が自分で考えて理解・解決するといった意味合いがあるとされます。
見出すの意味
見出すの意味や定義
「見出す(みだす)」の定義を整理すると、主には以下の通りです。
- ① 見はじめる。例:テレビを見出す。「見ることを始める」意味。
- ② 見いだす・見つけだす。例:価値を見出す、人材を見出す。「多くの中から抜き出す/発見する」意味。
- ③ (書き言葉・文語)多くの中から選び出す、抜擢する。例:優秀な人材を見出す。
このように、「見出す」は単なる「見る」にとどまらず、「見つけ出す」「発見する」「選び出す」といったアクティブな動作・選択を伴う意味を含んでいます。
見出すはどんな時に使用する?
「見出す」を使う場面として典型的なものをあげると、以下のような状況があります。
- 多くの選択肢や可能性の中から「これは良い」と判断して選び出すとき:「彼女の才能を見出した」
- 物・価値・意義などを認識・発見するとき:「景色の中に新たな美しさを見出す」
- 何かを始める、着手する、という意味で「見出す」を使う文芸的表現:「日が昇り、希望を見出す」
要するに、「ただ見える」状態ではなく、「価値を認める」「意味を見つけ出す」「選び取る」というニュアンスを伴う場面で用いられやすい語です。
見出すの語源は?
「見出す」の語源を語ると、古語「みいだす/見出だす」が起源と考えられています。
古典では「みいだす(見出だす)」という形で「中から外を見る・眺める」「見つけ出す」という意味があったとされます。
また随筆などの解説では、「みいだす」が動詞「みる」の連用形「見(み)」に補助動詞「出(い)だす」が結合した語である以上、「見出だす」が本来の語構成に忠実であるという指摘もあります。
ただし、現代では「出だす」「いだす」が訓読みとして常用漢字表に含まれていないため、「見出す」という表記が事実上主流となっています。
見出すの類義語と対義語は?
「見出す」に関連する類義語・対義語を整理します。
| 語 | 類義語 | 対義語 |
|---|---|---|
| 見出す | 発見する、見つける、選び出す、認める | 見過ごす、無視する、見失う |
| 見つける | 発見する、探り出す | 見逃す、気づかない |
| 認める | 受け入れる、肯定する | 否定する、拒絶する |
例えば「価値を見出す」という場合、「発見する」や「認める」に近く、「ただ見つける」よりも少し深い意義を感じ取るニュアンスがあります。
また対義語として「見過ごす」「見失う」は、価値や意味を見出せずに通り過ぎる、気づけないという意味合いを持ちます。
見い出すの意味
見い出すとは何か?
「見い出す」という表記について整理します。まず、辞書的には「見いだす」あるいは「みいだす」という語は、古語において “中から外を見る・眺める”“見つけ出す” という意味で記録があります。
ただし、現代において「見い出す」という表記を「見いだす」「見出す」とほぼ同義に使う人もいますが、表記として「見い出す」は「いだす」の読みを明記したもので、語構成から見れば本来の語構成(「見(み)+出(い)だす」)を反映しているものの、常用漢字表・国語辞典等では「見い出す」が標準とはされていないという指摘もあります。
見い出すを間違えて使用する理由
では、なぜ「見い出す」という表記・使い方が誤りとされるのか、その背景を整理します。
- 語構成を重視すると「見(み)+出(い)だす」=「見出だす」という形が理論上正しいため、「見い出す」という中に「い」を挿入した表記が語構成と異なるという指摘。
- 現在の常用漢字表では「出(だ)す」「出(で)る」といった読みが認められており、「いだす」という訓読みが常用ではないという制限があるため、「いだす」を「出だす」と読む構成で「見出(みいだ)す」という形を選ぶしかないという説明。
- 辞書・辞典・Web上の言語相談において「見い出す」が “誤った表記” と言われている例あり。例えば「『見い出す』は誤った表記です。正しくは『見出す』か『見出だす』」という指摘。
したがって、現代のビジネス文書・公文書・学術文書などでは「見出す」を使うのが安心です。
もちろん、日常的・口語的に「見い出す」と書いたり話されたりするケースもありますが、文章の正確性・信頼性を重視するなら「見出す」を推奨します。
見出すの正しい使い方を詳しく
見出すの例文5選
以下、「見出す」を使った例文を5つ挙げます。
- ・彼は若いうちから優れた才能を見出した。
- ・この書籍は、多くの人が気づかなかった美しさを見出す手助けをしてくれた。
- ・試行錯誤を続けた結果、私たちは新たな価値を見出すことができた。
- ・講師として、彼女は各受講生の可能性を見出す視点を持っている。
- ・日常の中に小さな幸せを見出す習慣を身につけたい。
見出すの言い換え可能なフレーズ
「見出す」を言い換える場合、以下のような表現があります。
- ~を「発見する」
- ~を「見つけ出す」
- ~を「抜き出す/選び出す」
- ~の「価値を認める」
- ~の「可能性を引き出す」
それぞれニュアンスが少し異なりますが、「見出す」が持つ「選び取る・価値を認識する・発見する」という含意を補完できます。
見出すの正しい使い方のポイント
正しく「見出す」を使うためのポイントを整理します。
- 主語が「誰かが価値・可能性・意味を認める/選び取る」という動きを持つこと。例:才能を見出す、人材を見出す。
- 対象が単に「目に入る」「見える」だけではなく、「多くの中から抜き取られる」「発見される」「認められる」というニュアンスがあること。例:「景色が見える」ではなく「景色の中に新たな価値を見出す」。
- 書き表す際には「見出す」という漢字表記を優先すること。特に正式な文章では「見い出す」ではなく「見出す」が標準的。前述した通り、辞書・言語表記論では「見い出す」を誤表記とする意見もあります。
- 言い換え・類義語も併せて使うことで、語彙を豊かにし、文章の説得力や表現力を高めることができます。
見出すの間違いやすい表現
「見出す」を使う際に、以下のような間違いやすい点に注意しましょう。
- 「見出す」を「ただ見える」意味で安易に使ってしまう。例:「景色を見出す」のように「見るだけ」で終わるとやや語感が弱くなります。
- 「見い出す」という表記を使ってしまう。冒頭でも述べたように、現代文章では「見い出す」は標準とは見なされないことがあります。
- 「発見する」「見つける」といった言葉と混同して、対象や文脈に合わない使い方をしてしまう。例えば、「ただ物を見つけただけ」で「見出す」を使うと過剰な表現になることがあります。
- 「見出す」の対象や文脈を明確にしないまま使ってしまう。価値・可能性・意味を「見出す」ならば、その内容・背景を説明することでより説得力が増します。
まとめ:見出すと見い出すの違いと意味・使い方の例文
まとめると、以下のようになります
- 「見出す」は多くの中から価値・意味・可能性などを認めたり選び取ったり、発見したりするという意味を持つ語です。
- 「見い出す」という表記は歴史的には存在するものの、現代の標準的な表記・用法・語構成の観点からは「見出す」が優勢であり、「見い出す」は誤表記とされるケースがあります。
- 英語訳としては “discover”, “find”, “identify” などが状況に応じて使われ、「見出す」のニュアンスに近づけることが可能です。
- 「見出す」を使う際には、対象が「価値・可能性・意味」であること、多くの中から抜き取る/発見するというニュアンスであること、そして書き表しは「見出す」が基本であることを押さえましょう。
正しく「見出す」を使いこなせば、文章に深みと説得力をもたらすことができます。ぜひ「見出す」の意味・語源・使い方・例文を理解し、表現の幅を広げてください。
参考文献・引用

