「しづらい」と「しずらい」の違いと意味・「しずらい」は間違い!使い方や例文
「しづらい」と「しずらい」の違いと意味・「しずらい」は間違い!使い方や例文

「しづらい」や「しずらい」という言い回しを目にしたことはありませんか?この「しづらい」や「しずらい」という言葉は、どちらの表記が正しいか、なぜそのような違いがあるのか、またその意味・語源・類義語・対義語・言い換え表現・正しい使い方・例文まできちんと理解しておきたいところです。特にビジネス文書や丁寧な文章を書く場面では、「しづらい」と「しずらい」の違いを意識して使うことが、読み手に誤解を与えず、言葉の信頼性を高めるポイントになります。この記事では、「しづらい」「しずらい」に関するあらゆる疑問を整理し、正しい表記・使い方をしっかりと抑えられるよう丁寧に解説します。

この記事を読んでわかること

  • 「しづらい」と「しずらい」の違いとどちらが正しいか
  • 「しづらい」の意味・語源・類義語・対義語・使い方
  • 「しずらい」がなぜ誤用になりやすいか、その背景
  • 「しづらい」の例文・言い換え表現・使い方の注意点

「しづらい」と「しずらい」の違い

結論:「しずらい」は間違った使い方

結論から言うと、正しいのは「しづらい」です。

「しずらい」という表記は、口語やインターネットではよく見られますが、標準的・正式な表記としては誤りとされています。

特に文書・報告書・ビジネスメールなどフォーマルな場面では「しづらい」を用いるのが適切です。

「しづらい」が正規表現

「しづらい」という言葉は、動詞「する」+接尾語「づらい」から成り立っています。

例えば「する+つらい(辛い)」という構造を漢字変換すれば「し辛い」となり、仮名遣いに直すと「しづらい」が自然な形になります。

この「づらい」は「~するのがつらい=~しにくい/~するのが難しい」という意味を含んでおり、「する」という動詞に“やりにくさ”のニュアンスを付加するものです。

「しづらい」の英語表現の違い

「しづらい」を英語にする場合、状況によって次のような表現があります

  • “difficult to do”/“hard to do” — 一般的な「~しづらい」の意味
  • “tricky to do”/“awkward to do” — 心理的・感情的な抵抗を含むニュアンス
  • “not easy to do” — 少し控えめに表現する場合

注意点として、「しづらい」は「~するのが辛い/抵抗がある」といったニュアンスも含むため、英語表現選びでは“hard to do because of …”という補足をつけるとニュアンスが伝わりやすくなります(例:“It’s hard to talk to him”=「彼に話しかけるのがしづらい」)。

「しづらい」の意味

「しづらい」の意味や定義

「しづらい」とは、「~するのが難しい/~するのに抵抗や障壁がある」という意味を持つ表現です。

具体的には

  • 行動を起こすことに物理的な困難・障害がある
  • 心理的・感情的な抵抗・ためらいがある

例えば「話しづらい」「頼みづらい」「入りづらい」のように、「何かをするのが容易ではない」という感覚を表します。

なお、「~しづらい」と「~しにくい」の使い分けを説く解説もありますが、辞書上は「しづらい」の語義として「心理的要因・物理的要因のどちらも含む」とされており、必ずしも明確に使い分けられているわけではありません。

「しづらい」はどんな時に使用する?

「しづらい」を用いる典型的な場面として、以下のようなケースがあります

  • その行為をすることで心理的なプレッシャーやためらいがある:例「上司に相談しづらい」
  • その行為をすること自体に物理的・状況的ハードルがある:例「足場が悪くて歩きづらい」
  • 複数のハードル(心理的+物理的)がある:例「大勢の前で発言しづらい」

また、「~しにくい」と言ってもよい場面もありますが、「しづらい」の方が「やりにくい」「抵抗がある」というニュアンスが強いとされ、心理的・感情的な色合いを伴う場合に特に選ばれる傾向があります。

「しづらい」の語源は?

語源をたどると、「しづらい」は「する(行う)」+「つらい(辛い/辛いという意味で“行うのが苦しい”)」という漢字表現「し辛い」から、仮名遣いにより「しづらい」という読み方・書き方になったと解されています。

「つらい(辛い)」が濁って「づらい」になっているのがポイントです。

実際、同じ構造で「言いづらい」「入りづらい」「書きづらい」というように「づらい」を使う語が多く見られます。

このような語源的背景があるため、「しずらい」という「ずらい」の表記は、この「つらい」→「づらい」という流れを無視してしまっており、誤りとされるのです。

「しづらい」の類義語と対義語は?

「しづらい」の意味を近づける語・逆の意味の語を整理します。

語彙意味「しづらい」との関係
しにくい~するのが物理的・技術的に難しい類義語。ただし「しづらい」よりニュアンスが弱いことも
難しい(むずかしい)実現・達成に高いハードルがある類義語。「~し難い」に近い
頼みづらい依頼するのにためらい・心理的抵抗がある具体例の類義語
やりやすい~するのに抵抗が少ない/容易である対義語
しやすい~するのが簡単/困難が少ない対義語

上記のように、類義語・対義語を意識することで「しづらい」がどのようなニュアンスをもつのか、より深く理解できます。

「しずらい」の意味

「しずらい」とは何か?

「しずらい」という表記は、口語やインターネット上では頻繁に見られるものの、正規の日本語表記としては誤りとされるケースがほとんどです。

先述の通り、「しづらい」が正しい表記であるというのが一般的な見解です。

「しずらい」と書かれている文章を見たとき、読む人にとって違和感を抱かせることがあります。

ただし、発音的には「しずらい」と聞こえることも多く、混同される原因となっています。

「しずらい」を間違えて使用する理由

「しずらい」が誤って使われる背景には、いくつかの理由があります

  • 音声的には「しずらい」と発音されることが多く、「づ」と「ず」が聞き分けづらい。
  • 現代仮名遣いでは「づ」と「ず」を同音扱いにし、書き言葉で「ず」を推奨する流れもあり、混乱を招いています。
  • 漢字変換入力やスマートフォンの予測変換で「しずらい」が候補に出ることがあり、気軽に使ってしまう。

このように、誤用は偶発的・無意識であることが多いですが、正式な文章ではなるべく避けるのが望ましいです。

「しづらい」の正しい使い方を詳しく

「しづらい」の例文5選

  1. 上司に真剣な話を切り出すのは、少し話しづらい
  2. この説明書は内容が細かくて、初心者には理解しづらい
  3. 休日明けの朝は、仕事を再開するのがどうも乗りづらい気分だ。
  4. 彼とは長く会っていなかったので、再会して会話を始めるのが気まずくて話しづらい
  5. 公共交通機関を使って移動するのは荷物が多いため、移動しづらい

「しづらい」の言い換え可能なフレーズ

  • ~するのが「難しい」/「困難だ」
  • ~するのに「抵抗がある」/「ためらいがある」
  • ~するのに「負担が大きい」
  • ~するのが「簡単ではない」

例えば「話しづらい」という表現を「話すのにためらいがある」「話しにくい」と言い換えても意味がほぼ伝わります。

ただし「しづらい」の方が「やりにくさ・抵抗・負担」のニュアンスが強いため、言い換え語を選ぶ際はそのニュアンスも考慮するとよいでしょう。

「しづらい」の正しい使い方のポイント

  • 動詞「する」に接続させて使う:「相談しづらい」「断りづらい」など。
  • 接尾語「づらい」は「~するのが辛い/抵抗がある」という意味を持つため、ニュアンスを意識して使う。
  • 書き言葉・正式な文書では「しづらい」の表記を優先する。「しずらい」は避ける。
  • 使う場面によっては「しにくい」など別表現も検討する。「しづらい」は心理的・状況的な負荷が伴う場合に特にふさわしい。
  • スマートフォン・変換ソフトで「しずらい」と表示されても、自分で「しづらい」と修正する意識を持つ。

「しづらい」の間違いやすい表現

次のような表現には注意が必要です

  • 「書きずらい」→正しくは「書きづらい」
  • 「分かりずらい」→正しくは「分かりづらい」
  • 「入りずらい」→正しくは「入りづらい」
  • 「しずらい」→正しくは「しづらい」

インターネット上や日常のやり取りでは「~ずらい」と書いてしまう人が多く、無意識に使われているため、改めて注意しておきましょう。

まとめ:「しづらい」と「しずらい」の違いと意味・使い方の例文

改めて整理します。まず、正しいのは「しづらい」であり、「しずらい」は誤表記というのが現状です。

語源的には「する+つらい(辛い)」という構造から来ており、それが「しづらい」という仮名遣いになっています。

日常的に「しづらい」という言葉を使う場面では、何かをすることに心理的・物理的ハードル・抵抗があるというニュアンスを伴います。

さらに、書き言葉・ビジネス文書・丁寧な文章では、「しづらい」という表記を意識して使うことで、誤解や違和感を与えずに済みます。また、「~しにくい」「~難い」「~しやすい」などの言い換えを併用することで、文章にバリエーションを持たせることも可能です。

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