「意味」と「意義」の違いや意味・使い方・例文まとめ

日本語にはよく似た言葉がたくさんありますが、その中でも「意味」と「意義」の違いに悩む方はとても多いです。「意味と意義の違いがわからない」「意味と意義の使い分けを例文で知りたい」「意味と意義の英語表現は何と訳せばよいのか」といった疑問を抱えたまま、ビジネスメールやレポート、論文を書いていませんか。

この記事では、「意味とは何か」「意義とは何か」という基本から、「意味と意義の違いをわかりやすく整理」し、「意味と意義の使い方の違い」「意味と意義の英語表現」「意味と意義の例文」「意味と意義の言い換えや類義語・対義語」まで、すべて一つの記事で学べるようにまとめました。

受験勉強で文章読解に悩んでいる人も、「人生の意義という言葉の意味合いをきちんと理解したい社会人」も、このページを読み終えるころには、「意味と意義の違い」を自信を持って説明できるようになるはずです。

意味と意義の違い

まずは、多くの人が一番気になっている「意味と意義の違い」から整理します。辞書的な定義だけでなく、実際の使い方やニュアンスの差を押さえることで、文章の読み取り力も書く力も大きく変わります。

結論：意味と意義の意味の違い

結論から言うと、「意味」はことばや記号・行為などが「何を指しているか」という内容そのもの、「意義」はその物事が持つ価値や重要性・目的といった「価値づけ」を表す言葉です。

項目	意味	意義
主な焦点	内容・定義・指し示すもの	価値・重要性・目的
客観性	多くの人に共通しやすい	人や状況によって変わりやすい
よく使う場面	語句の説明、言葉の定義	人生・仕事・活動の価値づけ
例	「この単語の意味は？」	「この取り組みの意義は？」

たとえば「ボランティア」という言葉の意味は、「自発的に他者や社会のために行う無償の活動」です。一方で「ボランティアの意義」といえば、「地域社会を支えること」「人と人とのつながりを深めること」など、行為がもつ価値や重要性を指します。

このように、意味＝「何であるか」、意義＝「なぜ大事なのか」と捉えると、両者の違いがぐっとイメージしやすくなります。

意味と意義の使い分けの違い

実際の文章や会話では、「意味」と「意義」は次のように使い分けるのが自然です。

• 国語辞典・英和辞典・用語集などでの説明 → 「この語の意味は〜」
• テストや入試問題 → 「下線部の意味として最も適切なものを選べ」
• 会社や制度・取り組みの価値について語るとき → 「この制度の意義は〜」
• 哲学・倫理・自己啓発的な文脈 → 「人生の意義」「学びの意義」

もしどちらを使うか迷ったら、「辞書で説明できそうなら意味」「価値や目的を語りたいなら意義」を目安に判断すると、大きな誤りは避けられます。

意味と意義の英語表現の違い

英語で表現するときにも、「意味」と「意義」は異なる単語を使い分けます。

• 意味：meaning, sense
• 意義：significance, value, importance, purpose

たとえば、次のような違いがあります。

• この言葉の意味は何ですか。
  → What is the meaning of this word?
• この活動にはどんな意義がありますか。
  → What is the significance of this activity?

英文を書くときに「意味」と「意義」をどちらも meaning としてしまうと、ニュアンスが平板になってしまいます。価値・重要性・目的を表したいときは significance / value / importance / purpose などを選ぶことが大切です。

意味の意味

続いて、「意味」という言葉そのものについて、定義・語源・類義語などを整理します。ここを押さえておくと、国語辞典や参考書の説明も理解しやすくなります。

意味とは？意味や定義

「意味」とは、言葉・記号・行為などが表している内容や概念、またはそれによって指し示されるものを指します。

もう少しかみ砕くと、次の二つの側面があります。

• 言葉が持つ内容や説明（例：「『改革』という語の意味は？」）
• 行為や出来事がもつ内容・意図（例：「その行動の意味を考える」）

日常会話でも、「意味がわからない」「どういう意味ですか？」といった形で、ごく自然に使われていますね。「意味」はコミュニケーションにおける「中身」そのものを扱う、非常に基本的な言葉だといえます。

意味はどんな時に使用する？

「意味」は主に次のような場面で使われます。

• 語句・文の内容をたずねるとき
  例：「この四字熟語の意味を教えてください。」
• 発言の意図を確認したいとき
  例：「さっきの発言は、どういう意味だったの？」
• 行動・結果の中身を問うとき
  例：「この数字の変化は、どんな意味を持つのだろう。」
• わからない・納得できない気持ちを表すとき
  例：「それって、意味がないのでは？」

意味の語源は？

「意味（いみ）」の語源としてよく挙げられるのが、「忌み（いみ）」です。もともと「忌み」は「いまわしいものを避ける」「けがれを避ける」といった意味を持つ言葉で、そこから「他とは違って特別に意識されるもの」というニュアンスが派生したと考えられています。

そこから「他と区別される性質」「特有の内容」を指すようになり、現在の「意味」という語へとつながっていった、という見方が一般的です。

意味の類義語と対義語は？

「意味」の類義語・近いニュアンスの言葉として、次のような語が挙げられます。

• 内容
• 意図
• 趣旨
• ニュアンス
• 定義

一方、「意味」の対義語（反対の方向のニュアンスをもつ語）としては、次のようなものがあります。

• 無意味
• ナンセンス
• 無価値

ただし、「意味」と「意義」は対義語ではなく、焦点の違う言葉です。「意味」が内容、「意義」が価値・重要性と覚えておきましょう。

意義の意味

次に、「意義」という言葉そのものを詳しく見ていきます。「意義」は日常会話よりも、文章やビジネス・学問の場面で好まれる、やや硬めの語です。

意義とは何か？

「意義」とは、ある物事・行為・出来事が、他との関係の中で持つ価値や重要性・役割・目的を指す言葉です。

代表的な使い方としては、次のようなものがあります。

• 人生の意義
• 学びの意義
• ボランティア活動の意義
• プロジェクトの意義

いずれも単に「何をしているか」ではなく、「それを行うことがどんな価値をもつのか」「なぜそれが大切なのか」を問う表現になっているのがポイントです。

意義を使うシチュエーションは？

「意義」は、次のような場面でよく使われます。

• ビジネスや組織活動の目的を語るとき
  例：「このプロジェクトの意義を、メンバー全員で共有しましょう。」
• 教育・研究など、学びの価値を述べるとき
  例：「歴史を学ぶ意義は、過去の失敗から未来を考えることにあります。」
• 人生観・仕事観について述べるとき
  例：「自分の仕事の意義を見失うと、モチベーションも下がってしまう。」
• 社会的な活動・制度の価値を説明するとき
  例：「地域医療を守るこの制度には大きな意義があります。」

意義の言葉の由来は？

「意義」という漢字を分解すると、「意」と「義」から成り立っています。

• 意：心の動き・思い・考え
• 義：正しさ・道理・意味合い

この二つが組み合わさることで、「心から認められる正しさ」「その物事の持つ価値」というニュアンスが生まれます。そこから、「ある行為や出来事が持つ価値・重要性」という意味で用いられるようになったと考えられます。

意義の類語・同義語や対義語

「意義」に近い意味を持つ類義語・同義語としては、次のような語が挙げられます。

• 価値
• 重要性
• 意味合い
• 目的
• 役割
• 本質的な意味

一方、対義語に近いニュアンスを持つ言葉としては、次のようなものがあります。

• 無意味
• 無価値
• 意義がない（意義を見いだせない）

ただし、「意義」には「意味」や「重要性」など複数の側面があるため、一語だけで完全な対義語になるものは多くありません。文脈に応じて「価値がない」「目的を失っている」など、具体的な表現で補うと伝わりやすくなります。

意味の正しい使い方を詳しく

ここからは、「意味」を実際の文章の中でどう使うかを、例文や言い換えのパターンとともに確認していきます。

意味の例文5選

まずは、日常からビジネスまで使える「意味」の例文を5つ紹介します。

1. この単語の意味が分からなかったので、辞書で調べた。
2. 先生は、グラフの線が波打っている意味を丁寧に説明してくれた。
3. その発言は、相手を傷つける可能性があるという意味で問題だ。
4. 数字だけを追いかけていては、仕事の本当の意味を見失ってしまう。
5. この経験は、私の人生にとって大きな意味を持っている。

1〜3は比較的「内容・意図」といった狭い意味での「意味」、4・5は「価値」寄りのニュアンスで使われています。同じ「意味」でも、文脈によって焦点が少しずつ変わることを意識しておきましょう。

意味の言い換え可能なフレーズ

文章の単調さを避けるために、「意味」を他の表現に言い換えることもよくあります。代表的な言い換えを挙げておきます。

• この言葉の意味 → この言葉が表す内容／この言葉の趣旨
• この会議の意味 → この会議を開く目的／この会議の狙い
• この数字の意味 → この数字が示すこと／この数字が意味するところ
• 意味がない → 価値がない／効果がない／やる必要がない

同じ文章の中で「意味」を何度も使うと読みにくくなります。「内容」「目的」「価値」など、文脈に合った言い換えを選ぶと、文章がすっきり整理されます。

意味の正しい使い方のポイント

「意味」を上手に使うためのポイントを、私自身が文章指導をする際に意識している観点からまとめます。

• 「何の意味か」をはっきりさせる
  ただ「意味」と書くのではなく、「単語の意味」「数値の意味」「行動の意味」など、対象を具体的に示すと伝わりやすくなります。
• 「意味」と「意義」を混同しない
  価値や重要性を語りたいときは、「意義」や「価値」「目的」などの語に言い換えることを検討しましょう。
• 主観か客観かを意識する
  辞書的な説明なら客観的に、「この経験は大きな意味がある」のような文章では主観的なニュアンスが強くなります。

意味の間違いやすい表現

「意味」に関して、私がよく目にする間違いや誤解を挙げておきます。

• 何でもかんでも「意味がある／ない」で片づけてしまう
  本当は「効果がある／ない」「価値がある／ない」と言う方が適切な場合が少なくありません。
• 「意味」と「意義」を完全な同義語として扱う
  文脈によっては通じるものの、教科書的な文章や論文では区別されるのが一般的です。
• 主観的な評価を「意味」として断定する
  「そんなことは意味がない」と断定する前に、自分の価値観に偏っていないか振り返ることも大切です。

意義を正しく使うために

最後に、「意義」の具体的な使い方を、例文や言い換えとともに確認します。やや硬い言葉ではありますが、レポートやプレゼン資料で使いこなせると、文章全体の印象が引き締まります。

意義の例文5選

「意義」を使った例文を、日常からビジネスまで幅広く紹介します。

1. このボランティア活動の意義は、地域のつながりを強めることにある。
2. 失敗から学ぶことには、大きな意義がある。
3. 今回のプロジェクトの意義を、改めてチーム全員で確認しよう。
4. 歴史を学ぶ意義は、過去の出来事を通して未来を考えることだ。
5. 忙しい中でも家族と過ごす時間には、数字では測れない意義がある。

どの例文でも、「何をしているか」ではなく、「それがなぜ大切なのか」「どんな価値があるのか」を説明している点が共通しています。

意義を言い換えてみると

文章のトーンや読みやすさを考えて、「意義」を別の表現に言い換えることもよくあります。代表的な言い換えを挙げておきます。

• この活動の意義 → この活動の価値／この活動の意味合い／この活動の目的
• 意義のある経験 → 価値のある経験／意味深い経験
• 社会的な意義 → 社会的な価値／社会にとっての重要性
• 存在意義 → 存在価値／存在する意味

レポートや論文では、「意義」と「価値」「目的」「重要性」などを組み合わせて使い分けることで、文章にリズムと奥行きを持たせることができます。

意義を正しく使う方法

「意義」を適切に使うためのコツを整理します。

• 「何の意義か」を明確に書く
  「この取り組みの意義」「この制度の意義」のように、対象を具体的に示しましょう。
• 価値・重要性・目的をセットで説明する
  「この活動には意義がある」で終わらせず、「なぜ」「誰にとって」「どのような点で」意義があるのかを説明すると説得力が増します。
• 主観と客観のバランスを意識する
  「私にとっての意義」と「社会全体にとっての意義」は異なる場合があります。どちらの視点で語っているのかを明示すると誤解を減らせます。

意義の間違った使い方

「意義」は便利な言葉ですが、使い方を誤ると抽象的で中身のない文章になってしまいます。注意したいポイントを挙げておきます。

• 「意義がある」とだけ書いて具体的な説明がない
  読み手としては、「どのような点で」「誰にとって」意義があるのかが分からないと納得できません。
• 単なる結果の説明に「意義」を使ってしまう
  たとえば「売上が伸びた意義」と言うより、「売上が伸びたことで顧客の支持を得られた」という価値まで言い換えた方が伝わりやすいです。
• カジュアルな会話で多用し過ぎる
  日常会話で「それには大きな意義があってね…」を連発すると、やや堅苦しい印象になります。「価値がある」「大事だと思う」などの素直な表現とのバランスを取りましょう。

まとめ：意味と意義の違いと意味・使い方の例文

最後に、本記事の内容をコンパクトに振り返ります。

• 意味：言葉・記号・行為などが表す内容や概念。多くの人に共通しやすい、比較的「客観的な中身」を指す。
• 意義：物事が持つ価値・重要性・目的。人や状況によって変化しやすい、「価値づけ」の側面が強い。
• 使い分けのコツ：内容や定義を説明するときは「意味」、価値や重要性を語るときは「意義」を選ぶ。
• 英語表現：意味＝meaning / sense、意義＝significance / value / importance / purpose など。

「意味」と「意義」の違いを理解しておくと、他の似た言葉の区別もずっと楽になります。たとえば、「一言」と「ワンフレーズ」の違いや意味・使い方・例文や、「各人」と「各自」の違いや意味・使い方・例文まとめのような記事をあわせて読むと、「日本語のニュアンスの違い」に対する感度がさらに高まります。

なお、本記事で紹介した語源や背景、英語表現などは、あくまで一般的な解説・目安に過ぎません。辞書や文献によって説明が異なる場合もあります。正確な情報は公式サイトや公的な辞典・資料をご確認いただき、最終的な判断は専門家にご相談ください。

「意味」と「意義」の違いを意識しながら文章を読んだり書いたりしていくと、言葉が立体的に見えるようになり、読解力も表現力も一段階レベルアップしていきます。ぜひ今日から、身の回りの言葉の「意味」と「意義」を意識してみてください。