
「絶無と皆無と虚無の違いって、結局どう使い分ければいいの?」と迷うことはありませんか。文章や会話で「まったくない」と言いたい場面でも、どれを選ぶかでニュアンスが変わり、読み手・聞き手の受け取り方も変わります。
この記事では、絶無と皆無と虚無の意味の違いを軸に、使い方、例文、言い換え、類義語、対義語、語源、英語表現(nothing、nothingness、void、nihilism など)まで、まとめて整理します。さらに「虚無感」や「やる気皆無」のような定番表現、ビジネスでの言い回しで誤解されやすいポイントも、具体例で確認できます。
「絶無=強い否定」「皆無=ゼロに近い状態」「虚無=空っぽ・むなしさ」という輪郭をつかめば、レポートやメールでも言葉選びに自信が持てるようになります。
- 絶無と皆無と虚無の意味の違いと結論
- 文脈別の使い分けと、誤用を避けるコツ
- 類義語・対義語・言い換え・英語表現の整理
- そのまま使える例文15選と注意点
目次
絶無と皆無と虚無の違い
まずは全体像から押さえます。三語はいずれも「ない」方向の語ですが、否定の強さと“ない”の対象が異なります。ここを整理しておくと、以降の意味・例文が一気に理解しやすくなります。
結論:絶無と皆無と虚無の意味の違い
結論から言うと、次のように捉えると迷いません。
| 語 | 中心の意味 | ニュアンス | 向く場面 |
|---|---|---|---|
| 皆無 | まったくない | 客観的にゼロ(またはゼロに限りなく近い) | 量・有無・可能性 |
| 絶無 | まったくない | 皆無よりも「断ち切ってゼロ」の強さ | 前例・見込み・可能性を強く否定 |
| 虚無 | 何もない/むなしい | 空っぽ・無意味さ(主観寄り) | 心情・価値・意味 |
- 皆無:事実として「ない」ことを述べやすい
- 絶無:皆無より強く「あり得ない」に寄せられる
- 虚無:物理的なゼロだけでなく「意味が空っぽ」まで含む
同じ「ない」でも、皆無・絶無は“有無や数量”の話になりやすく、虚無は“価値や感情”へ広がりやすいのが大きな分かれ目です。
絶無と皆無と虚無の使い分けの違い
使い分けは、次の2つの質問で判断すると失敗が減ります。
①「ない」の対象は数量・事実か、心情・意味か
数量や事実の欠如なら皆無/絶無、心情・価値の空っぽさなら虚無が自然です。たとえば「資料の誤字が皆無」「前例が絶無」はスムーズですが、「やりがいが皆無」も口語では通ります。一方で「やりがいが虚無」は、“無い”より“むなしい”が前に出ます。
②「完全否定の強さ」をどれだけ出したいか
皆無でも「ゼロ」を表せますが、絶無はさらに「断つ」「後にも先にもない」といった強い否定を帯びやすい語です。断定が強くなる分、文章では説得力が増す一方、場面によっては言い過ぎになることもあります。
- 広告や営業文で「リスク皆無」「失敗絶無」と言い切ると、現実とのズレが生まれやすい
- 数値や根拠がないなら「極めて低い」「ほとんどない」などに落とすのが安全
費用や法律、安全、健康などの領域では、断定が読者の判断に影響しやすいので注意してください。数値や確率はあくまで一般的な目安にとどめ、正確な情報は公式サイトをご確認ください。最終的な判断は専門家にご相談ください。
絶無と皆無と虚無の英語表現の違い
英語にすると、ニュアンスの違いがより見えます。
| 日本語 | 近い英語 | 使いどころ |
|---|---|---|
| 皆無 | none / nothing / zero | 数量・有無(ゼロ) |
| 絶無 | absolutely none / no chance / never | 可能性の完全否定 |
| 虚無 | nothingness / emptiness / void | 空虚・無意味 |
| 虚無(思想) | nihilism | 虚無主義・価値を認めない立場 |
皆無・絶無は「ない(数量)」に寄るので nothing/none/zero 系、虚無は「空っぽ・むなしさ」なので nothingness/emptiness/void がしっくりきます。
絶無の意味
ここからは個別に深掘りします。まずは、皆無と混同しやすい絶無から。文章で使うときの“強さ”がポイントです。
絶無とは?意味や定義
絶無(ぜつむ)は、まったくないことを表す語です。皆無と似ていますが、絶無は「絶」という字が示すように、断ち切るような完全否定が出やすいのが特徴です。
実務的には「可能性は絶無」「前例は絶無」のように、ゼロであることを強く言い切りたい場面で生きます。
絶無はどんな時に使用する?
絶無が向くのは、次のような文脈です。
- 前例・実績:前例が絶無、類例が絶無
- 可能性・見込み:成功の見込みは絶無、起こり得る可能性は絶無
- 人・支持:賛同者は絶無、希望者は絶無
「皆無」でも近い意味は出せますが、絶無は“完全に無い”を押し出すため、硬めの文書・論評・強い断定を要する文章で使われやすい印象です。
絶無の語源は?
語源というより成り立ちは漢字の意味がそのままです。
- 絶:断つ/この上なく/遠く隔たる
- 無:ない/存在しない
この組み合わせにより、「断つほどに無い」「完全に存在しない」という方向に意味が固まります。だからこそ、皆無よりも強い言い切りになりやすいのです。
絶無の類義語と対義語は?
絶無の類義語・対義語を整理しておくと、言い換えで文章が整います。
| 分類 | 語 | ニュアンス |
|---|---|---|
| 類義語 | 皆無/皆目ない/全くない/ゼロ | 不存在・否定 |
| 類義語(強め) | 断じてない/決してない/あり得ない | 断定の強さを追加 |
| 対義語 | 存在する/豊富/潤沢/多い | ある・満ちている |
- 「皆無」との違いは“意味”より“強度”に出やすい
- 断定が強すぎるときは「ほとんどない」「極めて少ない」へ落とす
皆無の意味
次に、日常でもビジネスでも登場頻度が高い皆無です。「ない」の表現として万能ですが、使い方を誤ると大げさに見える場面もあります。
皆無とは何か?
皆無(かいむ)は、少しもないこと/まったく存在しないことを表します。「皆(すべて)」+「無(ない)」なので、意味は直感的です。
たとえば「経験者は皆無」「反対意見は皆無」「連絡が皆無」のように、有無を客観的に述べるときに使いやすい語です。
皆無を使うシチュエーションは?
皆無は、対象が幅広いのが強みです。
- 人や物:参加者が皆無、在庫が皆無
- 情報や反応:返信が皆無、改善案が皆無
- 可能性:成功の可能性が皆無
ただし口語で「やる気皆無」「テンション皆無」と言う場合、厳密なゼロというより、“ほぼ無い”を強調するノリとして使われることも多いです。文章に落とすときは、場面に応じて表現を調整すると読みやすくなります。
皆無の言葉の由来は?
皆無は漢語らしい構成で、「皆=すべて」「無=ない」が組み合わさった語です。日本語では古くから、漢語の「〜無」を使って「欠如・不存在」を表してきました(例:無関係、無意味、無効など)。その流れの中で、皆無も“全体としてゼロ”を示す語として定着しています。
皆無の類語・同義語や対義語
皆無の周辺語を押さえると、文章の温度感を調節できます。
| 分類 | 語 | 使い分けのヒント |
|---|---|---|
| 類語 | 全くない/一切ない/ゼロ | 平易に言い換えたいとき |
| 類語(近い) | 絶無 | より強い否定に寄せたいとき |
| 類語(別方向) | 虚無 | 数量より“むなしさ”に寄せたいとき |
| 対義語 | 充実/充満/豊富/潤沢 | 満ちている状態 |
虚無の意味
最後に虚無です。皆無・絶無が「有無」の話になりやすいのに対し、虚無は「価値・意味・感情」に踏み込む言葉です。
虚無の意味を解説
虚無(きょむ)は、大きく分けて次の2つの方向で使われます。
- 何も存在しない、空っぽである
- 意味や価値を感じられず、むなしい(虚無感など)
後者の「むなしさ」は主観的な要素が強く、同じ“ない”でも、皆無・絶無とは別の質感が出ます。虚無感に近い語としては、当サイトでも「寂寥感」と「寂寞感」の違いの中で触れているので、感情語の整理を深めたい方は参考にしてください。「寂寥感」と「寂寞感」の違いや意味・使い方・例文まとめ
虚無はどんな時に使用する?
虚無が自然なのは、次のような場面です。
- 心情:虚無感、虚無に襲われる
- 価値:努力が虚無に思える、目標が虚無化する
- 状態描写:部屋が虚無のように静か(比喩的)
また、比喩として「心に穴が空く」のような表現と相性がよく、空虚さや喪失感を伝えるときに力を発揮します。表現のニュアンスを広げたい場合は、「開く」「空く」「明く」の違いとは?正しい使い分けと意味も併せて読むと、言い回しの選択肢が増えます。
虚無の語源・由来は?
虚無も漢字の成り立ちが分かりやすい語です。
- 虚:中身がない/むなしい/うわべだけ
- 無:ない/存在しない
「虚」が入ることで、単にゼロというより、“中身の欠落”や“むなしさ”が立ち上がります。これが、皆無・絶無との決定的な差です。
虚無の類義語と対義語は?
虚無は「無い」だけでなく「むなしさ」を含むため、類義語・対義語も感情寄りになります。
| 分類 | 語 | ニュアンス |
|---|---|---|
| 類義語 | 空虚/空虚感/虚空/無意味 | 空っぽ・価値がない |
| 関連語 | 虚無感/ニヒリズム(虚無主義) | 心情・思想へ |
| 対義語 | 充実/満足/充溢 | 満ちる・意味がある |
- 虚無は「数がゼロ」より「意味が空っぽ」を言いたいときに強い
- 思想としての虚無は「虚無主義(nihilism)」の文脈で使われやすい
絶無の正しい使い方を詳しく
ここからは実践編です。まずは絶無。強い否定だからこそ、使う場所を選ぶと文章が引き締まります。
絶無の例文5選
- その計画が短期間で成功する可能性は絶無に近い
- 同様の事例は過去の記録を調べても絶無だった
- 提出期限を延長できる余地は絶無だと説明された
- 彼の提案に反対する理由は絶無ではないが、薄い
- この条件で全員が満足する案は絶無だろう
例文4のように「絶無ではない」とすると、「ゼロではないが、ほぼ無い」に近いニュアンスの調整ができます。
絶無の言い換え可能なフレーズ
絶無は強い言い切りなので、場面に応じて言い換えると柔らかくできます。
- 可能性がない → 見込みが薄い/可能性が極めて低い
- 前例がない → 前例が見当たらない/前例はほとんどない
- 支持がない → 支持が集まりにくい/支持は少数に限られる
絶無の正しい使い方のポイント
絶無を気持ちよく使うコツは、“断定の根拠”をセットにすることです。
- 前例・データ・条件など、判断材料を一言添える
- 断言しにくいときは「絶無に近い」「ほぼ絶無」と緩衝する
- 相手を否定する文脈では使い過ぎない(角が立ちやすい)
絶無の間違いやすい表現
誤用で多いのは、軽い雑談での多用です。たとえば「今日の疲れは絶無!」のように言うと、言葉の重さと場面がズレて不自然になりがちです。口語なら「全然ない」「まったくない」の方が自然です。
また、費用や安全などの領域で「絶無」と断定するのは慎重に。正確な情報は公式サイトをご確認ください。最終的な判断は専門家にご相談ください。
皆無を正しく使うために
皆無は便利な反面、使い方を誤ると「大げさ」「煽り」に見えることがあります。自然な温度感で使うコツを押さえましょう。
皆無の例文5選
- この業務は未経験者でも可能だが、経験者が皆無だと負担が偏る
- 連絡が皆無だったので、予定をこちらで確定した
- 雨の影響で来場者は皆無に近かった
- その説明では納得感が皆無なので、根拠を補ってほしい
- 休日はやる気が皆無になりがちだ
例文5のような「やる気皆無」は口語で定着していますが、フォーマルな文書なら「意欲が湧かない」「意欲が低い」などに言い換えると整います。
皆無を言い換えてみると
皆無は平易語へ置き換えやすいのが利点です。
- 皆無 → 全くない/一切ない/ゼロ
- 皆無に近い → ほとんどない/極めて少ない
- 皆無ではない → 少しはある/ゼロではない
皆無を正しく使う方法
皆無を正しく見せるコツは、“対象を具体化する”ことです。
- 何がないのか(情報・人数・時間・可能性)を明確にする
- 曖昧なら「皆無に近い」「ほとんどない」で誇張を避ける
- ビジネス文では、断定が強い場合に根拠を添える
皆無の間違った使い方
誤りやすいのは、実態がゼロではないのに「皆無」と言い切るケースです。読み手が事実確認できる状況(数値がある、ログが残るなど)では、盛って見えるだけで信頼を落としやすくなります。
数値はあくまで一般的な目安で、状況によって変わります。正確な情報は公式サイトや一次情報をご確認ください。最終的な判断は専門家にご相談ください。
虚無の正しい使い方を解説
虚無は、意味・価値・感情を語る言葉です。上手く使うと表現が深まりますが、濫用すると重くなり過ぎることもあるのでバランスが大切です。
虚無の例文5選
- 目標を失った瞬間、胸の奥に虚無が広がった
- 努力が報われず、虚無感だけが残った
- 形だけの議論が続き、会議が虚無に感じられた
- 情報は増えているのに、意味だけが虚無化していく
- 静かな夜に、ふと虚無を覚えることがある
虚無を別の言葉で言い換えると
虚無は言い換えで温度感を調整できます。
- 虚無 → 空虚/むなしさ/無意味
- 虚無感 → 空虚感/喪失感/むなしさ
- 虚無になる → 気持ちが空っぽになる/意味を見失う
感情語の近さで整理するなら、「寂寥」と「寂寞」の比較も役立ちます。心の空洞感なのか、場や時間の静けさなのかを分けると表現が精密になります。「寂寥」と「寂寞」の違いや意味・使い方・例文まとめ
虚無を正しく使うポイント
虚無は、“何が空っぽなのか”を明確にすると説得力が出ます。
- 対象を決める:心/価値/意味/目的/中身
- 比喩を添える:穴が空く、色が抜ける、音が消えるなど
- 説明文では、重さが出すぎるときに言い換えで調整する
虚無と誤使用しやすい表現
虚無と混ざりやすいのが「皆無」「絶無」「空虚」です。
- 皆無/絶無:事実として“ない”(有無・数量)
- 虚無:意味や価値が“むなしい”(主観・実存寄り)
- 空虚:中身がない(虚無より日常寄りで使いやすい)
「ミスが虚無」は不自然ですが、「やりがいが虚無」は成立します。どの“ない”を言いたいかを先に決めるのがコツです。
まとめ:絶無と皆無と虚無の違いと意味・使い方の例文
絶無・皆無・虚無は、どれも「ない」方向の言葉ですが、核が違います。皆無は客観的にゼロ、絶無は断ち切るような強いゼロ、虚無は空っぽ・むなしさを含む表現です。
- 有無や数量の欠如なら皆無/絶無、意味や価値の空っぽさなら虚無
- 強い断定を出すなら絶無、汎用的に使うなら皆無
- 英語は皆無=nothing/none/zero、虚無=nothingness/void、思想はnihilismが近い
断定の強い言葉ほど、読み手の判断に影響を与えます。費用、健康、法律、安全に関わる話題では、数値はあくまで一般的な目安として扱い、正確な情報は公式サイトをご確認ください。

