
「しばし」と「しばらく」は、どちらも時間の短さを表す言葉ですが、いざ文章や会話で使おうとすると「どっちが丁寧?」「どれくらいの時間を想定する?」「漢字で書くなら暫し?暫く?」「今しばらくお待ちくださいは正しい?」と迷いやすいところです。
さらに、ビジネスの連絡では「しばらく」の曖昧さが原因で相手の受け取り方がズレることもありますし、「漸く」と混同して変な意味になってしまうケースも見かけます。だからこそ、意味の芯と使い分けのコツ、敬語としての扱い、英語表現、言い換えまで一気に整理しておくのが近道です。
この記事では、しばしとしばらくの違いと意味を、使い方、例文、語源、類義語・対義語、言い換え、英語表現、そして間違いやすいポイントまで分かりやすくまとめます。
- しばしとしばらくの意味の違いと時間感覚
- 場面別の使い分けと、丁寧さ・文体の差
- 語源・漢字(暫し/暫く)と類義語・対義語
- すぐ使える例文と英語表現、言い換えフレーズ
しばしとしばらくの違い
まずは最重要の「違い」から整理します。ここを押さえるだけで、文章も会話も迷いが一気に減ります。
結論:しばしとしばらくの意味の違い
結論から言うと、しばしは「短い時間(少しの間)」に寄りやすく、しばらくは「少しの間」から「ある程度まとまった期間」までカバーできる、という差があります。
私の感覚では、しばしは“短さを情緒的・改まって言う言葉”で、しばらくは“期間の幅が広い、日常の標準語”です。
| 観点 | しばし | しばらく |
|---|---|---|
| 中心イメージ | 短い間(少しの間) | 少しの間〜ある程度の期間 |
| 文体 | やや改まった/文学的・古風 | 会話〜文章まで万能 |
| よく出る形 | しばしお待ちください/しばしの別れ | しばらくお待ちください/しばらく休む/しばらくぶり |
- 「しばしお待ちください」は、丁寧で少し格調がある響きになりやすい
- 「しばらく」は待機だけでなく、休止・不在・久しぶりなど意味の幅が広い
しばしとしばらくの使い分けの違い
使い分けはシンプルです。短い待機・一時停止・情緒なら「しばし」、期間が読めない/幅広い期間なら「しばらく」が基本になります。
しばしがハマる場面
- 改まった案内:しばしお待ちください、しばしご歓談ください
- 余韻・情緒:しばし静寂が続いた、しばし見とれた
- 短い中断:しばし席を外す
しばらくがハマる場面
- 待機:しばらくお待ちください
- 休止:しばらく休みます/しばらく中止します
- 不在:しばらく日本を離れます
- 久しぶり:しばらくですね(久しぶりの挨拶)
- ビジネスでは「しばらく」が便利な一方、期間が曖昧で誤解が起きやすい
- 必要なら「本日中」「1時間ほど」「〇日まで」など、具体的な期限を添えるのが安全
なお、費用・契約・納期など、判断を誤ると影響が大きい内容では、曖昧な副詞だけで済ませないのが基本です。正確な条件は公式サイトや契約書をご確認ください。最終的な判断に不安がある場合は、専門家にご相談ください。
しばしとしばらくの英語表現の違い
英語にすると、しばし/しばらくはどちらも「for a while」系に寄りますが、ニュアンスは分けられます。
- しばし:a moment / for a moment / briefly(短さ・一瞬寄り)、in a short while(少ししたら)
- しばらく:for a while(しばらくの間)、for the time being(当面)、for now(今のところ)
- 「しばしお待ちください」= Please wait a moment. / Please hold on a moment.
- 「しばらく休みます」= I’ll take a break for a while.
- 「当面はこの方法で」= For the time being, we’ll do it this way.
しばしとは?
ここからは「しばし」単体を深掘りします。意味の芯を押さえると、使うべき場面が自然に見えてきます。
しばしの意味や定義
しばしは、少しの間つづくさまを表す副詞です。時間の長さをきっちり測る言葉ではなく、話し手が「短い」と感じる範囲を指します。
漢字で書くと暫しが定番で、文章にすると少し古風で落ち着いた印象になります。私は、案内文やスピーチのように、言葉の温度を整えたいときに「しばし」を選ぶことが多いです。
しばしはどんな時に使用する?
しばしは、短い待機・中断・余韻を上品に表したいときに向きます。
- 受付や案内:しばしお待ちください
- 場面転換:しばし沈黙が続いた
- 感情・集中:しばし考え込む/しばし見とれる
- 会話では「しばらく」のほうが一般的だが、しばしは「改まった響き」を出せる
- 作品・ナレーション・式辞のような文脈で特に映える
しばしの語源は?
しばしは、古い形の読み(しまし)から音が変化して定着した言葉だと捉えると理解しやすいです。つまり、もともと「少しの間」という感覚を担ってきた語で、現代ではその雰囲気(古風さ・格調)が残った形です。
しばしの類義語と対義語は?
しばしの近い表現は「短い間」を示すものが中心です。対義語は「間を置かない」「即時」を示す語が軸になります。
しばしの類義語(言い換え)
- 少し(の間)
- ちょっと(の間)
- ひととき
- 一時(いっとき)
- 少々
しばしの対義語(反対の方向)
- すぐに
- ただちに
- 即座に
- たちまち
時間表現の近い言葉として「いっとき」「ひととき」も混同しやすいので、必要なら当サイトの解説も参考にしてください。「いっとき」と「ひととき」の違いや意味・使い方・例文まとめ
しばらくとは?
次に「しばらく」を掘り下げます。こちらは日常の頻出語なので、意味の幅を整理するのがポイントです。
しばらくの意味を詳しく
しばらくは、一定の時間が経つまで、または一定の期間を表す副詞です。ポイントは、期間がはっきりしないまま使えること。だから便利ですが、誤解の芽も生みます。
しばらくの代表的な用法
- 短めの待機:しばらくお待ちください
- ある程度の期間:しばらく休む/しばらく会っていない
- 当面:しばらくこの方法で対応します
- 久しぶりの挨拶:しばらくですね(やや改まった挨拶)
しばらくを使うシチュエーションは?
しばらくは、待機・中断・不在・当面対応など、幅広く使えます。特にビジネスでは「今しばらく」「しばらくお時間をいただく」が定番です。
- 相手に待機を依頼:しばらくお待ちください/今しばらくお待ちください
- 状態の継続:しばらく雨が続く/しばらく静養する
- 当面の方針:しばらく様子を見ます/しばらくは現状維持です
一方で、納期や手続きの期限などは「しばらく」だけだと危険です。正確な情報は公式サイトをご確認ください。最終的な判断が必要な場面では、専門家にご相談ください。
しばらくの言葉の由来は?
しばらくも古い形(しまらく)から音が変化して今の形になった、と捉えると整理しやすいです。漢字は暫くがよく使われますが、文章の読みやすさを優先してひらがな表記にすることも多い印象です。
また「暫く」と「漸く(ようやく)」は字面が似ているので、入力時の変換ミスには注意しておきたいところです。
しばらくの類語・同義語や対義語
しばらくは意味の幅が広い分、言い換えの選択肢も多めです。文脈に合わせて選ぶと、文章が一段クリアになります。
しばらくの類語・同義語
- 少しの間
- 当面
- しばし(短いほうに寄せる)
- 当分(長めに寄せる)
- しばらくの間
しばらくの対義語
- すぐに
- ただちに
- 間もなく(「待たないで近い未来」寄り)
- すぐさま
「当面」「暫時」など、少し硬めの時間表現も整理しておくと、社内文書で迷いが減ります。「暫時」と「漸次」の違いとは?意味・使い方を例文で解説
しばしの正しい使い方を詳しく
ここからは実践編です。「しばし」を自然に使えると、文章がワンランク上がります。
しばしの例文5選
- 恐れ入りますが、しばしお待ちください。
- 準備が整うまで、しばしご歓談ください。
- 彼は返事をせず、しばし考え込んだ。
- 旅立ちの日、私たちはしばし言葉を失った。
- しばし席を外しますので、後ほど改めて伺います。
しばしの言い換え可能なフレーズ
しばしは、文体に合わせて言い換えると便利です。丁寧さを保ちたいなら「少々」、柔らかくしたいなら「ちょっと」など、方向性を決めると選びやすくなります。
- 少々お待ちください(ビジネスで無難)
- 少しお時間をください(柔らかい依頼)
- 少しの間、お待ちください(説明的)
- ちょっと待ってね(かなりカジュアル)
- 一旦、保留にします(意思決定の文脈)
しばしの正しい使い方のポイント
私が意識しているポイントは次の3つです。
- 短い間のニュアンスを崩さない(長期間の話には寄せすぎない)
- 改まった場面・文章で使うと映える(カジュアル会話では浮くこともある)
- 待機依頼は「しばしお待ちください」で形が決まりやすい
しばしの間違いやすい表現
しばしは便利ですが、次のようなズレが起きがちです。
- 長期間の意味で使う:×「しばし日本を離れます」(長めなら「しばらく」が自然)
- 会話で多用して硬くなる:親しい相手には「ちょっと」「少し」のほうが自然
- しばしばと混同:「しばしば」は「頻繁に」で、時間の長さではない
- 相手に影響が出る連絡(納期・返金・解約など)は、曖昧語だけで済ませない
- 正確な条件は公式サイトや契約書をご確認ください。不安があれば専門家にご相談ください
しばらくを正しく使うために
「しばらく」は万能だからこそ、どの意味で言っているかを自分でも把握しておくのがコツです。
しばらくの例文5選
- 担当者を呼びますので、こちらでしばらくお待ちください。
- 体調が戻るまで、しばらく休みます。
- 海外に行っていたので、しばらく家に戻れていません。
- しばらく会っていないね。近いうちに話そう。
- 結論は急がず、しばらく様子を見ましょう。
しばらくを言い換えてみると
しばらくは文脈で意味が変わるので、言い換えで「どの意味か」を固定すると文章が締まります。
- 待機=少しの間/数分ほど
- 当面=当面/とりあえず/ひとまず
- 長めの休止=当分/しばらくの間
- 久しぶり=久しぶりに/最近会っていない
- 判断保留=一旦/保留で/様子見で
しばらくを正しく使う方法
しばらくを安全に使うコツは、曖昧さをコントロールすることです。
- 相手が待つ必要がある場面では「どれくらいか」を添える(例:10分ほど、1時間ほど)
- 当面の方針なら「当面」「今のところ」とセットで誤解を減らす
- 文章が硬い場面では「暫く」より、読みやすさ優先でひらがなにするのも手
公的な文章や社内ルールでも、期間を曖昧にしやすい言葉は誤解の原因になります。重要な通知では、日付や期限を明確にするのが基本です。正確な運用は所属組織の規程や公式情報をご確認ください。最終的な判断が必要な場合は、専門家にご相談ください。
しばらくの間違った使い方
- 期限があるのに曖昧にする:×「しばらくお待ちください」(実際は2時間待ち)
- 当面の意味なのに長期休止に誤読される:×「しばらく停止します」(短期なら「当面停止」「一時停止」などへ)
- 誤変換:×「漸くお待ちください」(「漸く」はようやくの意味)
ビジネス敬語として「今しばらく」の扱いも気になる場合は、敬語表現が多い語の解説も役立ちます。「当方」と「弊方」の違いや意味・使い方・例文まとめ
まとめ:しばしとしばらくの違いと意味・使い方の例文
しばしとしばらくは似ていますが、しばし=短い間に寄った、やや改まった表現、しばらく=期間の幅が広い万能語というのが最重要ポイントです。
待機依頼では「しばしお待ちください」「しばらくお待ちください」どちらも成り立ちますが、しばらくは曖昧さが出やすい分、必要なら「10分ほど」「本日中に」など具体性を添えるのが安全です。
本記事の例文や言い換えを手元のテンプレとして持っておけば、日常でもビジネスでも迷いはかなり減ります。なお、契約・費用・納期・手続きなど影響が大きい場面では、正確な情報は公式サイトをご確認ください。

