
「名誉と栄誉の違いって、結局なに?」「名誉ある賞は分かるけど、栄誉ある賞って言っていいの?」──このあたりで迷って検索している方は多いです。
どちらも「ほめられてうれしい」「誇らしい」といった前向きなニュアンスを持つ一方で、名誉は名誉毀損のように“守るべき評判”としても出てきますし、栄誉は国民栄誉賞のように“授与されるもの”として語られやすい言葉です。
この記事では、名誉と栄誉の意味の違い、使い分け、例文、語源、類義語と対義語、言い換え、英語表現まで、実際の文章で迷わない形に整理します。名誉ある・栄誉あるの使い方も、読み終えた頃にはスッと判断できるようになります。
- 名誉と栄誉の意味の違いを一言で整理
- 場面別の使い分けと間違いやすい例
- 語源・類義語・対義語・言い換えのまとめ
- すぐ使える例文と英語表現のコツ
名誉と栄誉の違い
最初に、名誉と栄誉を「どう違う言葉として扱うと迷いが消えるか」を結論から整理します。似ている言葉ほど、核となる意味(どこを指している語か)を押さえるのが一番の近道です。
結論:名誉と栄誉の意味の違い
結論から言うと、私は次のように分けて考えるのがいちばん実用的だと考えています。
| 語 | 中心となる意味 | 指しやすい対象 | よくある言い回し |
|---|---|---|---|
| 名誉 | 人・組織の評判/尊厳/社会的評価 | 人格・信用・名声など“守る価値” | 名誉を守る/名誉を傷つける/名誉回復 |
| 栄誉 | 功績が認められた称賛/表彰/授与される誉れ | 賞・称号・選抜など“与えられる誉れ” | 栄誉をたたえる/栄誉に浴する/栄誉ある賞 |
- 名誉は「評判・尊厳」という状態を指しやすい
- 栄誉は「表彰・称賛」という出来事や扱いを指しやすい
- 迷ったら「守る・傷つける」なら名誉、「授与・たたえる」なら栄誉が自然
もちろん、辞書的には近い意味として扱われることもあります。ただ、文章での自然さを優先するなら、名誉=評判や尊厳、栄誉=表彰される誉れと整理しておくと、ほぼ迷いません。
名誉と栄誉の使い分けの違い
使い分けは、主に「何にフォーカスしているか」で決まります。
たとえば、受賞の場面でも「その人の社会的評価が高まった」という話なら名誉が合います。一方、「その受賞という出来事が誇らしい」「称えられるに値する」と言いたいなら栄誉が合いやすいです。
- 名誉:評価・人格・信用など、継続する“看板”のイメージ
- 栄誉:表彰・称号・選抜など、節目としての“勲章”のイメージ
よく迷うのが「名誉ある賞/栄誉ある賞」です。私は基本的に、文章の違和感が出にくいのは名誉ある賞だと考えています。栄誉は「栄誉に浴する」「栄誉をたたえる」のように、賞そのものより“授与される誉れ”や“称賛の扱い”に寄るためです。
- 「栄誉ある賞」は誤りと断定はできないが、硬い文章では「名誉ある賞」または「栄誉に浴する」の形のほうが収まりが良い
- 媒体や組織の表記ルールがある場合は、それに従うのが安全
名誉と栄誉の英語表現の違い
英語は日本語よりも「どの角度の誉れか」を単語で分けやすいです。ざっくり対応させると、次の感覚が近いです。
- 名誉:honor / reputation / dignity
- 栄誉:honor / distinction / accolade
honorは両方に当てられる万能語ですが、名誉の「評判」寄りならreputation、名誉の「尊厳」寄りならdignityがしっくりきます。栄誉の「表彰・称賛」寄りならdistinctionやaccoladeが便利です。
なお「名誉毀損」のニュアンスはdefamation(名誉を傷つけること)やslander(口頭の中傷)、libel(文書の中傷)などで表せます。英語表現に迷う場合は、関連語の整理として「「諫言」と「讒言」の違い・意味・使い方解説」も参考になります。
名誉とは?
ここからは名誉を単体で掘り下げます。似た言葉と混ざりやすいからこそ、「名誉が指す中心」をはっきりさせておくと、文章の精度が上がります。
名誉の意味や定義
名誉は、能力や行為が認められて得られるよい評判、または社会的に認められた尊厳・体面を指す言葉です。ポイントは「人や組織につく評価」であり、外から見える“信用の看板”のような性質を持ちます。
だからこそ、名誉は「高める」だけでなく「守る」「傷つける」「回復する」といった動詞とも結びつきます。名誉は“評価されている状態”そのものを言い当てやすい言葉です。
名誉はどんな時に使用する?
名誉が自然にハマるのは、次のような場面です。
- 個人や組織の評判・信用・尊厳を語るとき(名誉を守る、名誉を傷つける)
- 社会的評価が上がることを言うとき(名誉なこと、名誉に思う)
- 立場や称号として用いるとき(名誉会長、名誉教授、名誉市民など)
特に「名誉会長」「名誉職」などの用法は、実務や制度と絡むこともあります。具体的な条件や権限は組織ごとに異なるため、正確な情報は公式サイトや規程をご確認ください。判断に迷う場合は、関係部署や専門家へ相談するのが安全です。
名誉の語源は?
名誉は、漢字の構造から意味がイメージしやすい言葉です。
- 名:名まえ、世に知られること、評判
- 誉:ほめる、ほまれ
つまり名誉は「名(評判)が誉れとして立つ」感覚で、社会からの称賛が“その人の名”に結びついた状態を表す言葉として理解すると腹落ちします。
名誉の類義語と対義語は?
名誉の近い言葉は多いですが、ニュアンスが少しずつ違います。
名誉の類義語
- 名声:広く知られた評判(世間への広がりが強い)
- 信用:信じてよいという評価(取引・社会生活で実務的)
- 尊厳:人としての価値・おかされない重み(人格面が強い)
- 面目:体面・顔が立つこと(場面や世間体の色が出る)
名誉の対義語
- 不名誉:評判を落とすこと、恥となる評価
- 恥辱/屈辱:恥をかかされること(感情面が濃い)
「不名誉」は文章でもよく使う対義語です。言い換えの幅を広げたい方は、関連語として名誉や体面が出てくる「「一部」と「一分」の違いとは?意味・使い方・例文を簡単解説」の類語整理もヒントになります。
栄誉とは?
次に栄誉です。名誉と近いのに、文章での“座り”が違うのは、栄誉が「称えられる出来事」や「授与される誉れ」に寄りやすいからです。
栄誉の意味を詳しく
栄誉は、功績や努力が認められ、称賛されること、または誉れとして扱われることを指します。名誉が「評価されている状態」に寄るのに対して、栄誉は「称えられる・表彰される」という動きが見えやすい言葉です。
そのため、栄誉は「授与」「受ける」「たたえる」「浴する」などの表現と相性が良く、栄誉=“称賛のスポットライト”のように捉えると使い分けが楽になります。
栄誉を使うシチュエーションは?
栄誉がしっくりくる代表的な場面は次のとおりです。
- 表彰・受賞・選抜などを称えるとき(栄誉をたたえる)
- 特別な機会に恵まれたことを言うとき(栄誉に浴する)
- 賞や称号の格の高さを言うとき(栄誉ある称号)
「たたえる」の表記やニュアンスに迷う場合は、「「讃える」と「称える」の違いや意味・使い方・例文まとめ」もあわせて確認しておくと、文体の統一に役立ちます。
栄誉の言葉の由来は?
栄誉の「栄」は、栄える・華やぐ・盛んになるという意味を持ちます。そこに「誉(ほまれ)」が組み合わさることで、華々しく称えられる誉れというイメージが強くなります。
名誉よりも“晴れ舞台”感が出やすいのは、栄という字が持つ明るさ・華やかさが効いているからです。
栄誉の類語・同義語や対義語
栄誉の類語・同義語
- 栄光:輝かしい成功や勝利(ドラマ性・輝きが強い)
- 名誉:社会的評価としての誉れ(状態寄り)
- 勲功:功績を立てたこと(公的・歴史的な硬さがある)
- 称賛:ほめたたえること(行為として分かりやすい)
- 顕彰:功績を世に示してたたえること(式典・公的文章向き)
栄誉の対義語
- 不名誉:誉れと逆の評価
- 汚名:悪い評判が広まること
「汚名を着せられる」など、評価が反転する表現は強い言い回しになりやすいです。対人関係や公的文章では断定を避け、根拠の確認を徹底してください。必要に応じて専門家に相談するのが安全です。
名誉の正しい使い方を詳しく
ここでは名誉を「文章で失敗しない」ために、例文・言い換え・ポイント・誤用パターンをまとめます。名誉は日常語でもありますが、法律用語にも接続するため、扱いは丁寧にいきましょう。
名誉の例文5選
- 地域の名誉を守るため、ルールを徹底して大会に臨んだ
- ご招待いただけたことは私にとって大きな名誉です
- 事実と異なる噂で名誉を傷つけられたと感じている
- 名誉回復の機会をいただき、心から感謝しています
- 長年の功績により、名誉会員として迎えられた
名誉の言い換え可能なフレーズ
文脈に応じて、次のように言い換えると表現が自然になります。
- 名誉です → 光栄です/ありがたいことです(挨拶・謙遜)
- 名誉を守る → 体面を保つ/信用を守る(社会的評価の文脈)
- 名誉を傷つける → 評判を落とす/信用を損なう(やや柔らかく)
名誉の正しい使い方のポイント
- 名誉は「人・組織につく評価」なので、主語(誰の名誉か)をはっきりさせる
- 「守る/傷つける/回復する」とセットで覚えると文章が組み立てやすい
- 制度や法律に関わる話題は、公式情報の確認と専門家への相談を前提にする
名誉毀損などの法的な論点は、状況によって扱いが変わります。一般論で断定せず、最終的な判断は弁護士など専門家にご相談ください。また、法令や運用は改正・変更されることがあるため、正確な情報は公的機関や公式サイトをご確認ください。
名誉の間違いやすい表現
- × 栄誉を守る → ○ 名誉を守る(守る対象は“評価・尊厳”のほうが自然)
- × 名誉に浴する → ○ 栄誉に浴する(“浴する”は授与・称賛の扱いと相性が良い)
- × 名誉ある機会をたたえる → ○ 栄誉をたたえる(たたえるのは出来事や功績寄り)
栄誉を正しく使うために
栄誉は、きれいにハマると文章がぐっと締まります。一方で、名誉と入れ替えると違和感が出ることもあるため、「どの動詞と結びつくか」を意識すると安定します。
栄誉の例文5選
- このような賞をいただき、身に余る栄誉です
- 受賞者の功績をたたえ、栄誉を称した
- 代表として登壇する栄誉に浴した
- 本学の名を高めたことは、私たちにとって大きな栄誉だ
- 地域スポーツの発展に寄与したとして栄誉ある表彰を受けた
栄誉を言い換えてみると
文脈が同じでも、言い換えると文章の温度感が変わります。
- 栄誉です → ありがたいことです/光栄です(挨拶に柔らかい)
- 栄誉に浴する → 選ばれる/任される/表彰される(説明的で分かりやすい)
- 栄誉をたたえる → 功績を称える/顕彰する(公的文章向き)
栄誉を正しく使う方法
- 栄誉は「授与・称賛」の流れが見える文脈で使うと自然
- 動詞は「浴する/受ける/たたえる/与える」が相性が良い
- 賞そのものを形容するなら「名誉ある」、出来事として述べるなら「栄誉に浴する」が収まりやすい
栄誉の間違った使い方
- × 栄誉を傷つける → ○ 名誉を傷つける(傷つくのは評判・尊厳のほうが自然)
- × 栄誉会長 → ○ 名誉会長(称号としての慣用は名誉が一般的)
- × 栄誉を回復する → ○ 名誉を回復する(回復は評判・信用の回復)
なお、名誉や信用を傷つける表現は、対人トラブルや法的問題につながる可能性があります。一般的な言葉の説明として理解しつつ、具体的な事案は当事者や専門家へ相談し、正確な情報は公式サイトで確認してください。名誉や尊厳を扱う言葉の整理として「「冒涜」と「侮辱」の違いとは?意味・語源」も参考になります。
まとめ:名誉と栄誉の違いと意味・使い方の例文
最後に、名誉と栄誉を迷わず使うための要点をまとめます。
- 名誉は評判・尊厳・社会的評価という「状態」に寄りやすい
- 栄誉は表彰・称賛・授与される誉れという「出来事や扱い」に寄りやすい
- 「守る/傷つける/回復する」なら名誉、「浴する/たたえる」なら栄誉が自然
- 英語はhonorが共通だが、名誉はreputation/dignity、栄誉はdistinction/accoladeが便利
名誉と栄誉は似ていますが、文章の自然さは“どこを指しているか”で決まります。迷ったときは、名誉=評判、栄誉=表彰の軸に戻って選ぶと失敗しません。
制度・費用・法律などが絡む話題は、状況によって結論が変わることがあります。数値や扱いはあくまで一般的な目安として捉え、正確な情報は公式サイトをご確認ください。

