
「逡巡」と「躊躇」は、どちらも“迷い”を表す言葉です。ただ、文章に書くときやビジネスの場面で使うとき、「結局どっちが正しいの?」「ニュアンスの違いは?」「読み方や使い分けが分からない」と迷ってしまう方は少なくありません。
このページでは、逡巡と躊躇の違いと意味を軸に、使い分け、読み方、漢字の印象、語源、類義語・同義語、対義語、言い換え、英語表現、そしてすぐ使える例文まで、まとめて整理します。言葉選びに悩む時間を減らして、伝えたいニュアンスを一発で届けられるようにしていきましょう。
「逡巡と躊躇の違いは?」「逡巡の意味や使い方は?」「躊躇の例文が知りたい」「類語や対義語、英語ではどう言う?」といった疑問を、この記事ひとつで解消できるように構成しています。
- 逡巡と躊躇の意味の違いと使い分け
- 逡巡・躊躇それぞれの語源、類義語・対義語、言い換え
- 英語表現(hesitate / waver など)とのニュアンス比較
- そのまま使える例文10選と間違いやすいポイント
逡巡と躊躇の違い
まずは全体像から。逡巡と躊躇は似ていますが、「迷いの質」と「時間感覚」に違いが出やすい言葉です。ここを押さえると、文章でも会話でも選び間違いが激減します。
結論:逡巡と躊躇の意味の違い
結論から言うと、逡巡は「どうするべきか決めきれず、考えが行き来して迷う」ニュアンスが強く、躊躇は「やる・言う・踏み出す直前で、ためらって止まる」ニュアンスが強いです。
私は文章指導の場で、次のイメージで説明することが多いです。
- 逡巡:選択肢の間で心が往復し、決められない(迷いが“長引きやすい”)
- 躊躇:決めた(または決めかけた)後の最後の一歩で止まる(迷いが“一瞬でも成立”する)
| 項目 | 逡巡 | 躊躇 |
|---|---|---|
| 迷いの中心 | 決めきれない・心が揺れて結論が出ない | 実行直前のためらい・踏ん切りがつかない |
| 時間感覚 | 比較的長く続くことが多い | 一瞬でも使える(長くてもOK) |
| 文章の印象 | 思考の葛藤・優柔不断さが伝わりやすい | 行動の直前で止まるリアルさが出る |
逡巡と躊躇の使い分けの違い
使い分けはシンプルで、私は次の質問を自分に投げて判断しています。
- 「まだ方針が決まっていない? それとも“やる”方向に決めたのに動けない?」
- 「迷いは“考えの往復”か、“最後の一歩のブレーキ”か?」
例えば、転職するかどうかで何週間も悩んでいるなら「逡巡」がしっくりきます。一方、応募ボタンを押す直前で指が止まるなら「躊躇」がぴったりです。
ビジネス文書では、相手を責めるニュアンスを避けたい場面があるので、「逡巡=内面で検討している」として柔らかく見せたいときに便利です。逆に、行動の遅れをストレートに描写したいなら「躊躇」が効きます。
逡巡と躊躇の英語表現の違い
英語は日本語ほど「逡巡」「躊躇」を厳密に分けず、文脈で表現することが多いです。とはいえ、ニュアンスの寄せ方はできます。
- 躊躇:hesitate(ためらう)、be reluctant to(気乗りしない)、pause(一瞬止まる)
- 逡巡:waver(心が揺れる)、vacillate(優柔不断に揺れ動く)、dither(ぐずぐず迷う)
「一瞬のためらい」は hesitate が最短で伝わります。一方で「考えが行き来して決められない」感じを出すなら waver / vacillate が相性良しです。
逡巡とは?
ここからは単語ごとに掘り下げます。まずは逡巡。意味を理解すると、文章表現が一気に引き締まる言葉です。
逡巡の意味や定義
逡巡(しゅんじゅん)は、決心がつかずに迷い、なかなか前へ進めないことを表します。単に「迷う」よりも、思考が往復して結論に至らないニュアンスが出やすいのが特徴です。
ポイントは、迷いの焦点が「行動直前」よりも「判断そのもの」に寄りやすいこと。だからこそ、意思決定の場面(提案への返答、進路選択、方針決定など)と相性がいい言葉です。
逡巡はどんな時に使用する?
私が「逡巡」を選ぶのは、次のような場面です。
- 選択肢が複数あり、どれも決め手に欠けて結論が出ない
- 合理性と感情がぶつかり、心の中で議論が続いている
- 判断を先延ばしにしてしまい、時間がかかっている
「迷っている」という説明よりも、「逡巡している」と書くことで、読者に“検討の深さ”や“葛藤”が伝わりやすくなります。特にレポートやレビューなど、状況を描写する文章で効果的です。
逡巡の語源は?
逡巡は漢字の意味からイメージをつかむと覚えやすい言葉です。一般に、「逡」にはしりごみ・退く、「巡」にはめぐるといった含みがあり、合わせて「進みたいのに引き、考えがめぐる」状態を表すと捉えると理解がスムーズです。
- 覚え方:逡巡=「前へ行きたいのに、心がぐるぐる」
逡巡の類義語と対義語は?
逡巡の近い言葉は多いですが、ニュアンスの芯を意識すると選びやすくなります。
- 類義語・同義語:迷う、優柔不断、葛藤、躊躇、尻込み、思案、ためらい
- 対義語:即断、即決、果断、決断、断行
特に「即断」「果断」は、逡巡の反対側に置くと分かりやすい対比になります。
躊躇とは?
次に躊躇。日常会話でも文章でも登場頻度が高く、だからこそ“ズレた使い方”が目立ちやすい言葉です。
躊躇の意味を詳しく
躊躇(ちゅうちょ)は、決心がつかずにためらうことを表します。特徴は、行動や発言の直前でブレーキがかかる感じが出やすいことです。
例えば「言おうと思ったのに言えなかった」「やろうと思ったのに手が止まった」といった、“寸前のためらい”に強い言葉だと捉えると、使い分けがきれいに決まります。
躊躇を使うシチュエーションは?
躊躇が自然にハマるのは、こんな場面です。
- メールを送信する直前で内容が気になり、指が止まる
- 謝ろうと思ったのに、言い出すタイミングを逃す
- 新しい一歩(応募・告白・提案など)を踏み出す直前でためらう
また、慣用的に「躊躇なく」という形で「ためらいがない」ことも表現できます。使い慣れておくと文章のテンポが良くなります。
躊躇の言葉の由来は?
躊躇も、漢字の“動き”を想像すると理解が早い言葉です。一般に、「足」がつく字形からも分かるように、足取りが定まらず、進もうとして止まるイメージで捉えると腑に落ちます。
読み方は「ちゅうちょ」。一方で「躊躇う」は「ためらう」と読む点が混同されやすいので、表記と読みのセットで覚えておくと安全です。より詳しく整理したい方は、当サイト内の「躊躇する」と「躊躇う」の違いと使い分けも参考になります。
躊躇の類語・同義語や対義語
躊躇の周辺語は、状況に合わせて使うと表現が豊かになります。
- 類語・同義語:ためらう、尻込み、二の足を踏む、遠慮する(文脈による)、迷う
- 対義語:即決、即断、断行、即座に、迷いなく
「遠慮する」は、相手への配慮が中心のときに寄る言葉なので、単なる恐れや不安で止まる場面では「躊躇」のほうが精確です。
逡巡の正しい使い方を詳しく
ここでは、逡巡を“使える言葉”にするために、例文・言い換え・コツ・注意点までまとめます。文章にそのまま流し込める形にしているので、コピペ感覚で使ってください。
逡巡の例文5選
逡巡は「決めきれない」「考えが行き来する」状況を描写すると、きれいに決まります。
- 転職の誘いに心が揺れ、返事を出せずに逡巡している
- 賛成と反対の意見を聞くほど、判断に逡巡が生まれた
- どの案にも利点があり、最終決定を逡巡したまま会議が終わった
- 彼は告白すべきか迷い、何度も言葉を飲み込んで逡巡した
- リスクを理解してなお、私は踏み切るべきか逡巡していた
逡巡の言い換え可能なフレーズ
文章のトーンや対象読者によって、言い換えると伝わりやすいケースがあります。
- かたい文章寄り:判断を保留する、決断を先送りする、熟考している
- やわらかい会話寄り:迷っている、悩んでいる、決めかねている
- ややネガティブ強め:優柔不断、ぐずぐずしている
ビジネス文書では、相手を否定しないために「逡巡しています」よりも「検討しています」「判断を保留しています」を選ぶこともあります。目的は“言葉で勝つ”ことではなく、相手に誤解なく伝えることです。
逡巡の正しい使い方のポイント
逡巡を自然に見せるコツは、迷いの原因(選択肢・利害・リスク)を一緒に書くことです。
- 「AとBのどちらも捨てがたく、逡巡している」
- 「メリットは大きいが、リスクが読めず逡巡している」
こうすると、「ただ決められない人」ではなく「状況を踏まえて迷っている人」として伝わり、文章の説得力が上がります。
逡巡の間違いやすい表現
逡巡でありがちなミスは、「一瞬のためらい」だけを描写してしまうことです。もちろん文脈次第で成立しますが、基本は“判断が行き来している状態”が核です。
- 単発の動作直前だけを言いたいなら「躊躇」のほうが的確なことが多い
- 「逡巡した結果、即決した」など、時間感覚が矛盾する文は違和感が出やすい
もし「迷いが短い・浅い」ことを強調したいなら、「少し迷った」「一瞬ためらった」などに置き換えると安全です。
躊躇を正しく使うために
躊躇は使用頻度が高いぶん、言い換え・誤用の差が出やすい言葉です。ここでは、躊躇の“使える型”を例文とセットで固めていきます。
躊躇の例文5選
躊躇は「直前で止まる」「言う前に引っ込める」描写と相性抜群です。
- 送信ボタンを押す直前で、私は少し躊躇した
- 本当のことを言うべきだと分かっていたが、躊躇してしまった
- 彼女は階段の端で躊躇し、結局引き返した
- 頼みごとを切り出すタイミングを逃し、躊躇が続いた
- 上司は躊躇なく決断したが、私はその速さについていけなかった
躊躇を言い換えてみると
躊躇は、ニュアンス調整の幅が広い言葉です。状況に合わせて言い換えると、伝わり方が変わります。
- 丁寧・中立:ためらう、迷う、決めかねる
- 動作の比喩:二の足を踏む、足がすくむ
- 気持ちの弱さ寄り:尻込みする
例えば、恐怖が原因なら「足がすくむ」、礼儀や配慮なら「遠慮する」に寄ります。躊躇は万能ですが、原因が明確なときは言い換えたほうが伝わることもあります。
躊躇を正しく使う方法
躊躇のコツは、「何をする直前で止まったのか」を具体化することです。
- 「申し出るのを躊躇する」
- 「踏み出すのを躊躇する」
- 「発言を躊躇する」
また、文章を引き締めたいときは「躊躇なく」が便利です。肯定的な意味で使えるため、行動力の描写にも向きます。
なお、正確な語義や用例は辞書・公的機関・出版社の公式解説などで確認すると安心です。言葉選びが契約・評価・採用などに関わる場合は、最終的な判断を専門家にご相談ください。
躊躇の間違った使い方
躊躇の誤用で多いのは、単に「検討中」「保留中」の意味で使ってしまうケースです。検討が続いているなら「逡巡」「思案」「保留」のほうが自然なことがあります。
- 「方針を躊躇している」より「方針に逡巡している」「方針を決めかねている」が自然
- 「躊躇した結果、まだ何も決めていない」だけだと“直前感”が薄く違和感が出ることがある
躊躇は“行動の直前”が得意な言葉。迷いのステージがどこにあるかを意識すると、文章が一段上に整います。
まとめ:逡巡と躊躇の違いと意味・使い方の例文
最後に要点をまとめます。逡巡と躊躇はどちらも迷いを表しますが、ニュアンスの核が違います。
- 逡巡:考えが行き来して決められない(判断そのものに迷いがある)
- 躊躇:やる・言う直前でためらう(最後の一歩で止まる)
- 英語は躊躇=hesitate、逡巡=waver/vacillate で寄せると自然
- 迷いのステージ(判断か、実行直前か)で選ぶと失敗しにくい
関連語も一緒に覚えておくと、言い換えの引き出しが増えます。例えば「猶予」は“今すぐではない”方向の意味合いが強く、迷いとは別軸で整理できます。気になる方は、当サイト内の「有余」と「猶予」の違いと意味・使い方も合わせて読むと、言葉選びの精度が上がります。
また、「決断」側の語彙とセットで理解したい場合は、「英断」と「勇断」の違いと意味も参考になります。
言葉は、状況を切り取るレンズです。逡巡と躊躇を正しく使い分けられると、あなたの文章は“迷い”まで正確に描けるようになります。今日からぜひ、例文の型をそのまま使ってみてください。

