
「という」と「と言う」、文章を書いているときにふと手が止まる表記ですよね。ひらがなにするべきか、漢字にするべきか、どっちが自然か――この迷いは、実は“意味の濃さ”と“役割”の違いから起きています。
とくに「Aさんという人」「〜ということ」「〜と言う(はっきり言う)」のように、引用・伝聞・呼び名・定義・言い換えなど、文脈が変わると判断基準も変わりやすいのが厄介な点です。さらに、表記ゆれを避けたいビジネスメールや公用文、レポートでは、読み手への配慮として統一感も求められます。
この記事では、「というと言うの違いと意味」を軸に、使い分け、英語表現、語源、類義語・対義語、言い換え、具体的な使い方と例文まで、迷いが消えるように整理します。
- 「という」と「と言う」の意味の違いと判断基準
- 文脈別の使い分けと表記ゆれを減らすコツ
- 英語表現にするときの自然な置き換え
- 例文と間違いやすいパターンの回避方法
というと言うの違い
ここでは最初に、「という」と「と言う」がなぜ迷われるのかを、結論→使い分け→英語の順で一気に整理します。全体像を押さえると、文章の表記判断がかなり楽になります。
結論:というと言うの意味の違い
結論から言うと、「という」は“言う”という動作の意味が薄れて、文法的なつなぎ・説明の役割が強くなった形です。一方で「と言う」は、実際に言葉として述べるという意味(発言・表明)がはっきりしているときに使います。
たとえば「龍角散というのどの薬」の「という」は、別に口に出して「龍角散」と言っているわけではなく、名称を示して説明しているだけです。このタイプはひらがなが自然です。
逆に「はっきりと言う」「そうだと言う」のように、発言そのものが立っている場面は「と言う」がしっくりきます。
- 発言・表明が主役なら「と言う」
- 説明・定義・呼称などの補助なら「という」
- 迷ったら“本当に口に出して言っているか”を想像すると判断しやすい
というと言うの使い分けの違い
私が文章を整えるときは、「言う」の実質がどれだけ残っているかで切り分けます。
1)「という」になりやすい代表パターン
「という」は、次のような“文の部品”として働きやすいです。
- 呼び名・名称:例)「A社という会社」
- 定義・説明:例)「失点というミス」
- 引用の枠:例)「〜という話を聞いた」
- 要約・受け:例)「つまり、こういうことだという」
2)「と言う」がしっくりくる代表パターン
「と言う」は“言葉にして述べる”が見えるときに立ちます。
- 強い断言:例)「はっきりと言う」
- 主張・発言:例)「必要だと言う」
- 相手の発言を明示:例)「彼は『無理だ』と言う」
- 媒体や社内ルールによっては、読みやすさ優先で「いう」に寄せるケースもあります。表記統一が必要なときは、所属先の用字用語ルールに合わせるのが安全です。
というと言うの英語表現の違い
英語に置き換えると、役割の違いがより見えます。「と言う」は基本的にsay / tellの世界で、「という」はcalled / known as / that / so-calledの世界に寄りやすいです。
| 日本語 | ニュアンス | 英語の例 |
|---|---|---|
| はっきりと言う | 発言・断言 | say clearly / state clearly |
| A社という会社 | 名称・呼称 | a company called A / a company known as A |
| 〜という話 | 内容の枠・引用 | a story that ... / that ... |
| 〜という意味 | 定義 | mean / refer to |
英語では「という」を全部 say にすると不自然になりやすいので、名称は called、内容は thatと切り替えると文章がスムーズです。
というとは?
ここからは「という」自体を深掘りします。意味・使う場面・語源的な背景(役割の変化)・類義語や対義語まで押さえて、迷いの根っこを解消します。
というの意味や定義
「という」は、もともと「と+言う」からできた形ですが、現代では説明・定義・引用の枠を作る機能語として使われる場面が増えています。
ポイントは、「言う」という動作よりも、前後の語をつなげて“それが何か”を示す役割が中心になることです。たとえば「〜という人」「〜という考え方」の「という」は、名前や種類を示すラベルのように働きます。
というはどんな時に使用する?
「という」が向いているのは、次のように説明のための接着剤として使う場面です。
- 名称・呼称を示すとき(〜という店、〜という制度)
- 内容を受けて要約するとき(〜ということだ)
- 伝聞や引用をまとめるとき(〜という話、〜という噂)
- 抽象語を具体化するとき(努力という習慣、配慮という視点)
文章では、ひらがなにすることでリズムが柔らかくなり、読み手が引っかかりにくくなります。特に不特定多数に向ける記事や案内文では、「という」を選ぶと整いやすいです。
というの語源は?
語源としてはシンプルで、「と(引用)」+「言う(発言)」の組み合わせです。もともとは「〜と(こう)言う」の形で、発言を引く働きが中心でした。
そこから用法が広がり、現代では「AというB」のように、引用というより“説明の型”として定着した、という流れです。つまり「という」は、動詞というよりも“表現の枠”として働く場面が増えたと捉えると理解が早いです。
というの類義語と対義語は?
「という」は機能語なので、厳密な対義語は作りにくいのですが、近い言い換え(類義語)はあります。
類義語(言い換え)
- 〜と呼ばれる
- 〜とされる
- 〜の名の
- 〜に関する(文脈によって)
- 〜という名の(強調したいとき)
対義語に近いもの(反対方向の表現)
- (名称を外して)「Aの会社」など、呼称を使わずに述べる
- 「〜ではなく」などで定義を否定する
- 「という」の言い換えは便利ですが、契約・規約・費用など誤解が困る文脈では、曖昧さが増える場合があります。あくまで一般的な目安として整理し、正確な情報は公式サイトをご確認ください。必要に応じて、最終的な判断は専門家にご相談ください。
と言うとは?
次に「と言う」です。「という」と違い、こちらは“言葉にして述べる”という動作が文面に立つことが多い表記です。意味・場面・由来・類語と対義語を整理します。
と言うの意味を詳しく
「と言う」は、基本的に言葉として述べる/発言する/主張するの意味が明確なときに選びます。「言う」の実体(発話・発言)が残っているイメージです。
たとえば「私は反対だと言う」は、意見を言葉にして示しているので「と言う」が自然です。ここを「という」にすると、発言の強さが弱まり、文がぼやけることがあります。
と言うを使うシチュエーションは?
「と言う」が向くのは、次のように発言の輪郭を立てたい場面です。
- 断言・強調(はっきりと言う、正直に言う)
- 意見や主張(必要だと言う、反対だと言う)
- 相手の発言の引用(彼は「行かない」と言う)
- 評価や判断を言葉にする(それは無理だと言う)
文章のトーンをきちんとさせたいとき、または発言の重さを残したいときに「と言う」を選ぶと締まります。
と言うの言葉の由来は?
由来としては、当然ながら動詞「言う」に「と(引用)」が付いた形です。「と」は、発言内容をくくる働きがあり、「と言う」で「〜と発言する」という構造が完成します。
「という」との差は、まさにここで、発言として読むか、説明として読むかの違いです。「と言う」は発言の筋が通って見えるぶん、文章内で主張が立ちやすいのが特徴です。
と言うの類語・同義語や対義語
類語・同義語
- 述べる
- 発言する
- 主張する
- 語る
- 言い放つ(強め)
対義語に近い表現
- 黙る
- 口をつぐむ
- 言い控える
- 撤回する(発言を引っ込める方向)
- 「言う」の表記で迷う人は、「云う」との違いも混同しがちです。引用寄りのニュアンスや表記の硬さまで整理したい場合は、「云う」と「言う」の違いと意味・使い方も参考になります。
というの正しい使い方を詳しく
ここでは実戦編として、「という」をどう使えば文章が読みやすくなるかを、例文・言い換え・ポイント・間違いパターンでまとめます。
というの例文5選
- 駅前に「花彩堂」という和菓子店ができたらしい
- それは挑戦というより無謀に近い計画だ
- 彼から来週は休みだという連絡が入った
- この資料が言いたいのは、結局こういうことだという点だ
- 「丁寧さ」というのは、相手への想像力のことだと思う
というの言い換え可能なフレーズ
「という」は便利ですが、続けすぎると文章がもたつくことがあります。そんなときは言い換えで整えます。
- 〜と呼ばれる(名称の提示)
- 〜とされる(一般的見解)
- 〜の名の(やや硬め・印象的)
- 〜に関する(説明対象の提示)
- 〜である(定義を言い切る)
- 「AというB」を連発するより、一文に一回までを目安にすると読みやすい
- 名称なら「呼ばれる」、定義なら「である」に変えると文章が締まる
というの正しい使い方のポイント
私が推奨するコツは3つです。
1)「説明の枠」だと割り切る
「という」は発言ではなく、説明・定義・呼称の枠。ここを押さえると、ひらがなにする判断が一気に楽になります。
2)読み手の視線を止めない
漢字が続く文に「と言う」を置くと、視線が一瞬止まることがあります。発言を強調したいのでなければ、「という」にして滑らかさを優先するのも合理的です。
3)統一が必要な文書はルールに合わせる
社内資料や公用文など、統一ルールがある文章では、そのルールが最優先です。迷った場合は表記統一の観点で決めると、後戻りが減ります。表記の考え方自体を整理したい方は、「明記」と「表記」の違いもあわせてどうぞ。
というの間違いやすい表現
間違いというより“損しやすい書き方”として、次が要注意です。
- 「Aさんと言う人」:発言しているニュアンスになりやすく、一般には「Aさんという人」が無難
- 「〜ということ」という冗長表現:意味が薄いなら削ると文章が締まる
- 表記ゆれ(いう/言う/という/と言う)の混在:読み手の違和感につながる
- 公的文書・契約・規約などは、表記の揺れが誤解につながることがあります。あくまで一般的な考え方として整理し、正確な情報は公式サイトをご確認ください。必要に応じて、最終的な判断は専門家にご相談ください。
と言うを正しく使うために
ここでは「と言う」の使いどころを、例文とともに具体化します。「と言う」は便利な反面、強さが出る表記なので、出しどころを押さえると文章がうまくまとまります。
と言うの例文5選
- 私はこの提案には反対だと言う
- 彼は「今日は行けない」とはっきりと言う
- 担当者は、現状では難しいと言う見解だった
- 「それは違う」と正直に言う勇気も必要だ
- 上司は「次は改善できる」と言うが、根拠も示してほしい
と言うを言い換えてみると
「と言う」は、文章のトーンを変えたいときに言い換えが効きます。
- 述べる(硬め・書き言葉)
- 主張する(論理の色が強い)
- 発言する(事実として扱う)
- 断言する(強い)
- 口にする(柔らかい)
ビジネス文書では「述べる」「示す」に替えると、感情の強さを抑えて整えられます。
と言うを正しく使う方法
1)発言としての“芯”があるか確認する
「と言う」にしたいときは、そこが本当に“言った・言っている”内容かを確認します。内容が「名称の提示」や「説明の枠」なら、たいてい「という」のほうが自然です。
2)強さを出す意図があるときだけ採用する
「と言う」は、文の輪郭を立てます。だからこそ、強調したい場面では武器になりますが、そうでない場面では硬さが出すぎることもあります。
- 断言・主張・発言を立てたいなら「と言う」
- 説明・定義・呼称なら「という」
と言うの間違った使い方
「誤り」と断定できないケースもありますが、読者に違和感を与えやすいのは次のパターンです。
- 名称提示で「と言う」:例)「A社と言う会社」→一般には「A社という会社」が読みやすい
- 機能語の多い文章で「と言う」を連発:硬さが増して読みにくくなる
- 表記ルールがある文書で独自判断:資料全体の統一感が崩れる
- 表記ゆれに関しては、口語の聞こえ方から誤表記が生まれるケースもあります。たとえば「そうゆう/そういう」の違いを押さえると、表記の感覚がさらに安定します。必要なら「そうゆう」と「そういう」の違いも確認してみてください。
まとめ:というと言うの違いと意味・使い方の例文
最後に、「という」と「と言う」の要点をまとめます。
- 「という」:言うの意味が薄れ、説明・定義・呼称・引用の枠として働く
- 「と言う」:発言・主張・断言など、言葉として述べる意味がはっきりするときに使う
- 英語では「と言う」=say / tell、「という」=called / known as / that に寄せると自然
- 迷ったら「本当に口に出して言っているか」を想像すると判断しやすい
なお、公用文・契約・規約・費用など、誤解がトラブルにつながりうる文章では、表記統一と用字用語ルールの遵守がとても大切です。あくまで一般的な目安として本記事を活用しつつ、正確な情報は公式サイトをご確認ください。必要に応じて、最終的な判断は専門家にご相談ください。

