「事由」と「事情」の違いとは?意味・使い方・例文を解説
「事由」と「事情」の違いとは?意味・使い方・例文を解説

「事由」と「事情」は、どちらも“原因や背景”を説明するときに出てくる言葉ですが、いざ文章にすると「どっちを使えば失礼がない?」「ビジネス文書や申請書ではどちらが正しい?」「法律っぽいのはどっち?」と迷いがちです。

特に「事由 事情の違い 意味」で調べている方は、理由や原因、背景や経緯、内情や状況、諸事情や自己都合、やむを得ない事情、契約書や就業規則、申請書(欠勤・休暇・退職など)といった関連ワードに引っ張られて、使い分けが曖昧になっているケースが多い印象です。

この記事では、「事由」と「事情」の意味の核を整理したうえで、使い分け、英語表現、語源、類義語・対義語、言い換え、そしてすぐに使える例文まで一気にまとめます。

  1. 事由と事情の意味の違いと判断基準
  2. ビジネス文書や申請書での使い分けのコツ
  3. 類義語・対義語・言い換えと英語表現の整理
  4. 事由と事情の例文各5選と間違いやすいポイント

事由と事情の違い

最初に「結局どう違うのか」を、最短で掴みましょう。私はこの2語を、“どれだけ客観的に言い切れるか”で切り分けています。原因となる事実を指したいのか、背景にある状況や都合まで含めたいのかで、選ぶ言葉が変わります。

結論:事由と事情の意味の違い

結論から言うと、事由は「出来事の原因となった事実・事項」を指し、事情は「その背景にある状況・都合・いきさつ」を指す傾向があります。つまり、事由は“客観寄り”、事情は“文脈寄り”です。

たとえば「欠勤の事由」は、休んだ原因として確認できる事実(発熱、通院、忌引など)を端的に書く場面と相性がいい一方、「欠勤の事情」は、そこに至る背景(家庭の都合、諸々の事情、やむを得ない状況)まで含めて語りたいときにしっくりきます。

観点 事由 事情
意味の中心 原因となる事実・事項 背景の状況・都合・いきさつ
ニュアンス 客観的・公的・文書向き 文脈的・内情寄り・配慮を含みやすい
よく出る場面 申請書、規程、契約、法律文書 会話、謝罪・連絡、配慮が必要な説明
相性の良い言い回し 退職事由、欠席事由、解除事由 諸事情、家庭の事情、事情により

事由と事情の使い分けの違い

使い分けのコツはシンプルで、「事実として書類に載せるなら事由」「配慮や背景まで含めるなら事情」です。特にビジネスでは、文書の性格(証跡として残るか/相手に配慮したいか)で選ぶと失敗しにくいです。

  • 社内申請・規程・契約のように「項目として原因を書く」→事由が安定
  • 相手に詳細を言い切れない、複数要因で説明が長くなる→事情が便利
  • 相手が「根拠」を求めている(説明責任が強い)→事由寄りで具体化
  • 相手が「配慮」を求めている(察してほしいが多い)→事情寄りで柔らかく

ちなみに「事情」は便利な反面、曖昧になりやすい言葉です。社外向けの重要文書では、事情だけで済ませると「結局なぜ?」が残ることがあるので、必要に応じて事由(事実)も添えるのが丁寧です。

  • 費用・契約・人事・法務に関わる文面では、事情だけでぼかし過ぎると誤解やトラブルの原因になりやすい
  • 重要な手続きは、最終的に公式書式や規程の指示に従うこと

より「情(内側)」と「状(外側)」の違いを掴みたい方は、近いテーマとして「実情」と「実状」の違いと意味・使い方も合わせて読むと、事情系の言葉選びが一段ラクになります。

事由と事情の英語表現の違い

英語は日本語ほど「事由/事情」の二分が固定ではありませんが、ニュアンスとしては次のイメージが近いです。

  • 事由:reason / grounds / cause / basis(理由・根拠・原因)
  • 事情:circumstances / situation / conditions(状況・事情)

たとえば公的・契約的な文脈での「解除事由」「解雇事由」は、英語ではgrounds(根拠、理由)を使うと改まった響きが出ます。一方で「事情により」は、due to circumstancesbecause of our situationが自然です。

事由とは?

ここからはそれぞれの言葉を深掘りします。まずは「事由」。書類や規程で見かける“かたい言葉”ですが、意味の芯を押さえると、書き方も選び方も迷いません。

事由の意味や定義

事由は、簡単に言えば「ある結果が起きた原因となる事実」です。ポイントは、“事情(都合)ではなく、事実として言い切れる要素”を置きやすいこと。だからこそ、申請書や規程、契約書のように「項目として原因を記載する」場面で重宝されます。

「退職事由」「欠勤事由」「解除事由」「発生事由」のように、後ろに別の名詞がくっついて“分類ラベル”として機能するのも、事由の特徴です。

事由はどんな時に使用する?

私が「事由」を選ぶのは、次のように証跡として残りやすい場面です。

  • 社内申請:休暇、欠勤、遅刻早退、経費などの申請理由欄
  • 人事・労務:退職事由、懲戒事由、解雇事由の整理
  • 契約・規程:解除事由、免責事由、取消事由の明記
  • 報告書:発生事由、事故の事由、変更事由の記載

ここで大事なのは、書類上のルールです。会社や行政の書式では「事由欄」と書かれていることがあり、その場合は“事情”ではなく“事由”として、事実ベースで短く書くのが求められます。正確な運用は、必ず所属先の規程や公式サイト・公式書式をご確認ください。

事由の語源は?

事由は、漢字の組み合わせがそのままヒントになります。は出来事・事柄、はよって来るところ(よる・起因)を表し、「事が由って起きたところ」、つまり「原因となった事柄」というニュアンスが立ちます。

  • 「由」は“理由・起因”の方向を示す漢字なので、事由は「原因のラベル」に向く

事由の類義語と対義語は?

事由の類義語は「理由」「原因」「根拠」「要因」「経緯」など。ただし完全一致ではなく、場面で使い分けます。

  • 類義語:理由、原因、根拠、要因、動機、発端、経緯
  • 対義語(対になる概念):結果、結末、効果、帰結

「対義語」は辞書的に一語で固定されにくいので、私は文章上の対として「原因(事由)↔結果(帰結)」で整理しています。

事情とは?

次に「事情」です。事情は会話でも頻出で、相手への配慮や“言い切れなさ”を含められる便利な言葉。だからこそ、便利に頼り過ぎると曖昧になりやすい点も押さえておきましょう。

事情の意味を詳しく

事情は「物事の背景にある状況・都合・いきさつ」を幅広く指します。ひと言で言えば、“その人(その組織)の内側にある事情も含めた背景説明”です。

同じ出来事でも、理由を一本に絞れないとき、説明すると差し障りがあるとき、複数の要因が絡むときに、事情は自然にハマります。「家庭の事情」「社内事情」「諸事情」「事情により」のように、背景をにおわせる形で使えるのが強みです。

事情を使うシチュエーションは?

事情は、相手との関係や場面によって“温度調整”ができる言葉です。私がよく使うのは、次のようなシーンです。

  • 詳細を説明しにくい:プライバシー、機密、健康などに配慮が必要
  • 要因が複数ある:一言の理由にまとめると不正確になりそう
  • 柔らかく伝えたい:謝罪・依頼・お断りで角を立てたくない
  • 相手に配慮を求めたい:「察してほしい」ニュアンスを含めたい

ただし、費用や契約に関わる場面で「事情」を多用すると、相手から「具体的には?」と聞き返されやすいです。必要なら、事情(背景)+事由(事実)で二段構えにすると、丁寧さと納得感が両立します。

事情の言葉の由来は?

事情は、漢字で見ると理解が早いです。は出来事、は心の動き・内情・情勢のような“内側の様子”を表します。つまり「出来事に付随する内側の様子」=背景事情、という感覚です。

  • 「情」が入るため、事情は“人の都合・配慮・内情”を含みやすい

事情の類語・同義語や対義語

事情の類語は「状況」「背景」「内情」「都合」「経緯」「事情説明」など。対義語は一語に固定しづらいですが、文章上は「事情(背景)↔表向きの説明」「内情↔外形的事実」のように置くと整理しやすいです。

  • 類語・同義語:状況、背景、都合、内情、経緯、いきさつ、情勢
  • 対義語(対になる概念):外形、表向き、表面上の説明、客観的事実

近い言葉の選び方で迷うなら、「訳」と「わけ」の違いと意味・使い分けも合わせて読むと、「説明の粒度」を揃える感覚が掴みやすくなります。

事由の正しい使い方を詳しく

ここでは、事由を「書ける」ようにします。事由は、短く・客観的に・事実を置くのが基本。迷ったら「第三者が読んでも同じ理解になるか」を基準にしてください。

事由の例文5選

事由は、文書に載せる前提で“短く明確”がコツです。

  • 欠勤の事由は、発熱による通院のためです
  • 申請の事由は、業務上必要な備品の購入です
  • 契約解除の事由は、支払い期限の不履行です
  • 退職事由は、一身上の都合です
  • 遅刻の事由は、公共交通機関の遅延です

事由の言い換え可能なフレーズ

文章の硬さを調整したいときは、次の言い換えが使えます。ただし、規程や書式で「事由」と指定されている場合は、無理に言い換えず、そのまま使うのが安全です。

  • 事由 → 理由(一般向けに柔らかい)
  • 事由 → 原因(トラブル・事故に強い)
  • 事由 → 根拠(判断・結論の支えを示す)
  • 事由 → 要因(分析・レポートで便利)

事由の正しい使い方のポイント

事由を正しく使うポイントは3つです。

  • 事実で書く:気持ちや推測ではなく、確認できる事柄を置く
  • 短く書く:背景説明は事情に任せ、事由は要点に絞る
  • 書式に従う:社内規程・契約条項・公的書式の指示を最優先

とくに手続き系は慎重に。健康・費用・法律が絡む場面では、あくまで一般的な目安として捉え、正確な情報は公式サイトや所属先の規程をご確認ください。最終的な判断が必要なケースは、専門家(人事・法務・社労士・弁護士など)へ相談することもおすすめします。

事由の間違いやすい表現

私がよく見るミスは、「事情」を書くべきところに「事由」を置いて、文章が冷たく(または不自然に)なるケースです。

  • ×「社内事由により」:多くは「社内事情により」が自然
  • ×「家庭事由で欠席」:口語なら「家庭の事情で欠席」が一般的
  • △「諸事由」:意味が取りにくいので、事情か理由に寄せた方が伝わる

事情を正しく使うために

事情は“伝え方のクッション”として優秀ですが、便利なぶん曖昧にもなりやすい言葉です。相手が納得すべき場面なのか、配慮を優先すべき場面なのかを見極めて使いましょう。

事情の例文5選

事情は、背景や配慮を含めて自然に伝えたいときに活躍します。

  • 家庭の事情により、本日は早退させていただきます
  • 諸事情により、日程を変更させてください
  • 事情を伺ったうえで、対応方針を検討します
  • 先方の事情もありますので、結論は来週になります
  • 事情が事情だけに、詳細は差し控えます

事情を言い換えてみると

事情の言い換えは、曖昧さを減らしたいときに便利です。どこまで具体化するかで、次の候補を使い分けます。

  • 事情 → 状況(外から見える様子に寄せる)
  • 事情 → 背景(なぜそうなったかの周辺情報)
  • 事情 → 都合(スケジュールや都合の調整に強い)
  • 事情 → 内情(内側の事情を強調したいとき)

事情を正しく使う方法

事情を上手に使うコツは、「どこまで言うか」を自分で決めることです。言い過ぎると余計な火種になり、言わな過ぎると不信感につながる。だから私は、次の順番で組み立てます。

  • まず事情でクッションを置く(例:諸事情により)
  • 必要なら事由(事実)を一つ添える(例:通院のため)
  • 相手に必要な次の情報(対応・代替案)を必ず出す

謝罪や連絡文では、結びに「〜した次第です」を使って事情説明を丁寧にまとめると、文章が収まりやすいです。表現の違いを整理したい方は、「次第です」と「所存です」の違いと意味も参考になります。

事情の間違った使い方

事情の代表的な失敗は、「事情だけで押し切ってしまう」ことです。

  • ×「事情により無理です」だけで終える:相手が次に動けない(代替案や期限を添える)
  • ×「諸事情で遅れます」:重要案件では不信感につながりやすい(可能な範囲で事由を一言添える)
  • ×「事情を察してください」:相手に負担を押し付ける印象になる(必要最小限の説明に留める)

費用・契約・法律・健康など、人生や財産に影響し得る話題では、事情でぼかし過ぎず、公式情報や規程に基づく確認を優先してください。正確な情報は公式サイトをご確認いただき、必要に応じて専門家へご相談ください。

まとめ:事由と事情の違いと意味・使い方の例文

最後に要点を整理します。事由は「原因となる事実」、事情は「背景にある状況・都合・いきさつ」。書類や規程などで“項目として原因を書く”なら事由が安定し、相手への配慮や複数要因を含めたいなら事情が便利です。

  • 事由:短く客観的に書く(欠勤事由、解除事由、退職事由)
  • 事情:背景や配慮を含めて伝える(家庭の事情、諸事情、事情により)
  • 迷ったら「事実として言い切れるか」で判断し、必要なら事情+事由で補強
  • 重要手続きは公式書式・規程を優先し、最終判断は専門家相談も検討

言葉選びが整うと、文章の印象が一気に安定します。今回の例文や言い換えを手元のテンプレとして使いながら、「この文脈は事実(事由)か、背景(事情)か」を意識してみてください。

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