
「猛威」と「猛攻」は、どちらも“激しさ”を表す言葉ですが、意味や使い方の焦点が違うため、文章で迷いやすい熟語です。
「猛威と猛攻の違いの意味が知りたい」「語源は?」「類義語や対義語は?」「言い換えはできる?」「英語表現ではどう言う?」「使い方と例文でイメージしたい」といった疑問をまとめて解消できるように、ポイントを整理して解説します。
ニュースの見出し、スポーツ記事、ビジネス文書でも見かける表現なので、正しく使い分けられると文章の説得力が上がります。この記事では、違いの教科書運営者のMikiとして、言葉のニュアンスを実用目線でわかりやすくまとめます。
- 猛威と猛攻の意味の違いを一言で整理
- 場面別の使い分けと自然な言い回し
- 英語表現(fury / onslaughtなど)のニュアンス
- 例文と間違いやすいポイントをまとめて確認
猛威と猛攻の違い
ここでは、まず「猛威」と「猛攻」の違いを最短で理解できるように、意味・使い分け・英語表現の3点で整理します。似て見える理由は「猛」が共通で“激しさ”を持つからですが、何が激しいのかがまったく違います。
結論:猛威と猛攻の意味の違い
結論から言うと、猛威は「自然現象や流行などが、手に負えない勢いで広がり被害や影響を与えること」、猛攻は「相手を激しく攻め立てること(攻撃が激しいこと)」です。
| 言葉 | 中心の意味 | 対象 | よくある形 |
|---|---|---|---|
| 猛威 | 激しい勢い・猛威力が広がる | 台風・感染症・火災・暴風・不況・混乱など | 猛威を振るう |
| 猛攻 | 激しく攻め立てる(攻撃) | 敵・相手・守備・砦・市場(比喩)など | 猛攻を受ける/猛攻を仕掛ける |
たとえば「感染症が猛威を振るう」は自然ですが、「感染症が猛攻する」は不自然です。一方「相手チームの猛攻」は自然ですが、「相手チームの猛威」だと、意味がぼやけてしまいます。
猛威と猛攻の使い分けの違い
使い分けは、文章が描きたいものが“現象の勢い”なのか、“攻撃という行為”なのかで決まります。
猛威が合う場面
- 台風・豪雨・暴風など、自然現象が荒れ狂う
- インフルエンザや感染症など、流行が拡大する
- 火災や事故など、被害が拡大する
- 比喩として「不況」「デマ」「混乱」が広がる
猛攻が合う場面
- 戦い・スポーツで相手を激しく攻め立てる
- 守備や要塞、相手陣地を攻め落とす
- 比喩として「値下げ攻勢」「営業攻勢」などの強い攻め
また、「猛威」は客観的に状況の深刻さを伝えるのに向きます。逆に「猛攻」は、主体(誰が攻めるか)が見える言葉なので、主語がはっきりしている文章と相性が良いです。
「激しい」という共通点で混同しやすい言葉として、同サイト内でも「熾烈」「苛烈」などのニュアンス違いがよく質問に上がります。激しさの方向性(勢い・過酷さ・容赦なさ)で迷う場合は、「熾烈」と「苛烈」の違いと意味・使い方も合わせて読むと、文章の精度が上がります。
猛威と猛攻の英語表現の違い
英語にするときも、「現象が荒れ狂う」か「攻撃する」かで語が分かれます。
| 日本語 | 英語の目安 | ニュアンス | 例 |
|---|---|---|---|
| 猛威 | fury / rage | 嵐・病気などが荒れ狂う勢い | The storm raged all night. |
| 猛威を振るう | wreak havoc | 大きな損害・混乱を引き起こす | The virus wreaked havoc worldwide. |
| 猛攻 | onslaught / fierce attack | 激しい攻撃・圧倒的な攻勢 | They launched an onslaught. |
英語は文脈で選びます。災害・感染症ならfury/rageやwreak havoc、スポーツや戦闘の激しい攻めならonslaughtがしっくり来やすいです。
猛威とは?
ここからは、それぞれの言葉を単体で深掘りします。まず「猛威」はニュースで頻出する表現ですが、使いどころを間違えると「大げさ」「不自然」になりやすいので、定義と用法をしっかり押さえましょう。
猛威の意味や定義
猛威(もうい)は、「はげしい勢い」「猛烈な威勢」といった意味で、特に自然現象や流行、制御しづらい事態が強い影響を及ぼすときに使われます。
ポイントは、猛威が表すのは“攻撃の動作”ではなく、“抑えがたい勢い・威力そのもの”だという点です。主語は、台風・豪雨・感染症・火災など、人がコントロールできない(またはしづらい)ものになりやすいです。
猛威はどんな時に使用する?
猛威は「広がる」「暴れる」「被害や影響が大きい」場面で力を発揮します。代表例は次のとおりです。
- 感染症:インフルエンザが猛威を振るう
- 自然災害:台風が猛威を振るう、暴風が猛威を振るう
- 社会現象(比喩):デマが猛威を振るう、不況が猛威を振るう
逆に、スポーツの攻めや営業活動など、主体が“攻める”なら猛威ではなく猛攻や攻勢が自然です。
猛威の語源は?
猛威は、漢字の意味を分解すると理解が早いです。
- 猛:たけだけしい、激しい、荒々しい
- 威:いきおい、威力、相手を圧する力
つまり猛威は、直訳すれば「激しい威力」。この“威”があることで、単なる勢いではなく、周囲に影響を与える力(圧・威力)が強調されます。
「猛」という漢字のニュアンスを掴むには、同じサイトの「猛省」と「反省」の違いも参考になります。猛が付くと「程度が一段深い・激しい」という方向に意味が寄る、という感覚がつかみやすいです。
猛威の類義語と対義語は?
猛威の類義語は、「勢いが激しい」「被害が大きい」を言い換える語が中心です。対義語は、文脈で「おさまる」「鎮静化」を表す語を選びます。
| 区分 | 言葉 | 使いどころ |
|---|---|---|
| 類義語 | 猛威力、猛勢、激しい勢い、猛威を振るう(定型) | 災害・流行・混乱など |
| 言い換え | 拡大する、広がる、荒れ狂う、甚大な影響を及ぼす | 具体性を上げたいとき |
| 対義語(文脈) | 沈静化、収束、鎮まる、落ち着く、弱まる | 状況が改善する場面 |
対義語は「猛威」の一語に対して固定で存在するというより、文章が描く状況に合わせて「沈静化」「収束」などを選ぶほうが自然です。
猛攻とは?
次に「猛攻」です。猛攻はスポーツ記事や戦記、ビジネスの比喩表現でも使われ、主体が相手を強く攻めるニュアンスがはっきり出る言葉です。
猛攻の意味を詳しく
猛攻(もうこう)は、「激しく攻め立てること」を意味します。要するに、攻撃の強度が高い状態です。
ここで大事なのは、猛攻は「攻める」という行為に焦点があること。猛威のように「自然に広がる勢い」ではありません。誰が誰を攻めるのかが見える文章で使うと、スパッと伝わります。
猛攻を使うシチュエーションは?
猛攻は、次のような「攻め」の場面でよく使われます。
- スポーツ:終盤の猛攻、猛攻をしのぐ、猛攻で逆転する
- 戦闘・戦記:敵の猛攻を受ける、砦を猛攻する
- 比喩(ビジネス):価格競争の猛攻、広告の猛攻(※やや強めの比喩)
比喩で使う場合は、読者に「攻撃的」「圧が強い」という印象を与えます。ビジネス文書で相手への配慮が必要な場合は、強すぎると感じたら「攻勢」「集中的な提案」「積極的な施策」などに言い換えるのも手です。
猛攻の言葉の由来は?
猛攻も、漢字の意味がそのままニュアンスになります。
- 猛:激しい、荒々しい
- 攻:せめる、攻め立てる
つまり、猛攻は直訳すれば「激しく攻める」。猛威の「威(威力・圧)」と違って、「攻(攻める動作)」が核にあるため、対象に向けたアクションが強調されます。
「攻め落とす」「陥落」など、戦いや競争での“落ちる/落とす”系の言葉も合わせて理解すると文章が整います。ニュアンスが近い言葉の整理には、「零落」「没落」「陥落」の違いと意味・使い方も参考になります。
猛攻の類語・同義語や対義語
猛攻は「激しい攻撃」なので、類語は攻撃系の語が並びます。対義語は「守り」や「攻めが拙い」方向の語が候補になります。
| 区分 | 言葉 | ニュアンス |
|---|---|---|
| 類語 | 猛撃、猛襲、襲撃、強襲、急襲、総攻撃、攻勢、猛爆(文脈次第) | 攻撃の強さ・勢い |
| 言い換え | 激しく攻める、攻め立てる、圧をかける、波状攻撃を仕掛ける | 描写を具体化 |
| 対義語(文脈) | 守勢、防戦、守備、巧守、拙攻(※競技文脈) | 攻めない/守る |
「対義語」は固定で一つに決めるより、文章の文脈に合わせて「守勢」「防戦」などを選ぶと自然です。
猛威の正しい使い方を詳しく
ここでは猛威の使い方を、例文・言い換え・コツ・注意点の順にまとめます。猛威は定型句が強い一方で、主語選びを間違えると急に不自然になります。
猛威の例文5選
- 新型の感染症が各地で猛威を振るい、医療現場に負担がかかっている
- 台風が猛威を振るい、沿岸部では大規模な停電が発生した
- 乾燥した気候の中で山火事が猛威を振るい、避難指示が出された
- デマがSNSで猛威を振るい、誤解が広がった
- 物価高が家計に猛威を振るい、節約志向が強まっている
「感染症」「災害」のように状況が変わりやすいテーマは、断定を避けて事実と切り分けるのが安全です。正確な情報は公式サイトをご確認ください。最終的な判断は専門家にご相談ください。
猛威の言い換え可能なフレーズ
猛威をそのまま使うと強い印象になるため、文章の温度感を調整したいときは言い換えが便利です。
- 被害の拡大を言いたい:被害が拡大している/影響が広がっている
- 勢いを言いたい:急速に広がる/勢いが増す
- 混乱を言いたい:混乱を招く/大きな打撃を与える
- 比喩で柔らかく:影響が大きい/広く波及している
猛威の正しい使い方のポイント
猛威を上手に使うコツは、次の3点です。
- 主語は「現象」に寄せる(台風・感染症・火災・デマなど)
- 定型句「猛威を振るう」を基本形として押さえる
- 影響の対象(社会・家計・医療など)を補うと具体性が出る
猛威の間違いやすい表現
猛威で多いミスは、「攻撃する主体」に使ってしまうことです。
- × 彼はライバルに猛威を加えた(※加えるは不自然)
- × チームが猛威を仕掛けた(※仕掛けるなら猛攻・攻勢)
- ○ 台風が猛威を振るった
- ○ 相手の猛攻をしのいだ
もし「人が強く攻める」話なら、猛攻・攻勢・攻撃などに切り替えるのが正解です。
猛攻を正しく使うために
猛攻は、描写力が高いぶん、強い言葉です。スポーツ記事ならハマりますが、ビジネス文書では相手への印象を考えて調整することも大切です。
猛攻の例文5選
- 終盤、相手チームの猛攻を受けたが、守備陣が踏ん張って勝ち切った
- 後半は猛攻を仕掛け、立て続けにシュートチャンスを作った
- 敵の猛攻に備え、守りを固めて反撃の機会をうかがった
- 新商品の投入で競合が猛攻を強め、市場は一気に動いた
- 批判の猛攻を浴びたが、事実関係を整理して説明した
猛攻を言い換えてみると
猛攻は、言い換えで印象をコントロールしやすい言葉です。攻めの強さを保ちつつ、語感を調整できます。
- ストレートに:激しい攻撃、総攻撃、波状攻撃
- やや中立に:攻勢を強める、圧力を強める、積極的に攻める
- ビジネス寄りに:集中的に提案する、施策を畳みかける(比喩)
「攻撃」という語が強すぎる場合は、「攻勢」「圧力」「積極策」などに置き換えると読み手の受け取り方が変わります。
猛攻を正しく使う方法
猛攻を正しく使うコツは、「誰が」「誰に」「どのように」を文章内で見える形にすることです。
- 主体(攻める側)を置く:相手・敵・競合・チームなど
- 対象(攻められる側)を置く:守備・砦・市場・相手陣など
- 結果や状況を添える:しのぐ/防ぐ/押し返す/崩す
猛攻の間違った使い方
猛攻の誤用で多いのは、「現象が広がる」場面に当ててしまうことです。
- × 感染症が猛攻を続けた(※猛威が自然)
- × 台風の猛攻で被害が出た(※猛威・暴風が自然)
- ○ 感染症が猛威を振るった
- ○ 敵の猛攻で守備が崩れた
また、猛攻は戦闘・スポーツの文脈に強く寄るため、日常会話で多用すると少し大げさに聞こえる場合があります。状況に合わせて言い換えも活用してください。
まとめ:猛威と猛攻の違いと意味・使い方の例文
最後に要点をまとめます。
- 猛威:自然現象や流行などが、抑えがたい勢いで広がり影響を及ぼす(例:感染症が猛威を振るう)
- 猛攻:相手を激しく攻め立てる(例:相手の猛攻をしのぐ)
- 迷ったら、「広がる勢い=猛威」「攻める行為=猛攻」で判断するとブレにくい
- 英語は、猛威=fury/rage/wreak havoc、猛攻=onslaught/fierce attackが目安
災害・感染症などの話題は、情報が更新されることがあります。数値や状況はあくまで一般的な目安として捉え、正確な情報は公式サイトをご確認ください。最終的な判断は専門家にご相談ください。
「猛威」と「猛攻」を正しく使い分けられると、ニュースの読み解きだけでなく、自分の文章表現も一段クリアになります。文章で迷ったときは、この記事の表と例文に戻って確認してみてください。

