
「褒めると誉めるの違いや意味がよく分からない」「ビジネスメールではどちらの漢字を使うべきか迷う」「ほめる漢字はどっちが正しいのか不安」「褒めると誉めるの使い分けや例文をまとめて知りたい」....そんな悩みを抱えて、「褒める誉める違いの意味」や「褒める誉める使い分け」「褒める誉める例文」といったキーワードで検索されている方が多いと感じます。
また、褒めるの英語表現や、褒めるの類義語や対義語、言い換え表現を知っておきたいという声もよく耳にします。特にビジネスシーンでは、褒めるという行為そのものが評価や人間関係に直結するため、「誉めるの意味」やニュアンスの微妙な差を押さえておくことが大切です。
この記事では、「違いの教科書」を運営する私Mikiが、日本語の使い分けを日々研究している立場から、褒めると誉めるの違いや意味、語源、類義語・対義語、英語表現、正しい使い方や例文までを一つひとつ丁寧に解説していきます。読み終える頃には、ふだんの会話でもビジネス文書でも、自信を持って「褒める」「誉める」を使い分けられるようになっているはずです。
- 褒めると誉めるの意味の違いと、使い分けの基本軸が分かる
- 褒めると誉めるの語源や、類義語・対義語・言い換え表現を押さえられる
- 褒める・誉めるそれぞれの英語表現や、具体的な例文を確認できる
- ビジネスや日常会話で「相手を気持ちよく褒める」ためのコツが身につく
褒めると誉めるの違い
まずは、この記事の核となる「褒める」と「誉める」の違いから整理します。どちらも「ほめる」と読み、相手を評価する行為を指しますが、意味の焦点や使われる場面、漢字としての位置づけが少しずつ異なります。この違いを理解しておくと、自然な日本語表現がぐっと増えます。
結論:褒めると誉めるの意味の違い
私の結論を先に一言でまとめると、次のようなイメージで捉えると分かりやすくなります。
| 語 | 主な意味の焦点 | よく使う場面 | 漢字としての位置づけ |
|---|---|---|---|
| 褒める | 個人が個人の行動や態度を評価する、身近な「ほめる」 | 親子・上司部下・友人同士など、日常会話やビジネス全般 | 常用漢字。公用文・ビジネス文書で基本的に用いる形 |
| 誉める | 社会的な功績や名誉ある成果をたたえる、格式ある「ほめる」 | 受賞・功績・歴史上人物・公式な表彰や顕彰の文脈 | 常用外漢字。公的な書類では避けられることが多い |
どちらも「良い点を認めて評価する」という意味では共通していますが、褒めるは身近な人の行動や努力に対する個人的な評価、誉めるは広く社会から与えられる名誉ある評価というニュアンスの違いがあります。
日常的な「すてきな行動だね」「よく頑張ったね」と伝える場面では褒めるを使い、受賞歴や功績を語るような「社会的評価」を強調したい場面では誉めるがしっくりくる、というイメージです。
褒めると誉めるの使い分けの違い
次に、実際の使い分けを考えるときの軸を整理します。私が意識しているポイントは、主に次の3つです。
1. 評価しているのは「誰」か
褒めるは、目上から目下、親から子、先生から生徒、上司から部下など、一人の人が別の一人(あるいは少人数)に向けて行う評価を表すのが基本です。
一方で誉めるは、「世間から誉められる」「世界中から誉められる」のように、多数の人々や社会全体からの評価を表す場面でよく用いられます。
2. 評価しているのは「行動」か「功績」か
褒めるは、その人の態度や努力、プロセスに目を向けるイメージが強い言葉です。
例えば、「毎日コツコツ勉強していてえらいね」といった言葉は、結果そのものより「行動」を褒める典型例です。
一方、誉めるは「ノーベル賞を受賞した業績を誉める」「長年の功績が誉められた」のように、優れた成果や社会的な功績そのものをたたえるニュアンスが強くなります。
3. 文書の場か、話し言葉か
日本語の実務的な観点で重要なのは、褒めるが常用漢字で、誉めるは常用外漢字だという点です。
ビジネスメールやレポート、契約書、学校の答案など、公的な文書・ビジネス文書では原則として褒めるを使うのが安全です。誉めるを使用すると、場合によっては「漢字の誤用」とみなされてしまう可能性もあります。
公用文・ビジネス文書・試験答案などでは、基本的に「褒める」を用いるのが無難です。「誉める」は常用外漢字のため、媒体やルールによっては使用が避けられていたり、減点対象になるケースもあります。正確な情報は公式サイトや各機関のガイドラインをご確認ください。また、最終的な判断は国語・日本語教育の専門家や校正者などの意見も参考にしてください。
褒めると誉めるの英語表現の違い
褒めると誉めるを英語にすると、どちらも基本的にはpraiseで表せますが、ニュアンスの違いを英語で表現したい場合は、使う単語を少し変えるとよいです。
| 日本語 | イメージ | 代表的な英語表現 | ニュアンス |
|---|---|---|---|
| 褒める | 身近な人の行動や努力をほめる | praise / compliment / say nice things about | 日常的な「ほめる」、態度や行動への評価 |
| 誉める | 功績や業績をたたえる、名誉を与える | honor / commend / admire / give credit to | 公式・公的な賞賛、社会的評価を強調する表現 |
例えば「部下を褒める」は
I praised my team member for his effort.のように、日常的なpraiseが自然です。
一方、「受賞者の功績を誉める」のような文脈では、The committee honored her achievements.やThe scientist was highly commended for his contribution.といった表現が、誉めるのニュアンスをよく表してくれます。
褒めるの意味
ここからは、それぞれの言葉をもう少し掘り下げて見ていきます。まずは、日常的にもっともよく使う「褒める」からです。
褒めるとは?意味や定義
褒めるとは、相手の良い点や行動、成果を認めて言葉にして伝えることを指します。国語辞典風にまとめると、次のように定義できます。
- 人の行為・性質・成果などを「良いもの」と評価して言葉に表すこと
- 相手の努力や態度を認め、肯定的なフィードバックを与えること
ここで押さえておきたいのは、「結果だけでなくプロセスも含めて評価する」という点です。「テストで100点を取ったね、えらいね」という結果への褒め言葉だけでなく、「毎日コツコツ勉強していてえらいね」というプロセスへの声かけも、どちらも褒めるに含まれます。
褒めるはどんな時に使用する?
褒めるは、日常のあらゆる場面で使える、とても汎用性の高い言葉です。主なシチュエーションを具体的に挙げてみます。
- 親子関係:子どもの頑張りや成長を褒める
- 学校・教育:先生が生徒の努力や態度を褒める
- 職場:上司が部下の成果や姿勢を褒める、同僚同士で互いの工夫を褒め合う
- 友人関係:友人のファッションセンスや気遣いを褒める
- パートナーシップ:相手の思いやりや行動を具体的に褒めて伝える
特に、相手との距離を縮めたいときや、モチベーションを高めたいときに、褒めるはとても強い力を持ちます。ただし、「お世辞のように聞こえないか」「上から目線になっていないか」といった配慮も必要です。
褒めるの語源は?
褒めるの漢字「褒」は、「衣」を含む字で、もともとは功績に報いるために衣服などを与えることから、「ほまれをたたえる」「報いる」という意味が生まれたとされています。
つまり、褒めるには「良い行いに対して何かを与える」というイメージが根底にあります。現代では実際に物を与えるわけではありませんが、言葉という形で「ご褒美」を渡していると考えると、褒めるという行為の大切さがより実感できるはずです。
褒めると同じ「褒」を使う熟語に「褒美」があります。良い行いをした子どもにご褒美をあげる、という場面を思い浮かべると、「良い行動に対して報いる」という褒めるの語源的なイメージがつかみやすくなります。
褒めるの類義語と対義語は?
褒めるの類義語(似た意味の言葉)と対義語(反対の意味の言葉)を整理しておくと、表現の幅が一気に広がります。
褒めるの類義語・同義語
- 称える(たたえる)
- 賞賛する・称賛する
- 褒賞する
- ほめたたえる
- 評価する・認める
- ねぎらう
- 励ます
ニュアンスとしては、「言葉でたたえる」イメージが強いのが称賛する・賞賛する、「感謝や労い」を含むのがねぎらう、「背中を押す」のが励ますです。
褒めるの対義語
- けなす
- 貶す(けなす)
- 批判する
- 非難する
- 中傷する
- 侮辱する
特にビジネスのフィードバックでは、「褒める」と「けなす」の両極端ではなく、褒めると建設的な指摘をバランスよく組み合わせることが重要になります。
言葉そのものの違いに関心がある方は、評価に関わる名詞表現としての賛美・賛辞の違いも押さえておくと理解が深まります。例えば、「賛美」と「賛辞」の違いや意味・使い方・例文まとめでは、褒め言葉に関する名詞のニュアンスを詳しく整理しています。
誉めるの意味
続いて、「誉める」について詳しく見ていきます。日常的な使用頻度は高くありませんが、賞や功績、歴史上の人物などを語る際には重要な言葉です。
誉めるとは何か?
誉めるとは、社会的に認められる功績や名誉ある行為をたたえることを意味する言葉です。褒めると基本的な意味は近いものの、より「名誉」「栄誉」といった言葉に近い、格式を感じさせるニュアンスがあります。
例えば、次のような場面で使われることが多いです。
- 「ノーベル賞受賞という偉業は世界中から誉められた」
- 「彼の長年の功績は、歴史家たちによって高く誉められている」
- 「その作品は芸術史に残る名作として誉められている」
いずれも、個人同士の会話というよりは、多くの人からの評価・歴史的評価を扱っていることが分かります。
誉めるを使うシチュエーションは?
誉めるは、次のようなシチュエーションで使うとしっくりきます。
- 受賞・表彰・顕彰に関する記述(「業績が高く誉められた」)
- 歴史的・社会的評価についての文章(「後世まで誉められる人物」)
- 大勢からの称賛を強調したいとき(「世界中から誉められる作品」)
- 目上の人や著名人の評価を語るとき(「その功績は広く誉められている」)
一方で、日常会話やビジネスメールでは、ほとんどの場合「褒める」で足ります。誉めるは常用外漢字であり、読み手に「少し硬い」「古風な」印象を与えることもあるため、意図的に使う場面を選ぶとよいでしょう。
誉めるの言葉の由来は?
誉めるの「誉」は、「誉れ(ほまれ)」という名詞としても使われます。誉れとは、世間から高く評価されること、名誉・栄誉を意味する言葉です。
「名誉」「栄誉」「光栄」といった熟語に含まれていることからも分かるように、誉という漢字には、広く認められた功績や名声というニュアンスが強く込められています。
このため、誉めるも、単に「よくできたね」と身近な人を褒めるのではなく、功績や名声をたたえる、とりわけ格式のある評価を表す言葉として使われてきました。
誉めるの類語・同義語や対義語
誉めるの類語と対義語も整理しておきましょう。褒めると重なる部分もありますが、ニュアンスに少し違いがあります。
誉めるの類語・同義語
- 顕彰する(功績を明らかにして世に知らせる)
- 表彰する(賞状や賞品を授与してたたえる)
- 栄誉を与える
- 称える・讃える
- 高く評価する
特に「顕彰する」「表彰する」は、誉めるの「社会的・公的な評価」という側面を強く表す言葉です。
誉めるの対義語
- 名誉を傷つける
- 評判を落とす
- 批判する
- 非難する
- 中傷する
誉めるの対義語は、「名誉」を軸に考えると理解しやすくなります。誉めるが「名誉を与える」のだとすれば、その反対は「名誉を傷つける」「評判を汚す」といった表現になるわけです。
褒めるの正しい使い方を詳しく
ここからは、日常的にもっともよく使う褒めるについて、具体的な例文や言い換え表現を交えながら、実践的な使い方を整理していきます。
褒めるの例文5選
まずは、シーン別の例文を5つ紹介します。ニュアンスがつかみやすいように、一文ずつ解説も添えます。
- 上司が部下に対して:
「今回のプレゼンは、資料の構成がとても分かりやすくて本当に褒めたい出来栄えだったよ。」 → 結果だけでなく、「構成が分かりやすい」という具体的なポイントを褒めることで、相手の努力が伝わりやすくなります。 - 親が子どもに対して:
「テストの点数も大事だけど、最後まであきらめずに勉強していた姿をいちばん褒めたいな。」 → プロセスを褒める典型例です。自己肯定感を育てる褒め方として非常に効果的です。 - 友人同士で:
「あの場面であんなふうに声をかけられるなんて、本当に気配り上手だよね。心から褒めたくなったよ。」 → 性格や人柄に焦点を当てた褒め方です。「気配り上手」という具体的な評価がポイントです。 - ビジネスメールで:
「関係各所との丁寧な調整のおかげで、プロジェクトが予定通り完了しました。チームを代表して、心から褒めたたえたいと思います。」 → ビジネス文書でも、適切な敬意を示しながら褒めることができます。ここでも漢字は褒めるを用いるのが自然です。 - 自己評価や日記で:
「今日は苦手な作業にもきちんと取り組めたので、自分のことを少し褒めてあげたい。」 → 自分自身を褒める表現です。「セルフコンパッション」を高めるうえでも役立つ使い方です。
褒めるの言い換え可能なフレーズ
褒めるばかりを繰り返すと、文章が単調に感じられてしまうことがあります。そんなときに使える言い換えフレーズを、場面別に整理しておきます。
| シーン | 基本の「褒める」 | 言い換え例 |
|---|---|---|
| ビジネス | 成果を褒める | 高く評価する/功績を称える/取り組みを賞賛する |
| 日常会話 | 友人を褒める | センスの良さを認める/本当にすごいと思う/素敵だと感じる |
| 教育 | 子どもを褒める | 頑張りを認める/努力をねぎらう/成長を喜ぶ |
| 自己評価 | 自分を褒める | 自分の成長を実感する/よく頑張ったと感じる |
形容詞・形容動詞レベルまで広げて考えたい場合は、褒め言葉として使える形容詞の使い分けを扱った「強い」と「たくましい」の違いや意味・使い方・例文まとめも、褒め方の幅を広げるヒントになると思います。
褒めるの正しい使い方のポイント
褒めるは、とてもポジティブな行為ですが、使い方を誤ると「お世辞」に聞こえてしまったり、「上から目線だ」と受け取られたりすることもあります。ここでは、私が意識しているポイントを3つ挙げます。
1. 行動・プロセスを具体的に褒める
「すごいね」「えらいね」だけだと、相手は「何が評価されたのか」が分かりません。具体的な行動や工夫に焦点を当てて褒めることで、相手の自己効力感が高まりやすくなります。
2. 相手の価値観や状況に配慮する
相手がコンプレックスを感じている部分を、軽い調子で褒めると、かえってプレッシャーや負担になることがあります。相手の表情やこれまでの会話を思い出しながら、相手にとって心地よいポイントを選んで褒めることが大切です。
3. 褒めると指摘のバランスを取る
特にビジネスでは、褒めるだけでは改善が進まない場面も多いです。良い点を褒めたうえで、改善点を具体的かつ丁寧に伝えることを意識すると、信頼関係を保ちつつ成長を促すフィードバックになります。
褒めるの間違いやすい表現
最後に、褒めるに関してよくある間違いや、少し注意したい表現を挙げておきます。
- 「誉める」が適切な場面でも、習慣的にすべて「褒める」と書いてしまう
- ビジネス文書で「誉める」を使い、読み手に「誤字では?」と思わせてしまう
- 相手の外見だけを過度に褒めてしまい、セクハラと受け取られる危険がある
- 「前はできてなかったのに、今日はできてえらいね」のように、過去を下げて褒めてしまう
特に職場では、外見に関する褒め言葉や、相手のプライベートに踏み込みすぎた褒め方は、セクハラやパワハラと受け止められるリスクがあります。「相手がどう感じるか」を常に意識し、距離感を大切にしましょう。具体的なハラスメントの基準やガイドラインは、厚生労働省などの公式サイトで最新情報を確認し、最終的な判断は専門家や人事担当者に相談することをおすすめします。
誉めるを正しく使うために
ここからは、やや特別なニュアンスを持つ誉めるについて、具体的な例文や言い換え表現を通して、実際の使いどころを整理していきます。
誉めるの例文5選
誉めるは日常会話で頻繁に使う漢字ではありませんが、文章表現では独特の品格や重みを与えてくれます。シーン別に5つ例文を挙げます。
- 表彰に関する文章:
「その研究成果は国内外で高く誉められ、多くの賞を受賞している。」 → 研究成果が「社会的に高く評価されている」ニュアンスが強く出ます。 - 歴史・伝記:
「彼の勇敢な行動は、今もなお後世の人々によって誉められている。」 → 時代を超えた評価、歴史的な誉れを表現しています。 - 文化・芸術:
「その作品は、革新的な表現として世界の批評家たちに誉められた。」 → 評価者が「世界の批評家たち」という、大勢かつ専門家である点がポイントです。 - 功績をたたえるスピーチ:
「長年にわたる地域医療への貢献は、多くの住民から心から誉められるべきものである。」 → 社会的意義のある貢献に対して、名誉ある評価を示す表現です。 - 文学的な表現:
「彼女の生き方は、困難な時代を力強く生き抜いた女性として誉められて然るべきだ。」 → 日常会話というよりは、評論やエッセイに向いた表現です。
誉めるを言い換えてみると
誉めるのニュアンスを保ちながら、別の表現で言い換えたいときには、次のようなフレーズが役立ちます。
- 高く評価される
- 功績が称えられる
- 栄誉ある評価を受ける
- 社会的に認められる
- 多くの人から賞賛を集める
例えば、「世界中から誉められた作品」は、「世界中から高い評価を受けた作品」や「世界中で賞賛を集めた作品」といった言い換えもできます。
誉めるを正しく使う方法
誉めるを自然に使うためには、次のポイントを意識するとよいでしょう。
1. 「名誉」「栄誉」のイメージで考える
誉の入った熟語である「名誉」「栄誉」を思い浮かべると、誉めるの使いどころが掴みやすくなります。「名誉や栄誉として語られるような功績かどうか」を基準にすると、誉めるがふさわしい場面かどうか判断しやすいです。
2. 公的文書では基本的に避ける
先ほども触れた通り、誉めるは常用外漢字です。新聞・行政文書・学校のテストなどでは、原則として褒めるを用いるのが安全です。どうしても誉めるのニュアンスを出したい場合は、「名誉をたたえる」「栄誉を称える」といった言い換えを検討しましょう。
3. 文体全体とのバランスを見る
誉めるは文語的・文学的な響きが強いため、カジュアルな文章の中に突然出てくると浮いてしまうことがあります。文体全体がかしこまっているとき、スピーチ・評論・歴史解説などの文脈で使うと、自然になじみます。
誉めるの間違った使い方
最後に、誉めるに関するよくある誤用・注意点を挙げておきます。
- 「友達を誉める」「子どもを誉める」など、日常会話レベルの褒め方にまで広く使ってしまう
- ビジネスメールや公的な文書で、ルールを確認せずに誉めるを多用する
- 相手に対する「評価を下す」ニュアンスが強くなり、上から目線に受け取られてしまう
特に最後の点は、褒める・誉めるという行為全般に言えることですが、「評価してあげている」という態度が前面に出ると、相手にとって居心地の悪いコミュニケーションになってしまいます。「評価」ではなく、「感謝」や「共感」とセットで伝える意識が大切です。
まとめ:褒めると誉めるの違いと意味・使い方の例文
最後に、この記事でお伝えしたポイントを簡潔に振り返ります。
- 褒めるは、身近な人の行動や努力に対する個人的な評価を表す、もっとも一般的な「ほめる」
- 誉めるは、社会的な功績や名誉ある成果をたたえる、格式のある「ほめる」で、常用外漢字である点に注意が必要
- ビジネス文書や公用文では、基本的に「褒める」を使うのが安全で、誉めるのニュアンスは「名誉をたたえる」「高く評価される」などの言い換えで表現できる
- 褒める・誉めるをうまく使い分けることで、相手の自己肯定感を高めつつ、信頼関係を深めるコミュニケーションが可能になる
日本語には、「ほめる」という行為一つを取っても、褒める・誉める・賞める・称える・賛美する・賛辞を送る……といった多彩な表現があります。それぞれの意味や違い、言い換えのパターンを知っておくことで、相手に合わせた最適な褒め方が選べるようになります。

