「従事」と「勤務」の違いや意味・使い方・例文まとめ
従事と勤務の違いや意味・使い方・例文まとめ

就職活動や転職活動で職務経歴書を書いているとき、「従事」と「勤務」のどちらを使えばいいのか迷った経験はありませんか。従事と勤務の違いや意味をきちんと理解していないと、「仕事内容なのか勤務先なのか」があいまいになり、採用担当者に伝えたいことが正しく伝わらない場合があります。

特に、履歴書や職務経歴書で「〇〇業務に従事」「△△株式会社に勤務」などと書く場面では、従事と勤務の違いや意味を理解したうえで、使い分けを意識することが大切です。また、ビジネスメールや自己紹介での仕事の伝え方、英語表現、言い換え、類義語や対義語なども、知っているかどうかで表現の精度が大きく変わってきます。

この記事では、従事と勤務の違いと意味、使い方や例文、語源、類義語・対義語、英語表現までを一気に整理し、「仕事の内容を説明するとき」と「働いている場所や雇用関係を説明するとき」を迷わず言い分けられるようになることを目指します。初めて学ぶ方にも、すでに社会人として働いている方にも役立つよう、実務での具体的なシーンを交えながら解説していきます。

この記事を読んでわかること
  1. 従事と勤務の意味の違いと、ひと目で分かる使い分けのポイント
  2. 従事と勤務それぞれの語源・類義語・対義語・英語表現
  3. 履歴書や職務経歴書、ビジネスシーンで使える具体的な例文
  4. よくある誤用パターンと、自然で伝わりやすい言い換え表現

目次

従事と勤務の違い

まずは全体像として、従事と勤務がそれぞれどのポイントを表す言葉なのかを整理します。ここを押さえておけば、「どちらを使えばよいか」で迷う場面がグッと減ります。

結論:従事と勤務の意味の違い

結論から言うと、従事と勤務は次のようにイメージすると整理しやすくなります。

主な意味フォーカスするポイントよくある使い方
従事ある仕事・業務・活動に携わり、それを職務として行うこと何の仕事をしているか(職種・業務内容)教育に従事する/医療業務に従事する/開発業務に従事する
勤務会社・病院・役所などに勤めて仕事をすることどこで働いているか(勤務先・勤務地・勤務形態)都内の病院に勤務する/外資系企業に勤務する/夜勤勤務

つまり、従事は「仕事内容」や「専門分野」に焦点を当てる言葉であり、勤務は「勤務先」や「働き方」に焦点を当てる言葉です。

実務では、「A社に勤務し、マーケティング業務に従事」のように、勤務と従事をセットで使うことで、「どこで」「どんな仕事をしているか」を明確に伝える書き方がよく使われます。

従事と勤務の使い分けの違い

意味の違いが分かったところで、実際の使い分けを具体的なシーンごとに見ていきます。

1. 自己紹介・名刺交換の場面

ビジネスの現場で自己紹介をするとき、次のような使い分けが自然です。

  • 私は都内のIT企業に勤務し、企業向けのWebマーケティング業務に従事しています。
  • 地方の総合病院に勤務し、救急医療に従事しております。

ここでは、「どこで」を勤務、「どんな仕事を」は従事で表現しています。

2. 履歴書・職務経歴書の記載

履歴書や職務経歴書では、勤務先(会社名)と職務内容(従事した業務)をセットで整理すると読み手に親切です。

職務経歴書では、次のようなテンプレートを使うと、従事と勤務を自然に使い分けられます。

  • 20XX年〜20XX年 株式会社〇〇に勤務(正社員)
  • 営業部に所属し、新規開拓営業および既存顧客フォロー業務に従事。

3. 「どちらでもよさそうに見える」グレーゾーン

たとえば、「教育関係の仕事をしています」を丁寧に言い換えるとき、

  • 教育に従事しています。(仕事内容に焦点)
  • 教育委員会に勤務しています。(所属先に焦点)

のように、伝えたい情報の中心が「仕事内容」か「勤務先」かで使う語を選びます。どちらを強調したいのかを意識すると、自然と選ぶ言葉が決まってきます。

従事と勤務の英語表現の違い

英語に直すときも、従事と勤務でニュアンスが少し異なります。

従事の主な英語表現

  • engage in ~ / be engaged in ~(~に従事する)
  • work in ~(~の分野で働く)
  • be involved in ~(~に関わっている)

例:

  • I am engaged in medical research.(医療研究に従事しています。)
  • She works in education.(教育分野に従事しています。)

勤務の主な英語表現

  • work for ~(~に勤めている/勤務している)
  • work at ~(~で働いている)
  • be employed by ~(~に雇用されている)
  • be on duty / be on night duty(当直・夜勤勤務をしている)

例:

  • I work for a trading company in Tokyo.(東京の商社に勤務しています。)
  • He is employed by a local government office.(彼は地方自治体に勤務しています。)

職務経歴書の英語版を書くときは、勤務先はwork for / be employed by、従事した業務内容はbe engaged inやresponsible forを組み合わせるときれいに整理できます。

従事の意味

ここからは、従事という言葉にフォーカスして、意味・語源・類義語などを詳しく見ていきます。

従事とは?意味や定義

従事(じゅうじ)とは、ある仕事や業務・活動に携わり、それを自分の職務として行うことを意味します。

国語辞典的には、「仕事や任務などにたずさわること」と説明されることが多く、単にそこに居るだけでなく、実際にその業務を行っている状態を指します。

  • 農業に従事する
  • 研究開発業務に従事する
  • 介護サービスに従事して10年になる

いずれの例も、「何の仕事をしているのか」という仕事内容の中身を表しています。

従事はどんな時に使用する?

従事は、次のような場面でよく使われます。

1. 職種や専門分野を表すとき

  • 医療従事者として現場で働いています。
  • 長年、教育に従事してきました。
  • システム開発に従事するエンジニアを募集しています。

このように、医療・教育・システム開発など、「どの分野の仕事か」を表すときに使うのが自然です。

2. 職務内容を簡潔にまとめたいとき

職務経歴書や名刺の肩書きでは、一つひとつの作業を細かく書くよりも、「〇〇業務に従事」とまとめてしまった方が読み手に伝わりやすいことがあります。

「営業」「経理」「人事」「マーケティング」「商品開発」など、ある程度まとまりのある業務をざっくり示したいときに、「〇〇業務に従事」という形がよく使われます。

3. 公的な文書・報道・行政文書など

従事は、ビジネス文書や行政文書、ニュース記事などでもよく使われます。

  • 医療従事者を対象にした調査を実施しました。
  • 地方創生に従事する若者を支援する制度がスタートしました。

フォーマルな印象があるため、公的・公式な場面で使いやすい語だと言えます。

従事の語源は?

従事は、漢字「従」と「事」から成る熟語です。

  • 従:したがう、つき従う
  • 事:仕事、つとめ、ごと

もともとは「ある事に従う」「仕事に仕える」というイメージから、特定の仕事・任務に携わり、それを行うという意味になったと考えられます。

この語源を知っておくと、「ただ居るだけ」でなく、「その仕事に専念して取り組んでいる」ニュアンスがあることが理解しやすくなります。

従事の類義語と対義語は?

従事と近い意味・反対の意味を持つ語も整理しておきましょう。

類義語(近い意味の言葉)

  • 携わる(ある仕事・活動に関係して行う)
  • 従業(仕事に従事すること/就業していること)
  • 従事する(動詞形)
  • 関わる(広く、ある事柄に関係して行う)
  • 就業する(仕事に就いて働く)

対義語(反対の意味の言葉のイメージ)

  • 退職(職を辞めること)
  • 離職(仕事を離れること)
  • 失業(仕事を失っている状態)
  • 無職(従事している仕事がない状態)

厳密な一対一の対義語というよりも、従事が「仕事をしている状態」だとすると、その反対側にある状態としてイメージしておくと分かりやすいでしょう。

勤務の意味

続いて、勤務という言葉を詳しく見ていきます。従事との違いがより立体的に理解できるはずです。

勤務とは何か?

勤務(きんむ)とは、会社・病院・役所などに勤めて仕事をすること、またその仕事を指します。

  • 市役所に勤務しています。
  • 都内のメーカーに勤務し、営業職をしています。
  • 現在は在宅勤務が中心です。

ここでは、「市役所」「メーカー」「在宅」など、どこで、どのような形で働いているかに焦点が当たっています。

勤務を使うシチュエーションは?

勤務は、次のようなシーンでよく使われます。

1. 勤務先・身分を説明するとき

  • 現在、外資系コンサルティング会社に勤務しています。
  • 地方銀行に勤務して10年目です。

この場合、相手が知りたいのは「どこの組織に所属しているか」であり、従事ではなく勤務を使うのが自然です。

2. 勤務形態・勤務時間を表すとき

  • シフト勤務
  • 夜勤勤務
  • フルタイム勤務/パート勤務
  • 在宅勤務/リモート勤務/ハイブリッド勤務

このような表現では、「どういう働き方をしているか」を表すために勤務が用いられています。

3. 労働条件や就業規則の文脈

就業規則や求人票など、労働条件を説明する文書では、勤務時間・勤務日数・勤務場所といった形で頻出します。

  • 勤務時間:9:00〜18:00(休憩1時間)
  • 勤務場所:本社または各支店
  • 週5日勤務、土日祝休み
CAUTIONT

勤務時間・勤務形態・残業時間・休日などの労働条件は、会社や業種によって大きく異なります。数値や条件はあくまで一般的な目安として捉え、正確な情報は必ず公式サイトや就業規則・労働契約書を確認してください。働き方について不安がある場合やトラブルが発生した場合は、労働基準監督署や社会保険労務士・弁護士などの専門家に相談し、最終的な判断は専門家と話し合ったうえで行うことを強くおすすめします。

勤務の言葉の由来は?

勤務は、「勤」と「務」からできています。

  • 勤:つとめる、まじめに働く
  • 務:つとめ、おつとめ、果たすべき役目

この組み合わせから、「職場で任された役目を果たすために、まじめに通って働く」というイメージが浮かびます。従事が「仕事そのものへの従い・専念」に重点があるのに対し、勤務は「職場に通い、任務を果たす行為」全体を表していると言えるでしょう。

勤務の類語・同義語や対義語

類語・同義語

  • 勤める(会社などに勤めて働く)
  • 就職する(職に就くこと)
  • 就業する(働きはじめる/仕事に従事する)
  • 就労する(実際に労働に従事すること)

対義語のイメージ

  • 無職(勤務先がない状態)
  • 退職(勤務先を辞めること)
  • 休職(一時的に勤務を休むこと)

従事の対義語と同様に、勤務の明確な一語の対義語があるわけではありませんが、「勤務=どこかに勤めて働いている状態」の反対側にある状態としてイメージしておくと整理しやすくなります。

従事の正しい使い方を詳しく

ここからは、従事の実際の使い方にフォーカスして、例文・言い換え・注意点などをまとめていきます。

従事の例文5選

まずはビジネスシーンでそのまま使える例文を挙げます。

  • 前職では、営業企画および販促施策の立案業務に従事しておりました。
  • 現在は、ソフトウェアの品質保証業務に従事しています。
  • 大学卒業後、一貫して人材採用および育成業務に従事してきました。
  • 医療従事者として、地域医療の現場に長年携わってきました。
  • 新規事業の立ち上げプロジェクトに従事し、サービスリリースまで担当しました。

どの例文でも、従事の直前に「◯◯業務」「◯◯プロジェクト」など、仕事内容を表す名詞が置かれている点がポイントです。

従事の言い換え可能なフレーズ

文章のトーンや読みやすさに応じて、従事を別の表現に言い換えることもできます。

フォーマル寄りの言い換え

  • 〜の業務を担当しておりました。
  • 〜の業務を主に任されていました。
  • 〜の業務に携わっておりました。

少しくだけた表現への言い換え

  • 〜の仕事をしていました。
  • 主に〜の仕事をしてきました。
MEMO

従事という言葉はやや硬い印象があるため、社内向けのカジュアルなプロフィールやSNSでは、「〜の仕事をしています」「〜の業務を担当しています」といった表現の方が自然な場合もあります。文脈や読み手のイメージに合わせて、従事と他の表現を使い分けるのがおすすめです。

従事の正しい使い方のポイント

従事を使う際のポイントを整理すると、次のようになります。

  • 必ず「何に従事しているのか」をセットで書く
    例:×「従事しています。」→〇「人事労務の業務に従事しています。」
  • 職務経歴書では、業務のまとまりごとに「◯◯業務に従事」と整理すると読みやすい
  • 「仕事の内容」「専門分野」「担当領域」を説明するときに使う

従事の間違いやすい表現

従事でよくある誤用・違和感のある使い方も押さえておきましょう。

  • ×「〇〇株式会社に従事しています。」
    → 会社名を続けるなら「勤務」が適切です。
    〇「〇〇株式会社に勤務し、営業業務に従事しています。」
  • ×「経理に勤務しています。」
    → 部署名や業務内容には「従事」が自然です。
    〇「経理部に勤務し、決算業務に従事しています。」

このような混同を防ぐためにも、従事=仕事の中身、勤務=勤務先や働き方という基本イメージを常に意識しておくことが大切です。

勤務を正しく使うために

次に、勤務の使い方や例文、言い換え、注意点を整理していきます。

勤務の例文5選

ビジネスでそのまま使える勤務の例文を挙げてみます。

  • 新卒で地方銀行に入行し、現在も同銀行に勤務しています。
  • 現在は東京都内のIT企業に勤務し、エンジニアとして働いています。
  • 育児のため、週3日の時短勤務をしています。
  • 夜勤勤務が中心の病院に勤務していたため、不規則な生活になりがちでした。
  • 前職では、大阪本社に勤務していましたが、転勤により東京支社勤務となりました。

勤務は、勤務先、勤務地、勤務形態など「働く枠組み」を説明するときに使うのが基本です。

勤務を言い換えてみると

勤務を、文章のトーンや文脈に応じて別の表現に言い換えることもできます。

フォーマルな言い換え

  • 〜に在職しています。
  • 〜に所属し、勤務しております。
  • 〜に雇用されています。

カジュアル寄りの言い換え

  • 〜で働いています。
  • 〜に勤めています。

たとえば、「現在、都内の広告代理店に勤務しています。」は、「現在、都内の広告代理店で働いています。」と書き換えると少し柔らかい印象になります。

勤務を正しく使う方法

勤務を使うときのコツは、次の3点です。

  • 「どこで働いているか」を示す名詞とセットで用いる
    例:〇〇株式会社に勤務/地方自治体に勤務/都内の私立大学に勤務
  • 勤務先だけでなく、勤務形態・勤務時間とも組み合わせて使える
    例:夜勤勤務/フレックスタイム勤務/在宅勤務
  • 履歴書では「勤務」+「従事」を組み合わせて書くと分かりやすい
    例:〇〇株式会社に勤務し、営業企画業務に従事
MEMO

仕事に関する日本語表現をより深く整理したい方は、勤務先と在籍状態の違いにフォーカスした「在席」と「在籍」の違いを解説した記事も参考になるはずです。「在席」と「在籍」の違いや意味・使い方・例文まとめでは、オフィスや学校での立場の表現を詳しく整理しています。

勤務の間違った使い方

勤務は日常的によく使う言葉だからこそ、何となく使ってしまって違和感が出るケースもあります。

  • ×「営業勤務をしています。」
    → 勤務の後ろには、「会社名」「勤務地」「勤務形態」などが来るのが自然です。
    〇「営業職として、〇〇株式会社に勤務しています。」
  • ×「医療勤務者」「教育勤務者」
    → 分野を表すなら「医療従事者」「教育に従事する人」が自然です。

分野や業務内容には従事、会社や組織・働き方には勤務、という基本のルールに照らして違和感がないか、書いた後に一度見直してみると誤用を防げます。

まとめ:従事と勤務の違いと意味・使い方の例文

最後に、この記事のポイントを振り返ります。

  • 従事=何の仕事をしているか(職種・業務内容)を表す言葉で、「〇〇業務に従事」「医療従事者」など、仕事内容や専門分野に焦点が当たる
  • 勤務=どこで、どのように働いているか(勤務先・勤務地・勤務形態)を表す言葉で、「〇〇株式会社に勤務」「在宅勤務」「夜勤勤務」など、働く枠組みを示す
  • 履歴書・職務経歴書・自己紹介では、「〇〇に勤務し、△△業務に従事」という形でセットで使うと、「所属」と「仕事内容」の両方をバランスよく伝えられる
  • 従事と勤務の英語表現は、従事=engage in / work in、勤務=work for / work at / be employed by という対応で押さえておくと便利

仕事に関する言葉は、一見似ているようでいて、意味の焦点やニュアンスが少しずつ異なります。「従事」と「勤務」の違いをきちんと整理しておくことで、履歴書やビジネスメール、自己紹介の表現がぐっと洗練され、読み手に正確でプロフェッショナルな印象を与えられるようになります。

言葉の違いを丁寧に押さえていくことで、自分のキャリアや働き方を表現する力も確実に磨かれていきます。ほかにも、「始め」と「初め」や「格好」と「恰好」など、似た言葉の違いを整理した記事を通して、日本語の感覚を少しずつアップデートしていきましょう。

おすすめの記事