「各人」と「各自」の違いや意味・使い方・例文まとめ
「各人」と「各自」の違いや意味・使い方・例文まとめ

ビジネスメールや資料作成をしていると、「各人」と「各自」のどちらを使うべきか迷う場面が意外と多くあります。「弁当は各人で用意してください」「弁当は各自で用意してください」など、どれも正しそうに見えるからこそ、微妙な違いや意味が気になって検索される方が多いはずです。

特に「各人と各自の違いや意味」「各人と各自の使い分け」「各人と各自はどっちが正しいのか」「各自の責任という表現のニュアンス」「ビジネスで使う際の敬語表現」「各人各様といった関連表現」といったキーワードは、日常会話よりもビジネスシーンで頻繁に登場します。

この記事では、「各人」と「各自」の意味の違いを整理したうえで、ビジネスメールや社内通知、マニュアル、プレゼン資料などで「各人」「各自」を迷わず使い分けられるように、由来(語源)・類義語・対義語・英語表現・言い換え・具体的な例文までまとめて解説していきます。

読み終えていただく頃には、「この場合は各人を使うべきか、それとも各自か」と迷うことなく、自信を持って表現を選べる状態になることを目指して、実務目線で丁寧に整理していきます。

この記事を読んでわかること
  1. 各人と各自の意味の違いと、ビジネスシーンでの基本的な使い分け
  2. 各人・各自の語源や由来、類義語・対義語・言い換え表現の整理
  3. 各人・各自を使った自然な日本語の例文と、実務でありがちな誤用パターン
  4. 英語で各人・各自を表すフレーズと、メールや資料での言い換えのコツ

各人と各自の違い

まずはゴールイメージとして、各人と各自の意味の違いと使い分けの軸を押さえておきましょう。このパートでは、結論→使い分け→英語表現という順番で、全体像を一気に整理していきます。

結論:各人と各自の意味の違い

結論から言うと、各人と各自の「辞書的な意味」はほとんど同じです。どちらも「おのおの」「めいめい」「一人一人」といった意味を持ちます。

ただし、実際にビジネスや公的な場面で使うときには、次のようなニュアンスの違いが意識されることが多いです。

表現基本の意味使われやすい場面・対象
各人(かくじん)一人一人の人、それぞれの人場面を問わず広く使える。不特定多数に向けた案内や、公募・告知などでも使用可能
各自(かくじ)それぞれの人、めいめい会社・学校・部署など、特定の「団体・組織のメンバー」に向けて使われることが多い

つまり、意味はほぼ同じだが、対象とする範囲・場面のイメージが少し違うと押さえておくとスッキリします。

各人と各自の使い分けの違い

実務上、各人と各自を使い分けるときのポイントは、「対象が特定の組織内にいる人たちか」「不特定多数を含む広い集団か」という軸です。

特定の組織内のメンバーには「各自」が向いている

会社・学校・サークル・プロジェクトチームなど、あらかじめメンバーが決まっている集団に対して指示・依頼を出すときは、「各自」が自然です。

  • 明日の会議資料は、各自事前に目を通しておいてください。
  • 出張旅費は、いったん各自立て替えて精算してください。
  • 社員証は、退職時に各自総務まで返却してください。

こうした例では、「対象が誰か」はすでに限られており、会社や組織の内部メンバー向けの連絡であることが明確です。このとき、「各人」を使っても文法上は誤りではありませんが、日本語としてはやや堅く感じられることがあります。

広く一般の人たちに向けるときは「各人」が無難

一方で、不特定多数の人に向けて情報発信するときは、「各人」の方がニュアンスとしてはしっくりきます。

  • 応募ハガキには、各人の自己PRを必ず記入してください。
  • 今回のセミナーでは、各人の経験や強みを活かしたディスカッションを行います。
  • ルールは守りつつ、各人の判断で柔軟に対応してください。

このような文では、対象が特定の会社やクラスに限られているとは言い切れません。そのため、「場面を限定しない表現」である各人の方が中立的で汎用性が高いのです。

迷ったときのシンプルな判断軸

迷ったときは、次のように考えると判断しやすくなります。

  • 組織内のメンバー限定 → 「各自」が第一候補
  • 誰に届くか分からない案内・公募・ルール説明 → 「各人」が安心
  • どちらでもおかしくないが、迷う → よりやわらかく「皆さま」「参加者の皆さま」などへの言い換えも検討

各人と各自の英語表現の違い

英語では、日本語ほど明確に「各人」と「各自」を分けて表現しません。多くの場合、both「each person」「everyone individually」「each」などでまとめて表現できます。

各人を表す英語表現の例

  • Each person is responsible for his or her own decision.(各人が自分の判断に責任を持ちます)
  • We respect each person’s opinion.(各人の意見を尊重します)
  • Each individual must sign the agreement.(各人が契約書に署名しなければなりません)

各自を表す英語表現の例

  • Please bring your lunch on your own.(昼食は各自で持参してください)
  • Each member is required to submit the report.(各自レポートを提出してください)
  • Travel expenses should be paid individually.(交通費は各自でお支払いください)

あえてニュアンスを分けるとすれば、各人=each person / each individual、各自=each / individually / on your ownといったイメージで覚えておくと、日英の対応がしやすくなります。

各人の意味

ここからは、各人そのものの意味や語源、類義語などを深掘りします。使い分けだけでなく、言葉の成り立ちまで押さえておくと、表現のニュアンスがぐっとクリアになります。

各人とは?意味や定義

各人(かくじん)は、「それぞれの人」「一人一人」「おのおのの人」を表す言葉です。基本的には、人を対象にして使われます。

辞書的には、次のようなイメージで整理できます。

  • 複数いる人を、一人一人区切って指すときの表現
  • 人ごとに考え方や事情が違うことを前提にしたニュアンス
  • ややかたい文章・ビジネス文書・規則文などでよく使われる

特に、「各人各様(かくじんかくよう)」という四字熟語が象徴的で、「人それぞれ考え方・個性が違う」という意味を表します。

各人はどんな時に使用する?

各人がしっくりくるのは、次のような場面です。

  • 社外・一般を含む案内文や公募要領
  • 規約・利用規約・ルールなどの文章
  • 「人それぞれ違う」ということを強調したいとき

たとえば、次のような文が典型的です。

  • 価値観は各人各様であり、一つに決めつけることはできません。
  • 応募ハガキには各人の連絡先と希望日時をご記入ください。
  • 最終的な判断は各人の責任において行ってください。

これらは、対象が特定の会社の社員に限られているというより、「その文書を読むすべての人」に向けられた表現になっています。

各人の語源は?

各人は、漢字「各(おのおの)」と「人(ひと)」の組み合わせです。

  • 「各」…それぞれ、おのおの、という意味
  • 「人」…人間、個人を表す漢字

この2文字が組み合わさることで、「それぞれの人」「一人一人の人」という意味が自然に導かれます。

いわゆる故事成語のような特殊な由来があるというより、漢字の意味を素直に足し合わせてできた言葉だと考えるとイメージしやすいと思います。

各人の類義語と対義語は?

各人の類義語・対義語を整理しておくと、文章の言い換えがしやすくなります。

各人の主な類義語・言い換え

  • 各自(かくじ)
  • 各位(かくい)※ビジネスでの敬称
  • 皆さま/皆様方
  • 各々(おのおの)
  • 個々人(ここじん)
MEMO

敬語として丁寧にしたい場合は、「各位」「皆さま」「皆様方」がよく使われます。類義語の整理や言い換えの考え方に興味がある方は、表記や敬語の違いを扱った「ご確認のほど」と「ご確認の程」の違いと意味・使い方・例文も参考になるはずです。

各人の対義語・反対のニュアンス

厳密な「一語の対義語」というより、ニュアンスとして対になるのは次のような表現です。

  • 一同(いちどう)
  • 全員(ぜんいん)
  • 一括して
  • 全体として

各人が「一人一人」「バラバラ」「個別」を意識した言葉なのに対し、これらは「まとめて」「全体として」という視点を表します。

各自の意味

次に、各自の意味や由来、類語を整理していきます。社内向けの通知や業務マニュアルでは、各自という言葉が頻出しますので、このパートを押さえておくと実務での安心感が大きく変わります。

各自とは何か?

各自(かくじ)は、「それぞれの人」「めいめい」という意味を持つ言葉です。意味だけ見ると各人とほとんど同じですが、特定のグループ内のメンバーを前提にすることが多いという点が特徴です。

たとえば、次のような表現はビジネス文書でもよく目にします。

  • 昼食は各自でご用意ください。
  • 名札は退社時に各自で返却をお願いします。
  • 資料の印刷部数は各自で調整してください。

いずれも、「誰なのか」がある程度限定された状態で使われていることが分かります。

各自を使うシチュエーションは?

各自は、次のようなシチュエーションと相性が良い言葉です。

  • 社内メール・部署内の連絡
  • 学校・クラス・ゼミの連絡事項
  • イベント・勉強会などの参加者への事前案内

具体的には、次のようなイメージで使えます。

  • 教材は当日までに各自ダウンロードしておいてください。
  • 懇親会の会費は、各自会場でお支払いをお願いします。
  • 防災グッズは、各自で必要なものを準備しておきましょう。

このように、メンバー同士がある程度お互いを認識している前提の場面で「各自」は非常に使いやすい表現です。

各自の言葉の由来は?

各自の「自」は、もともと「鼻」を表す象形文字から成り立った漢字です。そこから、「自分自身」「おのれ」という意味が派生しました。

  • 自分、自身、我(われ)
  • 自ら、自己

「各(おのおの)」+「自(おのれ)」という組み合わせから、「それぞれ自分の責任で」「各自が自分で」というニュアンスが生まれていると考えられます。

ビジネス文書で「各自の責任において」などと書かれると、「自分のことは自分で責任を持つ」という意味合いがより強調されると感じる方も多いでしょう。

各自の類語・同義語や対義語

各自の類語は、各人とかなり重なりますが、あらためて整理すると次のようになります。

各自の類語・言い換え

  • 各人(かくじん)
  • 各々(おのおの)
  • それぞれ
  • めいめい
  • 個々人

各自の対義的な表現

  • 一同で
  • 全員で
  • まとめて
  • 一括で
MEMO

「各自」の代わりに、やわらかい表現をしたい場合は「それぞれ」などへの言い換えも有効です。言い換え表現の考え方自体に興味がある方は、似たテーマを扱っている「通常どうり」と「通常どおり」の違いと意味も眺めてみると、ニュアンスの捉え方の参考になります。

各人の正しい使い方を詳しく

ここからは、各人を実際の文章でどう使うかに焦点を当てます。例文や言い換え、注意点を押さえることで、より自然で読みやすい日本語に近づけていきましょう。

各人の例文5選

まずは、ビジネスシーンや日常で使いやすい各人の例文を挙げます。

  1. 本プロジェクトの成果は、各人の努力と工夫の積み重ねによるものです。
  2. 目標設定は、各人のキャリアプランに合わせて柔軟に決めましょう。
  3. 提出物の締め切りは、各人が責任を持って守ってください。
  4. 研修の受け方は、各人の学習スタイルに合わせて工夫して構いません。
  5. アンケートでは、各人の率直なご意見をお聞かせください。

各人の言い換え可能なフレーズ

各人ばかり連発すると文章が硬くなりがちです。状況に応じて、次のような言い換えを使うと、読みやすい文章になります。

  • 各人の判断で → それぞれの判断で/個々人の判断で
  • 各人の責任において → それぞれの自己責任で/各自の責任で
  • 各人の状況に応じて → 人それぞれの状況に応じて
  • 各人が持参する → 参加者各自で持参する/一人一人に持参していただく

「やわらかくしたい」「口語的にしたい」といったときには、「それぞれ」「人それぞれ」などの表現が使いやすいです。

各人の正しい使い方のポイント

各人を自然に使いこなすためのポイントを整理しておきます。

  • 対象が不特定多数に広がる場合に使うとしっくりくる
  • ややかたい文語寄りの表現なので、メールのトーンに合わせて使う
  • 目上の人に対してストレートに使うより、「皆さま」などへの言い換えも検討
  • 「各人各様」など熟語として使う場合は、ことわざ的なニュアンスになる
MEMO

「意味の違い」「語源」「使い方」「英語表現」をバランスよく押さえることで、似た言葉を整理するコツが身につきます。この点に興味がある方は、同じように違いを比較している「依頼」と「要請」の違いと意味・使い方・例文も一緒に読むと理解が深まります。

各人の間違いやすい表現

各人に関してよくある誤解・誤用には、次のようなものがあります。

  • 「各人様」のように、「各人」と敬称「様」を二重に重ねる表現
  • 「各人々」など、「各」と「々」が重複した二重表現
  • 極端にかしこまった文脈で「各人」を使い、かえって不自然な印象になるケース
POINT

敬語にしたい場合は、「各人様」ではなく「皆さま」「お一人お一人」「各位」などに言い換えた方が自然です。

CAUTIONT

ビジネスや法務に関わる記述では、「この説明は一般的な日本語表現の目安であり、正確な情報は公式サイトをご確認ください」などと注記を添えることもあります。重要な契約文書や規約の文言を決める場合は、最終的な判断は専門家にご相談ください。

各自を正しく使うために

ここからは、各自にフォーカスして使い方や例文、よくある誤用を見ていきます。社内メールで非常によく登場する表現なので、このパートを押さえておくと実務のコミュニケーションがスムーズになります。

各自の例文5選

ビジネスや日常でそのまま使える各自の例文をいくつか紹介します。

  1. 当日は、各自最寄り駅から会場までお越しください。
  2. 筆記用具は、各自でご用意をお願いいたします。
  3. 資料の印刷は、各自で必要部数を準備してください。
  4. オンライン会議への接続テストは、事前に各自で済ませておきましょう。
  5. 会議の議事録は、担当者が書いたうえで、内容の確認を各自行ってください。

各自を言い換えてみると

各自も多用しすぎると文章が堅くなりがちです。状況に応じて、次のような表現に言い換えることができます。

  • 各自でご用意ください → それぞれご用意ください/ご自身でご準備ください
  • 各自の責任で → 自己責任で/それぞれの責任において
  • 各自ご確認ください → お一人お一人ご確認ください/それぞれ内容をご確認ください
MEMO

表記や言い換えの発想は、他の言葉でも共通しています。たとえば「できる/出来る」など表記ゆれがある語の違いを整理している「できる」と「出来る」の違いと意味・使い方や例文を読むと、「文脈に応じて最適な表現を選ぶ」考え方がつかみやすくなります。

各自を正しく使う方法

各自を正しく、自然に使うためのポイントは次のとおりです。

  • 対象が「社内のメンバー」「参加予定者」など、ある程度限定されているかを意識する
  • 命令口調にならないよう、「お願いします」「お願いいたします」などと組み合わせる
  • 責任の所在を強く打ち出しすぎないよう、文脈全体のトーンに注意する
  • 目上の人だけが対象の場合は、「各自」よりも「皆さま」「ご自身で」などに言い換えた方が無難な場合もある

各自の間違った使い方

各自で特に気をつけたい誤用ポイントを挙げておきます。

  • 敬称と二重に重ねる「各自様」などの不自然な表現
  • 対象が不特定多数なのに「各自」を使い、範囲が狭く感じられてしまうケース
  • 責任を丸投げしているように読める文脈(例:「トラブル時は各自で対応してください」など)
CAUTIONT

特に、トラブル対応や安全に関わる場面では、「各自で何とかしてください」という印象を与えるとリスクが高まります。費用・安全・健康などクリティカルなテーマでは、「あくまで一般的な目安」であることを前提に、正確な情報は公式サイトをご確認くださいと明記したり、最終的な判断は専門家にご相談くださいと添えておくことが望ましいです。

まとめ:各人と各自の違いと意味・使い方の例文

最後に、この記事で押さえてきた「各人」と「各自」の違いと使い方をまとめます。

  • 意味そのものはほぼ同じで、どちらも「一人一人」「それぞれの人」を表す。
  • 各人は、不特定多数を含む広い対象にも使える、汎用的でややかたい表現。
  • 各自は、会社・学校・部署など、特定の集団のメンバーに対して使われることが多い。
  • 類義語として「各々」「それぞれ」「個々人」、敬語的な言い換えとして「各位」「皆さま」「お一人お一人」などがある。
  • 英語では、多くの場合「each person」「each」「individually」「on your own」などで表現できる。

実務上は、対象が社内メンバーなら各自、広く一般に向けるなら各人という軸を意識しておけば、ほとんどの場面で迷わず使い分けができるようになります。

もちろん、言葉の選び方は文脈や相手との関係性によっても変わるため、本記事で紹介した内容はあくまで一般的な目安です。重要な契約文書や公的文書の表現を決める際には、正確な情報は公式サイトをご確認ください。また、文面の法的な妥当性やリスク判断については、最終的な判断は専門家にご相談ください。

「各人」と「各自」の違いを整理しておくと、他の似た表現の違いも理解しやすくなります。日々のビジネス文書やメールの中で少しずつ意識して使っていくことで、読み手にとって伝わりやすく、誤解の少ないコミュニケーションに近づいていきます。

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