
「企画や計画と立案の違いや意味がよく分からない」「企画と計画の違いをビジネスで正しく使い分けたい」「企画と立案の違いが曖昧で企画立案という言葉のニュアンスも自信がない」そんなモヤモヤを抱えたまま、会議で企画書や事業計画書を前にすると、言葉の選び方一つで不安になってしまいます。
実務では、企画会議や経営計画、プロジェクトの立案といった場面で、企画と計画と立案の違いや意味をきちんと押さえておくことが求められます。さらに、企画と計画の違いを英語にするとどう表現すべきか、企画立案の意味や使い方、企画と立案の違いを踏まえたビジネスメールの書き方、履歴書や職務経歴書における言い回しなど、意外と細かいポイントで悩みがちです。
そこでこの記事では、企画と計画と立案の違いや意味を、辞書的な定義だけでなく、実務での使い分けや英語表現、類義語や対義語、言い換え表現、具体的な使い方と例文まで整理して解説します。企画立案の流れの中でそれぞれの言葉がどの段階を指すのかも併せて押さえることで、会議や資料作成の場面でも迷わない土台をつくっていきましょう。
- 企画と計画と立案の意味と役割の違い
- ビジネスシーンでの企画と計画と立案の使い分け方
- 企画・計画・立案それぞれの語源や類義語・対義語と英語表現
- 実務でそのまま使える企画・計画・立案の例文と言い換え表現
目次
企画と計画と立案の違い
まずは全体像として、企画・計画・立案がそれぞれどんな役割を持つ言葉なのかを整理します。このセクションでは、意味の違い・使い分け・英語表現の三つの観点から「プロジェクトのどの段階を指しているのか」をイメージできるようにしていきます。
結論:企画と計画と立案の意味の違い
私が実務で使い分けるときの感覚も含めて、三つの言葉の違いを一言でまとめると次のようになります。
| 言葉 | ざっくりした意味 | イメージ |
|---|---|---|
| 企画 | 「何を・なぜ行うのか」という構想やコンセプトを考えること | 新しいアイデアや施策の種をつくる段階 |
| 計画 | 企画を実現するために「いつ・誰が・どうやって」進めるかを具体化すること | スケジュールや手順・体制を組み立てる段階 |
| 立案 | 企画や方針を前提に、案としてまとめ上げ、提案できる形にすること | 説得力のある案・計画書として仕上げる段階 |
ざっくり言えば、企画は「発想と構想」・計画は「実行の設計」・立案は「案としてまとめる作業」という分担です。実務上は重なり合う部分も多いのですが、頭の中で役割を分けておくと、チーム内でのコミュニケーションがぐっとスムーズになります。
- 企画=目的とコンセプトを考える
- 計画=実行の手順とスケジュールを組む
- 立案=案として文書や図表に落とし込む
企画と計画と立案の使い分けの違い
現場のニュアンスでいうと、三つの言葉は次のように使い分けると自然です。
- 新規事業やイベントなど「そもそも何をやるか」を考える場面では「企画」
- 決まった企画をどう実行するか段取りを決める場面では「計画」
- 上司やクライアントに提案するための案や資料をまとめる場面では「立案」
例えば、社内で新しいキャンペーンを行う場合、私なら次のように表現します。
- まずはキャンペーンのコンセプトやターゲットを考える=「キャンペーンの企画を練る」
- 次に、実施期間・担当者・予算・メディアを決める=「実施計画を立てる」
- 最後に、これらを資料や企画書にまとめて役員に出す=「キャンペーン案を立案する」
このように、三つの言葉はプロジェクトの流れの中で連続したプロセスとしてつながっていると考えると、使い分けが一気に整理されます。
企画と計画と立案の英語表現の違い
英語にするときも、ニュアンスの違いを意識しておくと便利です。完全に一対一で対応するわけではありませんが、実務でよく使うのは次のような表現です。
| 日本語 | 主な英語表現 | 補足 |
|---|---|---|
| 企画 | planning / project planning / concept development | 「企画書」はproject proposalやproposal documentなど |
| 計画 | plan / schedule / roadmap | 事業計画はbusiness plan、学習計画はstudy planなど |
| 立案 | formulate a plan / draw up a plan / development of a proposal | 「立案する」という動作を強調するならformulateやdraw upを使う |
特にビジネスメールで「企画の立案」と書きたいときは、planning and formulation of a proposalやplanning and development of a planのように、少し長めの表現でニュアンスを補ってあげると伝わりやすくなります。
企画の意味
ここからは、三つの言葉を一つずつ掘り下げていきます。まずは「企画」から、意味・使う場面・語源・類義語や対義語まで順に整理していきましょう。
企画とは?意味や定義
一般的に「企画」といった場合、物事を行うために「何を・なぜ行うのか」を考え、その構想をまとめることを指します。新しいイベントや商品、制度などについて、目的・ターゲット・コンセプト・大まかな内容を組み立てるイメージです。
辞書的な定義では「もくろみを立てること」「計画を立てること」といった説明がされますが、実務の肌感覚としては、既存の枠を少し超えた発想をしながら、実現可能性もある程度見据えた構想を形にするプロセスだと考えています。
そのため、「単なる思いつき」や「まだ言語化されていないアイデア」は企画ではなく、ある程度は目的や背景、ターゲットや方向性まで整理されて初めて「企画」と呼べる段階に入ります。
企画はどんな時に使用する?
「企画」を使う場面は、主に次のようなケースです。
- 新商品の企画、サービス企画、イベント企画など新しい取り組みを考えるとき
- 既存施策を見直し、新しい切り口やコンセプトを考えるとき
- キャンペーンやプロモーションの方向性を決めるとき
- 社内制度や研修プログラムを一から考えるとき
ビジネス文書では、「企画書」「企画案」「企画会議」「企画提案」などの形でよく使われます。私自身は、「ゼロから一をつくる」発想を伴う取り組みにはなるべく「企画」という言葉を使い、既に決まっている方針を具体化する段階では「計画」や「案」という言葉に切り替えるようにしています。
企画の語源は?
「企画」という熟語は、「企」と「画」という二つの漢字から成り立っています。
- 企:くわだてる、たくらむ、立ち上がる
- 画:えがく、計画を描く、区切りをつける
「企」には「何かをしようと立ち上がる」というニュアンスがあり、「画」には「筋道を描く」「枠組みをつくる」という意味があります。これらを組み合わせた企画には、新しい取り組みの構想を描いてくわだてるというイメージが込められていると理解すると、言葉の印象がぐっとつかみやすくなります。
- 企は「くわだてる」イメージ
- 画は「筋道や枠組みを描く」イメージ
- 企画=新しい構想を描いてくわだてること
企画の類義語と対義語は?
企画と近いニュアンスを持つ類義語としては、次のような言葉が挙げられます。
- 構想
- 案(プラン)
- プログラム
- プロジェクト
- 企て
一方、企画の対義語といえるものは少し想像が必要ですが、実務で対比して考えやすいのは次のような言葉です。
- 現状維持
- 惰性
- 行き当たりばったり
企画とは、現状から一歩踏み出して「何かを変える」「新しい価値をつくる」ための構想です。ですから、現状維持のまま何も考えない状態や、行き当たりばったりで場当たり的に動くやり方が、企画の対極にある姿だと捉えると分かりやすいと思います。
計画の意味
次に、「計画」という言葉を掘り下げていきます。計画は企画とセットで語られることが多いですが、役割ははっきりと異なります。
計画とは何か?
「計画」は、目的を達成するために、具体的な手順・スケジュール・配分などをあらかじめ定めることを意味します。企画で定めた方向性をもとに、「いつ・どの順番で・どのくらいのリソースで」進めるのかを細かく設計する段階です。
計という漢字には「はかる」「数える」という意味があり、計画には「量と時間を数字で見積もる」ニュアンスが色濃く含まれます。そのため、ビジネスでは「数値目標」「予算」「工数」などとセットで語られやすい言葉です。
計画を使うシチュエーションは?
「計画」は、次のような場面で頻繁に使われます。
- 中期経営計画・事業計画・販売計画など会社全体の方向性と数字を定めるとき
- プロジェクトの実行スケジュールや担当者を具体的に割り振るとき
- 学習計画・資金計画・人生計画など、長期的な目標に向けて段階を区切るとき
- 避難計画・防災計画のように、安全を確保するための手順を事前に定めるとき
ここでポイントになるのは、計画には「実行を前提とした具体性」と「順序や優先順位」が求められるということです。単に「こうなったらいいな」という願望ではなく、「いつまでに何をどの順番で行うか」が明確になって初めて、計画と呼ぶことができます。
計画の言葉の由来は?
「計画」は、「計」と「画」から成る熟語です。
- 計:はかる、予測する、数値化する
- 画:区切る、線を引く、枠組みをつくる
二つを合わせると、「物事を数値や時間で見積もり、区切りをつけて整理する」というイメージになります。これが、具体的なスケジュール表やガントチャートといった形で可視化されると、仕事上の計画として扱いやすくなるわけです。
計画の類語・同義語や対義語
計画に近い類語としては、次のような言葉があります。
- プラン
- スケジュール
- 設計
- ロードマップ
- 工程表
一方、対義語としてイメージしやすいのは、次のような状態です。
- 無計画
- 場当たり的
- 行き当たりばったり
企画の対義語と同様に、計画を立てること自体が「準備」と「見通し」を意味するため、それがない状態は「準備不足」「先を見通していない状態」として理解すると納得しやすいと思います。
立案の意味
最後に、「立案」という言葉を見ていきます。企画や計画と比べると、ややかしこまった印象のある言葉ですが、公的文書や社内文書ではよく登場します。
立案の意味を解説
「立案」は、案を立てること、ある目的のための具体的な案や計画をまとめ上げることを指します。ここで重要なのは、「案として提示できる形にする」というところです。
すでにある程度の企画や方針が決まっている前提で、選択肢を比較しながら、最終的に採用したい案を組み立てていくプロセスが「立案」です。そのため、「政策立案」「制度立案」「企画立案」など、意思決定に関わる場面でよく使われます。
立案はどんな時に使用する?
立案という言葉は、次のようなシチュエーションで使われることが多いです。
- 新しい法律や制度の内容を検討し、案をまとめるとき(政策立案)
- 中期経営計画の素案をつくり、役員会に諮るとき
- 新商品の価格戦略や販促施策を、パターン別の案としてまとめるとき
- 安全対策や危機管理のための対応案を整理するとき
よりフォーマルな場面や、公的な決定に関わる文書では「策定」「制定」「施行」などの言葉とセットで登場することもあります。こうした言葉の違いについては、策定・制定・施行の違いをまとめた記事で詳しく整理していますので、あわせて確認してみてください。
立案の語源・由来は?
「立案」は、その字の通り「案を立てる」という意味ですが、二つの漢字に分けてイメージすると理解しやすくなります。
- 立:立てる、成り立たせる、成立させる
- 案:考え、計画、提案内容
つまり立案とは、「案を成り立たせる」=採用に耐えうる形まで案を練り上げる行為だと言えます。頭の中の思いつきやラフな企画ではなく、「これを正式な案として出します」と言える水準までまとめていくイメージです。
- 立案=熟考した案を成立させるプロセス
- 選択肢を比較し、最適案を絞り込むニュアンスが強い
- フォーマルな文書・公的な意思決定の場面で頻出
立案の類義語と対義語は?
立案と近い意味合いの類義語には、次のようなものがあります。
- 策定
- 案出(あんしゅつ)
- 構想(案としてまとめる段階)
- プランニング
- 設計(案としての設計)
対義語にあたる直接的な熟語はあまりありませんが、文脈によっては次のような表現が「立案していない」状態として対比されます。
- 無策
- ノープラン
- 検討不足
立案という言葉には、ある程度時間をかけて検討し、責任を持って提案できるレベルまで案を磨き上げるというニュアンスがあります。その意味で、「十分な検討を経ない場当たりの案」は、立案とは呼びにくいと言えるでしょう。
企画の正しい使い方を詳しく
ここからは、実際の文章や会話の中で「企画」をどのように使えばよいか、例文や言い換え表現を通じて具体的に見ていきます。
企画の例文5選
まずは、実務ですぐに使える「企画」の例文を挙げます。
- 新入社員向けのオンライン研修を企画しています。
- 若年層をターゲットにした新商品の企画が立ち上がりました。
- 地域の商店街活性化を目的としたイベント企画を提案したいと考えています。
- 次期キャンペーンの企画案を三つほど準備しました。
- ユーザーインタビューの結果を踏まえて、サービス改善の企画を練り直します。
これらの例文では、「新しい取り組み」「方向性・コンセプト」「案としてのまとまり」といった企画の特徴が表れています。
企画の言い換え可能なフレーズ
同じ文脈でも、文章のトーンや受け手との関係によっては、企画を別の言葉に言い換えた方が自然な場合もあります。
- 企画を練る → プランを練る/構想をまとめる
- 企画会議 → プロジェクトの方向性検討会議
- 企画案 → 提案内容/プラン案/コンセプト案
- 企画力 → 発想力と構想力/プランニング能力
特に就職活動や転職活動の自己PRでは、「企画力があります」だけだと抽象的になりがちです。「市場調査からコンセプトを組み立てて施策に落とし込む企画力」のように、企画のどの部分が得意なのかを具体的に付け加えると、伝わり方が大きく変わります。
企画の正しい使い方のポイント
企画という言葉を使うとき、私が意識しているポイントは次の三つです。
- 「何のための企画か」を一言で説明できるようにする
- ターゲットや目的があいまいなものは「企画」ではなく「思いつき」と自覚する
- 企画と計画をごちゃまぜにせず、「方向性」と「実行手順」を分けて考える
特に、「企画」の段階で細かいスケジュールや数字まで決め込もうとすると、本来の目的やコンセプトがぼやけてしまうことがあります。企画段階では「何を・なぜ」をしっかり固め、細部の詰めは計画の段階に回すという意識が、大きなプロジェクトほど重要になります。
企画の間違いやすい表現
一方で、企画という言葉は便利なぶん、次のような使い方をすると誤解を招くことがあります。
- 単なる飲み会や雑談の場を「企画」と言い張る
- ほとんど内容が決まっていない段階で「企画書」と呼んでしまう
- 既に決まっているルーティン業務の調整まで「企画」と呼んでしまう
もちろんカジュアルな会話であれば問題ないことも多いのですが、ビジネスでは「企画」という言葉に一定の期待値が乗ると考えておいた方が安全です。内容がシンプルな場合は、「段取り」「調整」「手配」など、より実態に近い言葉を選んだ方が誠実に伝わる場面もあります。
計画を正しく使うために
続いて、「計画」の実務的な使い方を見ていきます。計画は、数字やスケジュールと切り離せない言葉です。
計画の例文5選
代表的な「計画」の例文を挙げてみます。
- 来年度の売上目標と投資計画を役員会で承認しました。
- 家族旅行の計画を立てる前に、予算の上限を決めておきましょう。
- 資格試験までの学習計画を週単位で整理しました。
- 新システム導入の移行計画を詳細に詰めています。
- 非常時の避難計画は、定期的に見直す必要があります。
これらの例文からも分かるように、計画は「やることが決まっている前提で、それをどう進めるかを定める言葉」です。
計画を言い換えてみると
計画という言葉も、文脈によってより具体的な表現に言い換えた方が分かりやすくなることがあります。
- 計画を立てる → スケジュールを組む/工程を設計する
- 計画どおりに進める → スケジュールどおりに進行させる
- 計画を見直す → 進行状況を踏まえてプランを修正する
- 計画段階 → 詳細設計の段階/実施前の準備段階
特に、プロジェクトマネジメントの文脈では、「計画」だけだと抽象的に感じる場合が多いので、「リソース計画」「スケジュール計画」「テスト計画」のように、何の計画なのかを明示してあげると親切です。
計画を正しく使う方法
計画という言葉を使うとき、私が意識しているのは次の二点です。
- 「計画=変えてはいけないもの」ではなく「状況に応じて見直す前提の設計図」として扱う
- 計画の中に「何を捨てるか」「何を優先するか」も明示しておく
計画は一度作ったら終わりではなく、実行しながら改善していくものです。特に長期の事業計画や学習計画は、環境の変化や自分の成長に合わせて柔軟に見直せるよう、「余白」を残しておくことが現実的な運用につながります。
計画の間違った使い方
一方で、「計画」という言葉の扱い方を間違えると、チームの信頼を損ねてしまうこともあります。例えば次のようなケースです。
- 根拠のない楽観的な数字だけを並べて「計画」と呼ぶ
- リソースや制約条件を考えずに、理想だけを詰め込んだ計画にする
- 状況が変わっても計画を見直さず、「計画どおり」を絶対視する
こうした状態は、実務的には「計画」ではなく「願望表」になってしまいます。計画は「達成可能性」と「現実感」を伴って初めて意味を持つので、数字やスケジュールに根拠があるかどうかを自問しながら立てることが大切です。
立案の正しい使い方を解説
最後に、「立案」という言葉の具体的な使い方と、言い換えや注意点を整理していきます。
立案の例文5選
立案はややフォーマルな言い回しなので、ビジネス文書や公的な文章で使われることが多いです。
- 新たな人事制度の立案を人事部に依頼しました。
- 地域防災計画の見直しと新たな対策案の立案が急務となっています。
- 次期中期経営計画の骨子案を立案し、取締役会で審議します。
- 複数のシナリオを比較検討したうえで、最適な投資計画を立案しました。
- 若手メンバー中心で新サービスの企画立案プロジェクトを立ち上げました。
これらの例文に共通しているのは、立案が「案の内容に責任を持つ行為」として扱われている点です。
立案を別の言葉で言い換えると
立案は少しかたい表現なので、状況によっては次のような言葉に言い換えると自然です。
- ~を立案する → ~の案をまとめる/~のプランを作成する
- 方針の立案 → 方針の策定/方針の決定に向けた案の作成
- 計画立案 → 計画作成/プランニング
特に口頭の会話では、「立案」という言葉を多用するとやや堅苦しく聞こえることがあります。社外向けの文書や公的な報告書では「立案」、日常会話や社内チャットでは「案をまとめる」など柔らかい表現を使う、といった切り替えも有効です。
立案を正しく使うポイント
立案という言葉を使うときに意識しておきたいポイントは、次の三つです。
- 「立案=案の責任を持つ行為」であることを踏まえて使う
- 複数案を比較検討したうえでの「最終案」に近いニュアンスがあることを意識する
- 政策や制度など、影響範囲の大きい内容には慎重な検討プロセスを伴わせる
特に、法律・制度・安全対策など、人の生活や財産に影響を与えるテーマの立案では、専門家の知見や公式情報を踏まえて慎重に進めることが欠かせません。この記事で紹介する内容は一般的な目安であり、最終的な判断や詳細な要件は、必ず関連分野の専門家や公式資料を確認してください。
立案と誤使用しやすい表現
立案は便利な言葉ですが、次のような使い方をすると誤解を招きやすくなります。
- 単にアイデアを出しただけなのに「立案」と言ってしまう
- まだ方向性も固まっていない段階で「制度立案」と表現してしまう
- 他人の案をそのまま引用しただけなのに「自分が立案した」と言ってしまう
立案には、「自ら検討して案を組み立てた」というニュアンスが伴います。そのため、実際には主体的に関わっていないのに「立案」という言葉を使うと、経験や役割を誇張した表現になりかねない点には注意が必要です。
まとめ:企画と計画と立案の違いと意味・使い方の例文
最後に、この記事で整理してきた内容をコンパクトに振り返ります。
- 企画=目的やコンセプトを考える「構想」の段階
- 計画=企画を実行するための手順やスケジュールを決める「設計」の段階
- 立案=採用に耐えうる案としてまとめ上げる「提案」の段階
三つの言葉はどれが偉い・どれが上という関係ではなく、プロジェクトを前に進めるための役割分担です。企画で方向性を定め、計画で実行の見通しを立て、立案で関係者に伝わる形にまとめる。この流れを意識するだけでも、会議や資料作成での言葉選びがぐっと安定してきます。
また、同じように紛らわしい日本語の違いとして、「草案・素案・原案」や「順序・順番・手順」などもあります。これらの違いを押さえておくと、文章全体の精度がさらに高まりますので、必要に応じて草案・素案・原案の違いや順序・順番・手順の違いもあわせて確認してみてください。
企画・計画・立案の違いや意味を押さえたうえで、実際の仕事や学習の場面で少しずつ使い分けを意識してみてください。言葉の精度が上がると、思考の精度も自然と磨かれていきます。

