【後出】と【後掲】の違いとは?意味・使い分け・例文を完全解説
【後出】と【後掲】の違いとは?意味・使い分け・例文を完全解説

「後出」と「後掲」はどちらも、文章の中で“このあとに出てくる内容”を指すときに使われる言葉です。ただ、いざ使おうとすると、意味の違いはあるのか、読み方は何か、後述や前出・前掲との違いはどう整理すればよいのか、迷う方が少なくありません。

特に、レポート、論文、契約書、社内資料、ビジネス文書では、似た表現をなんとなく選ぶと文体の硬さや自然さに差が出ます。後出と後掲の違いや意味を正しく理解しておくと、語源、類義語、対義語、言い換え、英語表現、使い方、例文まで一気につながって理解しやすくなります。

この記事では、後出と後掲の違いを結論から整理したうえで、それぞれの意味、使い分け、読み方、語源、類義語・対義語、言い換え表現、英語での言い方、自然な例文まで丁寧に解説します。読み終えるころには、「この場面は後出」「この文脈なら後掲」と迷わず選べるようになります。

  1. 後出と後掲の意味の違いを一文で整理できる
  2. 文書・論文・実務での使い分けの基準がわかる
  3. 語源・類義語・対義語・英語表現までまとめて理解できる
  4. 例文を通して正しい使い方と誤用を防げる

後出と後掲の違いを最初に整理

まずは全体像から押さえましょう。後出と後掲は辞書上かなり近い意味を持つ言葉ですが、使われやすい文脈と語感には差があります。ここでは、意味・使い分け・英語表現の3点から、混同しやすいポイントを整理します。

結論:後出と後掲の意味の違い

結論から言うと、後出は「その箇所より後に出てくるもの」を比較的広く指す言葉で、後掲は「その箇所より後に掲げて記すこと・その記述」を指す、やや文語的で硬い表現です。辞書でも、後出は「文章で、それより後に示してあること。また、そのもの。後掲。」、後掲は「文章で、その箇所よりも後に書き記されること。また、その記述。」とされており、意味は非常に近接しています。

後出と後掲の基本的な違い
語句 基本の意味 ニュアンス 向いている場面
後出 このあとに出てくること・もの 広め・中立的 資料、注記、本文参照、学術文書
後掲 このあとに掲げて記すこと・記述 やや硬い・文語的 論文、法務文書、規程、かための資料
  • 意味の中心はどちらも「このあとに示される内容」
  • 違いは意味そのものより、文体の硬さと表現の選ばれ方にある
  • 迷ったら中立的な後出、硬い文章なら後掲と考えると整理しやすい

後出と後掲の使い分けの違い

実際の使い分けでは、後出は「後で出てくる項目を参照させるラベル」として使いやすく、後掲は「後に掲げた記述・表・図・条文」を指す硬めの語として使われやすいのが特徴です。

たとえば、「後出資料」「後出の表現」のように名詞を受けて使うなら後出は自然です。一方で、「後掲の図」「後掲の別表」「後掲条文」のように、あとに掲げる具体的な記載物を指すなら後掲のほうがしっくりくることがあります。

私は、文体がやわらかい説明記事や一般向け資料では後出を、法律・会計・規程・論文調の文章では後掲を選ぶと読み手に違和感が出にくいと考えています。

後出と後掲の使い分けの目安
観点 後出 後掲
文体 中立的 硬め・文語的
対象 後で出る語句・資料・人物・事項など広い 後に掲げる記述・表・図・条項など
読み手の印象 比較的わかりやすい やや専門的
おすすめ場面 一般文書・解説文 規程・論文・公的文書
  • 日常会話で後出・後掲を使う場面は多くない
  • 一般の読者向け文章では、後述・以下・のちほど・別表参照のほうが親切な場合もある
  • 意味差が大きい言葉ではないため、文体との相性で選ぶ視点が大切

後出と後掲の英語表現の違い

後出も後掲も、日本語の参照ラベルに近い語なので、英語では一語でぴったり置き換えるより、文脈に応じて言い換えるのが自然です。

代表的には、later-mentionedgiven belowshown laterset out belowas described later などが使えます。特に後掲は「掲げて記す」という硬めの語感があるため、契約書や規程では set out belowstated below が相性のよい表現です。

後出・後掲に対応しやすい英語表現
日本語 英語表現 使いどころ
後出の資料 the material mentioned later 一般的な説明文
後出の例 the example shown later 解説記事・教材
後掲の表 the table set out below 契約書・規程・論文
詳細は後掲する Details are given below. 幅広く使える
  • 英語では「後出」「後掲」を無理に一語で固定しないほうが自然
  • 文章の硬さを出したいなら set out below が便利
  • 一般文書なら given below や described later が読みやすい

後出とは何かを詳しく解説

ここからは、まず後出の意味と使い方を個別に見ていきます。後出は辞書上も確立した語ですが、日常会話よりも文章・資料・学術的な文脈で出会いやすい表現です。読み方や使いどころまで含めて整理しておくと、前出との対比も理解しやすくなります。

後出の意味や定義

後出は「こうしゅつ」と読み、文章で、それより後に示してあること。また、そのものを指します。対義的に対応するのは「前出」で、すでに前に出ているものを指す語です。

この言葉のポイントは、「あとに出る内容」を位置関係として示している点です。つまり、内容の良し悪しや重要度ではなく、文章内での登場位置を示す語だと考えるとわかりやすくなります。

たとえば、参考文献一覧、注釈、巻末資料、表や図の参照などで「後出資料」「後出の図表」といった使い方ができます。人名や事項にかかることもあり、比較的守備範囲の広い語です。

後出はどんな時に使用する?

後出は、主に次のような場面で使います。

  • 本文のあとに出てくる資料や説明を指すとき
  • 同じ文書の後半に登場する人物・項目を先に示したいとき
  • 脚注・注記・参考文献などで参照先が後ろにあるとき
  • 前出との対比で、登場位置を正確に整理したいとき

たとえば論文では、「後出資料に見られるように」「後出の例で確認するように」といった形で使うと、同一文書内の前後関係がはっきりします。一般向けの文章では少し硬く感じられることもありますが、整理された印象を与えたいときには有効です。

後出の語源は?

後出は、漢字のとおり「後」と「出」から成る語です。「後」は時間や位置のうしろを表し、「出」は現れる・出てくることを表します。つまり、語源的にはあとで出てくることをそのまま表した、非常にわかりやすい構造の語です。

同系統の語としては、前出・初出・既出などがあります。これらはいずれも、文章や情報の登場位置・登場回数に着目する言葉です。後出を覚えると、関連語の整理もしやすくなります。

  • 後出は「位置関係」を示す語
  • 語源は漢字の意味どおりで覚えやすい
  • 前出・既出・初出とセットで覚えると定着しやすい

後出の類義語と対義語は?

後出の類義語には、文脈によって「後掲」「後述」「以下」「のちほど示す」「後半で述べる」などがあります。ただし、完全に同じではありません。後述は“述べる内容”に寄り、後掲は“掲げて記す”という硬い文体に寄ります。

対義語として最も基本なのは「前出」です。前に出ているものを指す語で、後出とセットで使われます。辞書でも後出の反対側に前出が位置づけられます。

後出の類義語・対義語
分類 語句 ニュアンス
類義語 後掲 より硬く、記載物を指しやすい
類義語 後述 説明・叙述に焦点がある
類義語 以下 直下の情報を示しやすい
対義語 前出 前に出ているもの

関連表現との違いも知っておくと、文書表現の精度が上がります。たとえば、硬い参照表現との違いが気になる方は、「上記」と「掲記」の違いを解説した記事もあわせて読むと整理しやすいです。

後掲とは何かを詳しく解説

次に後掲です。後掲は後出とほぼ同義として扱われることもありますが、漢字の印象どおり「掲げて記す」という硬い語感があります。そのため、一般文よりも論文・契約・規程・公的文書で見かけやすい表現です。

後掲の意味を詳しく

後掲は「こうけい」と読み、文章で、その箇所よりも後に書き記されること。また、その記述を意味します。対義語は「前掲」です。

後出との大きな違いは、辞書上の意味差というよりも「掲」の字が持つ書記的・文語的な印象です。「掲げる」は、人目につくように示す、記載して示す、という意味を持つため、後掲は単に“後で出る”よりも、“後に掲げて記す”感じが前に出ます。

そのため、後掲は特に、表・図・別紙・条項・付録など、記載物として明確に示す対象と相性がよい言葉です。

後掲を使うシチュエーションは?

後掲が自然に使われるのは、次のような場面です。

  • 契約書や規程で、別表・別紙・条文を参照するとき
  • 論文や報告書で、後ろに置いた図表・資料を示すとき
  • 公的文書や硬い社内文書で、簡潔かつ格式を持たせたいとき
  • 「前掲」と対にして前後の記載位置を明示したいとき

たとえば「詳細は後掲の別表を参照」「定義は後掲条文に示す」のような用法は、後掲の典型です。逆に、日常的なメールややわらかい案内文で使うと、少し堅苦しく感じられることがあります。

後掲の言葉の由来は?

後掲は「後」と「掲」から成る語です。「掲」は、かかげる・示す・記して見せるという意味を持ちます。したがって、語源的にはあとに掲げて示すことを表しています。後出よりも、見せる・記すという動きが明確に入っているのが特徴です。

このため、後掲は単なる位置関係だけでなく、「後ろの箇所に明示された記述」というニュアンスを帯びやすいのです。文章のトーンを引き締めたいときに、うまく機能する語だと言えます。

後掲の類語・同義語や対義語

後掲の類語・同義語としては、後出、後述、以下記載、別表参照、下掲などが文脈に応じて挙げられます。ただし、後掲はやや公的・文語的である点に注意が必要です。

対義語は「前掲」です。前に掲げて記したものを指し、論文や法務文書でよく見られる組み合わせです。前掲は辞書でも「その箇所よりも前に書き記されたこと。また、その記述」とされ、後掲と対応関係にあります。

後掲の類語・対義語
分類 語句 特徴
類語 後出 より中立的で広く使える
類語 後述 説明を後に回す印象が強い
類語 下掲 下に掲げる意識が強い表現
対義語 前掲 前に掲げた記述を指す

「掲」の字を使う表現の違いが気になる方は、「掲載」と「掲示」の違いを解説した記事も参考になります。掲げる・載せる・示すの感覚が整理しやすくなります。

後出の正しい使い方を詳しく

ここでは、後出を実際に文章の中でどう使えば自然なのかを具体例で確認します。辞書的な意味を知るだけでは使いこなしにくい言葉なので、例文・言い換え・注意点までセットで押さえるのが近道です。

後出の例文5選

まずは、自然な例文を5つ見てみましょう。

  • 本節で扱う用語の定義は、後出の資料一覧でまとめて確認できる
  • この人物については、後出の章で経歴を詳しく説明する
  • 後出の表を見ると、両者の差が数値で明確にわかる
  • 注番号3は、後出の参考文献と対応している
  • 前出の議論と後出の事例を対比すると、論点がはっきりする

これらの例文に共通しているのは、「あとで出てくる内容を今の位置から参照する」という使い方です。人物、資料、章、表、参考文献など、対象が比較的幅広い点も後出らしさです。

後出の言い換え可能なフレーズ

後出が少し硬すぎる、または読者に伝わりにくいと感じるときは、次のような言い換えが有効です。

  • 後述の
  • 以下の
  • のちほど示す
  • 後半で触れる
  • このあとに出てくる

ただし、「後述」は説明内容に寄り、「以下」は直下の情報に寄りやすいので、完全な置き換えではありません。特に、すぐ下ではなくかなり後ろにある場合は、「後述」や「第3章で詳述する」などのほうが親切です。

関連して、位置関係を示す語の違いが気になる方は、「以降」と「以後」の違いを整理した記事も読むと、前後関係を表す語の感覚がつかみやすくなります。

後出の正しい使い方のポイント

後出を自然に使うコツは3つあります。

  • 同一文書内で、あとに出る内容を指すときに使う
  • 対象が人物・事項・資料など広くても使える
  • 一般読者向けなら、必要に応じてより平易な語に言い換える

特に大切なのは、後出を使っただけで読者が参照先を見つけやすくなるわけではない、という点です。長い文書では「後出の第4章」「後出の別表2」のように場所を補ってあげると、ぐっと親切になります。

後出の間違いやすい表現

後出でありがちな誤りは、同一文書の外にあるものを指してしまうことです。たとえば、別のメールや別資料を「後出」と呼ぶのは不自然です。後出は、基本的に今読んでいる文章の中の前後関係を示す語だからです。

また、すぐ次の行に書いてある内容に対して毎回後出を使うと、やや大げさに感じられることもあります。その場合は「以下」「次の表」「次項」のほうが自然です。

  • 別の文書・別のメールを後出と呼ばない
  • 読者が探しにくい長文では、位置情報を補う
  • 直下の内容なら後出より以下・次の表が自然な場合がある

後掲を正しく使うために

後掲も意味は単純ですが、文体との相性を見極めることが重要です。ここでは、例文とともに「どんな文章なら自然か」「どこで硬すぎる印象になるか」を具体的に整理します。

後掲の例文5選

後掲の自然な例文を5つ挙げます。

  • 詳細な条件は、後掲の別表に定めるとおりとする
  • 調査方法については、後掲資料に一覧を付した
  • 数値の内訳は、後掲の図表を参照されたい
  • 対象範囲は後掲条文により確認できる
  • 本文で触れた事例は、後掲の付録で整理している

これらは、論文、規程、契約、報告書のような、やや硬い書き言葉で特に馴染みます。逆に、日常的な案内文で「後掲の表をご覧ください」と書くと、少しかしこまりすぎる印象になることがあります。

後掲を言い換えてみると

後掲の言い換えとして使いやすいのは、次のような表現です。

  • 後述の
  • 以下の
  • 下記の
  • 別表の
  • 後ほど示す

ただし、後掲は「掲げる」ニュアンスがあるため、単に会話内容を後で説明するなら「後述」、すぐ下に箇条書きが続くなら「以下」「下記」、表や図が中心なら「別表」「次の図」のほうが明快なことも多いです。

後掲を正しく使う方法

後掲を正しく使うには、次の3点を意識してください。

  • 表・図・条文・別紙など、記載物を指すときに使う
  • 論文・規程・契約など、硬めの文体と合わせる
  • 一般向けの文章では、必要に応じて平易な語へ置き換える

私は、後掲は「意味が難しい言葉」というより、「文体の温度感を間違えやすい言葉」だと考えています。文章が全体としてやわらかいなら、後掲だけが浮くことがあります。逆に、かたい公的文書の中ではとても収まりがよい表現です。

後掲の間違った使い方

後掲でよくある誤用は、内容が“掲げられていない”のに使ってしまうことです。たとえば、単にあとで口頭説明する予定の内容に「後掲する」は不自然です。後掲は、文章内で記して示すことが前提の言葉だからです。

また、一般メールで「後掲の件」とだけ書くと、相手によっては意味が伝わりにくい場合があります。社外向けでは「下記」「以下」「別紙記載の」など、より通じやすい語への調整も大切です。

  • 口頭説明だけの内容に後掲は使いにくい
  • やわらかいメール文に混ぜると堅苦しくなりやすい
  • 相手の理解を優先するなら平易な語への置き換えも有効

まとめ:後出と後掲の違いと意味・使い方の例文

後出と後掲は、どちらも「文章のあとに出てくる内容」を指す近い言葉です。ただし、後出はより広く中立的に使いやすく、後掲は「掲げて記す」という硬い語感があるため、論文・規程・契約書などの文脈で特に自然です。辞書でも両者は非常に近い意味の語として扱われています。

使い分けに迷ったら、まずは次の基準で考えてください。

  • 幅広い対象を中立的に指したいなら後出
  • 表・図・条文・別紙など、後に掲げる記載物を指したいなら後掲
  • やわらかい文章なら後述・以下・下記などへの言い換えも検討する

この3点を押さえるだけで、後出と後掲の違いはかなり明確になります。文章の前後関係を丁寧に示したいとき、そして読み手にとって自然な表現を選びたいときに、ぜひ使い分けてみてください。

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