
「もとい」と「改め」の違い、きちんと説明できますか。どちらも「言い直し」に見えるので、文章や会話で使うときに迷いやすい表現です。
特に「もとい(元い)の意味は?」「改めの意味は?」「使い分けはどうする?」「ビジネスでも使える?」「漢字表記は正しい?」といった疑問は、検索でもよく並びます。
この記事では、もといと改めの意味の違いを軸に、語源、類義語・対義語、言い換え、英語表現、使い方、すぐ使える例文まで、ひとつずつ整理します。読み終えるころには、文章でも会話でも“誤解の少ない言葉選び”ができるようになります。
- もといと改めの意味の違いと結論
- 場面別の使い分けと失敗しないコツ
- 語源・類義語・対義語・言い換え表現
- 英語表現とそのまま使える例文
もといと改めの違い
まずは結論から、もといと改めの「ズレやすいポイント」を短い言葉で整理します。ここが腹落ちすると、細かな説明も一気に理解しやすくなります。
結論:もといと改めの意味の違い
結論から言うと、私は次の一文で整理しています。
- もとい:さっき言った内容を訂正し、より正しい言い方に言い直す
- 改め:前の呼び名・立場・内容を新しいものに変える(改名・改称・仕切り直し)ことを示す
どちらも「前に出したものを、次の言葉で置き換える」点は同じです。ただ、もといは“誤りの修正”が主役、改めは“変更・改称”が主役になりやすい、という違いがあります。
そのため、同じ「A、もといB」「A改めB」の形でも、読み手が受け取るニュアンスは変わります。私が文章添削で一番よく見るミスは、訂正のつもりで改めを使ってしまうケースです。
もといと改めの使い分けの違い
使い分けの基準はシンプルで、“今この場での言い直し”か、“正式な変更”かです。
会話や文章の中で、言い間違い・言い過ぎ・数字の言い違いなどをその場で直すなら、基本はもといが自然です。たとえば「10名、もとい12名です」のように、前言を軽く取り消しつつ修正できます。
一方で改めは、名前・肩書・屋号などが変わったり、いったん区切って正式に言い直したりする場面で相性が良い表現です。特に「○○改め△△」は、襲名や改名など“変更の宣言”として定着しています。
- 改めは万能の「言い直し」ではなく、訂正よりも「変更・改称」のニュアンスが強い
- もといは会話寄りで軽快に見えることがあるため、公式文書では別表現(訂正して、修正して など)を選ぶのが無難
もといと改めの英語表現の違い
英語には「もとい」や「改め」と一語で完全一致する単語はありません。そこで私は、ニュアンスに合わせて次のように置き換えます。
- もとい(訂正の言い直し):rather / or rather / I mean / to be precise など
- 改め(改称・変更):formerly known as / renamed to / under the new name など
たとえば「A、もといB」は「A, or rather, B」「A, I mean B」のような補正表現が近く、「A改めB」は「A, renamed to B」「A, formerly known as ...」の枠組みが分かりやすいです。
もといとは?
ここからは、もといそのものを深掘りします。意味だけでなく、どんな空気で使われる言葉かまで押さえると、誤用が減ります。
もといの意味や定義
もといは、直前の発言・記述を取り消して、より適切な内容に言い直すときに使う表現です。「訂正して言い直す」「前言を撤回して正しい表現に置き換える」という働きが中心になります。
私の感覚では、もといには“硬すぎない丁寧さ”があり、会話でも文章でも使えます。ただし、使い方によっては少しユーモラスに響くことがあります。たとえば、わざと大げさに言ってから「もとい」と直すと、軽い冗談や自虐のニュアンスが出やすいです。
- もといは「訂正」の合図として便利だが、軽いノリになりやすい点もある
もといはどんな時に使用する?
もといが最も活躍するのは、その場での言い間違い・数字の誤り・表現の言い直しです。たとえば会議中に人数や金額を言い間違えたとき、「いまの発言は訂正します」と長く言うより、「もとい」を挟むだけでスムーズに修正できます。
一方で、契約書・規程・公式リリースのような厳密さが求められる文書では、もといよりも「訂正します」「修正します」「正しくは〜です」といった表現を選ぶほうが誤解が少ないです。最終的な表記や言い回しは、所属組織の文書ルールや公式なガイドラインをご確認ください。
もといの語源は?
もといは、漢字では「元い」と書くことがあります。意味としては「元に戻して言い直す」イメージが近く、発言をいったん“元に戻して”正しい形にし直す感覚とつながります。
ただし、実務ではひらがなの「もとい」表記が一般的で、読み手にも負担が少ないです。文章のトーンが硬い場合でも、ひらがなのほうが自然に馴染むことが多いと私は感じます。
もといの類義語と対義語は?
もといは「訂正」を担う表現なので、言い換えの候補は意外と多いです。逆に“対義語”は一語で取りにくく、文脈で反対の動きを作るのが現実的です。
類義語(言い換え)
- いや(口語的)
- 正しくは(文章・説明向き)
- 訂正して(フォーマル)
- 言い換えると(説明向き)
- ではなく(構文として強い)
対義語(反対の方向の言い回し)
- あえて言えば:「つまり」(言い直してまとめる)
- 説明を足す:「補足すると」(訂正ではなく追加)
もといの反対は「訂正しない」「そのまま通す」ですが、それを一語で言うより、文章上の動きとして整理するほうが実用的です。
改めとは?
次は改めです。もといと近い形で使われる一方、軸になるニュアンスが異なるため、ここを丁寧に押さえます。
改めの意味を詳しく
改めは、「改める(改める=直す・変える)」の連用形として使われ、前の名称・立場・内容を、新しいものに変えるニュアンスを持ちます。
特に有名なのが「○○改め△△」という型で、“旧名から新名へ”のように、変更の宣言や改称を示す働きが強いです。訂正というより、変更後の正式名称を提示する感覚に近いと私は捉えています。
改めを使うシチュエーションは?
改めは、次のような「区切り」や「正式さ」が欲しい場面で使われます。
- 改名・襲名・屋号の変更など、名称が変わるとき
- 組織改編や社名変更など、呼称を更新するとき
- 一度区切って、改めて正式に述べたいとき(改めて・改めまして と相性が良い)
なお、日常会話で「言い間違えたから改め」と言うと、少し硬く、場面によっては大げさに響きます。会話の訂正はもとい、名称や立場の変更は改めと覚えると迷いにくいです。
「改めて」「改めまして」の丁寧さの違いも気になる方は、別記事で整理しています。
改めの言葉の由来は?
改めは、動詞「改める」に由来します。改めるには「悪いところを直す」「内容を変える」「態度を改める」のように、広い意味がありますが、名詞的に「改め」を用いると、“変更の結果としての新しい呼び名・立場”を示すことが多くなります。
この“結果に焦点が当たる”点が、直前の誤りを直す「もとい」との大きな違いです。
改めの類語・同義語や対義語
改めは「変更・改称」の働きが中心なので、同じ方向の言葉も“改称・改名”寄りになります。
類語・同義語
- 改名(人名の変更)
- 改称(名称の変更)
- 新名称(結果の呼び名)
- 名称変更(事務的に明確)
対義語(反対の方向の言い回し)
- 旧称(以前の呼び名)
- 従来名(以前の名称)
- 現行のまま(変更しない)
ビジネス文書では、改めを使うより「名称変更」「旧称/新称」を明記したほうが誤解が少ない場合もあります。最終的には、公式発表や社内規程など一次情報を確認し、必要なら法務・総務など専門部署にご相談ください。
もといの正しい使い方を詳しく
ここでは、もといを「そのまま書いて使える」状態まで落とし込みます。例文と、言い換えの選択肢、間違えやすいポイントをまとめて押さえましょう。
もといの例文5選
私が実務・日常で使う頻度が高いパターンを、例文で5つ紹介します。
- 参加者は30名、もとい32名です
- この資料は来週の火曜、もとい水曜に提出します
- 売上は120万円…もとい、210万円でした
- 担当は佐藤さん、もとい鈴木さんです
- 彼は慎重…もとい、心配性なところがあります
数字・曜日・人名・形容の言い直しなど、訂正したい対象が何であっても、もといはスッと入ります。
もといの言い換え可能なフレーズ
もといは便利ですが、場面によっては別表現のほうが丁寧で安全です。私は、相手との距離感と媒体(会話/メール/公文書)で言い換えを選びます。
- 会話で柔らかく:いや、〜
- メールで丁寧に:正しくは〜です / 訂正して〜
- 誤解を減らす構文:AではなくB
- 説明の整理:言い換えると〜 / 厳密には〜
もといの正しい使い方のポイント
もといで失敗しないためのコツは、私は次の3つだと考えています。
- 訂正したい内容が直前にあること(距離が離れると読み手が迷う)
- 訂正の理由を足しすぎないこと(もとい自体が訂正の合図になる)
- 硬い文書では「正しくは」などに切り替える(媒体に合わせる)
特に文章では、もといの前後が長いと読み手が「何を訂正したのか」を見失います。短い単位で使うと、誤解が起きにくいです。
もといの間違いやすい表現
よくある間違いは、訂正ではなく“追加説明”なのに、もといでつないでしまうケースです。もといは撤回・訂正の空気が出るため、補足なら「ちなみに」「補足すると」のほうが自然です。
- 補足なのに「もとい」を使うと、前言を否定した印象になることがある
- 公式文書で多用すると、推敲不足に見える場合がある
改めを正しく使うために
改めは、正しくハマると文章が引き締まります。逆に、訂正のつもりで使うと違和感が出やすいので、シーン別に整理します。
改めの例文5選
改めが自然に機能する例を5つ挙げます。
- 本日より、山田太郎改め山田次郎として活動いたします
- 旧社名○○商事改め、新社名○○ホールディングスとなりました
- 屋号を花屋さくら改め花彩堂に変更いたします
- この件は、改めて正式な文書でご案内します
- 改めまして、担当の佐藤です。どうぞよろしくお願いいたします
1〜3は「改称・改名」、4〜5は「区切って丁寧に言い直す(改めて/改めまして)」の系統です。改め単体というより、周辺表現とセットで働くことが多いのが特徴です。
改めを言い換えてみると
改めを別表現にすると、意味がより明確になります。場面によっては、言い換えたほうが読み手の誤解が減ります。
- 改名・改称の意味なら:〜に名称変更しました / 新名称は〜です
- 仕切り直しなら:あらためて / 再度 / 追って
- 丁寧な切り出しなら:改めまして / あらためてご挨拶いたします
文書の種類や社内ルールによっては「改め」より「名称変更」「旧称/新称」のほうが正確な場合があります。最終的な判断は、公式発表や公式サイトの表記を確認し、必要があれば専門家や関係部署へご相談ください。
改めを正しく使う方法
改めをきれいに使うコツは、私は次の3点だと思っています。
- 変更の事実があること(単なる言い間違いの修正ではない)
- 読み手に伝わる形で、旧→新の対応を明確にする
- 会話の訂正は「もとい」、正式な変更は「改め」と役割分担する
特に「○○改め△△」を使うときは、読み手が「これは訂正なのか、変更なのか」を迷わないよう、変更・改称の文脈を添えると親切です。
改めの間違った使い方
改めの誤用で多いのは、訂正の場面に入れてしまうことです。たとえば、会話中に「12名…改め、15名」のように言うと、硬さが出てしまい、場合によっては「変更があったのかな」と誤解されます。
- 言い間違いの訂正なら「もとい」が自然
- 改めは“変更”の匂いが強いため、数字の訂正では違和感が出やすい
まとめ:もといと改めの違いと意味・使い方の例文
最後に、もといと改めの要点を整理します。迷ったときは、ここだけ見返せば判断できるようにまとめました。
| 項目 | もとい | 改め |
|---|---|---|
| 主な意味 | 前言の訂正・言い直し | 名称・立場などの変更、仕切り直し |
| よく合う場面 | 会話・メール・説明文でのその場の修正 | 改名・改称・襲名、丁寧な切り出し(改めて/改めまして) |
| 言い換え | 正しくは/訂正して/AではなくB | 名称変更/旧称・新称/改名・改称 |
| 英語の近い表現 | or rather / I mean / to be precise | renamed to / formerly known as |
私のおすすめは、「その場の誤り修正=もとい」、「正式な変更・改称=改め」と役割で覚えることです。
なお、社内文書や公的な文章では、用語の選び方がルール化されている場合があります。正確な情報や正式な表記は、公式サイト・公式発表・社内規程をご確認ください。

