
「そうゆう」と「そういう」の違いと意味があいまいで、どっちが正しいのか不安…そんな気持ち、よく分かります。
会話では自然に聞こえるのに、いざ文章にすると「そうゆう?それともそういう?」「間違い?」「正しい書き方は?」「発音はゆう?いう?」「ビジネスメールではどちらが無難?」と迷いが一気に増えますよね。
この記事では、「そうゆう」と「そういう」の違いを軸に、意味、使い方、例文、語源、類義語・対義語、言い換え、英語表現まで、読み終わった瞬間から迷わない形で整理します。
- 「そうゆう」と「そういう」の違いと結論
- 「そういう」の意味・語源・使う場面
- 「そうゆう」が広まりやすい理由と注意点
- 例文と言い換えで「そういう」を自然に使うコツ
「そうゆう」と「そういう」の違い
ここではまず、表記としての正誤と、なぜ混同が起きるのかを一気に整理します。結論を押さえたうえで、場面別に迷わない基準を作りましょう。
結論:「そうゆう」は間違った使い方
結論から言うと、書き言葉としての「そうゆう」は誤表記です。理由はシンプルで、「そうゆう」は本来の仮名遣い(表記)として定着している形ではなく、「そういう」を口頭で発音したときの聞こえ方が、そのまま文字に引っ張られて生まれた表記ゆれだからです。
日常会話だと「そうゆう」と聞こえる(あるいは自分でもそう言っているつもりになる)場面が多く、SNSやチャットのスピード感も相まって、「まぁ通じるからいいか」と残りやすいのが実態です。ただ、文章に残す以上は、相手が「書き言葉」として読むため、誤表記は目に留まりやすくなります。
- 社外メール、資料、履歴書、契約関連などフォーマル文書では「そうゆう」を避けるのが無難
- カジュアルなチャットでも、相手や場により印象差が出る点には注意
「そういう」が正しい使い方
一方で、正しい表記は「そういう」です。「そういう」は「そう(然う)」+「言う」に由来する形で、文章として整った日本語の見た目になります。
私の感覚では、迷う場面の多くは「会話のテンポ」と「文章の丁寧さ」のギャップで起きます。会話だと音が変化しても違和感が出にくいのに、文章だと「ゆ」と「い」の差が視覚的にはっきり出る。だからこそ、“書くときは必ず「そういう」”というルールで覚えるのが一番ラクです。
- 書き言葉:そういう(これが基本)
- 話し言葉:発音が「そうゆう」に近く聞こえることは珍しくない
「そういう」の英語表現の違い
「そういう」を英語にするときは、日本語の「そういう」が持つニュアンス(指示・分類・評価)によって表現が変わります。代表的には次のとおりです。
- that kind of 〜 / that sort of 〜:そういう(種類・タイプ)
- such 〜:そういう(やや硬め/文章向き)
- like that:そういうふうに(やり方・態度)
- in that way:そういう意味で/そういうやり方で
たとえば「そういう人が苦手」は “I’m not good with that kind of person.” が自然ですし、「そういう意味なら分かる」は “I see, in that way.” のほうがニュアンスが近いです。英語は「種類」なのか「方法」なのかを分けるので、そこを意識すると訳しやすくなります。
「そういう」の意味
ここからは「そういう」そのものの意味を、定義→使用場面→語源→類義語・対義語の順で深掘りします。使い分けの“芯”ができるパートです。
「そういう」の意味や定義
「そういう」は、文脈で指している内容を受けて、「そのような」「その種類の」「そのように」という意味を表します。ざっくり分けると、主に次の3パターンです。
1)内容を受けて“指示”する
直前の話題を受けて「そのこと」「その内容のこと」を指します。
2)種類・タイプとして“分類”する
「そういう人」「そういう考え方」のように、属性やタイプをまとめて示します。
3)やり方・態度として“様態”を示す
「そういうふうに言う」「そういうやり方」のように、方法や態度を表します。
ポイントは、「そういう」は単なる相づちではなく、文脈の要点をひとまとめにして指す便利な受け言葉だという点です。だからこそ、正しい表記で書くと文章が一気に引き締まります。
「そういう」はどんな時に使用する?
「そういう」は日常会話からビジネスまで幅広く使えますが、場面ごとに“似合う形”があります。
日常会話
テンポよく文脈を受けたいときに便利です。たとえば「そういうことか」「そういうとこあるよね」など、相手の説明を受け止めるクッションになります。
ビジネス
会議やメールでは「そういう」は使えますが、やや砕ける印象が出る場合があります。丁寧に寄せるなら、「そのような」「そのように」「その件」「その趣旨」といった言い換えも選択肢です(後半でまとめます)。
- 「そういう」は便利ですが、フォーマル度が高い文書では「そのような/その件」などへの言い換えも有効です
「そういう」の語源は?
「そういう」は、古くからある指示語の「そう(然う)」と、動詞の「言う」が組み合わさった形です。もともと「そう言う(そのように言う)」という動きの表現が、文脈受けの働きを強めて、連体詞的に「そういう(=そのような)」として定着していきました。
ここで大事なのは、表記が「ゆう」ではなく「いう」側に寄っている点です。日本語は話し言葉で音が変化しやすく、聞こえ方に引っ張られて表記が揺れることがあります。ですが、文章では語のまとまりが見える形(活用や元の形)を残すことで、意味が読み取りやすくなります。
「そういう」の類義語と対義語は?
「そういう」には文脈によって近い言い方がいくつかあります。逆に、はっきりした一語の対義語は作りにくいので、「指していないほう」を表す言い方で補います。
類義語(言い換え)
- そのような:最も素直でフォーマル
- そうした:文章寄りで整う
- その手の:くだけた言い方(やや評価が混ざりやすい)
- かかる(斯かる):かなり硬い(公的文書寄り)
対になる言い方(対義語的に使える表現)
- そうではない:否定で対にする
- 別の/他の:指示対象をずらす
- このような(こちらの):指示の向きを変える
対義語を無理に一語で探すより、「何と対比しているのか(対象・種類・方法)」を決めてから、「そうではない」「別の」などで組み立てるほうが、文章が自然にまとまります。
「そうゆう」の意味
次に「そうゆう」について整理します。ポイントは「意味が違う言葉」ではなく、あくまで「そういう」の誤表記として扱われやすい、という点です。
「そうゆう」とは何か?
「そうゆう」は、多くの場合「そういう」の誤表記として使われています。意味としては「そういう」と同じつもりで書かれているケースがほとんどで、辞書的に別の意味を持つ独立語として扱うのは難しい立ち位置です。
ただし、現実のコミュニケーションでは「そうゆう」表記が完全に通じないわけではありません。だからこそ厄介で、“通じるけれど、文章としては引っかかる”タイプの表記ゆれとして残り続けています。
「そうゆう」を間違えて使用する理由
「そうゆう」と書いてしまう理由は、主に3つです。
1)発音が「ゆう」に寄って聞こえる
会話では「いう」が「ゆう」に近くなることがあり、耳で覚えたまま文字にすると「そうゆう」になりやすいです。
2)入力変換の勢いでそのまま確定してしまう
スマホやチャットではスピード優先になりがちで、誤表記に気づきにくいです。
3)周囲で見かける頻度が上がって“慣れて”しまう
SNSなどで見かけると、正しい形が揺れていきます。慣れは強敵です。
- 「そうゆう」は相手によっては“雑に見える”ことがあるため、提出物や公的な文章では避けたほうが安心です
表記ゆれは、本人の能力と直結させて語られがちなテーマでもありますが、私はそうは考えません。音の変化と入力習慣が原因になりやすいからこそ、責めるよりも、仕組みで防ぐのが現実的です。
同じように「通じるけれど、正しい表記は別にある」タイプの話は、当サイト内でもよく扱っています。たとえば次の記事も、文章で迷いがちな方には参考になります。
「そういう」の正しい使い方を詳しく
最後に「そういう」を“迷わず・自然に”使うための実践編です。例文→言い換え→ポイント→間違いやすい表現の順に、すぐ使える形でまとめます。
「そういう」の例文5選
日常〜ビジネスまで、使いどころが分かる例文を5つ挙げます。
- そういうことだったのか。(内容を受けて指示)
- そういう人、たまにいるよね。(タイプの分類)
- そういう言い方は誤解を生むかもしれない。(態度・表現の指摘)
- ご説明いただいた内容は、そういう理解で問題ありません。(ビジネス:受けの確認)
- そういう手順で進めるなら、先に前提条件をそろえましょう。(方法の提示)
例文の共通点は、「そういう」が直前の話題をまとめて“指す”役割をしている点です。ここが分かると、言い換えも自在になります。
「そういう」の言い換え可能なフレーズ
文章の硬さ・丁寧さを調整したいときは、次の言い換えが便利です。
- そのような:丁寧で万能(例:そのようなケース)
- そうした:文章向き(例:そうした背景)
- その件:ビジネスで硬め(例:その件について確認です)
- その趣旨:意図・目的を受ける(例:その趣旨で進めます)
- そのように:方法・態度を受ける(例:そのように対応します)
「そういう」の正しい使い方のポイント
私が「迷いを消すコツ」としておすすめしているのは、次の3点です。
- 書くときは必ず「そういう」とルール化する(迷う余地を消す)
- フォーマル文書では「そのような/その件」へ言い換えも検討する
- 「種類」なのか「方法」なのかを意識すると、文が自然に整う
特に1つ目は強力です。「発音は揺れても、表記は固定する」。これだけで、メールや資料の見直し時間が目に見えて減ります。
「そういう」の間違いやすい表現
最後に、混同しやすい表現を整理します。
そうゆう(誤表記)
今回の主題です。文章では避けるのが基本です。
そうゆった/そうゆって(誤表記になりやすい)
「そういった」「そういって」が基本です。会話の勢いで「ゆ」が混ざりやすいので、文章では一度止まって確認するのが安全です。
そうゆえば(誤表記になりやすい)
「そういえば」が正しい形です。よく使う言葉ほど癖が出やすいので、定型句は丸ごと正しい形で覚えるのが近道です。
- 「そういう」は頻出語なので、誤表記があると文章全体が幼く見えてしまうことがあります
まとめ:「そうゆう」と「そういう」の違いと意味
最後に要点をまとめます。
- 書き言葉として正しい表記は「そういう」
- 「そうゆう」は誤表記として扱われやすく、特にフォーマル文書では避けるのが無難
- 「そういう」は文脈を受けて「そのような/その種類の/そのように」をまとめて指す便利な言葉
- 丁寧に寄せたいときは「そのような」「そうした」「その件」などに言い換えると整う
- 表記や用法には流派や媒体ごとの基準差があるため、提出先のルールがある場合はそれに従ってください
- より正確な表記方針が必要な場合は、国語辞典や公的な表記ガイドなど公式情報の確認をおすすめします
- 最終的な判断に不安がある場合は、学校・職場の指導者や文章の専門家に相談してください

