
「主催と主宰の違いや意味がよくわからない」「イベントの案内文を書くときに、主催と主宰のどちらを書けばいいのか迷う」「ビジネスメールで主催と主宰を使い分けたいけれど、自信がない」....そんなモヤモヤを感じて検索してきた方も多いと思います。
実際、「主催と主宰の違いや意味」「主催と主宰の使い分け」「主催と主宰どっちが正しいか」「主催と主宰の読み方や英語表現、例文」などは、ビジネスパーソンから学生さんまで、幅広い方が気にしているテーマです。
この記事では、「主催と主宰の違いと意味」を軸にしながら、それぞれの語源や類義語・対義語、言い換え表現、英語表現、正しい使い方と例文まで、まとめて整理していきます。読み終えるころには、「イベントやセミナーの主催」「教室や団体を主宰」といった使い分けを、迷わずに選べるようになるはずです。
日本語は、「意味は似ているのに、微妙なニュアンスや使いどころが違うペア」がたくさんあります。たとえば、当サイトで扱っている「意味と意義の違い」や「ほか・他・外の違い」「始めと初めの違い」なども、パッと説明するのは意外と難しいものです。主催と主宰も、その一つだと考えてください。
ここでは、辞書的な定義だけでなく、ビジネス文書や案内状・企画書など、実際の文章でどう使い分けると自然でプロらしく見えるか、という視点も大切にして解説していきます。
- 主催と主宰の意味の違いと、ビジネス文書での使い分けのコツ
- 主催・主宰それぞれの語源、類義語・対義語、よく使う英語表現
- 主催と主宰の具体的な使い方と、ビジネスで使いやすい例文集
- 誤用を避けるために押さえておきたい注意点と言い換え表現
主催と主宰の違い
まずは、「主催」と「主宰」がそれぞれどんな場面で使われるのか、全体像を押さえます。ここをおさえておくと、細かな意味や語源を学ぶときも、迷子になりにくくなります。
結論:主催と主宰の意味の違い
一言でまとめると、私が実務で意識している整理は次の通りです。
| 語 | 主な意味 | イメージ | 典型的な対象 |
|---|---|---|---|
| 主催 | 中心となって行事・イベント・会合などを行うこと、その人・団体 | 一回ごとの「催し」を企画・運営する | セミナー・講演会・コンサート・展示会など |
| 主宰 | 人々の上に立って全体をまとめ、団体やグループを運営すること、その人 | 継続的な「団体・教室・結社」を率いる | 書道教室・俳句結社・劇団・研究会など |
多くの辞書や解説では、「主催=行事を行うこと」「主宰=団体を取りまとめること」と説明されます。
つまり、一度きり、あるいは回ごとのイベントなら主催、長く続く団体やグループを率いるなら主宰と覚えておくと、基本的には困りません。
主催と主宰の使い分けの違い
使い分けを具体的な文の形で見てみましょう。
- 〇〇株式会社主催のオンラインセミナー
- 俳句結社「〇〇」を主宰している山田さん
- 地域ボランティア団体が主催する清掃イベント
- デザインスクールを主宰するクリエイター
イベントのチラシ・案内状・Webページの「主催:」「共催:」「後援:」といった欄では、ほぼ例外なく「主催」が使われます。一方、「教室を主宰する」「劇団を主宰する」「研究会を主宰する」といった表現では、「主宰」が自然です。
「主催」と「主宰」は、どちらも「しゅさい」と読みます。同じ読みで意味が違う言葉は他にもたくさんあり、「意味と意義の違い」や「始めと初めの違い」などがその典型例です。こうしたペアを整理しておくと、日本語の運用力がぐっと上がります。
主催と主宰の英語表現の違い
英語では、日本語ほど「イベント」と「団体」の違いを一語で区別しません。文脈に応じて、次のような表現を選びます。
主催の英語表現の例
- host an event / conference / seminar(イベント・会議・セミナーを主催する)
- organize a workshop(ワークショップを主催する/企画する)
- sponsor a concert(コンサートを主催・協賛する)
主宰の英語表現の例
- run a school / class / group(教室・グループを主宰する)
- lead a theater company(劇団を主宰する)
- chair a committee / study group(委員会・研究会を主宰する)
- preside over a society(学会・協会を主宰する)
日本語のニュアンスをそのまま一語で対応させるのではなく、「何を」「どのような立場で」取りまとめているのかを意識して訳語を選ぶのがポイントです。
主催の意味
ここからは、「主催」という言葉だけにフォーカスして、意味・語源・類義語や対義語などを掘り下げていきます。イベントの案内やビジネス文書を書くときに、細かなニュアンスを確認するつもりで読んでみてください。
主催とは?意味や定義
主催は、一般に「中心となって会合や行事などを行うこと。また、その人や団体・機関」という意味で説明されます。
もう少し噛み砕くと、次のようなイメージです。
- イベント全体の責任を負う立場にある
- 会の目的や内容を決める中心的な役割を担う
- 会場手配・告知・参加者管理などの実務も、基本方針を決める側
例えば、「市民講座を主催する市教育委員会」「展示会の主催者」「大会を主催する実行委員会」などが典型的な用法です。
主催はどんな時に使用する?
私が文章をチェックするとき、「主催」がしっくりくるのは、次のような場面です。
一回ごとのイベント・催しに対して使う
- セミナー・講演会・説明会
- 展示会・見本市・発表会
- スポーツ大会・コンクール・コンテスト
- 地域のお祭り・チャリティイベント など
こうした「1つ1つの催し物」に対して、「誰が中心になって行っているのか」を示すときに主催を使います。
ビジネス文書では「主催:〇〇」の形が定番
チラシやWebページの末尾に、次のような情報が並んでいるのをよく見かけると思います。
- 主催:〇〇株式会社
- 共催:△△協会
- 後援:□□市教育委員会
このように、他のイベント関連用語(共催・後援・協賛など)と並べて表記するときは、「主催」を使うのが標準的です。
主催の語源は?
漢字の成り立ちを見ていくと、主催のニュアンスがよりクリアになります。
- 主:「中心となる」「中心となって事をする」
- 催:「もよおす」「会合や行事などを行う」
この二つが組み合わさることで、「中心となって催し物を行う」という意味が生まれています。
主催の類義語と対義語は?
主催の類義語・近い表現
- 開催:イベント・会を開くこと
- 挙行:儀式や行事などをとり行うこと
- 興行:演劇・映画・スポーツなどを、観客を集めて見せること
- 主管:ある事業や業務を中心となって担当すること
- 執行:決められたことを実際に行うこと
厳密にはニュアンスが違いますが、「イベントを中心となって行う」という点ではいずれも近い位置にあります。
主催の対義語・反対方向の言葉
- 共催:二つ以上の団体が共同で主催すること
- 後援:資金や人員・信用などの面で支える立場
- 協賛:趣旨に賛同して、金銭的・物理的に援助する立場
主催と共催・後援・協賛は、イベント告知で並びやすいセットなので、役割の違いをおさえておくと便利です。
主宰の意味
次に、「主宰」について詳しく見ていきます。読み方は主催と同じ「しゅさい」ですが、対象とするもの・ニュアンスはかなり違います。
主宰とは何か?
主宰は、一般に「人々の上に立って全体をまとめること。団体・結社などを中心となって運営すること。また、その人」と説明されます。
主催が「イベントを行う行為」寄りであるのに対して、主宰は「団体や教室そのものを率いる立場」のイメージが強い言葉です。
主宰を使うシチュエーションは?
実務で主宰を使うシーンを挙げると、次のようなものが多いと感じています。
- 文化・芸術系の教室や団体(書道教室・俳句結社・短歌会・華道教室など)
- 劇団・パフォーマンスグループ・サークル
- 研究会・勉強会・有志のコミュニティ
- ある程度の歴史やブランド性をもつ個人主導のプロジェクト
例えば、「地域の写真サークルを主宰している」「オンラインの読書会を主宰する」「若手クリエイターのための勉強会を主宰しているデザイナー」といった表現が自然です。
逆に、単発のセミナーや一度こっきりのイベントに対して「主宰」と書くと、やや大げさ・不自然な印象になることもあります。その場合は、素直に「主催」を選ぶ方が無難です。
主宰の言葉の由来は?
主宰も、漢字それぞれの意味を知ると感覚がつかみやすくなります。
- 主:「中心となる」「主要な」
- 宰:「取り仕切る」「監督する」「仕事を執り行う」
この二つが組み合わさり、「中心となって管理・運営する」「上に立って全体をとりまとめる」というニュアンスが生まれています。
主宰の類語・同義語や対義語
主宰の類語・近い表現
- 統括する:全体をまとめて管理する
- 率いる:人々を導いていく
- 主幹:中心的な役割を担う人
- 座長:グループや会合の中心となる人
- 代表:団体を代表する立場の人
- チェアマン / チェアパーソン:会議や団体の議長・責任者
主宰に対立する立場の言葉
主宰そのものに明確な「対義語」はあまりありませんが、立場としては次のような言葉が反対側に位置づきます。
- メンバー・構成員:主宰者に率いられる側
- 参加者:主宰者が運営する場に参加する人
- 生徒・門下生:主宰者から教えを受ける立場
主宰という言葉には、「単に所属しているのではなく、責任者として場をつくり続けている」というニュアンスが含まれている、とイメージしておくと良いでしょう。
主催の正しい使い方を詳しく
ここまで見てきたポイントを踏まえながら、主催の実際の使い方を、例文や言い換え表現を交えて整理します。
主催の例文5選
ビジネスでそのまま使いやすい例文を、場面別に紹介します。
ビジネス・セミナー関連
- 本セミナーは、〇〇株式会社が主催し、△△協会が共催しています。
- 来月、弊社主催のオンライン勉強会を開催する予定です。
イベント・キャンペーン関連
- 地域活性化を目的としたマルシェを、市商工会主催で実施します。
- このコンテストは、若手クリエイター支援団体が主催しています。
公的機関・団体関連
- 市教育委員会主催の市民向け講座に、講師として登壇しました。
主催の言い換え可能なフレーズ
文章のトーンや文脈によっては、主催を別の表現に置き換えた方が自然な場合もあります。
| 主催を使った表現 | 言い換えの候補 | ニュアンス |
|---|---|---|
| 当社が主催するセミナー | 当社が企画・運営するセミナー | 業務内容をもう少し具体的に示したいとき |
| 市主催のイベント | 市が中心となって開催するイベント | 一般向けの平易な説明にしたいとき |
| 〇〇協会主催の講演会 | 〇〇協会が主催する講演会 | 名詞句から文に書き換えてわかりやすくするとき |
「主催」という語自体が硬めなので、社内向け資料やカジュアルな案内では、「企画」「運営」「開催」などと組み合わせて柔らかくすることもよくあります。
主催の正しい使い方のポイント
私が校正・リライトでチェックするときは、次のようなポイントを意識しています。
- 対象が「イベント・行事・会合」になっているか(団体そのものになっていないか)
- 単発の催しなのか、継続的な組織なのかを確認する(後者なら主宰の方が自然な場合も)
- 「主催」「共催」「後援」「協賛」の役割が整理されているか
- 主催者名が正式名称で書かれているか
とくに、案内文や申請書では、主催者の名称や役割に誤りがあると、信用問題にも関わるため、丁寧に確認しておきたいところです。
主催の間違いやすい表現
よくある混同や注意点を挙げておきます。
- 「〇〇塾の主催は学院長です」 → 継続的な塾なら「主宰」の方が自然
- 「当サークルは月に一度のイベントを主催しています」 → 文脈によっては「イベントを開催しています」でも十分
- 「この団体は地域活動を主催しています」 → 団体そのものの運営なら「主宰」や「運営する」の方が合うことも
公的な補助金や助成金が絡むイベントでは、「主催」「共催」「後援」の区分が、費用負担や責任範囲に直結することがあります。細かなルールや申請条件はケースごとに異なるため、正確な情報は公式サイトをご確認ください。また、契約や責任問題が絡む場合は、最終的な判断は専門家にご相談ください。
主宰を正しく使うために
最後に、「主宰」をきちんと使いこなすための具体的な例文や言い換え、注意点をまとめます。主宰は少し格式のある言葉なので、使いどころを押さえておくと、文章の印象がぐっと引き締まります。
主宰の例文5選
こちらも、実際のビジネス・自己紹介・プロフィールで使いやすい形にしています。
- 彼は、地域の若手起業家コミュニティを主宰している。
- 私は、オンラインで文章講座を主宰しています。
- この書道教室は、〇〇先生が主宰する少人数制のクラスです。
- 劇団「△△」を主宰する山田氏の新作公演が始まります。
- 専門家有志による勉強会を主宰し、定期的にセミナーを開いています。
主宰を言い換えてみると
「主宰」という言葉がやや堅すぎる・伝わりにくそうだと感じる場合は、次のような言い換えもよく使います。
- 〇〇教室を主宰している → 〇〇教室を運営している / 開いている
- 俳句結社を主宰している → 俳句結社の代表を務めている
- コミュニティを主宰する → コミュニティを立ち上げ、継続的に運営している
「主宰」=「偉そうな肩書き」というわけではなく、「責任を持って場をつくり続けているかどうか」を基準に選ぶと、自然な表現になりやすいと感じています。
主宰を正しく使う方法
主宰の使い方で迷ったとき、私がよく確認しているポイントは次の三つです。
- 対象が「継続的な団体・教室・結社」になっているかどうか
- 自分(または相手)が、その場の運営・方針決定の中心人物かどうか
- イベント単体ではなく、「場そのもの」をつくっているかどうか
これらを満たしているなら、主宰を使っても不自然さはほとんどありません。逆に、単に「参加している」「ときどき手伝っている」程度で主宰を名乗ると、実態とのズレが生じてしまうので注意が必要です。
主宰の間違った使い方
主宰に関しても、次のような誤用・違和感のある用法には気をつけたいところです。
- 単発イベントに対して「主宰」を使う(→通常は「主催」)
- 自分が主宰ではない団体を、誤って「主宰している」と書いてしまう
- 複数人で運営しているのに、「自分が主宰」と表現してしまう(→代表・共同主宰など実態に合わせた表現に)
プロフィールや自己紹介文で主宰を名乗るときは、「自分がその場の方向性や運営にどの程度責任を持っているのか」を一度立ち止まって確認することをおすすめします。実態に合っていれば、主宰はとても便利で格好のつく言葉です。
まとめ:主催と主宰の違いと意味・使い方の例文
最後に、この記事のポイントを簡潔に振り返っておきます。
- 主催は「中心となってイベントや行事を行うこと」。単発または回ごとの催しに使う。
- 主宰は「人々の上に立って団体や教室をまとめ、運営すること」。継続的なグループに使う。
- 英語では、主催は「host / organize / sponsor」、主宰は「run / lead / chair / preside over」などが文脈に応じて対応する。
- 案内文では「主催:〇〇」、プロフィールでは「〇〇教室を主宰」といったように、対象に合わせて使い分ける。
主催と主宰は、どちらも「場をつくる」という点ではよく似ていますが、「イベント単位」か「団体単位」か、「一回ごと」か「継続的」かという視点で整理すると、すっきりと区別できるはずです。
もし他の言葉の違いも整理しておきたいと感じたら、たとえば「ほか」「他(ほか)」「外(ほか)」の違いと意味・使い方や例文など、同じように紛らわしい日本語を扱った記事も参考になると思います。
この記事が、「主催と主宰の違いと意味」を整理し、ビジネスや日常の文章で自信を持って使い分けるための一助になればうれしいです。

