
「担当範囲とテリトリーって、結局なにが違うの?」
仕事の引き継ぎやプロジェクトの分担、営業チームの役割分けなどで、この2語が混ざって使われている場面は少なくありません。業務範囲や責任範囲、役割、権限、管轄、守備範囲といった言葉が周辺に出てくるほど、いっそう混乱しやすくなります。
さらに「テリトリー」は縄張りや領域、エリアのニュアンスでも使われますし、営業テリトリーやテリトリー管理、テリトリー制のようにビジネス用語として定着しているケースもあります。一方で「担当範囲」はスコープに近い語感で、誰がどこまで責任を負うのかを示すときに頻出です。
この記事では、担当範囲とテリトリーの違いを「意味」「使い分け」「英語表現」「例文」まで一気に整理します。読み終えた頃には、言い換えや類義語・対義語も含めて、状況に合った表現を迷わず選べるようになります。
- 担当範囲とテリトリーの意味の違い
- 使い分けの判断軸とビジネスでの典型シーン
- 英語表現と訳し分けのコツ
- すぐ使える例文と言い換えフレーズ
担当範囲とテリトリーの違い
最初に全体像をつかむのがいちばん早いです。ここでは「結論→使い分け→英語表現」の順に、担当範囲とテリトリーの差を整理します。
結論:担当範囲とテリトリーの意味の違い
結論から言うと、担当範囲は「責任と作業の線引き」、テリトリーは「自分(または組織)が主に扱う領域」を指すことが多い言葉です。
担当範囲は「どこまでやるか」「どこまで責任を持つか」という境界線(スコープ)の話になりやすいのが特徴です。一方、テリトリーは「地域」「顧客」「領域」「得意分野」など、自分の持ち場・縄張りの感覚を伴いやすいのが特徴です。
| 項目 | 担当範囲 | テリトリー |
|---|---|---|
| 中心の意味 | 責任・作業の範囲(どこまで担当するか) | 主に扱う領域(地域・顧客・分野など) |
| イメージ | 業務の線引き・スコープ | 持ち場・縄張り・担当エリア |
| よく一緒に出る語 | 責任範囲、権限、役割、業務範囲 | エリア、領域、ドメイン、営業テリトリー |
| 注意点 | 「責任」とセットで誤解が減る | 比喩が多く、文脈で意味が揺れやすい |
- 「誰がどこまでやる?」の話なら担当範囲
- 「誰の持ち場(領域)?」の話ならテリトリー
担当範囲とテリトリーの使い分けの違い
使い分けはシンプルで、次の2つを自問すると迷いが減ります。
- 境界線を明確にしたいのか(抜け漏れ・重複を防ぎたい)
- 持ち場を示したいのか(エリア・顧客・分野の縄張りを示したい)
例えば、プロジェクト運営では「担当範囲」を使うと、タスクの抜け漏れや責任のあいまいさを防ぎやすくなります。反対に、営業や組織の文脈では「テリトリー」を使うと、担当エリアや顧客群、専門領域のニュアンスが出しやすいです。
なお、役割や責任の言語化をもう一段クリアにしたい場合は、関連語の整理が効きます。たとえば「業務」「職務」などの違いを押さえておくと、担当範囲を説明する文章が一気に締まります。
担当範囲とテリトリーの英語表現の違い
英語にすると違いがより分かりやすくなります。担当範囲はscope/responsibility方向、テリトリーはterritory/domain方向です。
| 日本語 | よく使う英語 | ニュアンス |
|---|---|---|
| 担当範囲 | scope of work / scope of responsibility | 作業・責任の範囲(線引き) |
| 担当範囲 | area of responsibility / remit | 責任の持ち場(業務上の管轄) |
| テリトリー | territory | 担当エリア・縄張り(地域/顧客) |
| テリトリー | domain / turf | 専門領域・持ち場(比喩的) |
- 担当範囲を英訳するときは「scope」がしっくり来ることが多い
- テリトリーを比喩で言うなら「domain」「turf」が自然な場面もある
担当範囲とは?
ここからは言葉の意味をそれぞれ深掘りします。まずは担当範囲から、定義・使う場面・語源的な成り立ち・類義語/対義語まで整理します。
担当範囲の意味や定義
担当範囲とは、一般に「その人(または部署)が受け持つ仕事の範囲」を指します。実務では、単に作業量の分担ではなく、責任の境界線として機能する点が重要です。
担当範囲が曖昧だと、次のような問題が起きやすくなります。
- 誰も拾わないタスクが発生する(抜け漏れ)
- 二重に同じことをやる(重複)
- トラブル時に責任の所在が曖昧になる
だからこそ、担当範囲は「どこまでやるか」だけでなく、どこまで判断してよいか(権限)や、どこまで説明責任を負うかとセットで語ると誤解が減ります。
担当範囲はどんな時に使用する?
担当範囲が活躍するのは、責任と作業を線引きしたい場面です。代表例は次のとおりです。
- プロジェクトの役割分担(誰が何をどこまで)
- 引き継ぎ(前任者/後任者の境界線の共有)
- 業務委託・外注(成果物と責任範囲の明確化)
- トラブル対応(一次対応/原因究明/再発防止の分担)
会議やチャットでは、「担当です」だけで終わらせず、担当範囲を一文で言語化するのがコツです。たとえば「要件整理までが担当範囲で、実装判断は開発側に委ねます」のように、境界線が見えると一気に進行がスムーズになります。
担当範囲の語源は?
担当範囲は、「担当」+「範囲」という分かりやすい複合語です。
担当は「受け持つこと」、範囲は「一定の区切られた広がり」を表します。つまり担当範囲は、受け持つ仕事の広がりを、区切って示す言葉として機能します。
担当範囲の類義語と対義語は?
担当範囲の周辺語は多く、文脈で言い換えが可能です。
担当範囲の類義語
- 業務範囲:日常業務として行う範囲
- 責任範囲:結果に対する責任の範囲(担当範囲より責任寄り)
- 管轄:行政・組織的に取り扱う領域(硬め)
- 守備範囲:できること・カバーできる範囲(比喩でも使う)
担当範囲の対義語(対になる考え方)
- 担当外:担当範囲に含まれない
- 範囲外:定めた範囲を超えている
- 全社対応(対立概念として):特定の担当に限らない
- 契約や規程が絡む「責任範囲」「権限」は、社内ルールや契約書の定義が優先されます
- 最終的な判断は、法務・管理部門などにご相談ください
テリトリーとは?
次はテリトリーです。一般語としての意味と、ビジネス用語としての意味が混ざりやすいので、順番にほどいていきます。
テリトリーの意味を詳しく
テリトリーは、もともとterritory(領土・領域・縄張り)に由来する外来語で、日本語では大きく2つの意味で使われます。
- 物理的な領域:地域、エリア、縄張り
- 比喩的な領域:専門分野、持ち場、得意領域
特にビジネスでは「営業テリトリー(担当する地域・顧客群)」のように、成果責任と結びついた範囲を指すことが多いです。ただし、担当範囲のように「作業の線引き」よりも、持ち場のイメージが前に出やすい点が違いです。
テリトリーを使うシチュエーションは?
テリトリーは、次のような場面でしっくり来ます。
- 営業担当ごとの担当エリアや顧客群を示す
- チームや部署の守備領域(どの領域を主導するか)を示す
- 個人の専門分野や得意領域を示す(「そこは自分のテリトリー」)
- 競合との棲み分けや市場領域を語る
一方で、細かい作業の境界線を詰める会話で「テリトリー」を多用すると、曖昧に聞こえることがあります。タスク単位の話に落としたいなら、担当範囲(スコープ)に寄せたほうが誤解が減ります。
テリトリーの言葉の由来は?
テリトリーは英語のterritoryから来た外来語です。一般には「領土・領域」を意味し、そこから転じて「縄張り」「持ち場」といったニュアンスで使われます。
テリトリーの類語・同義語や対義語
テリトリーの類語・同義語
- 領域:やや硬いが意味が近い
- エリア:地域・範囲(よりカジュアル)
- 縄張り:対人関係や心理的な持ち場のニュアンスが強い
- 分野:専門領域としての意味に寄る
- ドメイン:専門領域・担当領域(ビジネス/IT文脈で多い)
テリトリーの対義語(対になる考え方)
- アウェイ(比喩):自分の持ち場ではない
- 他領域:別の領域
- 非担当エリア:営業などで明確に区切る場合
担当範囲の正しい使い方を詳しく
ここでは担当範囲を「すぐ使える例文」「言い換え」「押さえるポイント」「間違いやすい表現」の順で、実務に落とし込みます。
担当範囲の例文5選
- 今回のプロジェクトでの私の担当範囲は、要件整理からスケジュール作成までです
- 運用開始後の問い合わせ対応は担当範囲外なので、サポート窓口にエスカレーションします
- 担当範囲を明確にしておかないと、作業の抜け漏れが起きやすくなります
- 仕様変更が入ったので、担当範囲と責任範囲を改めて整理しましょう
- このタスクは担当範囲に含まれますが、最終判断はマネージャーの権限です
担当範囲の言い換え可能なフレーズ
文章の硬さや焦点に応じて、次のように言い換えられます。
- 業務範囲(仕事の中身寄り)
- 責任範囲(責任の所在寄り)
- 担当領域(ややテリトリーに近い表現)
- 所掌範囲(規程・官公庁文書など硬い文脈)
担当範囲の正しい使い方のポイント
担当範囲を実務で機能させるコツは、次の3点です。
- 「成果物(アウトプット)」で区切る:資料作成まで、公開まで、など
- 「判断権限」をセットで言う:誰が最終決裁するか
- 「例外」を先に決める:緊急時の代理、障害対応の窓口など
担当範囲は、書いて終わりではなく、変更が入ったときに更新されてこそ価値が出ます。運用では「変更時に必ず見直す」というルールを作るのがおすすめです。
担当範囲の間違いやすい表現
担当範囲でありがちな混乱は、次のパターンです。
- 担当範囲=責任範囲だと思い込む(実際はズレることがある)
- 担当範囲=作業範囲に限定してしまう(判断・調整が抜ける)
- 「担当です」だけで伝えたつもりになる(境界線が共有されない)
テリトリーを正しく使うために
テリトリーは便利な一方で、比喩が多いぶん誤解も生まれやすい言葉です。例文とともに「伝わる使い方」を固めましょう。
テリトリーの例文5選
- この地域はAチームのテリトリーなので、リードはAチームに渡してください
- 新規開拓は私のテリトリーなので、初回提案は任せてください
- その話題は法務のテリトリーだから、まず相談しよう
- 営業テリトリーを見直して、担当エリアの偏りを減らしました
- そこは私のテリトリー外なので、詳しい人に聞くのが早いです
テリトリーを言い換えてみると
言い換えることで、曖昧さを減らせます。
- 担当エリア(営業・地域の文脈で明確)
- 担当領域(分野・部門の持ち場)
- 専門分野(個人の得意領域)
- 管轄(制度・責任の文脈で硬め)
- 縄張り(比喩として強いニュアンス)
テリトリーを正しく使う方法
テリトリーを「伝わる言葉」にするコツは、何の切り口で区切った領域かを添えることです。
- 地域で区切る:都道府県、市区町村、商圏など
- 顧客で区切る:業種、売上規模、既存/新規など
- 機能で区切る:マーケ、CS、法務、開発など
「この案件は私のテリトリーです」だけだと抽象的ですが、「新規のSaaS企業向けは私のテリトリーです」のように切り口を添えると、相手は迷いません。
テリトリーの間違った使い方
テリトリーで多い失敗は、次の2つです。
- 作業の線引きまでテリトリーで済ませてしまい、担当範囲が曖昧になる
- 「縄張り」ニュアンスが強く出て、対立的に受け取られる
特に社内外の調整では、テリトリーという言い方が刺さりすぎることもあります。その場合は「担当エリア」「担当領域」「管轄」などに言い換えると角が立ちにくいです。
まとめ:担当範囲とテリトリーの違いと意味・使い方の例文
担当範囲は「どこまで担当し、どこまで責任を負うか」という線引き(スコープ)を示す言葉です。一方、テリトリーは「地域・顧客・分野などの持ち場(領域)」を示す言葉で、営業や専門領域の文脈で特に使われます。
迷ったら、タスクや責任の境界線なら担当範囲、持ち場や領域ならテリトリーと覚えておくとブレません。

