「当社」と「弊社」の違い|意味・使い方・例文で完全整理
「当社」と「弊社」の違い|意味・使い方・例文で完全整理

「当社」と「弊社」の違いがあいまいなままだと、ビジネスメールや取引先への文書、履歴書や面接の受け答えで「失礼に見えないかな?」と不安になりがちです。

どちらも自分の会社を指す言い方ですが、敬語(丁寧語・謙譲語)の立ち位置、社内と社外の使い分け、そして文章としての読みやすさが絡むため、場面によって正解が変わります。さらに「自社」「我が社」「小社」「当方」「弊方」との関係や、「御社」「貴社」と混ざったときのミスも起きやすいポイントです。

この記事では、当社と弊社の意味の違いを軸に、使い分けのコツ、言い換え、英語表現、語源、類義語・対義語、すぐ使える例文までまとめて整理します。読後には、社内外どちらでも迷いにくい「判断基準」が手元に残るはずです。

  1. 当社と弊社の意味の違いと敬語の立ち位置
  2. 社内・社外での正しい使い分けと判断基準
  3. 言い換え・類義語・対義語・英語表現の整理
  4. そのまま使える例文と、よくある誤用の回避法

当社と弊社の違い

まずは結論から、当社と弊社の「意味」と「使い分け」を最短で整理します。ここが曖昧だと、メールでも資料でも表現がブレてしまうため、最初に軸を固めましょう。

結論:当社と弊社の意味の違い

結論から言うと、当社と弊社はどちらも「自分の会社」を指しますが、言葉が持つ敬意の方向が違います。

用語 基本の意味 敬語の立ち位置 主な相手 代表的な場面
当社 この会社(こちらの会社) 中立〜丁寧(へりくだりなし) 社内/社外どちらも可(文脈次第) 社内資料、規程、Webサイト、プレス文、社外向け案内
弊社 へりくだって自社を言う(謙遜の自社) 謙譲(自分側を低く置く) 社外(取引先・顧客・応募先など) 取引先メール、依頼文、お詫び文、商談文書

私は文章の添削やビジネス文の言い回し相談を受ける中で、迷いの原因が「どちらも丁寧そうに見える」点にあると感じます。ですが実務では、当社は“中立の自社”、弊社は“へりくだる自社”と覚えると、一気に判断が楽になります。

  • 当社=フラットに自社を指す(へりくだらない)
  • 弊社=相手への配慮として自社を低く置く(謙譲)

当社と弊社の使い分けの違い

使い分けは、難しく考えるほど迷います。私が推奨しているのは、次の「3秒判断」です。

  • 相手が社外(取引先・顧客・応募先)→基本は弊社
  • 相手が社内(上司・同僚・社内向け文書)→基本は当社
  • 社外でも「中立に説明する文」(Webサイト、IR、プレス文など)→当社が自然なことが多い

ポイントは、「敬語として正しいか」だけでなく、文章の目的も見ることです。たとえば、取引先への依頼メールは配慮が中心なので弊社が収まりやすい。一方で、サービス説明の資料や規約は客観説明が中心なので当社が読みやすい、という具合です。

また、「当方/弊方」と混ざって迷う人も多いので、立場語の整理が必要なら、当サイトの関連記事も参考になります。

  • 社外相手に「弊社はすごい会社です」と連発すると、へりくだりと自慢が同居して不自然になりやすい
  • 社内相手に「弊社の方針として…」と言うと距離が出て堅すぎる印象になりやすい

最終的には、社内の慣習(業界・会社の文体ルール)も影響します。正確な表記基準は自社の公式ルールやテンプレートを確認し、不安がある場合は上長や法務・広報など専門部署に相談してください。

当社と弊社の英語表現の違い

英語には、日本語の「弊社」のような謙譲の作法が強く乗った単語があまりありません。そのため、英訳では両方とも「our company」「we」「our firm」などに寄せるのが一般的です。

よく使う英語表現

  • our company:最も無難(当社/弊社どちらにも対応しやすい)
  • we:文が軽くなる(メール本文で多用される)
  • our firm:ややフォーマル(士業・金融などで見かける)
  • our organization:組織全体を指すニュアンス

ただし、英語でへりくだりを過剰に表すと、逆に不自然に見えることがあります。日本語の「弊社」を直訳しようとするより、丁寧さは文全体(依頼の仕方・結びの表現)で調整するのが現実的です。

当社とは?

ここからは「当社」そのものの意味と、どんなときに選ぶと自然かを掘り下げます。中立で使いやすい反面、相手や文書の目的によっては選び方にコツが要ります。

当社の意味や定義

当社は、「当(この・こちらの)」+「社(会社)」という形で、文字通り「この会社」「こちらの会社」を表す語です。

敬語の働きとしては、弊社ほど強いへりくだりを含まず、自社をフラットに指せるのが特徴です。そのため、説明文・規程・案内文のように、情報を客観的に伝えたいときに相性が良い表現です。

当社はどんな時に使用する?

当社が自然に収まるのは、次のような場面です。

  • 社内文書(規程、社内通知、議事録、社内向け資料)
  • 対外的でも中立な文書(Webサイト、プレスリリース、利用規約、IR資料)
  • 社内外どちらにも配布される資料(サービス資料、会社案内)

私は「当社=社内だけ」と断定しないほうが実務的だと考えています。社外向けでも、客観説明が中心なら当社が読みやすく、文章の温度感も整います。

当社の語源は?

当社の「当」は「当人」「当日」などと同じく、「この」「いまの」「こちらの」を示す働きを持ちます。「社」は会社・社(やしろ)などにも使われる字で、ここでは会社を指します。

  • 語の構造が直感的なので、文章中で意味がブレにくいのが当社の強み

当社の類義語と対義語は?

当社に近い言い換え(類義語)は複数あります。丁寧さ・距離感で選ぶのがコツです。

類義語(言い換え)

  • 自社(中立で説明的)
  • 我が社(やや主観的・スピーチ寄り)
  • 小社(へりくだりが強く、古風・硬め)
  • 当方(立場としての「こちら側」)

対義語

  • 他社
  • 先方(相手側)
  • 相手先

対外文で「当社/自社/弊社」が混在すると読みにくくなるため、文書内ではできるだけ呼称を統一するのがおすすめです。

弊社とは?

次は「弊社」です。丁寧に見える一方で、使いどころを外すと堅すぎたり、文が重くなったりします。ここでは意味とシーン別の選び方を整理します。

弊社の意味を詳しく

弊社は、自分の会社をへりくだって言う表現です。「弊」には「粗末」「つたない」「至らない」といったニュアンスがあり、相手を立てるために自分側(自社)を低く置く働きがあります。

そのため、取引先や顧客など社外の相手に対して、配慮を示しながら話を進めたいときに適しています。

弊社を使うシチュエーションは?

弊社が特に自然なのは、次のように「相手に負担をかける可能性がある」文脈です。

  • 依頼(お手数をおかけする可能性がある)
  • お詫び(不備・遅延・ご迷惑)
  • お願い(調整・確認・対応の依頼)
  • 商談(相手の判断を仰ぐ、提案する)

一方で、社内向けの会話や資料で弊社を使うと、距離が出てよそよそしい印象になることがあります。社内の基本は当社、という整理が安全です。

弊社の言葉の由来は?

弊社の「弊」は、古くから「傷んだ」「劣った」「粗末な」といった意味合いで使われ、謙遜の表現としても定着してきました。そこに「社(会社)」が組み合わさり、「つたない我が社」というへりくだりを込めた言い方になります。

  • へりくだりを示す語は、相手との関係を滑らかにするための道具。丁寧さを足すだけでなく、場の空気も整える

弊社の類語・同義語や対義語

弊社の言い換えは、フォーマル度合いによっていくつかあります。

類語・同義語(言い換え)

  • 小社(さらに硬い・古風)
  • 私ども(柔らかめで会話にも合う)
  • 当方(立場語として「こちら側」)

対義語(相手側を指す)

  • 御社(相手の会社:話し言葉寄り)
  • 貴社(相手の会社:書き言葉寄り)
  • 先方(相手側)

なお「御社/貴社」の使い分け(話す=御社、書く=貴社)は目安として便利ですが、最終的には応募先・取引先の慣習もあります。不安がある場合は、相手の公式サイトや案内文の表記を参考にし、必要に応じて専門家(キャリアアドバイザーや上長など)に相談してください。

当社の正しい使い方を詳しく

ここでは「当社」を文章で自然に使いこなすために、例文・言い換え・ポイント・間違いやすい表現をまとめます。テンプレではなく、文脈に合う選び方を身につけましょう。

当社の例文5選

  1. 当社では個人情報保護方針に基づき、適切に情報を管理します。
  2. 当社サービスの利用規約は、予告なく改定される場合があります(詳細は公式ページをご確認ください)。
  3. 当社の採用選考は、書類選考・面接・適性検査の流れで実施します。
  4. 当社は品質向上のため、定期的に業務プロセスを見直しています。
  5. 当社からのご案内は、登録メールアドレス宛にお送りします。

当社の言い換え可能なフレーズ

当社は便利ですが、文体や読みやすさの都合で言い換えると整う場面もあります。

  • 自社(より説明的・中立)
  • 当方(立場を示す:交渉・調整で便利)
  • 私ども(柔らかい:メール本文で自然)
  • 弊社(相手への配慮が必要な場面に切り替え)

言い換えの判断は、文書の目的(説明/依頼/謝罪)と、相手(社内/社外)で決めるのが最短です。

当社の正しい使い方のポイント

当社を自然に使うコツは、文章の視点を固定することです。

  • 文書内で呼称を統一する(当社と自社を混ぜない)
  • 客観説明が中心の文で使うと読みやすい
  • 社外向けでも「説明文」なら当社が自然になりやすい

また、規約や料金、契約などの重要事項は、文中で断定しすぎない配慮も大切です。条件が変わる可能性がある内容は、「一般的な目安」として書き、最終的には公式サイトや契約書を確認する導線を置くと安全です。

当社の間違いやすい表現

当社でよくあるつまずきは、「相手の会社」と混同するケースです。

  • ×「当社(相手の会社)はいかがでしょうか」→相手を指すなら「御社/貴社」
  • ×「当社様」→自社に「様」は付けない
  • ×社外メールで当社を多用し、依頼文でも硬くなる→必要なら「弊社」「私ども」に調整

弊社を正しく使うために

弊社は丁寧さが出る一方で、連発すると文が重くなりがちです。ここでは例文で感覚を掴みつつ、言い換えと注意点も押さえます。

弊社の例文5選

  1. このたびは弊社の不手際により、ご迷惑をおかけし申し訳ございません。
  2. 弊社にて確認のうえ、改めてご連絡いたします。
  3. 弊社製品の仕様について、ご不明点がございましたらお知らせください。
  4. 弊社担当より、折り返しお電話にてご案内いたします。
  5. 恐れ入りますが、弊社指定の手順にてお手続きをお願いいたします。

弊社を言い換えてみると

同じ内容でも、相手との距離感や文体で言い換えると読みやすくなります。

  • 私ども:柔らかい(やり取りが多いメール本文向き)
  • 当方:立場語(調整・交渉の文で便利)
  • 当社:説明文に寄せたいとき(案内・規約・資料)
  • 小社:非常に硬い(場面を選ぶ)

私は、短いメールでは「弊社」を要所に置き、文中の主語は「私ども」や「こちら」で整えると、丁寧さと読みやすさのバランスが取りやすいと考えています。

弊社を正しく使う方法

弊社を上手に使うコツは、必要なところだけへりくだることです。

  • 依頼・謝罪・お願いなど、配慮が必要な文脈で使う
  • 説明文では当社に切り替えると読みやすい
  • 連発しそうなら「私ども」「当方」で主語を調整する

業界・会社によって文体の慣習が違うため、社内テンプレや過去メールの文体がある場合は、それに合わせるのが最も確実です。迷う場合は、最終的に上長や専門部署に相談してください。

弊社の間違った使い方

弊社で多い誤用は、社内相手に使うケースと、自慢文脈に混ぜるケースです。

  • ×社内向け「弊社の方針として…」→社内なら「当社(または自社)」が自然
  • ×社外向け「弊社は業界最高です」→へりくだりと誇張が同居し、不自然になりやすい
  • ×「弊社様」→自社に敬称を付けない

なお、契約・料金・法的な取り扱いなど、読者の判断に影響する情報はケース差が出やすい領域です。正確な情報は公式サイトや契約書をご確認のうえ、必要に応じて専門家にご相談ください。

まとめ:当社と弊社の違いと意味・使い方の例文

当社と弊社はどちらも自分の会社を指しますが、当社は中立〜丁寧弊社は謙譲(へりくだり)という違いがあります。社内相手なら当社、社外相手で配慮が必要なら弊社、社外でも説明文なら当社が自然になりやすい、という整理が実務では最も迷いにくい結論です。

  • 当社:客観説明・社内文書・規約や案内文で使いやすい
  • 弊社:取引先・顧客への依頼やお詫びなど、配慮が必要な文で強い
  • 英語は両方とも「our company」「we」に寄せ、丁寧さは文全体で調整

最後に、社内ルールや業界慣習がある場合はそれが優先されます。正確な表記は自社の公式テンプレートや公式サイトをご確認のうえ、判断に迷う場面では上長・法務・広報など専門家に相談してください。

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