「承認」「承諾」「了承」の違い|意味と使い分け・例文解説
「承認」「承諾」「了承」の違い|意味と使い分け・例文解説

「承認」「承諾」「了承」は、どれも“OK”に近い場面で使われるため、ビジネスメールや社内チャットで混同しやすい言葉です。

ただ、実際には「誰が」「何に対して」「どんな責任や立場で」認めるのかが違い、言い間違えると、許可のつもりが同意になってしまったり、軽く聞こえてしまったりします。

この記事では、承認と承諾と了承の違いや意味を軸に、使い分け、例文、言い換え、類義語・対義語、英語表現までまとめて整理します。

あわせて、よく一緒に検索される「了解」「承知」「快諾」「同意」「許可」「認可」「決裁」「稟議」「ご承認」「ご了承」などの関連語も交えながら、迷いどころを解消していきます。

  1. 承認・承諾・了承の意味の違いを一気に整理
  2. ビジネスで失礼になりにくい使い分けの基準
  3. 例文とNG例で「そのまま使える」表現を習得
  4. 言い換え・類義語/対義語・英語表現まで網羅

承認と承諾と了承の違い

最初に結論として、3語のズレが出るポイントを「意味」「使い分け」「英語表現」の3方向から整理します。ここを押さえるだけで、メール文面や社内決裁の言葉選びが一気に安定します。

結論:承認と承諾と了承の意味の違い

結論から言うと、3つは「OKの種類」が違います。

言葉 意味の核 ニュアンス 典型シーン
承認 内容・手続き・提案を「妥当だ」と認める 判断・決裁・権限の匂いが強い 稟議、申請、企画、アカウント権限
承諾 相手の依頼・申し出を「引き受ける」と同意する 責任や約束を背負う響き 依頼受け、契約、参加、引受
了承 事情・変更・条件を「理解して受け入れる」 許容・容認・事前の断りと相性が良い 日程変更、注意書き、免責、条件提示
迷ったら「承認=審査してOK」「承諾=引き受けてOK」「了承=事情を飲み込んでOK」と捉えると、言い換え判断が速くなります

承認と承諾と了承の使い分けの違い

私は文章を整えるとき、次の3つの質問で切り分けています。

  • 相手に権限があるか:権限者が内容を認めるなら「承認」
  • 自分が引き受けるか:依頼にYesを出して責任を負うなら「承諾」
  • 事情を受け入れてもらうか:変更・条件・不都合を理解してもらうなら「了承」

例えば、上司に稟議を通してもらうのは「ご承認」、取引先の依頼を受けるのは「承諾」、納期遅延などを事前に断って理解してもらうのは「ご了承(了承の敬語表現)」が基本線です。

相手に責任が生じる話で「了承ください」とだけ書くと、相手からは「引き受けるの?ただ理解するだけ?」が曖昧に見えることがあります。契約・依頼・費用が絡む場合は特に、最終条件を明記してから表現を選ぶのが安全です

なお、意味が近い「了解」「承知」「快諾」も混ざりがちです。より丁寧に返したい場面は「承知いたしました」を軸にしつつ、立場関係や責任の有無で「承諾」「ご承認」を選ぶと失敗しにくいです。

関連語の違いも合わせて整理したい方は、当サイトの内部記事「「御意」と「了解」の違いとは?意味・使い方・例文を簡単解説」も参考になります。

承認と承諾と了承の英語表現の違い

英語では、似ていても「権限」「同意」「受容」のニュアンスを分けて表現します。

日本語 代表的な英語 使いどころ
承認 approval / authorization 申請・稟議・権限付与の「承認」
承諾 consent / acceptance / agree 依頼・契約の「同意」「引受」
了承 acknowledgement / understanding 事情・条件の「理解」「受け入れ」
メール実務では、承認は「Please approve」、承諾は「We accept / We agree」、了承は「Thank you for your understanding」が定番です

承認の意味

ここからは、承認そのものを深掘りします。定義と使いどころが分かると、「承認」と「許可」「認可」などの混同も減っていきます。

承認とは?意味や定義

承認は、提案・申請・手続きなどの内容を「妥当だ」と認め、成立や実行に進めることを指します。ポイントは、判断する側に一定の権限や立場があることです。

例えば、稟議書の決裁、休暇申請の承認、システム権限の承認などは「内容をチェックしてOKを出す」行為であり、単なる同意よりも“判断”の色が濃くなります。

承認はどんな時に使用する?

承認は、次のような「プロセスを前に進めるスイッチ」になりやすい言葉です。

  • 社内:稟議、経費精算、発注、契約書、申請フロー
  • 対外:見積内容の承認、仕様書の承認、検収承認
  • IT:アクセス権限、アカウント発行、設定変更の承認

文章では「ご承認ください」「承認をお願いいたします」「承認済み」といった形が基本になります。

承認の語源は?

承認は、「承(うける)」+「認(みとめる)」の組み合わせです。漢字のイメージどおり「受け止めたうえで、正当だと認める」方向に意味が寄ります。

このため、承諾(引き受け)よりも「内容の妥当性」に重心があり、了承(事情の理解)よりも「可否判断」に重心が出ます。

承認の類義語と対義語は?

承認の近い言葉は多いですが、焦点が少しずつ違います。

  • 類義語:決裁、認める、是認、許可(※行為の可否寄り)、認可(※公的・法的寄り)
  • 対義語:不承認、否認、却下、差し戻し

「許可」「認可」「承認」の違いをさらに整理したい場合は、当サイトの内部記事「許可・認可・承認の違いを比較!意味と使い分け完全解説」が役立ちます。

承諾の意味

続いて承諾です。承諾は“引き受ける”色が強いため、使うときは責任範囲や条件を明確にしておくと、後のトラブルを防ぎやすくなります。

承諾とは何か?

承諾は、相手からの依頼・申し出・提案を「もっともだ」と受け入れ、同意して引き受けることです。単に「分かった」ではなく、Yesの意思表示として機能します。

法律・契約の文脈では「申込みに対する承諾」で契約が成立する、というように、行為として重みを持つ場面もあります。

承諾を使うシチュエーションは?

承諾が自然に収まるのは、次のように「相手の依頼に応じる」状況です。

  • 依頼:取材依頼を承諾する、登壇依頼を承諾する
  • 契約:条件を承諾する、約款を承諾する
  • 参加:参加を承諾する、出席を承諾する

口頭で軽く「承諾します」と言うだけだと、条件が曖昧なまま“引き受けた”と受け取られることがあります。費用・納期・範囲が絡む場合は、文面で条件を明記するのが安全です

承諾の言葉の由来は?

承諾は、「承(うける)」+「諾(うけいれる/よいとする)」という組み合わせです。漢字の雰囲気からも「受け入れて約束する」方向に意味が寄ります。

了承が“事情を飲み込む”寄りなのに対し、承諾は“依頼を引き受ける”寄り、と覚えると実務で迷いません。

承諾の類語・同義語や対義語

  • 類語・同義語:同意、受諾、応諾、了承(※事情の理解寄り)、快諾(※気持ちよく引き受ける)
  • 対義語:拒否、辞退、不承諾、不同意

了承の意味

最後に了承です。了承は「依頼を引き受ける」よりも「事情や条件を理解して受け入れる」に寄るため、断り文や注意書きと相性が良いのが特徴です。

了承の意味を解説

了承は、事情・状況・条件を理解したうえで、受け入れる(許容する)ことです。相手のお願いを積極的に引き受けるというより、「そういう事情なら仕方ない」「その条件で構わない」と飲み込むニュアンスが出ます。

よく使われる「ご了承」は、了承の尊敬語に近い形で、相手に理解と受容をお願いするときの定番表現です。

了承はどんな時に使用する?

了承が一番自然なのは、次のような“事前に伝えて理解してもらう”場面です。

  • 日程・仕様・担当の変更
  • 注意書き(免責、条件、制約)
  • 不都合や遅延の説明(あらかじめご了承いただく)

特に「ご了承ください」は便利ですが、乱用すると一方的に感じられることもあります。理由を一言添えると、受け取りが柔らかくなります。

了承の語源・由来は?

了承は、「了(わかる/はっきりする)」+「承(うける)」です。つまり「理解したうえで受け止める」という構造で、承諾よりも“理解”の要素が前面に出ます。

了承の類義語と対義語は?

  • 類義語:了解、承知、容認、許容、受容
  • 対義語:不了承、不同意、拒否、反対

「了解」はカジュアル寄りに聞こえることがある一方、「了承(ご了承)」は事情説明や条件提示と相性が良い、という差が出やすいです

承認の正しい使い方を詳しく

ここでは、承認を「そのまま使える」形に落とし込みます。例文・言い換え・ポイント・NG例をセットで押さえると、稟議やメールが一気に書きやすくなります。

承認の例文5選

  • 本申請内容について、ご承認のほどお願いいたします
  • 上長の承認が下り次第、発注手続きを進めます
  • 仕様変更は、事前に承認を得たうえで実施します
  • 当該アカウントの権限付与は、管理者の承認が必要です
  • 本件は承認済みのため、スケジュールどおり着手します

承認の言い換え可能なフレーズ

文面の硬さや社内文化に合わせて、次のように言い換えると自然です。

  • ご確認のうえ、問題なければ進めさせてください(ライト)
  • 決裁をお願いいたします(社内手続きが明確)
  • 可否のご判断をお願いいたします(判断に重心)
  • 認めていただけますでしょうか(柔らかめ)

承認の正しい使い方のポイント

承認は、「誰が承認するのか」「何が承認対象なのか」をセットで書くと誤解が減ります。

承認依頼の文面は「目的→承認してほしい対象→判断に必要な情報(期限・添付・影響範囲)」の順に並べると通りやすいです

また、費用・法務・安全など影響が大きい内容は、断定を避けつつ、最終判断の所在を明確にしておくのが安心です。

重要な手続きや制度の解釈はケースで変わることがあります。正確な情報は公式サイトをご確認ください。また、契約や法的判断が絡む場合は、最終的な判断は専門家にご相談ください

承認の間違いやすい表現

承認と混同しやすいのが「許可」「了承」「承諾」です。

  • 行為の実行を認める:許可(例:立ち入りを許可)
  • 依頼を引き受ける:承諾(例:依頼を承諾)
  • 事情を理解して受け入れる:了承(例:変更を了承)

「承認しました」と書くと“権限者として判断した”印象が出ます。自分に権限がない立場なら「確認しました」「承知しました」に寄せるほうが安全です

承諾を正しく使うために

承諾は「引き受ける」言葉です。つまり、条件が曖昧なままだと、後で認識違いになりやすい。ここでは、使い方を型として固めます。

承諾の例文5選

  • ご依頼の件、内容を確認のうえ承諾いたしました
  • 提示いただいた条件にて承諾いたします
  • 取材依頼を承諾し、日程は別途調整いたします
  • 当社は本契約の条項を承諾のうえ、締結いたします
  • 参加の可否は社内確認後、承諾のご連絡を差し上げます

承諾を言い換えてみると

  • お引き受けいたします(依頼受けに強い)
  • 同意いたします(条件同意に強い)
  • 受諾いたします(文章語で硬め)
  • 承りました(会話・受付のトーン)

承諾を正しく使う方法

承諾を使うときは、「何に同意するのか」を文章内で特定できるように書くのが鉄則です。

承諾の文面は「承諾する対象(依頼/条件/範囲)」「前提条件(期限/費用/成果物)」「例外(除外事項)」の3点を書けると強いです

費用や納期など数値が絡む場合、その数値は状況によって変動する可能性があります。記載する際は「あくまで一般的な目安」であることを添えるか、正式条件は別紙・契約書に寄せるのが安全です。

正確な条件は公式資料・契約書をご確認ください。判断に迷う場合は、最終的な判断は専門家にご相談ください。

承諾の間違った使い方

承諾は重みがあるため、軽い相づち代わりに使うと齟齬が出ます。

  • NG:内容をよく見ずに「承諾しました」と返す(条件不明のまま引き受けた扱いになる)
  • NG:ただ理解しただけなのに「承諾しました」と言う(了承/承知のほうが適切)

「承諾=受ける」なので、受けられない可能性がある段階では「検討します」「社内確認します」とクッションを置くほうが安全です

了承の正しい使い方を解説

了承は、事情説明や条件提示で活躍します。ただし、相手によっては一方的に聞こえることもあるため、理由や配慮の一言を添えるのがコツです。

了承の例文5選

  • 日程変更となりました。恐れ入りますがご了承いただけますと幸いです
  • 混雑状況により、返信にお時間をいただく場合がございます。ご了承ください
  • 仕様上、表示に差が出ることがあります。あらかじめご了承ください
  • 本件は社内調整の都合により、対応が後ろ倒しになります。ご了承願います
  • 個別の事情には対応できかねます。あらかじめご了承のほどお願いいたします

了承を別の言葉で言い換えると

  • ご理解ください(ストレート)
  • ご容赦ください(謝意を含みやすい)
  • ご確認ください(条件を読んでほしいとき)
  • 差し支えなければ(柔らかい依頼)

了承を正しく使うポイント

了承(ご了承)を求めるときは、「理由」「相手の不利益を小さくする配慮」を添えると、印象が大きく変わります。

「ご了承いただけますと幸いです」に、理由(混雑/仕様/手続き)を一言足すだけで、“一方的なお願い”になりにくくなります

また、免責・注意事項として使う場合でも、過度に断定するとトラブルの火種になります。制度や契約に関わる内容は、正確な情報は公式サイトをご確認ください。必要に応じて最終的な判断は専門家にご相談ください。

了承と誤使用しやすい表現

了承と混ざりやすいのが「承知」「了解」です。

  • 相手の事情を理解し、引き受ける返事:承知(丁寧で万能寄り)
  • カジュアルに「わかった」:了解(相手や場面に注意)
  • 事情や条件を受け入れてもらう:了承(ご了承)

相手に“お願い”をするときに「ご了承ください」だけで押し切ると、冷たく感じられることがあります。可能な範囲で代替案や救済策(別日提案、返金条件など)を添えると丁寧です

まとめ:承認と承諾と了承の違いと意味・使い方の例文

承認・承諾・了承は、似ているようで役割が違います。

  • 承認:内容を審査し、妥当だと認めて前に進める(判断・決裁)
  • 承諾:相手の依頼や提案に同意し、引き受ける(責任・約束)
  • 了承:事情や条件を理解し、受け入れる(許容・事前の断り)

ビジネスでは、言葉の選び方ひとつで「責任の所在」や「立場感」が伝わります。迷ったら「権限判断=承認」「引受=承諾」「事情の受容=了承」の軸に戻すと、ほとんどのケースで整合が取れます。

なお、手続き・契約・法的判断が絡む場合はケースにより扱いが異なることがあります。正確な情報は公式サイトをご確認ください。必要に応じて最終的な判断は専門家にご相談ください。

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