
「図」と「絵」はどちらも“目で見て理解するための表現”ですが、いざ説明しようとすると「違いは何?」「使い分けは?」「イラストや図解、挿絵、グラフ、地図、アイコン、模式図、表とはどう関係する?」と迷いやすい言葉です。
この記事では、「図」と「絵」の違いや意味を軸に、使い方、言い換え、語源、類義語・対義語、英語表現、例文までを一気に整理します。文章作成、資料作り、レポート、プレゼン、学習ノート、SNS投稿など、どの場面でも迷わない判断基準が手に入るはずです。
- 図と絵の意味の違いを短く整理できる
- 場面ごとの使い分けが判断できる
- 英語表現と言い換えまでまとめて確認できる
- 例文で「自然な使い方」と「誤用」を避けられる
図と絵の違い
まずは結論から、図と絵の“役割”の違いを押さえます。似ているようで、求められる正確さや目的がズレるため、ここを理解すると言い換えも英語表現も一気に楽になります。
結論:図と絵の意味の違い
結論から言うと、図は情報や構造を「整理して伝える」ための表現で、絵は見た目や雰囲気を「イメージとして伝える」ための表現です。
図は、関係性・流れ・位置・量・仕組みなどを、読み手が素早く理解できるように“要点だけ”を抜き出して配置します。たとえば、相関図、フローチャート、地図、グラフ、模式図、配置図などは、現実をそのまま描くのではなく、理解に必要な情報へ抽象化しているのが特徴です。
一方の絵は、人物や風景、モノの見た目、世界観、感情などを“見た通り・感じた通り”に表現しやすい領域です。イラスト、挿絵、スケッチ、絵画のように、読み手に印象や情緒を届ける役割が強くなります。
- 図=理解を助ける整理(情報の設計)
- 絵=印象を届ける表現(イメージの表現)
図と絵の使い分けの違い
使い分けはシンプルで、「何を目的に見せたいか」で決めます。私は次の2軸で判断しています。
1)正確さが必要なら「図」
寸法、位置関係、手順、因果、比較、数値、全体像など、読み手が“誤解してはいけない”情報は図が向きます。図は、余計な装飾を削っても成立しやすく、読み手の理解を一定に揃えられるのが強みです。
2)雰囲気や感情を伝えたいなら「絵」
やわらかさ、楽しさ、怖さ、温かさなど、言葉にしにくい印象を直感的に伝えたいなら絵が向きます。たとえば、子ども向け教材の挿絵、物語のイラスト、サービス紹介のキービジュアルなどは、理解より先に“受け取り方”を整える役割が大きいです。
- 資料作りでは「絵を足す」より先に、図で結論と構造を作るとブレにくい
- 逆に、硬い内容でも“入口”として絵(イラスト)を置くと読み手の心理的ハードルが下がる
図と絵の英語表現の違い
英語では「図」と「絵」を日本語ほど一語でスパッと分けないことも多いので、文脈で選びます。
- 図:diagram / chart / figure / graph / map / schema など
- 絵:picture / illustration / drawing / painting など
たとえば、グラフは graph や chart、論文中の「図1」は figure、工程の流れは flowchart(diagram)といった具合です。絵のニュアンスが強い場合は illustration(説明用の絵)や picture(写真や絵を広く含む)が自然になります。
- 英語のfigureは「図」以外に「人物」「数字」などの意味もあるため、文脈で誤読されない表現に調整する
図とは?
ここからは「図」そのものを深掘りします。意味・使う場面・語源イメージ・類義語と対義語まで押さえると、文章内での選び方が明確になります。
図の意味や定義
図は、物事の形・関係・仕組み・配置などを、理解しやすい形に整理して示す表現です。現実をそのまま写すのではなく、伝えたい情報に合わせて抽象化し、要点だけを残すのが基本姿勢になります。
「図にはルールがある」「図は情報を運ぶ」と言われるのは、読み手に同じ理解を届ける必要があるからです。特に技術資料や学術資料では、線の意味、矢印、記号、凡例などが重要になり、見る側の解釈がズレない設計が求められます。
図はどんな時に使用する?
図が向くのは、文章だけだと理解が追いつかない情報です。具体的には次のような場面が代表例です。
- 手順や流れ:フローチャート、工程図、業務手順
- 関係性:相関図、組織図、概念図
- 比較や数値:グラフ、表、チャート
- 位置や配置:地図、配置図、レイアウト図
特に、読み手が「どこが重要?」「どうつながる?」で迷いそうな内容ほど、図にすると理解負荷が下がります。
関連して、当サイト内では「図示」と「図解」の違いも整理しています。図の“見せ方”で迷う場合は参考になります。
図の語源は?
「図」は、ものの形や仕組みを“示す”という発想に近い言葉です。現代の日本語では、設計図、地図、図表、図形などのように、情報を整えて見せる領域で広く使われます。
- 語源や厳密な定義は辞書・学術資料で表現が揺れる場合があります。正確な記述が必要な場面では、国語辞典や専門分野の公式資料をご確認ください
図の類義語と対義語は?
図の類義語は、どの角度の「図」なのかで候補が変わります。
- 類義語:図表、図解、模式図、概念図、チャート、グラフ、配置図、設計図
- 対義語:絵(イメージ重視)、写真(写実・記録寄り)、文章(テキスト主体)
対義語は一語で固定しづらいのですが、図が「整理された情報」なら、反対方向は「感覚・印象を主に伝える表現(絵)」や「そのまま写す表現(写真)」がわかりやすい整理です。
絵とは?
次に「絵」を深掘りします。絵は“自由さ”が魅力ですが、場面によっては誤解を生みやすい側面もあります。どの用途で使う言葉なのかを一緒に整理しましょう。
絵の意味を詳しく
絵は、人物・風景・モノなどを、線や色で表し、見た目の印象やイメージを伝える表現です。写実的な絵もあれば、デフォルメ、漫画、イラスト、抽象画のような表現も含みます。
絵は情報の正確さよりも、「どう感じるか」「どんな印象を受けるか」に重心が置かれやすい言葉です。そのため、絵が上手い・味がある・雰囲気が伝わる、といった評価軸とも相性が良いのが特徴です。
絵を使うシチュエーションは?
絵が活躍するのは、直感で理解してほしい、または感情の入口を作りたい場面です。
- 子ども向け教材の挿絵やイラスト
- 物語・エッセイ・記事のカット(場面のイメージ共有)
- 広告・SNSでのビジュアル(印象づけ)
- 会話の補助(「こんな感じ」を伝えるスケッチ)
「正しく伝える」よりも、「伝わる」ことを優先したいときに絵は強い味方になります。
絵の言葉の由来は?
「絵」は、描いて表すという発想そのものが中心にあります。漢字の成り立ちに踏み込みすぎると解釈が揺れやすいので、ここでは実用の観点で押さえますが、現代の用法としては、視覚的な表現物全般を指す便利な言葉として定着しています。
- 語源の説明は資料により表現が異なることがあります。レポートや研究で厳密さが必要な場合は、辞典・学術資料などの一次情報を確認し、最終的な判断は指導教員や専門家にご相談ください
絵の類語・同義語や対義語
絵の類語は「どんな絵か」で変わります。文章の目的に合わせて選びましょう。
- 類語・同義語:イラスト、挿絵、絵画、スケッチ、 рисун(※外来の説明ではなく、基本は日本語でOK)
- 対義語:図(情報整理)、文章(テキスト中心)、数表(数値中心)
また、当サイト内の関連テーマとして「書く・描く・画く」の使い分けも役に立ちます。絵にまつわる動詞選びで迷う方は参考にしてください。
図の正しい使い方を詳しく
ここでは、文章中で「図」をどう使えば自然かを、例文・言い換え・コツ・間違いやすい表現まで含めて整理します。資料やレポートでの表現精度を上げたい方は、この章が一番効きます。
図の例文5選
- 手順が複雑なので、文章だけでなく図でも流れを示します
- 全体像は図にまとめ、詳細は本文で補足しました
- 位置関係が伝わりにくいので、簡単な図を添えます
- 数値の推移は図(グラフ)にすると一目でわかります
- 関係者の役割分担を図にして整理しました
どの例文も「図=整理して理解を助ける」という芯がブレていません。ここがズレると、図と言いながら実態がイラストになってしまい、読み手が迷子になります。
図の言い換え可能なフレーズ
同じ「図」でも、何を示すかで言い換えが精密になります。
- 流れを示すなら:フロー図、工程図、手順図
- 関係を示すなら:相関図、関係図、概念図
- 数値を示すなら:グラフ、チャート、図表
- 位置を示すなら:配置図、地図、レイアウト図
- 「図」だけで曖昧なら、目的語を補って言い換える
図の正しい使い方のポイント
図を正しく使うコツは、「伝えるべき情報の粒度を決める」ことです。私は次の順番で整理します。
- 読み手が知りたい“結論”を先に決める
- 結論に必要な要素だけを残す(捨てる情報も決める)
- 関係性(矢印・並び・近さ)で意味が伝わるように配置する
- 凡例や注釈を足し、誤読ポイントを先回りで潰す
特にビジネス資料では、見栄えよりも「誤読しない」ことが価値になります。色や装飾は最後で十分です。
図の間違いやすい表現
よくある間違いは、図と言いながら“絵(イラスト)に頼ってしまう”ケースです。たとえば、キャラクターや装飾が多く、肝心の関係性や流れが読み取れない場合、読み手にとっては図ではなく“雰囲気の絵”になってしまいます。
- 図は「見やすさ」を優先しすぎると、情報が落ちて誤解が起きることがある
- 規格や社内ルールがある分野(製図など)では、正確な情報は公式資料をご確認ください。最終的な判断は専門家にご相談ください
絵を正しく使うために
絵は自由度が高い分、「伝えたいことが伝わらない」「余計な誤解を生む」こともあります。この章では、例文で自然な使い方を掴み、言い換えと注意点まで押さえます。
絵の例文5選
- 説明文に合うように、やさしいタッチの絵を添えました
- 子どもが理解しやすいように、場面の絵を描きました
- 頭の中のイメージを、簡単な絵にして共有します
- 表紙に絵があると、内容の雰囲気が伝わります
- 写真だと硬いので、あえて絵で表現しました
絵は「正確さ」より「受け取り方」を整えるのが得意です。読む人の気持ちに寄り添いたい場面で力を発揮します。
絵を言い換えてみると
絵は言い換えると、意図がさらに明確になります。
- 説明用なら:イラスト、説明イラスト、カット
- 本文の補助なら:挿絵
- 軽い落書きなら:スケッチ、ラフ
- 作品性が強いなら:絵画
- 「絵」の目的が説明なのか、印象づけなのかを言い換えで明確にする
絵を正しく使う方法
絵を正しく使うコツは、「絵にやらせる役割を決める」ことです。私は次の3つを事前に決めます。
- 読み手に感じてほしい印象(やさしい・楽しい・落ち着く など)
- 絵が補う情報(形・場面・雰囲気のどれか)
- 絵で伝えない情報(数値・順序・比較などは図や文章に任せる)
この切り分けができると、絵は“説明の邪魔をしない”形で効いてきます。
絵の間違った使い方
絵でありがちな誤用は、絵に情報の正確さを期待しすぎることです。たとえば、寸法や比率、手順の順番、因果関係などを絵だけで表すと、読み手が「なんとなく」理解したつもりになり、実務ではズレが起きやすくなります。正確さが必要な内容は、図・表・文章で補強してください。
- 絵は自由度が高いぶん、受け取り方が人によって変わりやすい
- 誤解が許されない場面では、公式資料をご確認ください。最終的な判断は専門家にご相談ください
まとめ:図と絵の違いと意味・使い方の例文
図と絵の違いは、ひと言でいえば目的の違いです。図は情報や構造を整理して理解を助け、絵は印象やイメージを直感的に伝えます。
使い分けに迷ったら、「誤解なく伝える必要があるなら図」、「雰囲気や入口を作りたいなら絵」を基準にしてください。英語表現は図が diagram / chart / figure、絵が picture / illustration / drawing を中心に、文脈で選ぶと自然です。
なお、語源や厳密な定義、規格が関わる分野(製図など)は表現が揺れる場合があります。正確な情報は公式サイトや辞書をご確認のうえ、重要な判断は専門家にご相談ください。

