「嗚咽」と「号泣」の違いや意味・使い方・例文まとめ
「嗚咽」と「号泣」の違いや意味・使い方・例文まとめ

日常会話や小説、ニュースの文章の中で「嗚咽」「号泣」という言葉を目にしたとき、「嗚咽と号泣の違いや意味がいまいちピンと来ない」「嗚咽の意味や使い方、号泣とのニュアンスの差を知りたい」と感じたことはないでしょうか。

検索すると「嗚咽の意味」「号泣の意味」「嗚咽と号泣の違いに関する解説」「嗚咽の類義語や言い換え」「号泣との違いは?」「嗚咽の英語表現や英語での言い方」「号泣を英語でどう表現するか」「嗚咽の使い方や例文」といった関連情報がたくさん出てきますが、それらを一つひとつ読み解いていくのは意外と大変です。

そこでこの記事では、嗚咽と号泣の違いを軸に、両者の意味、使い分けのポイント、語源、類義語・対義語、英語表現、さらに実際に使える例文までを一つに整理して解説します。日本語としての正しいイメージを押さえておくと、感情の細やかな描写や、文章表現の精度がぐっと高まります。

この記事を読んでわかること
  1. 嗚咽と号泣の意味の違いとイメージの差を理解できる
  2. それぞれの適切な使い分け方と具体的なシチュエーションが分かる
  3. 嗚咽・号泣に関する類義語・対義語・英語表現を整理できる
  4. 実用的な例文を通して、今日から自然に使える表現力が身につく

嗚咽と号泣の違い

この章では、まず「嗚咽」と「号泣」がどんな泣き方を指すのか、その核心となる意味の違いを押さえたうえで、実際の使い分けや英語表現の差までを整理します。全体像をここで掴んでおくと、後半の詳しい解説も理解しやすくなります。

結論:嗚咽と号泣の意味の違い

最初に、嗚咽と号泣の違いを一文でまとめると、次のように整理できます。

基本的な意味泣き方のイメージ
嗚咽声や息を詰まらせながら、断続的に泣くこと胸や喉が詰まるような、押し殺した激しい泣き方
号泣大きな声を上げて激しく泣くこと周囲にもはっきり聞こえる、泣き叫ぶような泣き方

どちらも激しく泣く状態を表しますが、嗚咽は「声が詰まる・押し殺す」方向、号泣は「声を大きく出す」方向と覚えると整理しやすくなります。

例えば、葬儀の場で肩を震わせて声にならない声を漏らしている様子は「嗚咽する」、スポーツでの大敗や映画のクライマックスで声を上げて泣き崩れている様子は「号泣する」と表現すると、情景がぐっと具体的に伝わります。

嗚咽と号泣の使い分けの違い

意味の核が分かったところで、実際にどう使い分ければよいかを整理しておきましょう。

ポイントは「声の大きさ」と「感情の出し方」

嗚咽と号泣は、どちらも深い悲しみや感動が背景にありますが、表に出方が異なります。

  • 嗚咽:感情を抑え込みつつも、こらえきれずに漏れるような泣き方
  • 号泣:感情を抑えきれず、周囲を気にせず泣き叫ぶような泣き方

状況別にみると、次のようなイメージです。

  • 静まり返った場で、肩を震わせながら息を詰まらせている → 嗚咽
  • 人目もはばからず涙とともに大きな声を上げている → 号泣
MEMO

最近では「号泣」を「大泣きする」の意味で、必ずしも大声でなくても使うケースも増えています。ただし文章やビジネス寄りの場面では、本来の意味である「大声で泣く」に沿って使う方が無難です。

誤用になりやすいパターン

例えば「静かに号泣した」「声を出さずに号泣した」という表現は、厳密には矛盾を含んでいます。「静かに激しく泣いた」と言いたいなら、「静かに嗚咽した」「声を殺して嗚咽した」などに言い換えると、意味のズレを防げます。

嗚咽と号泣の英語表現の違い

嗚咽と号泣に対応する英語表現も、イメージの違いを押さえておくと便利です。

嗚咽(おえつ)の英語表現

  • sob / sobbing:むせび泣く、嗚咽する
  • sob uncontrollably:抑えきれずに嗚咽する
  • choke with sobs:嗚咽で喉が詰まる

「彼女は嗚咽した」は、She sobbed. や She was sobbing. のように表現できます。「嗚咽をこらえる」は hold back one’s sobs といった言い方が自然です。

号泣(ごうきゅう)の英語表現

  • wail:泣き叫ぶ、号泣する
  • bawl:わんわん泣く、大声で泣く
  • cry one’s eyes out:泣きじゃくる、号泣する(口語的)

「彼は試合に負けて号泣した」は、He wailed after the game.He cried his eyes out after the game. のように表現できます。ここでも「静かに号泣する」は英語でもやや矛盾した組み合わせになるため、描きたいイメージに応じて「sob quietly」などに言い換えた方が自然です。

嗚咽の意味

ここからは、それぞれの言葉を個別に深掘りしていきます。まずは「嗚咽」について、意味・使われ方・語源・類義語などを整理します。

嗚咽とは?意味や定義

「嗚咽(おえつ)」は、感情が高ぶって声や息を詰まらせながら泣くこと、またはそのときの途切れ途切れの泣き声を指す言葉です。

辞書的な定義としては、次のような要素を含みます。

  • 涙を流しながら、声がうまく出ない状態
  • 胸や喉がつかえたように、息を詰まらせて泣く様子
  • 「ヒック、ヒック」と短く詰まった呼吸が続くイメージ

単に「泣く」ではなく、「感情の強さ」と「呼吸の乱れ」が一体となった泣き方を描写したいときに用いられる、やや文学的で情緒的な語です。

嗚咽はどんな時に使用する?

嗚咽という言葉がふさわしいのは、次のようなシーンです。

  • 肉親や大切な人を亡くしたときの深い悲しみ
  • 過去のつらい出来事を思い出し、こみ上げてくる涙
  • 心からの謝罪や懺悔の場面で、声が震えるように泣く様子
  • 感動で胸がいっぱいになり、言葉が出ないほど涙があふれる瞬間

このように、「心の奥底から込み上げてくる感情が、声や息を詰まらせている」という点が重要です。声量よりも、胸の苦しさや喉の詰まり、断続的な呼吸の乱れが前面に出る泣き方といえます。

CAUTIONT

単に「静かに泣いた」だけでは嗚咽とは限りません。息が詰まるほどの感情の高ぶりがあるときにだけ使うと、表現の精度が上がります。

嗚咽の語源は?

「嗚咽」という漢字は、それぞれ次のような意味を持っています。

  • 嗚:声をあげて泣く、悲しみの声をあげること
  • 咽:のど、むせぶ、息が詰まること

つまり嗚咽は、「のどを詰まらせるように声を上げて泣く」というイメージから成り立った熟語です。漢字自体に「泣き声」と「のどの詰まり」が含まれているため、意味を覚えるときにもヒントになります。

日本語では古くから文学作品や詩歌の中で使われてきた表現で、現在でも小説やエッセイ、新聞記事など、やや書き言葉寄りの場面でよく見かけます。

嗚咽の類義語と対義語は?

嗚咽の近い意味を持つ言葉と、反対のイメージを持つ言葉も整理しておくと、言い換えの幅が広がります。

嗚咽の類義語・近い表現

  • むせび泣く:息が詰まるほど激しく泣く様子
  • すすり泣く:鼻をすするように静かに泣く様子(嗚咽よりやや静かなイメージ)
  • しくしく泣く:声を抑えながら、長く続く静かな泣き方
  • 涙にむせぶ:涙と感情で声が詰まっている状態

嗚咽の対義語イメージ

厳密な意味での「対義語」はありませんが、イメージとして反対側に位置するのは次のような表現です。

  • 笑う/微笑む:喜びや安堵の感情を表に出す
  • 平静を保つ:感情を表に出さず冷静でいる
  • 泰然自若:動揺せず落ち着いている様子

文脈によっては、「嗚咽」と「静かに微笑む」を対比させることで、心情や場面のコントラストを強く印象づけることもできます。

号泣の意味

続いて「号泣」について、意味や使われる状況、由来、類義語などを見ていきます。

号泣とは何か?

「号泣(ごうきゅう)」は、大きな声をあげて激しく泣くことを意味します。ここでのポイントは「声の大きさ」と「感情の爆発」です。

  • 涙と同時に声をはっきり出している
  • 周囲の人にもクリアに泣き声が聞こえる状態
  • 感情のコントロールを失い、泣き叫ぶようなイメージ

喜びのあまり号泣するケースもありますが、一般的には「悲しみ」「悔しさ」「後悔」などの激しい感情と結び付きやすい言葉です。

号泣を使うシチュエーションは?

号泣という表現がしっくりくるのは、次のような場面です。

  • 試合に敗れた選手がグラウンドで泣き崩れる
  • ドラマのクライマックスで、登場人物が大声で泣き叫ぶ
  • 長年の夢が叶い、感極まって声を上げて泣く
  • 子どもがわんわんと泣き続けている

このように、周囲が振り返るほどの激しい泣き方を描写するときに「号泣」は非常に便利な言葉です。

号泣の言葉の由来は?

号泣の漢字の構成も、意味を理解するうえでヒントになります。

  • 号:さけぶ、大声をあげる、叫び声
  • 泣:涙を流して泣くこと

つまり、「号泣」は文字通り「大声で泣く」という意味を持つ熟語です。古くは漢文の世界でも使われており、現在の日本語でもニュースや解説記事、小説など幅広い場面で使われています。

近年はインターネット上で「感動して号泣した」「推しのライブで号泣案件」といった軽めの使われ方も見られますが、フォーマルな文章では本来の意味に近い「大声で泣き叫ぶ」というニュアンスで使うことをおすすめします。

号泣の類語・同義語や対義語

号泣の類義語・近い表現

  • 大泣き:涙を多く流して激しく泣くこと(声の大きさは文脈次第)
  • 泣き叫ぶ:泣きながら叫ぶ、叫び声を伴う泣き方
  • わんわん泣く:子どもが大きな声で泣く様子を表す擬態的な表現
  • 泣きじゃくる:泣き続けて、しゃくりあげるように泣くこと

号泣の対義語イメージ

こちらも厳密な意味での対義語はありませんが、イメージとして対になるのは次のような表現です。

  • 冷静:感情を表に出さず落ち着いている様子
  • 平然:何事もなかったかのように振る舞うこと
  • 静観する:感情的にならず、静かに見守ること

嗚咽の正しい使い方を詳しく

ここからは、嗚咽の実際の使い方にフォーカスして、例文や言い換え表現、使うときの注意点を整理していきます。

嗚咽の例文5選

まずは、嗚咽を含む自然な日本語の例文を5つ挙げます。

  1. 訃報を聞いた瞬間、彼女は言葉を失い、その場で嗚咽を漏らした。
  2. スピーチの途中で感情がこみ上げ、私は嗚咽をこらえながら感謝の言葉を伝えた。
  3. 静まり返った会場に、彼の押し殺した嗚咽だけが響いていた。
  4. 過去の出来事を語るうちに、彼女は机に突っ伏して嗚咽し始めた。
  5. 涙と嗚咽の狭間で、彼はようやく本心を打ち明けた。

いずれの例も、「静かな場」「声にならない声」「胸が締めつけられるような感情」がキーワードになっています。

嗚咽の言い換え可能なフレーズ

文章の中で嗚咽ばかりを繰り返すと重くなりがちなので、近いニュアンスの言い換え表現も知っておくと便利です。

  • 嗚咽した → むせび泣いた/しゃくりあげながら泣いた
  • 嗚咽を漏らす → 押し殺した声を漏らす/泣き声をこらえきれず漏らす
  • 嗚咽をこらえる → 込み上げる泣き声を飲み込む/涙声を必死に抑える
MEMO

日本語表現のニュアンスの違いに興味がある方は、同じく泣く表現である「哭く」と「泣く」の違いを解説した記事も参考になると思います。「哭く」と「泣く」の違いや意味・使い方・例文では、声を上げるかどうかといった観点から、より細かい差を整理しています。

嗚咽の正しい使い方のポイント

嗚咽を使いこなすためのポイントを、簡潔にまとめておきます。

  • 静かな場面に強い:騒がしい場よりも、沈黙の中に響く泣き声の描写に向いている
  • 心理描写と相性が良い:キャラクターの「内面の揺れ」を表すときに効果的
  • 多用しすぎない:感情がピークに達した場面に絞って使うと、印象が強まる

文章を書くときには、「嗚咽」を出す場面を物語の山場や感情が大きく動く局面に置いておくと、読者への印象がより深く残ります。

嗚咽の間違いやすい表現

最後に、嗚咽に関してよく見かける誤用や、気をつけたい組み合わせを挙げておきます。

  • × 静かに嗚咽した(文脈によってはOKだが、やや意味が重複)
  • × 明るく嗚咽した(感情の方向性が噛み合わない)
  • 少しだけ嗚咽した(嗚咽は感情がかなり高ぶった状態なので「少しだけ」とはやや相性が悪い)

基本的に、嗚咽は静かだが激しい泣き方なので、「明るい」「軽い」「ちょっとだけ」といった形容とは組み合わせにくいと覚えておくと失敗が減ります。

号泣を正しく使うために

次に、号泣の例文や言い換え表現、正しい使い方と誤用になりやすいパターンを見ていきます。嗚咽との対比を意識しながら読むと、違いがよりクリアになります。

号泣の例文5選

号泣を含む例文を、感情の種類ごとに挙げてみます。

  1. 優勝を逃した瞬間、選手たちはその場にしゃがみ込み、声をあげて号泣した。
  2. サプライズで両親の手紙が読まれ、彼女は感極まって号泣してしまった。
  3. 大好きなキャラクターが物語の中で亡くなり、映画館のあちこちで号泣する観客がいた。
  4. 子どもが転んで膝をすりむき、痛さのあまり号泣して母親にしがみついた。
  5. 卒業式が終わったあと、教室でクラスメイトたちと抱き合いながら号泣した。

どの文でも共通しているのは、「大きな声」+「感情の爆発」という点です。

号泣を言い換えてみると

号泣もまた、文脈によっては別の表現に置き換えた方が自然な場合があります。

  • 号泣した → 大泣きした/わんわん泣いた/泣き叫んだ
  • 号泣する観客 → 涙を流して叫ぶ観客/大声で泣く観客
  • 号泣しながら抱き合う → 涙声で叫びながら抱き合う
POINT

日常会話では「号泣した〜」と軽く使われることも多いですが、書き言葉では「本当にその場で大声を出していたのか?」を一度イメージしてから使うと、表現の精度が上がります。

号泣を正しく使う方法

号泣を自然に、かつ正確に使うためのポイントをまとめておきます。

  • 声が聞こえるかどうかを想像する:周囲にしっかり聞こえるなら「号泣」、そうでなければ「嗚咽」や「すすり泣く」を検討
  • 場面のトーンを意識する:フォーマルな文章では、安易に「号泣連発」しない
  • 感情のピークを表す言葉として使う:ここぞという場面に絞ると、言葉の力が増す
MEMO

日本語の似た表現の違いに興味がある方は、感情表現のニュアンスを扱った記事として「メンヘラ」と「ヤンデレ」の違いや意味・使い方・例文まとめなども読み比べてみると、言葉の繊細な差に敏感になっていきます。

号泣の間違った使い方

最後に、号泣に関してよく話題になる誤用パターンを挙げます。

  • × 心の中で号泣した
  • × 声を出さずに号泣した
  • × 静かに号泣した

これらはいずれも、「大声をあげて泣く」という号泣本来の意味と矛盾しています。比喩や誇張として使うなら完全な誤りとは言えませんが、ビジネス文書や論文、ニュース記事などでは避けるべき表現です。

「心の中で号泣した」というフレーズは、カジュアルな会話ではよく使われますが、文章としてきちんと書く場合は「心の中で泣き崩れた」「胸が張り裂けそうだった」などに言い換えるとよいでしょう。

まとめ:嗚咽と号泣の違いと意味・使い方の例文

最後に、ここまでの内容を簡潔に振り返ります。

  • 嗚咽:声や息を詰まらせながら、胸が締めつけられるように泣くこと。静かな場や心理描写と相性が良い
  • 号泣:大きな声をあげて激しく泣くこと。感情の爆発やドラマチックな場面の描写に向いている
  • 英語では、嗚咽は sob / sobbing、号泣は wail / bawl / cry one’s eyes out などが近い表現
  • 「静かに号泣」「心の中で号泣」のような表現は、本来の意味からは外れるため、場面に応じて「嗚咽する」「大泣きする」「泣き崩れる」などと言い換えると自然
MEMO

同じ「泣く」を表す日本語にも、「哭く」「鳴く」「啼く」などさまざまな表現があります。泣き方や感情の違いに興味が湧いたら、「鳴く」と「啼く」の違いや意味・使い方・例文などもあわせて読んでみてください。言葉の世界がさらに広がります。

言葉の意味や使い分けは、辞書や文献によって説明の仕方が異なることもあります。ここで解説した内容は、日本語表現を分かりやすく整理するための一つの見方です。正確な情報や定義を確認したい場合は、国語辞典や信頼できる公式サイトの記述もあわせてチェックしていただくことをおすすめします。

また、文章表現や言葉の選び方に迷ったときは、最終的な判断を専門家(日本語教師、校閲者、編集者など)に相談することで、より安心して使える表現を選べます。この記事が、嗚咽と号泣の違いを理解し、自信を持って使い分けるための一助になればうれしいです。

おすすめの記事