「付議」と「付託」の違いとは?意味・使い方・例文を徹底解説
「付議」と「付託」の違いとは?意味・使い方・例文を徹底解説

「付議」と「付託」は、議会や委員会、行政の文書などで見かけることが多い言葉です。ただ、いざ自分で書こうとすると「付議事件って何?」「付託先ってどこ?」「読み方は?」「審議や審査とどう関係するの?」と迷いやすいのも事実です。

結論から言うと、付議は「議題として会議の審議にのせること」、付託は「詳しい審査を委員会などに任せること」。似ているようで、使う場面と“役割”がはっきり違います。

この記事では、付議と付託の違いと意味を軸に、使い分け、語源、類義語・対義語、言い換え、英語表現、そしてそのまま使える例文まで、違いの教科書の視点で整理します。公的文書や稟議書、議事録の表現で迷わないように、実務に落ちる形でまとめました。

  1. 付議と付託の意味の違いと覚え方
  2. 議会や社内会議での自然な使い分け
  3. 類義語や言い換えと英語表現の対応
  4. すぐに使える例文と間違いやすいポイント

付議と付託の違い

ここでは、まず全体像として「何がどう違うのか」を最短で掴みます。付議と付託は、どちらも“案件を扱う手続”に関わりますが、どの段階で、誰に何をさせる言葉かが違います。

結論:付議と付託の意味の違い

私の結論はシンプルです。

  • 付議:案件(議案・請願など)を会議の審議の対象として取り上げること
  • 付託:取り上げた案件を委員会などに付して、詳しい審査を任せること

イメージで言うなら、付議は「議題としてテーブルに載せる」、付託は「テーブルに載ったものを、専門の部屋(委員会)に回して精査してもらう」です。

付議=審議に付す(議題化)/付託=審査を託す(委員会などへ回付)

なお、議会用語としては「付議された議案を、所管委員会に付託する」という流れが典型です(自治体の議会用語解説でもこの整理が一般的です)。

付議と付託の使い分けの違い

使い分けは「誰が」「どこで」「何をするか」を押さえると迷いません。

観点 付議 付託
主な段階 会議で取り上げる段階 詳細審査に回す段階
舞台 本会議・会議体全体 常任委員会・特別委員会など
核になる動詞 審議に付す/議題にする 審査を任せる/委ねる
相性が良い語 議案・事件・案件・議題 委員会・所管・審査・回付

社内文脈に置き換えると、付議は「会議に上げる」、付託は「専門部署に検討を任せる」に近いです。ただし、会社の文書でこの二語を使うと硬くなりやすいので、後半の「言い換え」も参考にしてください。

議会以外の場面で多用すると、相手によっては「回りくどい」「公的文書っぽい」印象になることがあります。社内ルールや相手の文体に合わせて言い換えも検討しましょう。

付議と付託の英語表現の違い

英語にすると、付議は「議題として取り上げる」、付託は「委員会などに回して任せる」という違いがより明確に出ます。

  • 付議:submit for deliberation / place on the agenda / bring (a matter) before the assembly
  • 付託:refer (a bill) to a committee / commit (to a committee) / entrust (a matter) to

特に議会文脈では、付託は refer to a committeecommit to a committee がしっくりきます。付議は「会議体に上程して審議対象にする」ニュアンスなので、submit for deliberationplace on the agenda が便利です。

付議とは?

ここからは、それぞれを単体で深掘りします。まずは付議。公的な会議体で頻出ですが、意味を曖昧にしたまま使うと、手続の段階を取り違えやすい言葉です。

付議の意味や定義

付議(ふぎ)とは、案件(議案・請願・報告事項など)を、会議の審議に付すことです。つまり「議題として正式に扱う状態にする」ことを指します。

ポイントは、付議は「審査を委員会に任せる」ではなく、会議体として扱う入口の操作だという点です。議会なら本会議、組織なら意思決定の会議(取締役会・委員会など)に“載せる”行為が付議です。

付議はどんな時に使用する?

付議が自然に使えるのは、次のような「会議にかける」局面です。

  • 議案を本会議で議題として扱うとき
  • 委員会の付議事件として審議対象を設定するとき
  • 請願や陳情を議会で扱う前段として議題化するとき

ニュースや議事録で「本件を付議する」「付議事件」などと出てきたら、「これから審議対象として扱う(扱われている)」合図だと捉えると理解が早いです。

付議=議題に“のせた”状態。まだ結論が出たわけではなく、ここから質疑・討論・表決などの審議が進むイメージです。

付議の語源は?

付議は漢字の構造が素直で、語感の理解にも役立ちます。

  • :付ける/ある状態にのせる
  • :議する/論じ合う

つまり付議は「議するところに付ける」=議論・審議の対象に加えるという成り立ちです。行政・議会の文書で定着した、かなり硬めの公用語だと捉えておくと、日常会話で出番が少ない理由も腑に落ちます。

付議の類義語と対義語は?

付議の近い言い換え(類義語)と、反対方向のイメージ(対義語)を整理します。

付議の類義語・近い語

  • 上程:議題として正式に提出する(議会・会議で頻出)
  • 提案:案として差し出す(付議より広い)
  • 議題化:議題として扱う(平易で使いやすい)
  • 審議に付す:意味はほぼ同じ(説明として最適)

付議の対義語イメージ

  • 取り下げ:議題から外す
  • 保留:議題に上げず先送りする(文脈による)
  • 却下:議題として扱わない/採り上げない(制度・手続によりニュアンス差あり)

議会や行政手続では「却下」「不採択」「継続審査」など、制度ごとに用語の定義や効果が変わることがあります。正確な情報は公式サイトをご確認ください。最終的な判断は専門家にご相談ください。

付託とは?

次は付託です。付託は「任せる」系の言葉ですが、単なるお願いや相談ではなく、手続として“審査を委ねる”ニュアンスが核になります。

付託の意味を詳しく

付託(ふたく)とは、議案などを、所管の委員会などに回して詳しい審査を任せることです。議会文脈では「本会議で議題になった案件を、常任委員会・特別委員会へ付託する」という形で定着しています。

付議が「入口」なら、付託は「専門審査ルートに流す操作」。“審議”と“審査”の役割分担の中で、付託が位置づきます。

このあたりの「審議・審査」といった会議用語の整理は、違いの教科書でも別テーマで扱っているので、会議体の言葉全般をまとめて押さえたい方は参考になります。「討議」「協議」「審議」「決議」の違いと意味・使い方

付託を使うシチュエーションは?

付託が最も自然なのは、次のように「委員会や第三者機関に審査・検討を委ねる」局面です。

  • 議会で、議案を所管の常任委員会に付託する
  • 委員会で、付託された案件を審査し結論(報告)をまとめる
  • 公的機関で、専門部会・審査会に検討を付託する

ビジネス文書でも「〇〇部に付託する」と書けなくはありませんが、社内なら「検討を依頼する」「所管に回付する」「主管部署で精査する」などの方が読みやすい場合が多いです。

付託の言葉の由来は?

付託も漢字の組み合わせで意味が立ち上がります。

  • :引き渡す/付ける
  • :託す/任せる

つまり付託は「任せ渡す」。この“任せる”が強いので、付議と混同すると手続の意味が逆転しやすいのが注意点です。

付託の類語・同義語や対義語

付託は「委ねる」ニュアンスが核なので、類語は“任せる系”に寄ります。

付託の類語・同義語

  • 回付:担当部署・委員会へ回す(事務的で実務向き)
  • 委ねる:任せる(付託より一般語)
  • 委任:権限を任せる(法的ニュアンスが強まる場合あり)
  • 付する:付託より広い「付けて扱わせる」表現

付託の対義語イメージ

  • 自ら審査する:委員会に回さず自部署・本会議で処理する
  • 留保する:付託せず保留する
  • 取り戻す:任せた案件を引き上げる(文脈依存)

「委任」「委託」「付託」は場面によって法的効果や権限移転の強さが変わり得ます。契約・条例・規程などに関わる場合は、正確な情報は公式サイトをご確認ください。最終的な判断は専門家にご相談ください。

付議の正しい使い方を詳しく

ここからは実践編です。付議は硬い言葉だからこそ、例文で型を覚えるのが最短ルートです。

付議の例文5選

  • 本日の会議に、次の三件を付議いたします。
  • 当該議案は、本会議に付議されたのち質疑に入った。
  • 追加資料を踏まえ、改めて本件を付議することとした。
  • 付議事件として扱うため、議題の整理を行う。
  • 議長は、提出された請願を付議した。

付議の言い換え可能なフレーズ

付議は日常・ビジネスでは硬すぎることがあるので、読み手に合わせて言い換えるのがコツです。

  • 議題に上げる(最も平易)
  • 会議にかける(口頭でも自然)
  • 上程する(議会・公式会議で相性が良い)
  • 審議の対象とする(説明として明確)

付議の正しい使い方のポイント

付議を正しく使うポイントは、「審議の対象にする」までが付議だと割り切ることです。

よくある混乱は、「委員会に回す=付議」と思ってしまうケース。でもそれは付託です。付議はあくまで会議体に上げる操作で、付託は“その後”に起こり得る別の操作だと覚えると一気に整理できます。

付議は「会議で扱う入口」/付託は「委員会で精査するルートに回す」

付議の間違いやすい表現

間違いやすいのは、次のような言い回しです。

  • 誤:委員会に付議する(意図が「委員会に回す」なら付託・回付が自然)
  • 誤:付議=決定した(付議は決定ではなく“議題化”)
  • 誤:付議と上程を完全に同義扱い(制度・文書の流儀によって使い分けることがある)

特に公的文書では、組織ごとの用語運用があるので、過去の議事録や規程に合わせるのが安全です。

付託を正しく使うために

付託は「任せる」言葉ですが、任せ方の粒度がポイントです。誰に、何を、どこまで任せるのかを曖昧にしない表現が求められます。

付託の例文5選

  • 本議案は、総務委員会に付託されました。
  • 付託を受けた委員会は、関係部局から説明を聴取した。
  • 本件は所管委員会に付託し、詳細な審査を行う。
  • 付託された請願について、委員会としての意見をまとめる。
  • 委員会審査の結果を踏まえ、本会議で採決する。

付託を言い換えてみると

付託は文章を硬くしやすいので、読み手に合わせて次の言い換えが有効です。

  • 委員会に回す(口頭でも分かりやすい)
  • 所管に回付する(事務文書向き)
  • 専門部署に検討を依頼する(ビジネス向き)
  • 審査を委ねる(意味を崩さず平易)

付託を正しく使う方法

付託のコツは、「付託先」と「付託の目的」をセットで書くことです。

  • 付託先:どの委員会/どの部会/どの部署か
  • 目的:詳細審査/専門的検討/意見集約など

例えば「〇〇委員会に付託し、詳細審査を行う」のように書けば、読み手は手続の流れを迷いません。逆に「付託する」だけだと、何をどうするのかがぼやけます。

議会文脈では、付託→委員会で審査→委員長報告→本会議で審議・採決、という流れで理解するとニュースも読みやすくなります。

付託の間違った使い方

よくある誤りは次の通りです。

  • 誤:付託=単なる相談(付託は手続として“任せる”ニュアンスが強い)
  • 誤:付託=議題化(議題化は付議)
  • 誤:付託先が曖昧(誰が審査するのかが不明になる)

契約・規程・条例などと絡む場合、言葉の選択が実務上の解釈に影響することもあります。迷う場合は、公式の定義や自組織の例規を確認し、必要なら専門家に相談するのが安全です。

まとめ:付議と付託の違いと意味・使い方の例文

最後に要点をまとめます。付議と付託は、似た“手続の言葉”ですが、段階が違います。

  • 付議:案件を会議の審議にのせる(議題化・入口)
  • 付託:案件を委員会などに回し、詳しい審査を任せる(専門審査ルート)

例文で覚えるなら、「本会議に付議する」「所管委員会に付託する」が基本の型。英語なら、付議は submit for deliberation / place on the agenda、付託は refer to a committee / commit to a committee が便利です。

ただし、議会・行政・社内規程など、制度や運用で言葉の扱いが微妙に違うことがあります。正確な情報は公式サイトをご確認ください。

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